おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

花粉症、上陸

 流行の波に乗るのは、昔から好きじゃなかった。

「猫も杓子も」やるものを、「皆がやっているから」という理由だけでやりたくはなかったし、流行リモノに飛びつく軽薄なやつ(その昔は『ミーハー』という言葉がありました※昭和の死語)と思われたくない、という妙なプライドもあった。

 しかしながら、インフルに続き、またしても流行に乗ってしまった。というか、巻き込まれてしまった。

 そう、もはや国民病ともなったアイツです。

 花粉症。

 

 今年はとりわけ飛散量が多いというニュースは耳にしていた。

 こないだからずっと鼻の奥がムズムズしているのもそのせいだと思っていたけど、一時的なものであって、(断じて花粉症ではない)と心の中で断固拒否していた。

 …が、ついに始まってしまいました。今を遡ること三日前。

 朝起きると、抑えきれないムズムズ感。そして、「ハークション! ハークション! ハークション!」と立て続けに漫画のようなくしゃみの発作。

 こりゃたまらん、とマスクを装着すると、とたんにマシになった。

 ということは、原因は空気、もとい空気に漂う何かの花粉でほぼ決まりではないか。

 

 周りに花粉症の人が多かったので、辛そうだな、と同情はしていたが、いざ自分がなってみると、予想以上にしんどかった。

 発症したその日、症状は目に見えて悪化していき、最初は絶えず鼻をすするくらいで済んでいたのが、徐々に滂沱の涙ならぬ滂沱の鼻水へ。あー鼻の穴に丸めたティッシュ詰めたい…と思いながらも必死で仕事をこなすこと数時間。

 あと1秒で「ハークション!」と盛大なくしゃみが出る、という、あの何とも言えない感じが10分ないし15分続くんですよね。うかつに喋れない。

 いっそ本当に「ハークション!」と出てしまえば、かえって気持ちいいんだけど、「今にも出そうで出ない」のが続くって、絶妙にしんどいですね。。。

 

 発症してしまえば、ほぼ一生のつきあいになるという花粉症。

 出来れば無縁のまま過ごしたかったが、罹患してしまったものは仕方ない。

 この上は認めて、きちんと対策を講じるべし、と考え直し、休日の今日はネットで色々と情報を漁っていました。

 

 平日は仕事をしていて、病院へ行くのがちょっと先になりそうなので、自分なりに出来るセルフケアを…と思ったのですが、要は、「コンディションを整える」ということなんですね。

 具体的には、

 

・きちんと睡眠をとり身体に疲れを溜めない

・アルコール・タバコ・カフェインなど身体に負担となるものの摂取を控える

・良質なたんぱく質・脂質・ビタミン類などバランスのよい食事を心がける

・添加物の多い食品は極力避ける

・腸内環境を良好に保つ

 

 等々、これって、どれをとっても目新しいものじゃないですよね。健康に関心の深い人なら誰しも見覚えのある項目ばかり。

 とはいえ、全て出来ているか?と自問し直すと、どれも60%~80%。100点満点じゃない。

 

 そっか、まずは、「自分で自分の健康を管理する」これだな。

 大人になると、健康によくないと分かっちゃいるけどやめられないという悪習慣がどうしても増えてしまう。

 ここに来て花粉症を発症したのも、

「ここらで自分の生活見直しとけや」

という神様からのお告げやもしれぬ。

 

 花粉症のベテランである友人に言わせると、

「タイミングから見てヒノキでは?」

とのことだが、いずれにせよ、医師の診断を受けるまでは自分で対処せねばならぬ。

「ピンチはチャンス」との言葉もある。

 自分の生活を洗い直し、なんとか備えたいと思います。

クランクイン!!(仮)

 やってしまいました……

 いや、もうそろそろだなーと思ってたので、ツイッターで見かけた1年前のこのツイを

 

 

 今年のだと勘違いしてしまったんですね。

 本家のツイを遡っても、該当のツイが見当たらなかったので、おかしーなー?と思いつつ、記事にしちゃいました。

 ワイン飲みながらいい気分で書いてたもので……

 お知らせはまだでしたね、すみません。

 訂正してお詫びします。

 

