おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

きのう何食べた?9話 具沢山ナポリタン

 ナポリタン、私も好きで、休日ランチなんかによく作る。

 炒めたケチャップって美味しいですよねー。いい具合に旨味が出て。

 録画したやつを見て、シロさんがじゅうじゅう炒めてるシーンで自分も食べたくなって、作りました。

 

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 シロさんとはちょっと作り方が違います。

 私のは、ニンニクは入れないし、ベーコンじゃなくてウインナーを使う。油は引かず、テフロンのフライパンに切った材料をぶっこんで火をつけるところからスタート。(隣のコンロでパスタを茹でる水を沸かし始めるとタイミングが合います)

フライパンを振るうち、ウインナーの脂が馴染んでくる。そこにちょっとだけ塩コショウをまぶして蓋をし、弱火にして数分放置。

 野菜がやわらかくなったころにケチャップを投入。ぐつぐつ煮立ったら、パスタの煮汁を少し回しかけて、さらに煮詰める。煮詰めて酸味を飛ばすと、ケチャップの旨味が出るから。

 タイミングを見計らって、茹でたパスタを加えてひと混ぜし、全体を絡ませて出来上がり。

 ナポリタンって、大雑把に作っても大体美味しく仕上がるのが偉大な料理だ。

 昭和の料理と埋もれてしまわず、復刻してくれて本当によかった。

 

 

 友達の結婚披露宴で、参加していた独身女性からモテまくるシロさん。

 どれだけ参加人数が多くとも、西島秀俊のルックスが混じっていれば、そらモテますわな、と納得。

 にしても、ウンカのごとく群がるおば…もとい、お姉さま方のアプローチはさぞ鬱陶しかろうとお察しする。

 この辺は性嗜好に関わらず、鬱陶しい人には鬱陶しいとしか感じられない事案であろう。

 シロさん個人に好意を持ったというのならまだしも、「ルックスのいい独身男性」という「条件」で判断されてるだけだしね。

 

 自分好みに作って食べるナポリタンは美味い。

 でもシロさんにとっては、やいのやいの言い合いしながらも、ケンジと囲む食卓の方が大切なものになっていた、という第9話。

 この回の後半で披露されるカブ葉ときのことツナのパスタ、美味しい美味しいと言いながら食べるケンジを見るシロさんの顔。

 これね。これなんですよ。

 普段ツンデレな人がふっとこぼす愛に溢れた笑み。

 ケンちゃん……愛されてるネ!!

 

 まあでも、その後、(あ、思い出した。忘れないうちに)とばかり、

「はい、コレ」

と指輪のケースを差し出すシロさん、マジデリカシーでしたけどね。

 ウンカよけ対策とは言え、お揃いの指輪買うことをケンジに提案したのはGJ!だったけど、その後もさあ。

「お前、1人で行って好きなやつ買ってこい」

 って、それはあかんと思うわ。

 私自身はケンちゃんの1/10も乙女成分がないから、ドライなシロさん寄りだけど、3年もつきあってればケンちゃんの好みそうなことは分かるじゃん。

 それにそういうお店の店員さんって、それはもう色んなタイプのカップルを見ているだろうから、別に心配することはないのでは…と思いながら見ていたら、案の定でしたね。

 

 ともあれ、シロさんは結界の印を手に入れ、ケンちゃんは愛する人から指輪のプレゼントを受け取って、ハッピーな回でした。

 私は原作コミックを実は4巻までしか持っていないので、この先の展開を知らないんだけど、今後ますます愛が深まりそうな予感。

 そして、「結婚」という制度で守られているはずの店長より、なんの保障も後ろ盾もないからこそ関係の維持に努力が必要なケンジ&シロさんカップルの方が堅固な絆を築いている描写も、なかなか考えさせられました。

 春田じゃないけど、

「愛って、なんなんでしょうね…」

ですわ。

 マジな話。

 

 

 

