おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

劇場版おっさんずラブ感想(がっつりネタバレ)① 春田と牧の物語

 映画の冒頭。

 香港での春田から物語は始まる。

 連続ドラマにとって、第一話が非常に重要で、それは何故なら視聴者に対する最初の挨拶だからだ、と書いたけど、映画においては冒頭10分がそれにあたるだろう。

 春田は連ドラからまったく変わらない姿を見せてくれる。のっけから、市場のおばちゃんとやりとりして買った肉まんを頬張るもぐもぐはるたん。日本とまったく同じように、現地に溶け込んで、接する人に愛されてるんだろうなー、と見てとれて、心がほんわかする。

 そんな春田が足を止めたのはジュエリーショップ。

「フォーエバーラブ…?」

と聞いて、通り過ぎることが出来ずに入ってしまう春田。

 そりゃもう、指輪を贈る相手と言えばあの人ですよね…!

 とここで、「あのラストの続きを見ているんだな」と噛みしめることが出来た。

 そうか、指輪か、あの流され侍、いつどんなときも受け身だった春田が、異国の地で愛する牧に指輪を買うところまで成長したか……と早くもここでしみじみしてしまいました。

 出てすぐ止まってるバイクの荷物に指輪の箱置いちゃうところでそんな感慨は吹っ飛びましたけどね!



 で、ここから始まる指輪を乗せたバイクとの追っかけっこ。

 これはもうね、映画のお約束ですよ。映画と言えばカーチェイスと爆破。いやそうとは決まってないんだけど笑、「派手にぶちあげようぜ!」という意気込みの映画って大体そうじゃん?

 なので、

「せっかくの劇場版なので、劇場版らしく派手にいくよ!」

という制作チームからの挨拶だ、と私は受け取りました。



 指輪を渡す絶好の機会(=牧が春田を訪ねてやってくる)が訪れたのに、どこの誰とも知れない若いイケメンと裸でベッドに寝ていた、という失態で台無しにしてしまう春田。

 この場面、それなりにハラハラはするんだけど、それよりも

「まきまきまき~!!」

とパンツいっちょで躊躇いなく牧に飛びつく春田の距離感ね!

 うわ~~~、恋人!!! キャッ♡ てなった。



 公式さんからのメッセージを強く感じたのは、その次の場面だ。

 満開の桜の下を歩く春田の姿。あれ、時系列は……と思う間に、連ドラの場面がバックに現れて、そうか、これは回想というか「春田創一」の紹介なんだな、と気づく。

 そう、春爛漫、桜の季節にこのドラマは始まったんだったよ。

 その後も続けて現れる、「おっさんずラブ」の名場面の数々。

 ドラマを見ていない人には「こういうドラマが背景にあるんですよ」という丁寧な説明になっていると共に、ドラマファンに向けては、

「深夜の連ドラから始まって、皆さんの支持のおかげで、こうして劇場版として帰ってくることが出来ました。さらにパワーアップした春田たちの物語をお届けしますので、どうぞ楽しんで観てくださいね!!」

というメッセージになっている。と私は受け取りました。

 もうこの辺で、ぐっと胸にせりあがるものがあって、(本当にまあ大きくなって…!!)と立派になった甥っ子を見て涙ぐむ親戚のおばちゃんのような心持になりました。笑

 つーか、今日は本当にここで涙が出たよ。映画を観てハンカチで涙を拭った最速記録だったかもしれん。



 劇場版おっさんずラブは、春田と牧が、それぞれに「らしい」姿を見せてくれる。

 映画の春田は、冒頭の指輪購入でも分かるとおり、んもう牧が大好き!という気持ちが全開だ。

 帰国して、ようやく2人での生活が再開するわけだけど、仕事が忙しい牧のために、頑張ってから揚げを作る。

 これ、すごくない? だって、ドラマの最初の方では洗濯もろくに出来なかったあの春田がよ? 「唐揚げ、すげーじゃん!!」て言ってた春田がだよ?