 で、土曜日のあの時間、公式砲来るか…!と眠い目をこすりつつ寝落ちを我慢して待ってたんですが、出ませんでした。

 同じ気持ちでお知らせを待っていた民の皆さまの呟きが沼のあちこちで上がっておりましたな。

「焦らしもキライじゃない」

というツイには笑いましたw

 

 

 以下、フライング記事の後半を再掲。

 この部分は間違ってないと思う。

 未来日記的な。笑

 

 

「クランクイン」っていい言葉ですよねえ…✨

 あの奇跡のドラマが世に出てから1年経って、映画のクランクイン…!

 我らが座長を始め、hk氏やまっしーや鋼太郎さん、だーりお、その他キャストの面々と、徳尾さん、貴島P、制作スタッフが一堂に会しているところを想像するだけで胸が熱くなるよ!

 今度の脚本はどんなんかなー。

 

 貴島Pと徳尾さんの再タッグ、もう信頼しかない。

 期待してまっせ!!

 

 さあこれからまた忙しくなるぞー。

 座長もキャストも雑誌に出まくるだろうし、公開が近づけば、番宣番組もチェックせねばならぬ。

 おっと、「武蔵の部屋」も再び動き出すに違いない。インスタも見逃さないよう注意しなくては。

 次の土曜日23:15に大きな公式砲の花火が上がるかもしれん。いや、きっとそうに違いない。

 何かな何かな。おっさんずラブドラマの蔵出し秘蔵画像かな。それとも、とれたてホヤホヤのフレッシュ画像かな!

 ドキがムネムネ。

 wktkが止まらないぜ…!!

 

 東京に住みたいと思ったことは一度もないんだけど、こういうときばかりは、(もしかするとどこかのタイミングでロケ隊に遭遇するかもしれない…)という超ラッキーなハプニングのチャンスがないのを残念に感じますね。都民の皆様、羨ましい。

 が、同じ空の下でおっさんずラブのキャスト&スタッフが映画を撮っている、と思うだけで、幸せな気分になれます。

 

 ああ、楽しいなー。

 生きててよかった。

 

 

 映画公開の暁には、キャスト諸氏には是非、舞台挨拶で各地を回っていただきたい。

 春田、牧、部長、蝶子さん、武川主任、マロ、ちず、まいまい、鉄平兄、どのキャストでもいい。

 まいまい&鉄平兄のカップルにつっこむマロ、という組み合わせでもいいし、鉄平&ちずの兄妹と蝶子さんでもいい。

 All OK! どんとこーい。

 

 さあ、民の皆さま!

 映画公開のその日まで、頑張って生きましょうね。

 そして出来れば、買わねばならない数々の雑誌や書籍やグッズ、DVD諸々に備えて、しっかり働きましょう!!

 

 春は苦手な私だけど、今年の春は心楽しく過ごせそうだ。

 わんだほーう!!

 

 

 

 

東日本大震災 8年

 今年もこの日がやって来ました。

 8年………、

 早いなあ。。

 何千年単位の地球の地殻活動からすると、一瞬にも満たない時間だけど、人間感覚からすると、「喉元過ぎる」のに十分な長さでもある。

 人間は忘れっぽい。

「忘却」は精巧な思考能力を持つ人類に許された偉大なシステムでもあるけど、忘れることで生きていけることもたくさんあるけど、それでもやっぱり、忘れてはいけないのだな。

 震災の記憶。

 

 あの当時、私は大阪にいて、ネットで地震のニュースを知った。「津波が来たらしい」というのも比較的すぐに知ったけれども、なにしろ生まれてからそれまで、大きな津波が来た記憶がない。どちらかと言うと、「すぐ警報が出る割に、大抵何事もなく過ぎる」現象としてしか捉えていなかったのだ。

 それは多分、私だけでなく、日本中の多くの人がそうだったのではないだろうか。もし自分がいる場所で津波警報が出たとしても、(まあ、そうは言ってもどうせ大したことないだろう)とタカをくくって、避難が遅れた可能性は十分ある。