おっさんずラブ第二話④ 牧の憂鬱

 夜の天空不動産営業部。

 1人残った牧が、一点を見つめて考え込んでいる。

 スマホが鳴って慌てて確認するも、それは待ち望んでいたメールではなく、単なるスパム。

 まあこのタイミングで、「三億円受け取ってもらえませんか?」とか言われてもね。スマホを投げつけなかった牧くん、エライ。

 この後、スマホ画面を触って何か操作してるけど、シナリオブックを見ると、自分が送ったメッセージに既読がついているかどうかを確認していたんですね。でも未読のまま。

 思わずため息をついたとき、バタバタと足音がして、舞香さんが駆け込んでくる。



「あら、牧くん! まだいたの?」

 そそくさとスマホを内ポケットにしまいこむ牧。

「どうしたんですか?」

スマホの充電器忘れちゃって! 歳取るとダメね~、すぐ色んなところに忘れちゃう」

 デスクにあったペンを取って、今まで仕事していた風を装いながら、

「まだお仕事?」

「…ああ、こんな時間か。そろそろ帰ります」

 不自然でなく、帰り支度を始めようとするも、舞香ねえさんにはお見通しだった。

「ちょっと、何!? 暗い顔しちゃって! もしかして、恋の悩み?」

「グイグイ来るなあ…」

「だって今、誰かの返信待ってたでしょ」

 ズバリと言い当てられてしまう。

「やだ、何、本社の子?」

 追及の手を緩めない舞香さんに向かって、

「いや、その…」

と一瞬言いよどんだものの、

「――好きになっちゃいけない人を、好きになってしまったって言うか…」

 ぽろりと本音をこぼしてしまう牧。



 人を好きになることは素晴らしいことだけど、好きという感情は厄介だ。これほど自分の思い通りにならない感情もない。

 この人を好きにならない方がいい、好きになっちゃいけないと思っても、いや思えば思うほど、恋はどんどん育っていく。

 そんな思いを持て余している時期だったのかな、このときの牧くん。

 事情を何にも知らない人に、閉じ込めていた想いをつい吐露してしまう気持ち、痛いほどよく分かる。



「好きになっちゃいけない人」と聞いて、

「不倫!?」

と反応する舞香さん。

「いや、違います」

「不倫、ダメ! 絶対!!」

「だから、そんなんじゃないんですけど……最初から可能性のない恋ってあるじゃないですか」

 うん、それな。ゲイがノンケに惚れて辛いのは、そこんところよ。

 だから多分、春田を好きにならないよう、セーブしてたと思うんだよね。

 でも、好きになってしまった。

 

 ちなみに、

「そうね。私は全部それ」

という舞香さんの自分語り、牧くんも聞いちゃいねえなと思ってたけど、中の人も「無視です」と言ってて笑いました。

 

 

「なのに――止められない自分が、イヤになるって言うか…」

 そう言いながら、牧は笑みを浮かべる。

 自分の悩みを人に話すとき、笑いにまぶそうとする人は多い。そんなに大したことではないよ、笑える話でしょ、と相手に重さを背負わせまいとする気遣いと、自分に言い聞かせるはたらきと、両方だと思う。

 でも、牧の大きな眼は、心を映して伏せられがちだ。



 聞いていた舞香の脳裏に、今日武川さんと受けた春田の相談の内容がよぎる。

「今まで意識してなかった相手から、突然キスされて」

「男同士なんですよ」

(チーン!!)と、繋がったわけですね。舞香さん。

「チーン!」て実際口で言っちゃうところがアレだけど。



「じゃあ、お疲れ様です」

帰ろうとする牧を「牧くん」と呼び止める。

「好きになっちゃいけない人なんて、いないんじゃないかしら」

 

 うん、そうね。ホント、そうだと思う。

 誰かを好きになること、そのこと自体は、何も咎められるものではない。

 それにね、誰かを心から好きになれるって、人生でそう何度も起こるイベントじゃないからね。人を好きになる気持ち、大事にした方がいいと思うし、存分に味わったらいい、というのは、人生〇十年生きてきて思えることですね。若いときには分からないことだけど。

 舞香さん、いいこと言うぜ。



 しかし、

「押してうまくいかないなら、引けばいいじゃない」

 このアドバイスの辺から、若干雲行きが怪しくなってますね。笑

「そうですね…はい。ありがとうございます」

 礼儀正しい牧くん、そつなく返してるけど、このアドバイスを一体どう受け取ったのか。 牧が去ったあとの

「なーんつってw」

というセルフツッコミ、イイですね!

 牧の言う「好きになっちゃいけない相手」が春田だとアタリをつけた舞香さん、同性相手であっても、好きになったっていいじゃない!と言ってあげたくなった気持ちは本当だと思う。

 でも、「押してうまくいかないなら…」と激励の台詞を言ったあと、

(わー、なんかいっちょ前に恋愛のアドバイスしちゃってるあたし! この年で独身のくせに!)

と可笑しくなったんじゃないかな、と推察する。

(大体、ちょこっと聞いただけで、牧くんの相手が本当に春田くんかどうかも分かんないしね!)