 レシピ本見て、自分で作ってみようだなんて……ものすごい進歩だわ。

 これから2人で生活していくのに、家事だって協力して分担しなきゃならない。牧一人に押しつけていてはいけない、自分もちょっとでも出来ることを増やさないと、と思ったのだね。春田は春田なりに。

 で、その気持ちをちゃんと牧に言うところも、ドラマ版からの成長を感じられるところだ。

「この先結婚するってなったら、もっと協力しなきゃいけないんじゃないの?」

 突然現れた春田母に向かっては、牧をきちんと「つきあっている相手」として紹介しようとする。

 2人で並んでいるところを誰かに見られたら…と警戒する余り、牧の手を振りほどいてしまったあの春田の姿はもうどこにもない。

 牧の「伴侶」として振舞おうとする春田。

 男らしいぞ…!



 ところが一方で、牧の方はそんな春田の成長ぶりを手放しには喜べない。

 仕事で疲れて帰ってきて、テーブルには真っ黒こげになった唐揚げ。シンクには洗い物がどっちゃり。まな板さえ片づけてない。

「………」

てげんなりしちゃうのは、こっちはこっちで分かっちゃうんだよな~。

 て言うかマジで超分かる~。唐揚げなんて難易度高い料理にいきなり挑むのが、料理素人まるだしだけど、疲れてるときにこれやられると、(なんでいきなりそこ行くかな…)てイラっとするわ。当の本人は疲れたのか寝ちゃってるし。

(洗い物と油の処理はオレか…)

てなるわな。

 普通のときなら、春田が自分のために料理を作ろうと思ってくれたことも、何も出来なかった春田がジャンプアップして、まがりなりにも唐揚げが出来てることも、嬉しく思う余裕があっただろうと思う。

 で、このときの牧も、出来ればそう思いたかったし、そう思うべきだと分かってはいたのだろう。

 でも出来なかった。

 そんな自分にもイラつくし、感情の処理をしかねて、スマートに接することが出来ない牧の若さを、林遣都は繊細に演じている。



 私は独身で、結婚生活を経験していないし、同棲したこともないのだけれど、かつてルームシェアしていた同性の友人が、マジではるたんタイプだった。

 家事能力が非常に低く、食に関心もなく、料理はほぼ出来ない。たまにやると、段取りはものすごく悪いし、「え、それ、要る…?」ていう食材買ってくるし、ていうか買う予定のものメモして持っていって、なおかつ間違えて買ってきてたからね。

 こういう人って、こっちが風邪ひくと、

「あ、じゃあ自分の晩ごはんはないんだ」

というのは納得してくれるんだけど、風邪引いて寝込んでいるこちらの食事の心配はしてくれない。

 高熱出して寝込んだとき、自分の分の晩ごはんだけ買ってきてて、あの時はちょっとマジで殺意が沸いた。



 …という些か特殊な経験のせいか、ここでの牧くんに異様に共感してしまうのであった。

 牧はここで突然キレたわけじゃなく、春田が何度となく小さな失敗を繰り返してきたのだと思う。

 だから、

「好きな人であっても、『一緒に生活していく』となると、なかなか難しい」

という事実が、骨身にしみていたんではなかろうか。



 冒頭、イケメン外人成年と同衾していた春田。

「あれ、なんでもねーから!」

と言う春田に、「何とも思ってないし」と返す牧の言葉は、多分本心だと思う。半分は。

 もしかすると、

(どうせ酔っ払って道端で寝てたのを拾って、親切心からベッドを貸した、とかそんなところじゃねえの)

と、かなり正確に状況を読んでいたかもしれん。

 けどこれ、人としては親切だけど、もはや最愛のパートナーがいる身としては、やっちゃいかんやつだと思う。

 大事な人がいるなら、その相手を最優先に考えないとね。どこのウマの骨か分からん男なぞ道端に放っておけばよろしい。

 春田は牧が好きだと自覚して、周りにも公言して、積極的に2人の関係を進めようとしているけど、どうもその辺の機微には疎そうだし、自覚なく周りに親切を振りまいているような気がする。