 10mを超える津波が襲ってくることも、川を遡上して辺り一帯を容赦なくなぎ倒していくことも、何もかも平等に破壊しつくすことも、まったく予想も想像もできなかった。

 津波がどんなに恐ろしく、人の命を遠慮会釈なく奪っていく災害か、まるで分かっていなかったのだ。

 

 私が忘れられないのは、mixiで乱立していた掲示板だ。

 陸前高田市や、閖上や、色んな地方の掲示板が立って、行方が分からない親や子供や親せき、親しい友人の消息を問うていた。

 遠くに逃げて無事だった、という書き込みもあったけど、そんなのはごく稀で、大抵が「〇〇地区で遺体で見つかりました。ご協力ありがとうございました」と締めくくられていた。

 ネット上のSNSに親しむようになって随分になるけど、私の記憶の中では、これが一番悲しくて痛々しい掲示板だ。

 今でも思い出すと胸が潰れそうになる。

 

 災害は必ず来る。

 こちらが備えていようといまいと、そんなことはお構いなしに、何の前触れもなく、突然襲ってくる。

 いざそうなったとき、少しでも命を繋げるように、平時こそ準備しておかなければならない。

 

 ……と言いつつ、これがなかなかでね。。。

 防災備蓄を一度は準備し、ローテーションで常備しておいたものの、その後事情が変わって引っ越すこととなり、移動先での生活が落ち着かず…ということで、今現在うちの備えは万端とは言えない。

 やっぱり、日々の日常に追われていると、「いつ来るか分からない」災害に万全の備えをしておくという行為が難しかったりもする。

 

 3月11日は、何はなくともまず、震災で命を落とした大勢の方々に黙とうを捧げる日。

 次に、いざ災害に襲われたとき、自らを生かすためにどう備えるか、考える日にしている。

 

 防災備蓄、再び蓄えようと思います。

 まずはアマゾンで水をポチろう。

 そんで、缶詰とかフリーズドライ食品とか、非常食をこつこつ集めよう。

 今年も、地震・台風・洪水・パンデミック、何が襲ってくるか分からない。

 備えあれば憂い…「なし」とはいかずとも、少しでも減らしたいですね。

 頑張ろ。

カメラを止めるな! 

 観ましたー。

「この映画は二度始まる」

 のキャプション、後半ですっと腑に落ちました。

 

 

 いやー、ここんとこ、世間で評判のいい「話題作」、期待して見たのに(えええー…)とガッカリ…というパターンが多かったもんで、これも録画はしたものの、ちょっと警戒してたんですよね。

 アナ雪は、私は全然でした。アナにもエルサにもまったく共感できなかったし、仮にも一国を統べる王なら、娘はきちんと躾けようぜ…としか思えなかった。褒めるところ、歌しか思いつかない。女の子が喜ぶ映画なのは分かるんだけど。そもそもディズニーのキャラってなんであんな変な眉毛なんだろ? なんか企んでそうで、可愛いと思えない。「ここんとこ」と言うにはちょっと前の作品ですけどね。

 ついこないだは「LA・LA・LAND」。私はミュージカル映画が好きなので、これは大いに期待して見たんだけども、これもガッカリでしたな…なんだろうあのぐだぐだのストーリー。20分我慢して見たけどつまんなかったので諦めた。

 「メアリー・ポピンズ」も「サウンドオブミュージック」も、ストーリーがしっかりしていて面白いからこそ、歌やダンスが楽しめたのだ。歌とダンスが欠かすことのない重要な要素だとしても、ストーリーという骨組みがちゃんとしてないと、お話として楽しめない。

 まあ、何事も相性ですから、世間で評判がよくても、自分と感性が合うとは限らない。

 

 「カメラを止めるな!」は確かに、冒頭の第一部は、続けて見てると段々疲れてきますね。笑 女優さんずーっと叫びっぱなしだし、これも途中からぐだぐだだしさ。でも、番組が始まる前に「37分間の長回しの後までチャンネル変えちゃダメ!」とあれだけ言われていたので、(…堪えよう)と、私にしては頑張った。

 後、これは斎藤工くんが早い段階で評価していて、そのときから(そうか、彼がそういうならいい映画なのかも)と思っていたのだ。今ほど売れる前から、彼のブログ「斎藤工務店」は時々読んでいて、映画に対する感性は信頼していた。

 我慢して見てよかったです!