てなって、

「なーんつってw」

になったのではないかな、と。

 親切だけどテキトーなおばちゃん感が出てて、イイと思います。



 牧くんのせつなさがひしひしと伝わる2話、おっさんずラブの各話の中でも好きな回です。一番よく見返してるかも。

 なんかね、恋の始まりの、がーっとボルテージがあがっていく感じとか、抑えようとして抑えきれない想いがこぼれてしまうところとか、牧くんに共感してときめくポイントがいっぱいあるんですよね。

 もちろん、どの回もそれぞれ見どころがあって、一番は選べないんですけどもね。

祝🌸春田創一さんお誕生日&日刊スポーツドラマGP4冠!!

 令和明けてからOL沼界隈ではめでたいニュースが相次いでおります!

 

 1日過ぎちゃいましたが、春田創一さんお誕生日おめでとうございました!

 おっさんずラブの時間軸的に、えーと今年は春田と牧はまだ別れたままだから…と色々考えてややこしいですけど、とりあえず春田ママと、実質的親になる徳尾さん&貴島Pに満腔の感謝を捧げたい。

 今年はアレだけど、今後牧とのラブラブな誕生日が待っているから、それまで頑張れ!はるたん。

 

 さて今日はTLがこのニュースで沸いておりました。

 

 

 座長が主演男優賞に加えて、牧くんに命を吹き込んでくれた林遣都くんが助演男優賞、そしてキーパーソンの1人となったちずを好演しただーりおが助演女優賞

 これに作品賞を合わせて4冠!!

 改めまして、関係者の皆さま、おめでとうございます!!

 

 賞を取ることがすべてじゃないし、賞目的でやっているわけでもない。

 それは分かっているんだけど、やはりこうして評価してもらえることは、嬉しいことですね。

 

 特に、kh氏のインタビュー記事がよかったです。

 トロフィーを手に満面の笑みを見せる表情も素敵ですが、もう一枚の写真がとても印象的でした。

 眼の綺麗な人だなあ…と。こういう感想、滅多に抱かないんですけどね。

 深い湖のように澄んだ瞳。

 

 熱帯雨林の雨季のごとく推し情報が降り注ぐKT沼と違って、割と常に渇きに喘ぐKH湖の住人の皆さんにとっても、慈雨となったニュースではなかったでしょうか。

 しかしまースタダさんは遣都くんを出さないね!

 箱入り息子か。

 

 黄金週間も終わる。皆様、有意義なお休みを過ごされたでしょうか。

 嬉しいニュースのおかげで、明日から元気にお仕事再開できそうです。

 

 圭モバ更新されてますね。座長も殊の外お喜びで、おめでたさも一入ではございますが、最後のイラストww 座長、やっぱり画伯でしたかww 薄々そんな気はしていたけれどもww

 部長は頭にトサカ乗っけてるし、ちずはほっぺたに忍者ハットリくんみたいなうずまき描かれちゃってるし、蝶子さんはラーメン好きな小池さんみたいになっちゃってるし、はるたの自画像(?)は「棒がいっぽんあったとさ」の可愛いコックさんみたい。唇にかろうじて面影がなきにしも……ある…か??

 そんな中、牧だけは目がくりっと可愛くて、一発で「あ、これ牧だ」って分かる。

 愛♡だね!!

 

腐女子、うっかりゲイに告る。

 どうでもいいけど、「こくる」と打って、ちゃんと「告る」と変換するのね。いまどきのパソコンは。

 へえー。

 と本当にどうでもいい感心はおいといて。

 

 このドラマも、評判がいいのは知っていた。マロ役の金子大地くんが主演だしね。

 しかし、最初は見るつもりがなかったのだ。

 なぜかと言うと、

 

・他にも見ている番組が少なからずある

・テレビ鑑賞にかける物理的な時間には限りがある

・同じ時期にあまり複数のドラマは鑑賞できない

 

 等の理由で、特に大きいのは三番目。「おっさんずラブ」の余韻が1年経過しても全然冷めやらぬ状態で、後から後から新しいドラマを視ても、「入らない」状態が容易に想像できたからだ。

 だがしかし、放送が始まってさらに、高評価の声があちこちから聞こえてくる。

 これまでにも、2話目3話目から視聴して(しまった…!)と地団駄踏んだことが何度もあったしな…と、試しに1話の再放送を見てみたのだった。

 案の定ハマりました。

 後悔はしていない。

 

 このドラマ、NHKらしい意欲作ですね。ゲイの少年が腐女子とつきあうんだけど、そうなると避けては通れない性の問題を、真っ向から描いている。

 安藤純くんと腐女子の三浦さん、めっちゃキュートなカップルなんですよね。お似合いだし、意気投合している感じの会話、どんどん近づいていく親密感なんかが、見ていて微笑ましい。