 春田のそんなところも含めて好きになったのだから、牧はきっと、我慢するだろう。本当はモヤッとしたとしても、(でもまあ、それが春田さんだし…)と思って、春田には言わないでいるだろう。

 でもこういうフラストレーションて、本人が思っている以上に溜まっていくんですよね。

 

 

 この場面、頑張る春田が空回りしているように見えるけど、実は牧もどっこいどっこいに空回っている。

 カップルが……いや、カップルに限定した話じゃないな。どういう関係であれ、人が諍いを起こすのはもうひとえに「コミュニケーション不足」これでしょう。

 相手のアクションに対し、どう思ったか、口に出して言わないと伝わらない。

「唐揚げ、黒すぎでしょ」

でもいいのだ。そこから会話が生まれれば、「でも、春田さん頑張りましたね」とふと口をついて出てくるかもしれない。

 牧が何も言わないから、春田の方から

「結婚するとなったら、お互い協力しあわなきゃいけないんじゃないの?」

という言葉が出てくる。

 ここは、対話しようとする春田と、春田の状況を読んで(読んだと自分の中で判断して)口を閉ざす牧とで、年齢差というか、人としてのキャリアの差が出ている場面だと思う。

 フレッシュでイケメンでエリートの牧は、どんなときも冷静で、精神的に大人に見えるけれども、この場面、「人はその年齢を超えて大人にはなれない」という言葉を思い出す。

 牧くんはまだ27歳。

 27歳なりに幼さもあり、若くて未熟なのだ。




 牧は春田に対して、まだ負い目があるのかもしれない。「こっちの道に引きずり込んだ」という。

 ゲイの自覚を持って生きてきた牧は、これまで色々な目を見てきたんだと思う。

 だから、春田が口にする「結婚」という言葉にも、(ホントにちゃんと分かってるのかな、この人…)と思っていたんじゃないかな。

 だから、

 

「結婚て…本気で言ってます?」

 

 という疑問がこぼれ落ちたのだろう。

 

「はぁ?」

と春田にしてみたら、実に心外なことを言われたわけだ。

 今さら何を言ってるんだ、と思っただろうね。ノンケで流され侍の春田が、結婚式を蹴って、牧のところまでやってきてプロポーズしたんだから。

 しかも、今日は頑張って料理して、ごはんを作って牧を待っていたのに、牧はなんだか不機嫌だし、口を開けばとげとげしい。

 挙句の果てに、プロポーズにケチをつけるようなことを言われたら、

「冗談だと思ってた?」

てなるわ。



 でもこの衝突って、実は起こって当然の現象なんですよね。

 これまで全く別の人生を歩んできた2人が、一緒になろうとするには、やはりまだ超えるべきたくさんの障壁があるのだ。

 恋を自覚して、お互いに気持ちを確かめ合って、つきあうところまではいい。その先、「家族になる」には、もっと色んなことを乗り越えていかないといけない。

 特に牧。我慢強くて、周りの空気を読んで、自分が引けばいいところではすっと引いて、それでいいと思っている。その健気さが牧の魅力で、連ドラ版では「春田を想う牧」に胸を射抜かれてバタバタと沼落ちした民がたくさん生まれたけれども、春田と一緒に生きていくには、それだけではダメなんだ。

 連ドラは、牧と出逢って、変わっていく春田の物語だったけど、劇場版は、牧から春田へ歩み寄っていく様子が描かれる。

 きっちりと解決して、美しいラストへと続いていく。




 続きます。

劇場版おっさんずラブ~LOVE or DEAD~がっつりネタバレ感想① …じゃなく前置き

 なんだかんだやってる間に、あっという間に1週間経ってしまった。

 もう9月。早いねー!!

 9月1日は映画サービスデー、ということで、二度目のDEAD行ってきました!!

 

 初回見た後、感想をどう書こうかアレコレ考えていた。

 ドラマ感想を読んでいただければ分かるのですが、私は好きなものは好きなだけがっつり、しかもかなり詳細に書き込みたいタチだ。しかし、ドラマレビューと同じように、各場面場面を細かくレビュっていては、書き終わるまでに何日かかるか分からない。

 かといってしかし……うーむ!と葛藤していたのですが、そんな中、2度目を見てきたわけです。

 以下、感想。

 

 

 めちゃくちゃ面白かった!!!