 

 冒頭の長回しシーンのぐだぐだにはすべて意味がある。それが第二部で明かされていくんだけど、伏線回収しました感がなく、ともかくスタッフ(というか演者)は必死で映画を撮ってるんだよね。その舞台裏をつぶさに密着してドキュメンタリーを見ている気分なんだけど、冒頭の部分がかちっとハマって、

「あー、そういうことかー!」

て膝を打つ思いになる。軽いアハ体験が何度も襲ってきて、段々と観ているこちらも高揚してくる。

 ラスト15分なんかもう、爆笑しながら見てました。クレーンね! 壊れたからね! そういうことね!

 屋上に描かれた不気味な五芒星の中央に立つ血みどろのヒロインを上から撮ったラストの構図、「なるほどーww」てなる。

 

 番組の始めに挨拶で出てきたメインキャストの皆さん、見終わった後にはすっかりおなじみの顔になっていて、番組の後に再び登場すると、

「みんな頑張った!! お疲れ様!!」

と拍手で労いの言葉をかけたくなった。

 いやいやいや、楽しい作品でした。

 ゾンビはてんこもり出てくるけど、確かにゾンビ映画じゃなかった。というか、見終わってあんなほのぼのした感情になるとは、予想もしなかったわ。笑

 

 まあでも、万人受けするかと言えば、そうではないかもしれん。第二部のネタバレ部分を見ても、全然アハ体験にならんかった…という人もいそう。

 映画やドラマの制作側に興味がある人、モノづくりが好きな人、クリエイター系の気質の人にはハマると思う。

 そういう方で、気になってるけどまだ観てないという方は是非。

 

 以上、ネタバレ一切なしの感想でした!

 面白い映画だった。ご馳走様。

 

トクサツガガガ最終回 スキナモノハスキ

 ああ、終わってしまった……

 仕方ない。どんなに面白いドラマでも、いつか必ず終わるのだ。

 面白ければ面白いほど、終わりが来るのが辛く切ない。

 

 そして思い出した。そうなんだよ、特撮って、ほぼ1年やるから、物語が佳境に入ると、ああ、終わりが近づいてるな…という気にもさせられるんだった。

 任侠さんが言う通り、ひとつのシリーズが終われば、そのキャラのグッズはぐっと減る。雑誌で特集されることもなくなり、早くも新しいシリーズの宣伝が始まる。

 だからして、「推しは推せるときに推せ」というヲタ界の格言が尊ばれるのだ。

 

 かのを密かに慕う後輩メガネ君、最後までモブキャラだったけど、このドラマではそのポジションでよかったのではないでしょうか。

 これはヲタの物語。社会で嗜好を隠し、孤独に生きているヲタたちが、仲間を得て、趣味を捨てることなく自分たちの生き方を模索していくストーリーだ。

 彼氏<<友達の図式がよかったですね。吉田さんとの誤解も解けて何より。吉田さんは所詮ヲタ、思考もまったくヲタのそれでした。かのちんに言いたかったメッセージが

「私の彼氏、次のシリーズのキャラに似てません!?」

だとは。

 ヲタ魂、あっぱれ。

 思えば吉田さんが子供嫌いっぽいことは、ダミアンとの初対面から示されていたもんね。視聴者としては、ダミアンはかのちんの可愛いヲタ友達だけど、子供嫌いの人からしたら確かにもっとも苦手なタイプかもしれん。

 くじけるな、ダミアン…!

 

 何気に北代さんがかのちんのよい相談相手になっているのも微笑ましい。

 吉田さんからの電話にビビって出られないかのちんを、北代さんが呼び出して、三者対面が実現する。

 お互いに「友達」と思い合っていたことが分かり、「両想い…♡」てなって頬を染め合う仲村さんと吉田さん。ピュアの塊かよ…!