 しかしつきあいたての高校生カップルとなれば、おのずとたちはだかる次の関門がある。

 クラスメイトの男子が囃し立てる通り、

「いつ、どうやっていたすか」

 ですよ。

 

 実のところ、これは切実な問題だ。

 BLでお約束のパターンとして、

①親友だと思っていた男友達に告白された

②自分も相手に好意を持っているが恋かどうか分からない

 さてどうするか、というシチュエーションがある。

 それに対する明快な答えとして、「相手に性欲を感じるかどうか」が分かれ目であることにノンケ主人公が気づいて、まあ大抵チューされても触られても「気持ち悪くない…」てなって、なんやかんや色々ヤッてうまいこといくんですわ。BLってね。純くんの言う通り恋愛ファンタジーだから。ちなみに、「おっさんずラブ」2016年度版の終盤でハセにキスされた春田が「へ、へーきかも」というのも同じパターン。

 でもね、リアルだと、いざそういう行為に及ぼうとして「ゴメン、やっぱ無理」てなることも多いと思うんだ。

 だってそこは人間だもん。性的に興奮する対象って、自分でコントロールできないもんね。

 

 だから、「おっさんずラブ」ではそこら辺の問題は言及されなかったけど、春田と牧がうまくいったのは、

「春田が潜在的にバイあるいはゲイだった」

からだと思う。

 ちずの言う、「好きになるのに男も女も関係ない!」という名言は美しいけど、人間の恋愛はそれほど理想通りにはいかないことが多い。

 

 純が三浦さんを自分の家での勉強に誘ったのち、意を決してエロ動画で「予習」しようとする場面、可笑しいんだけど、(いやでもそうだよなー、大事なところだよ)と頷いてしまう。

 2つ並べた肉まんをモミモミしながら、「その時」を思い浮かべて、必死に盛り上げようとする純。しかし残念ながら、彼の「センサー」はピクリとも反応しないのであった。

 これ、男性ならではの悩みでもある。女子はまあ、身体の構造上、その気でなくともなんとかなっちゃうからなあ。

 男性諸君にとっては、「〇つか、〇たないか」は非常に大きな問題ですよね。

 

 おうちデートでいい雰囲気になり、三浦さんも受け入れ体勢OK!だったのに、「…純」と呼ばれたとたん、年上の彼氏のことが脳裏をよぎり、萎えてしまう。

 この場面、切なかったですね。

 

 同性を愛する性嗜好の持ち主でありながら、「世間に後ろ指を指されないごく普通の恋愛」も喉から手が出るほど欲しい純。

 家庭を持って、子供を持って、お母さんを安心させてあげたいという彼の望みは真面目で切実だ。

 三浦さんのことだって可愛く思っているし、好きなのに、身体は純の思うままにならない。

 自己矛盾に引き裂かれる純の苦悩。

 

 いっそ、もう三浦さんに自分がゲイだとカミングアウトした方が、三浦さんは喜ぶんじゃ?と言う気もするけど、どうなんだろう。

 今後もこのカップルの行く末を見守りたいと思います。

 

 にしても三浦さんの腐女子っぷり、「真性」ですね。。。

 私はBL作品はBLとして好んで読むけど、そうでない作品までキャラの関係性を妄想したりはしないし、非生物まですべて受けと攻めをあてがって考える嗜好に至っては、まったく理解が出来ない。

 〇んだらけのBLコーナーに行くと、少年コミックの二次創作は言うに及ばず、子供向けの〇ン〇ンマンまで薄い本が並んでいておののく。

 まあ、数字の0と1は(あ、なるほど…)てちょっと感心しちゃったけどさ。

 いやでも、嗜好は人それぞれなので、そこはいいんだけど、腐ってない普通の男子(と三浦さんは思っている)純くんにその妄想を垂れ流すのは如何なものかと。

 ヲタなのはいい。いいけど、人としての慎みは忘れちゃいけないと思います、ハイ。

 

 あ、あともうひとつ。

 1話で三浦さんが買ったBLコミックをぱら読みした純くん、「ファンタジーだな…」という感想を呟きますが、それはその通りなんだけど、それ言ったらAVだってハーレクインだってぜーんぶファンタジーですからね。

 性的な娯楽として提供されている作品は、ほぼ100%ファンタジーだと考えて差し支えない。

 そこんとこ、誤解なきよう。

 

 金子大地くんは、ゲイである自分のアイデンティティをどう確立すればいいのか悩み、模索する高校生安藤純を、繊細な演技で表現している。

 この演技の振り幅にも驚かされた。

 

 というわけで、質の高い、見るべきドラマでした。

 未見で迷われている方がいらしたら、是非ご視聴をおすすめします!