 むしろ初回よりも3倍楽しめました!!!

 

 あーもう細かいことはどうでもいいわ。

 ともかくも感じたままに書くよ!!

 

 先週観に行ったとき、席はかなり空いてたんですよね。開演10分前に入ったら誰もいなくてビビったくらい。その後ぱらぱらと席が埋まり始めたものの、2/3もいってなかったんじゃないかなあ。

 だから今日は予約なしで行こうと思ったんですね。電車に乗る前に念のため座席を確認したら、まさかの満席。

「マジか……!!」

てなった。

 後から考えたら、映画のサービスデーで、しかも夏休み最後の日。で、日曜日だ。混むのは当然かもしれないけど、先週の空きっぷりを見ている身としては、こんなにもたくさんの人が「おっさんずラブ」を観ようと思ってくれたことが嬉しかった。

 ホクホクしながら、すぐに次の回を予約しました。

 

 劇場版に賛否両論あるのは、ツイッターで目にしていた。

 それはそうだろうと思う。観た人の数だけ感想も異なるわけで、全員が絶賛するわけではないことは承知している。

 ネガティブな感想を抱く人を否定する気は毛頭ない。

 そこのところはご承知おきいただきたく。

 

 ただ、ネガティブな感想を目にして、

「えっそうなの?」

と不思議に思う感情は、自然な心の動きだと思うんですよね。

 なので、私は私の感想として、感じたままを書かせていただきます。

 

「心理描写が少ない」

という意見があるそうな。

 これが一番不思議。

「心理描写が少ないって……どこらへんが???」

というのが、私の正直な感想。

 

 ネタバレなし感想で、各キャラが1人残らずパワーアップしていると書いたけど、それは表情の芝居のことなんですよね。

 春田は春田創一で、牧は牧凌太として、スクリーンの中に生きて存在している。

 映画を観ているとき、田中圭のことも林遣都のことも思い出さないくらい。

 めちゃくちゃ表情が細やかで、目の動きや、何かを言いかけてやめる仕草、肩のすくめ方、ひとつひとつに、2人の思いが溢れている。

 部長もそう。黒澤部長は今回も完全に物語を引っ掻き回す笑い担当ヒロイン(ごめんね武蔵…!)なんだけど、随所で弾ける演技が凄い。

 改めて、(お芝居って、俳優って、凄い……!)と、私は胸が震えました。

 

 場面が転換して、(え、どういうこと?)と思うところは複数ある。

 けど、そのときは彼らの表情を見れば答えがそこにある。

 ジャスや狸穴さんは、表情がひとつの伏線になっているから、あえてどちらともとれる顔をしているけど、春田と牧は違う。

 その場面で、彼らが何を一番大事に思い、何に戸惑っているのか、顔を見れば観客にも伝わる。

 

 

 テレビと映画で何が違うって、それはもちろん「画面の大きさ」だ。

 映画だと、アップは大写しになって、表情の変化はより繊細に伝わる。

 その分、アラも目につきやすいと思うんだけど、この映画にはそれがない。少なくとも、2回観た私には分からなかった。

 繰り返す。どの場面でも、春田は春田で、牧は牧だ。

 カップルならではの生活感とか、思いがすれ違ってぎくしゃくする様子とか、甘いムードから一転してケンカが勃発するシーン、どの場面も、観客の心をぐっと掴んで、物語に引きずり込む。

 さっきまでキラキラデートでこっちもテンションあがってたのに、気がついたら睨み合う2人を前にハラハラして、手に汗握っている。

 感情がジェットコースターのように操られて、非常に忙しい。

 演技には全力で取り組む座長と遣都が、テレビと映画の違いをどれくらい演技に反映させているのかは分からないけど、演出する監督がそこを考えなかったはずはないと思うんですよね。