 吉田さんに

「あ、北代さんも友達ですよ♡」

と言われて

「ついでみたいに言わないでくれる」

と冷静にツッコむ北代さん、ナイスなキャラでした。

 北代さんとみやびさんの友情も長く続いていくといいなあ。

 そんでまた、4人でヲタ旅行とかして欲しい。

 

 今やヲタとして立派な自覚があり、ヲタ生活を捨てるつもりはさらさらなさげなかのちんだけど、実はヲタを捨てた過去があったのですね。かの自身が「出戻り」であったのだな。

 エマージェイソンのVHS視聴をきっかけに、(やっぱり好きなものは好き…!)と熱い思いを取り戻した自分の過去を回想する場面は感動的でした。

 人がどう思うとか、年齢がどうとか、男だからとか女だからとか、そんなのぜーんぶ関係ない。

 心がときめくもの、理由が分からないけど胸が熱くなるもの。それは、その人にとって絶対に必要なものを本能が察知した証だ。

 そして、誰もがそういう対象に出逢えるわけではないのだ。一生出逢わないままの人だって大勢いる。

 出逢ったなら、それ自体が奇跡。

 捨ててはいけない。

 

 昔、某アイドルグループの追っかけをやるレベルのヲタの人たちについて、私にも偏見があった。「キモヲタ」と呼ばれるのも仕方ない、自分とは相容れない存在だと思っていた。

 その後、魂のど真ん中を撃ちぬかれる出逢いがあって、私の中のヲタ心が目覚めたあとは、(私と彼らとの間に何の違いがあろうか…! 追っかけずにいられないほど好きな対象があるって素晴らしいことだ)と180度考えを改めた。

 今でもそれは変わっていない。

 ただまあ、もちろん「越えてはいけない一線」というものはある。犯罪は言語道断だし、周りの人に迷惑をかけるのもNG。「迷惑をかける」というのは、「見ているだけで気まずい思いにさせる」行為も含む。

 TPOをわきまえずコスプレしたり、電車で堂々とエロめのヲタ同人誌読んだり、といった行為は厳に慎んでいきたいものです。

 

 お母ちゃんとの関係にも歩み寄りが見られて、よかった。

 そもそも、家族だって考えが1人1人違うんだし、2人いれば必ず軋轢が生じるものなのだ。だから、ケンカに慣れておく方がよかったと思う。

 ケンカ慣れしてないと、ネガティブな感情の表出を自分でコントロールできず、相手を攻撃しすぎてしまうキライがあるからだ。

「アンタのことがキライだからだよ!!」

はちーと言い過ぎだったんじゃないかね、かのちん。もちろん、やり過ぎたのはお母ちゃんの方だけどね。

 「キライ」という言葉は、攻撃力が強い分、発した本人をも傷つける。

 内心で強く思っていても、積年の恨みがこもっていようとも、口にするときは、よくよく考えてからにした方がいい。

 

「もう関わらんとって!」

とお母ちゃんに言い放ってしまったかのちん。自ら実家に赴くのは相当勇気がいる行為だっただろう。

 でも、お母ちゃんと向き合うために、実家に戻ったかのちん。

 偉い。偉いぞ…!

 

 お母ちゃんの好きそうな、ピンクのうさぎのぬいぐるみをお土産に差し出すかのちん。

 かのちんの精一杯のメッセージがこめられたグッズ。

「私はこういう可愛いものが好みじゃないけど、お母ちゃんが好きなものを否定する気はないよ」

「だから私のことも否定しないでね」

というメッセージ、お母ちゃんに伝わっただろうか。

 伝わっていると信じたいな。

 

 かのちゃん、これからも、心の中のヒーローたちに励まされながら、ヲタとして邁進していきそうだ。

 「非実在甥っ子作戦」でもってちびっこ雑誌「テレビきっず」を堂々とレジに持っていくかのちん。

 店員さんが宮内洋でビックリしたよね!笑 いや、貫禄ありすぎやろ!

 途中、スーアク界の神様岡元次郎さんもちらっとカメオ出演してたりして、随所に遊び心の見受けられる演出でした。

 

 いやー、面白いドラマでした。

 制作スタッフの皆さん、キャストの皆さん、ありがとう!!