 

昆虫すごいぜ! ~6時間目:「アリ」~

 NHKの番組はさすが国営放送、予算にいとめをつけない(多分)だけあって、内容が濃厚で、視聴後「ええ番組見たなー」と満足感を得られるものが多い。

 中でもこの番組、スペシャルがあると欠かさず視聴するようにしている。

 私だけでなく、一部の大人たちの間で非常に人気があるようです。

 

 いやもう、香川照之が本気すぎてやな。

 毎回嬉し気に装着しているカマキリの着ぐるみがもうハンパない。伊達や酔狂で着れませんよアレ。

 と思っていたら、やはり香川さん自身で事細かに注文をつけて作っていたのだね。。。むべなるかな。

 要求を詰め込み過ぎて、お腹部分が膨れすぎちゃって、香川先生が好きな「オオカマキリ」ではなく「ハラビロカマキリ」のビジュアルに近くなってしまったそうな。

「カマキリのお腹はぺったんこが好きなの! 飢えてる感じがイイの!」

と熱弁をふるい、

「動きづらそうですもんね」

と拾ってくれたゲストの高田夏帆ちゃんに

「動きのこと言ってないんだよ(゚Д゚)ノ」

とかみつく。

 この番組においてカマキリ先生に「大人気(おとなげ)」というものを求めてはいけない。

 

 昆虫大好きなカマキリ先生が長年温めていた構想を実現した番組だけあって、番組冒頭から熱量がすごい。令和一発目の放送に並々ならぬ気合を見せつける。

 このロケ現場、どこかの梅林かな。遠ーーくからちょろちょろと木々の間を縫って駆けてきた先生、

「昆虫!! すごいぜ!!!」

とタイトルを叫んだ後、「ハイ!」とOKの声がかかると、

「…長ぇ…」

とゼイゼイ息を切らしながら木を離れる。笑

 大人気はないが、体力はオーバー50の年齢なりの先生であった。

 

 ところで、私も昆虫好きです。というか、一部をのぞいて生き物はほぼ全般好きと言っていいかもしれない。

 アリの大行列を見つけると、今でもつい立ち止まって、どこからどこまで続いているのか確認したくなってしまう。

 ずっと前、道端でしゃがみこんでアリの行列の観察してたら、通りすがりの親切な人に

「あの…大丈夫ですか?」

と心配をかけてしまった。以降、周りに人目があるかどうかよく確認することにしているけど、人気がない場所だと、心ゆくまで観察せずにはいられない。

 朝ミミズがのたくってると(この辺の土壌は豊かなんだな)と思うし、西日が強い場所だと(スズメバチの巣がないといいが)と心配になる。

 色んな生き物と密接に関わり合ってますからね、人の暮らしって。

 

 なので、地べたにしゃがみこんで生き生きと生きものに触れるカマキリ先生の心情は非常に共感できる。

 今回の「アリ」も面白かったです。

 そうなんですよ、すごいんですよねアリって。自分よりずっと重くて大きいものをせっせと運んでさあ。

 自分の後についてくる同胞のためにマーキングして、すれ違うときは触覚を触れ合わせて挨拶を交わしている姿もけなげ。

 子供の頃、ばあちゃんの畑仕事を手伝って、次の種を蒔く場所を耕していたとき、鍬がアリの巣を掘り返しちゃったことがあった。

 真っ黒なアリがわらわらと出てきて、「うわあーどうしよう」「大変だ!大変だ!」とパニックになっているらしい様子が面白くて、しばらくほけっと見惚れてしまった。

 で、お米より一回り小さいくらいの大きさの白い卵を一生懸命運ぶんですよ。その様子が必死で、いじらしくて、巣壊しちゃってごめんな…といたく恐縮したものの、

「ちょっと、早く耕さんね!」

とばあちゃんに怒られて、容赦なく畑を耕した遠い日の思ひ出。

 

 この番組、香川照之がただただ自分の趣味に突っ走って、「NHKだから」とか「子供番組だから」とか、そういう忖度を一切していなさげなのがよい。いや、実際は多少しているのかもしれんが、少なくとも一視聴者として番組を鑑賞する限り、そういう気配はまったく感じられない。

 番組冒頭でも大好きなオオカマキリの卵を見つけて大興奮。

「もうすぐだから。もうちょっとで出られるから」

と話しかけていて、見ている方は一瞬「?」てなるんだけど、これは卵の中でじっと春を待っている(と思われる)幼い無数のカマキリの命に呼び掛けているんだね。

 草むらでアリを見つけたときには、自分の手にのぼらせて、

「うわ、触覚を掃除してる!」

と大喜び。挙句、

「(人間なんてもんに触れたもんだから)汚いわね~しかもコレ、おじさんよ。50超えてるわよこの肌」

とアリにアテレコ。

 地面を這うアリを見つけようとしゃがみこんだものの

「何も見えないよ!」

と立ち上がって文句を言うカマキリ先生に、すかさず「老眼鏡」と「虫めがね」というマストアイテムを手渡すスタッフさんたち、心得ている。

 しかしヒートアップして「アレ持ってきて、アレ!」とホワイトボードを要求し、そこに教授よろしく板書しながら説明が始まると、長すぎて放送出来ないので、割と容赦なく早送り。笑

 この、カマキリ先生とスタッフとの温度差も随所に感じられて、この番組の面白さのひとつですね。

 

 生まれ育ったのがド田舎で、虫やミミズや色んな生き物に慣れ親しんで育った身としては、都会の子供たちが大抵虫嫌いで、それこそアリほどの大きさしかない羽虫にも大騒ぎして「イヤ~~」と逃げ回る風景をしばしば目にして、寂しい思いをしていた。

 カマキリ先生が力強く言う通り、アリ1匹も一つの命なんですよね。

 この番組を通じて、周りにあまり昆虫を見ない環境の都会っ子たちも、「昆虫、なんかいいかも」とちょっとでも感じてくれると嬉しい。

 

 虫たちは大量に生まれて大量に死んでいく。死ぬのも簡単だ。人間が指先で一ひねりしたらあっけなく命が終わる。

 そしておそらく、「何で生まれたんだろう」とか「オレ何してんだろ…」とか思い悩むことなく(そもそもそんな悠長に構えている時間がない)、産まれたからには一生懸命生きて、生をまっとうしていく。

 虫を見ていると、そんなことぐだぐだ考えるのなんて人間だけだわ、つーか贅沢だな…と思うようになった。

 

 とこのように、虫にはしゃいでいる無邪気なおじさんのエンターテインメントとしても楽しめるし、虫を通して人間の生き方を見直してみたりも出来る。

 NHKらしい、よい番組だと思います。

 

 ちなみに、家の中でうっかり甘いものを床に落としてアリに嗅ぎつけられ、行列を作られたら結構困ったことになる。行列が既に出来ているということは、アリの道が出来てしまっているということだから、しばらくはアリを退治しても床を拭いてもアリが来て困る…という経験をされた方も少なくないだろうと思います。

 そんなときは、洗剤が効きます。特にオレンジ系の臭いがするやつ。

 アレを薄めた洗剤液を作り、入って欲しくない箇所にまんべんなく塗ると、てきめんに来なくなる。

 お試しあれ。

 

 

 にしても香川さん、ドラマも出て、中車として歌舞伎の舞台にも出て、大忙しだと思うんだけど、よくこうやって昆虫を一日中ロケしたりするヒマがあるなあ…と感心する。

 いやもうホント、マジですげーわ。

 いっそのこと、

 

香川照之すごいぜ!」

 

でいいと思う。

 

 NHKの制作スタッフの皆さん、さぞかし大変だとお察し申し上げますが、是非今後もカマキリ先生について行ってあげていただきたい。

きのう何食べた? ※追記:苺ジャムとか

  「きのう何食べた?」1巻の第4話は、

 

「名残のいちごはジャムを作るラストチャンスである。」

 

 という冒頭から始まる。

 実にこの、「シーズン終わりを狙って安売りのいちごでジャムを作る」というのが、私自身の春の季節行事でもあって、このコミックを買って読んだとき、この4話冒頭で心を鷲掴みにされたのであった。

 

 いちごって、ちょっと特別な果物じゃないですか?