 ご馳走様でした。

 合掌!

 

 

 

 

12人の死にたい子供たち

 私の一番の趣味は子供の頃から読書だった。

「趣味は?」

と聞かれて、特にこれと言ってないけど…まあ読書とでもしておくかな、という温度感の「趣味:読書」ではない。

 物心ついたときには、毎週日曜日の図書館通いが習慣だった。いろーんな本を夢中で読み漁ったものです。受験生のときも本を読むペースは衰えなかった。

 いわゆる「本の虫」というやつですね。ともかく字を読んでいるのが幸せな人種。

 ですが、今同じように本の虫かと問われれば、そうとは言えない。10年前と比べると、1か月に読む本の冊数はめっきり減った。

 だから「読書だった」と過去形。

 

 それが、眠っていた本の虫が久々に起きたのだった。

 冲方丁「12人の死にたい子供たち」を読んだせい。

 映画化のニュースでタイトルは知っていた。バトル・ロワイヤルとかそっち系かな、と漠然と思っていた。特に読んでみる予定はなかった。

 ひょんなことから手に入ったのだけど、著者が冲方丁と知って、(これは、読まねば)と言う気になった。

天地明察」が非常に面白く、私にとってはお気に入りの作家だったからだ。

 少々グロい描写があったとしても、きっと面白いだろうと信頼して手に取った。

 

 今日の昼から読み始めて、さっき読了。

 結論。

 

 めちゃめちゃ面白かった!!!

 

 なにこれ久々のヒット!!!

 

 布団の中で(布団にくるまってミノムシみたいになって読んでた)「きゃ~~~」とジタバタしたくらい面白かった!

 

 元々ミステリが好きなんです。エラリー・クイーンとかコナン・ドイルとかルブランとか乱歩とか正史とか、割となんでもイケる口。でもやっぱり、一番はアガサ・クリスティかな。人間の心理を鋭く突いた問題作は他の追随を許さない。「オリエント急行殺人事件」は何度読んでも面白い。

 CIAとかFBIとか絡んでくるスパイものも好きなんだけど、前深夜やってた「レッド・オクトーバーを追え!」の映画もよかったですね。何がいいかって、潜水艦という密室に閉ざされた中、主人公ライアンがひたすら知力を絞り、見事な推理力でソ連の原潜の真の目的を当て、的確な判断力で不可能と思われたミッションを完遂するところだ。

 映画の感想には「舞台がずーっと潜水艦の中で、動きがなくてつまらなかった」というものもあったけど、いやいや、この作品の味わいはそこなんですよ。密室での頭脳戦が外の世界の現実を変えていくところがスリリングなのだ。

 安楽椅子探偵ものが好きな人には楽しめると思う。

 

 本作もそう。舞台は、誰もいなくなったかつての病院。登場人物は全員そこへ入っていった後、ラストまで一歩も出ない。

 生命が生まれる場所だった産婦人科の病院に、安楽死するという目的を抱いて子供たちが次々と集まるというのも、なんともスパイスが効いている。

 死にたい子供をサイトで募り、サイト管理者が「集い」に参加するのを許可したのは12人。

 ところが、いざ集まってみると、13人目がいた。しかも、いち早く目的を決行してしまったようで、用意されたベッドの上に冷たい身体を横たえている。

 13人目は誰か、どうやって来たのか、招かれざる客なのか許可された参加者なのか。集まった子供たちは一様に動揺し、「決行」の前に話し合いを行うことになる。

 

(そうか、それで12人か!)とこの辺で得心したのは、映画史上に輝く名作「12人の怒れる男」を思い出したからだ。タイトルで気づくべきでしたね。

 予定外の13人目がいるのは、別ジャンルの名作「11人いる!」を彷彿とさせるけれども、今作では13人目は話し合いに加わることはないので、議論は12人で行われることになる。

 