 ハウス栽培のおかげで、年中出回るようにはなったけど、でもやっぱり季節もの。スーパーの果物売り場、もしくは店頭に、いちごパックが大量に並べられるようになると、(あー今年も春が来たなー)と感じる。

 その年の天候によって、長く出回る年と、そうでもないときがある。

 そのうち安くなったらたくさん買ってジャムを作ろうと思っているうち、気がついたらどのスーパーからも忽然と姿を消している、なんてことも珍しくない。

 

 

 というわけで、今年も虎視眈々といちごが安くなるのを狙っていたのであった。

 先週、1パック250円だった。まだ安くない。安くないけど、今の仕事は帰りが遅くて、毎日スーパーに寄れるわけじゃない。さあ作るか!となったとき、肝心のいちごがどこにもない、という事態は十分考えられる。

 むー……と売り場で沈思黙考すること5分。

 意を決して買いました。

 

 こういう場合、この後いちごの値段をわざわざ確かめたりはしない。すごく安くなってて凹む…というストレスを避けるためだ。

 なんだけど、今回は仕方なかったんですよね。だって、入ってすぐの場所に大量のいちごパックが並べられてるんだもん。

 1パック198円でした。

 

(……先週より52円も安い……)

 ということは4パックで……とよせばいいのについ暗算してしまって、私にしては珍しく、その場で呆然と立ち尽くしてしまったのであった。

 

 今年は、暖かくなったかと思えばまた寒くなって、つまりは春が長かった。

 だから多分、いちごの季節も例年より長持ちなのかもしれない。

 今後いっそう安く売られる機会がまたあるだろう。

 それならそれで、また買えばいっか、こないだ作ったジャムはまことによい出来だったし…と考え直し、自分を慰めたのでした。

 そう、でも、小粒のゆめのかだったんだけど、レモンの追加が要らないくらい甘酸っぱくて、とろりと濃厚な美味しいジャムが出来たんですよね。

 

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 洗ってヘタを取り、水分をキッチンペーパーで丁寧に取り除く。

 砂糖にまぶして数時間おいておく。砂糖の量は適当だけど、ジャムはやはり保存食なので、甘いものをあまり好まない私も、割としっかり甘くします。

 精製白砂糖じゃなくきび砂糖を使用。

 浸透圧でしっかり水分が出たのち煮込みスタート。

 

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「ジャムを煮る」と言うと、なんとなく優しい女子っぽい作業のように聞こえるが、実際は

・どばっと砂糖を入れる

・躊躇いなく強火で煮る

ので、割と男性的な仕事だ。

 シロさんみたいにオサレなホーロー鍋で煮たいところだが、私はキャンプサイズの土鍋で一気に煮ました。

 短期決戦。

 

 いちごって、甘い香りで形もまるっこくて、可愛いんだけど、煮ると際限なくアクが出る。取っても取ってもアクが出る。

 なんか、リアルにいる女の子みたいだなー…と、いちごジャムのアク取りをしていると毎度思う。

 

 煮詰まると、綺麗なルビーレッドになる。

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 アクが残っていても、別に味はどうということはないので、好みの粘度になる手前で火を止める。

 熱いうちに保存ビンに入れて完成。

 

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 ヨーグルトに入れても、バニラアイスにかけても美味。

 シロさんみたいに、トーストにバターといちごジャム塗って食べたりもします。

 今度、このジャム使ってアイスクリーム作ってみよ。

 

 ちなみに、一緒に買ったわけありあまおうで果実酒も漬け込み中。

 シロさんはいちご酒は作らないのかしら。

 これも、真っ赤で香りのよい、華やかなお酒になります。

 ロックでも炭酸で割ってもOK。

  ホワイトリカーにいちごとレモンと氷砂糖をぶちこんで放っておくだけなので、ズボラな方にもおススメでございます。

 

きのう何食べた? 

 今季、もっとも楽しみにしていたのがこのドラマ。

きのう何食べた?

 よしながふみの原作コミック好きで、よく読んでいたからだ。

 ドラマ化の話は随分前から聞いていたような気がする。なんとなく、本当になんとなくだけど、このドラマはうまくいくんじゃないかなーと思っていた。

 多分、制作サイドの本気を感じ取っていたからだと思う。

 

 期待は違わなかった。

 面白いですね!

 もうさ、なんと言っても、ケンジがケンジなんですよ。キャスティングした人天才。

 ゲイであることを隠さない美容師ケンちゃんの、なんというか、絶妙な「それっぽさ」を、内野聖陽が見事に体現している。

 おネエじゃないんだよね。オカマっぽいわけでもない。男性なんだけど、どこかフェミニンな感じ。その匙加減がうまい。テレビ見てると、「わあー、ケンちゃん!」と唸らされる。

 シロさんが西島秀俊と分かったときには、んー、シロさんて見た目はもうちょっとクールビューティな感じかな?と私は思った。違和感とか、キャスティングに物申すとかではなく、あくまで私の中ではの話。西島さんて目が二重でくりっと可愛くて、どっちかと言うと仔犬系じゃん?