12人の怒れる男」は、真っ向から対立する意見を、根気強く議論を重ねて、難しい裁判の評決をどうするか皆で考えていく、優れたリーガル・ドラマだ。

 地味で地道な話し合いによって、陪審員1人1人の意見が揺らぎ、最初疑義のさしはさみようがないと思われた「真実」もまた、刻々と姿を変えていく。その過程がスリリングで、手に汗を握る心理ミステリともなっている。

 ラストのどんでん返しと、全員が納得する評決がもたらす爽快感はなんとも言えない。

 

 そのオマージュともいうべき本作も、骨太でしっかりした構成で成り立った、良質のミステリと言える。

 14歳から18歳くらいかな? 登場人物は皆少年少女なんだけど、丁々発止のやり取りは素晴らしく読みごたえがある。

 12人という人数がいいよね。人間のパターンのサンプル数としてちょうどいいと思う。

 頭脳明晰だけれど共感力に薄く、議論を先導しているようで支配しきれていない者。

 観察力に長け、議論を導き、真実にたどり着く能力をいかんなく発揮する者。

 自分が矢面に立たないよう、誰にひよるのかを常に探り、スケープゴートを見定めたら容赦なく攻撃を加える者。

 息を潜めてひたすら空気と化し、ただただ時間が過ぎていくのを待つ者。

 こうした個性を持つ12人が、ひたすら話し合い、都度決を取り、議論の末、思ってもみなかった方向へ進んでいく。

 13人目の謎が解かれていくのと同時に、それぞれが抱える事情も少しずつ明かされる。

 

 結末が見えてきて、ああ、この結論を選んだのか、と納得した次にくるどんでん返しのタイミングのうまさよ…!

(くーっ、そう来たか!)

 と、予想外の方向から弾が飛んできて、私は完全に撃ちぬかれました。

 でもいいんです。この弾は被弾して構わない。

(や ら れ た ー!!)

 これこれ、この感じ。これこそがミステリを読む醍醐味。

 

 ミステリが好きな人、特に密室の頭脳戦を好む人にはおススメですよ。

 自殺なんてとんでもない! もってのほかだ!という考えをお持ちの方には、合わないかもしれません。勿論、現実には、私は否定派です。だけども、その願望を持つこと自体がいけないことであり、許容できないとまでは思わない。そこに至るまでの過程があっての目的なわけだから。

 だから、最初は、ここに集まった12人が、等しく抱いていた目的を無事完遂出来るといいなあ、と応援する気持ちで読んでました。

 その読み方で、差支えなかったです。

 

 いやー、冲方丁、読んでハズレなしだわ。近年珍しく一気読みしちゃった。

 ここまで読んで、ストーリーはなんのこっちゃ分からんと思いますが、(なんか面白そうかも?)と思ってもらえたら、是非!! 手に取ってみてください!!

 映画作品はどうだか分からないけど、小説は★5つで!

トクサツガガガ第6話 ハハノキモチ

 見ました。

 6話でずーんと来るやつ、知ってる。超覚えある。

 最終回前にどーんと下げて「ど、どうなる最終回!?」てやるの、ドラマの定番だって分かってても、まんまとやられちゃいますね。。。

 それだけ心が持っていかれている証拠。

 

 このお母ちゃんが娘の立場からするとホンマクソすぎてもう……

 でまた、松下由樹がうまいんだよなあ。「めっちゃ迷惑だけど悪人じゃない」ていうギリギリのライン。ちょっとふくよかになられましたが、それがまた大阪弁(ていうか泉州言葉?)とマッチして、いかにもなTHE・大阪のおばちゃん。

 確かに、ぐいぐい来るのが大阪のおばちゃんのよさであり持ち味でもあるけど、成人した娘の部屋に勝手に上がり込むのはいただけない。

 まして、大事にしていると分かっていながら、棚に飾ってあったシシレオーフィギュアを勝手に持ち出して、あまつさえかのの目の前でぶっ壊すなんてなあ。

 リアタイした後、続けて録画を二度見たけど、腹が立ちすぎて、思わずマジでツイートしてしまった。

 

 かのちゃん、特ヲタだけどさ、お母ちゃんにとって、決して悪い娘じゃないと思うんだよ。迷惑と感じながらも、お母ちゃんが買った服着て、ちゃんとおもてなししようと努力してたじゃないか。