 いやでもこれが、シロさんの中身が外見に滲み出る、これまた見事なキャラ造形となっていた。ドライなようでそうでもなく、本人が思っている以上に人情に弱いし、仕事は出来るけど意外と要領が悪い。見た目とは逆に、ケンジよりシロさんの方が不器用で、人間関係においては結構失敗もやらかす。…という、愛すべきシロさんを、西島秀俊が好演している。

 

 主役はこのゲイカップルなんだけど、これはBLではない。恋愛ドラマでもない。

 ホームドラマなんですよね。

 出だしのテーマミュージックを聴いて、あーこの作り手はこの作品の肝をよく分かってるなー、と感心した。

 シロさんは弁護士という職業柄、そして隠れゲイという身分(?)からしても、身辺で色々とちょっとした事件が起こる。でもそれはお話のメインではない。

 いろーんなことがあっても、シロさんは定時に上がり、毎日ごはんを作る。そしてそれをケンジと食べる。極言すれば、それだけのドラマだ。

 でもそれがいいんですよ。

 それだからこそ癒される。

 

 よしながふみ作品には、美味しそうな料理が非常にしばしば登場する。作者本人が食べることが大好きで、美味しい店を発掘するのに情熱を傾けてもいるようだし(『愛がなくても食ってゆけます』他参照のこと)、このコミックでも紹介されているように、料理すること自体を愛している人種のようだ。

きのう何食べた?」でシロさんが料理するシーン、私はとても好きなんだけど、読んでるとホント、料理に対するスタンスが自分と重なるんですよね。

 

 毎日料理をする人は、仕事帰りにスーパーで食材を選んでいるとき、同時にたくさんのことを考える。

 安くて新鮮かどうか。となると自然と旬のものを選ぶし、食卓に季節感も欲しい。

 動物タンパク、植物タンパク、葉物野菜、根菜、海藻、その他栄養のバランス。デザートに果物をつけるかどうか。

 ごはんと汁物、メイン、副菜の味と彩り。

 お弁当があるなら、弁当のおかずになりやすいものをチョイスするし、たくさん作って冷凍できるかどうかも考慮しなければならない。

 そしてもちろん、一緒に食べる人が好きな食べ物かどうかだ。

 

 料理が好きな人間は、こういうことを考えること自体が好きで、苦にならない人だと思う。

 一度献立を決めると、あとは出来るだけ時間と手間を節約するために、段取りと手順も考えなければならない。

 私もルームシェア時代はこの作業を何年も毎日続けて、全然苦じゃなかった。

 1時間くらいで一汁三菜か四菜か作って、同居人が帰宅する直前にご飯が炊きあがったりすると、(よっしゃあ!!)と非常な達成感が味わえたものだ。

 シロさんの料理仲間カヨコさんが言う通り、「その日のストレスがリセットされる」感じもある。

 で、タイミングよく帰ってきた同居人が、私の作った料理を

「美味し~」

と食べてくれると、それだけで心が満たされたものです。

 

 私は、人間の生活において、「食事」が占める重要性はとても高いと思っている。

 人は食べたもので出来ている。きちんと栄養が摂れているか、不摂生を続けているかは、外見にもそれとなく反映されていることが多いような気がする。

 そして、好き嫌いとか、三食きちんと食べるかどうか、食卓でのマナー等々、食に対するスタンスが合うか合わないかは、一緒に暮らせるかどうかのキーポイントだとも思っている。

 シロさんとこは、シロさんのこだわりにケンちゃんが柔軟に合わせられる人だったからうまくいったんだと思う。

「まったく好みのタイプではない」ケンジとシロさんが、3年一緒に暮らしているのは、こうして2人で囲む食卓が楽しいからだという理由も大きいはず。

 

おっさんずラブ」もその辺の事情はまったく同じでしたね。

 春牧と、シロさんとケンちゃん、そしてかつての我が家、共通していることは、「作る人」と「食べる人」の役割分担が決まっていることと、「食べる人」がこだわりなく(好き嫌いはあるにせよ)、出された料理を喜んで食べること、だな。

 

 同じテーブルで、同じ料理を美味しいと言いながら食べる食卓が毎日あれば、家庭は平和だと言えると思います。

 

 各話のエピソードや料理そのものにも触れたいところだけど、ぼーっとしているうちにもう4話まで進んでしまった。笑

 それはまた項を改めて書くことと致しましょう。気が向いたら。

 

 シロさんとケンちゃん、単体でもそれぞれ可愛いのに、2人揃うとホントにキュート。超癒される。

 毎週、この可愛いゲイカップルのお話に癒されております。

 西島さんのスケジュールが空くのをじっと待ったテレ東さん、ありがとう!!!