 かの目線で見ると、そのかのちゃんの努力を何も理解しない上、「女の子で、しかも今はいい年なのにいまだに特撮を好き」というだけでバッサリ否定するお母ちゃん、悪でしかない。

 

 任侠さんちの母ちゃんくらい、「最初は正直引いたけど、まあしょうがないか」くらいのノリで接してくれたらよかったのにね。

 任侠さんママは、「私の感覚とは違うけど、息子は息子で別人格だから」というわきまえがあるような気がする。

 かのママには残念ながらそれがない。自分と娘が違う人格だということが分かってない。

 子離れ出来てない典型的なバカ親思考。

 

 でもね、お母ちゃん世代の女性のこのタイプ、多くは世間がかけた呪縛に捉われたままなんだと思う。

 昭和の昔、女性にはそれはそれは多くの呪縛があったんですよ。シングルでかのちゃんと兄ちゃんを育てたお母ちゃんもきっと、色々闘いながら生きてきた人なんだろう。

 ただ、だからと言って、自分のルサンチマンの産物を娘に押しつけていい理由にはならない。

 

 目の前で大事なシシレオーのフィギュアをぶっ壊されたかのちゃんが遂にキレて、

「じゃかましいわ! このクソババア!」

と見事な啖呵を切る場面、胸がすーっとしましたね!

「親に向かって…」

と言いかけるお母ちゃんを制して

「親じゃない」

と言い切ったかのちゃん。

 そう、子供を理解しようとしない、子供の価値観を否定する、自分の思う通りに歩かせようとする……これって、どんなに善意から発せられた行為であっても、ただの暴力だからね。自分が産んだ子供と言えど、成長すれば自分とは別の人間。思う通りになんていくわけがない。

 そこを分からずに、無理くり押し通そうとすれば、こうした明確な拒絶が待っているんですよ。

 当たり前の自業自得。

 

 ……とは言え、親子にとって、これは辛い決裂だ。

 今回は、かののピンチに決まって現れるエマージェイソンも登場しませんでしたね。最後までシリアスなままのラストでした。

 それだけ、かのちゃんの心が余裕をなくしていたということなんでしょう。

 

 「毒親」という言葉が知られるようになった今でも、「ええー、でも、親子なんだからさあ」とか簡単に言う人がいる。でも、親と子って、そう単純なものじゃない。永遠に分かり合えない親子なんてごまんといるし、子供を傷つけて平気な親、むしろ子供をサンドバッグにするのが趣味の親だって、残念ながら存在するのはニュースが示す通りだ。そんな親からは全力で逃げるしかない。

 だけど、このお母ちゃん、「毒親」とまでは言えないんだよな。やり方が超間違ってるけど、かののことを思っているのは間違いない。

 歩み寄りの余地があるなら、もう少し探ってみてもいいかもしれない…という微妙なところ。

 それも含めて、次回どうなるか、ドキドキしますね。

 

 ところで竹内まなぶ演じる任侠さん、いい味出してますね。コワモテだけど心優しいラブキュートヲタク、ぴったり。

 ダミアンも吉田さんも北代さんも、全員演技巧者だから、ドラマの世界に没入できる。

 今回ゲストで登場したシシレオーの演者似の営業さんも、なかなかのインパクトでした。笑

 こないだからちょいちょい出てくる「トゥクン……」が、今回特撮バージョンで

「トゥクン…ッ!!」

と力強くて、めっちゃ笑った。

 にしてもかのちん、いくら大地くんに似てるからって、

「…吠えてもらってもいいですか?」

はないだろうよ。

 イケメン営業くん、よく承知したな!笑

 

 お母ちゃんとかのちんの和解は成立するのか。

 彼氏と一緒のところを見られて逃げるように去っていった吉田さんとの友情はどうなるのか。

 北代さん始め、せっかく出来たヲタ友との交流はどうなっていくのか。

 最後まで今ひとつ存在感がなかった後輩メガネくんはモブキャラのままなのか。

 

 最終回、見逃せません!

 リアタイで正座待機します!