 だから、台詞が少ない場面でも、春田と牧、2人の心の揺れ動くさまが、そのまま観客に伝わるのだ。

 ドラマ版よりむしろ、劇場版の方が心理描写は丁寧なんじゃないかと感じました。

 

 

 今日は周りのお客さんもすごくよかった。

 マナーのなっていない人が周りにいなかったし、笑える場面では声をあげて笑って、めちゃめちゃアットホームな雰囲気でした。

 特に、私の隣に座ったおばさまがナイスリアクションだったの。どの程度の濃度の民の方かは存じ上げませんが、今日が初回だったらしいのね。春田が牧のために買った指輪をよりによってバイクの荷物の上に置いちゃうところ、

「あ…!」

と小さく声を出してて、聞いていた私はふふってなった。

 あ、そうそう、エンドロールが終わる前に立つ人もいませんでした。もし私の周りのお客さんが立って帰ろうとしたら全力で止めようと心の準備をしていたんだけど。笑

 ラスト、春田から牧へのキスで、隣のおばさま、また

「アラ~……」

と感じ入った様子。

 ブラックアウトの後、場内の明かりがついたとき、誰かがちょっと手を叩いたら万雷の拍手の波が起こりそうだったけど、その勇気はなかった。笑

 けど、お隣のおばさまが実に満足げに

「純愛ね…!」

と仰っていて、私の心は満たされました。

 

 

 帰り、どんな人が観に来ているか、ちょっと様子をうかがってみた。

 男性一人客が予想以上に多くて、これもなんだか、嬉しかったです。

 カップルや家族で来ていた人も多かったけど、年齢層も様々。割と年齢高めの親子と思われる2人連れもいた。

 いろーんな方に観てもらえる映画になっているようで、感無量でした。

 

 

 というわけで、次からやっと本当にネタバレ感想です!

 もうこの際なので書きたいことは全部詰め込んでいこうと思う。

 いつ終わるか見当もつかないけど、見切り発車で行きまっす。

 しばしおつきあいください!!

おっさんずチーム帰れま10感想追記

 各SNSが「おっさんずラブ」祭で賑わっていて楽しい。

 中でも、色んな方があげている感想や考察を読むのが楽しみ。同じ映画を観ても、10人いたら10通りの「おっさんずラブ」がある。

 そのどれも多分正しいのだ。

 楽しーね!!

 

 

 さてそんな中、私もとっとと感想をあげたいのですが、出来ずにおります。

 この感動を言い表すのに、語彙も文章力も壊滅的に足りない。

 もっと色々と勉強しておけばよかったなあ…と本気で後悔している。

 お若い皆さん、勉強はしといた方がいいですよ。絶対に。

 

 

 そういえば「帰れま10」の番組感想をちゃんと書いてなかったので、とりあえずそっちを書いておこう。

 

 今やケイタナカ沼の住人である私、座長のことはもちろん大好きなんだけど、何が好きって「求められているものにきちんと答える」ところかな。

 「おっさんずラブ」で余人の追随を許さない顔芸を披露した俳優・田中圭、ゴチに出ればちゃんとバラエティのテンションでインパクトを残す。

 「徹子の部屋」で徹子と鋼太郎パパがしみじみ言っていた通り、「変わっている」人ではあると思うんだけど、火曜サプライズなんかで見せた、大人で常識人の顔もちゃんと持っている。

 帰れま10でも、バラエティに不慣れな鋼太郎さんや遣都や、色んな方向に気を配りながら、場を和ませたり進行を助けたり、「座長」感満載で、よかったです。

 好き……!!(告白)

 

 

 「徹子の部屋」ではどっしりとした「演劇界の重鎮」の渋さを見せた鋼太郎パパ、帰れま10では可愛かったですね! 

 ランクを大幅にはずれて自信を喪失した挙句、誰かの意見にすぐ乗っかって

「そうなんだよなあ!」「3位3位。絶対3位!」とか言っちゃう「おじさん」感がたまらなく面白かった。笑

 テロップでのいじりも愛があってよかったです。

 

 そして、林遣都氏、安定のポンコツっぷりでした。

 座長のバースデーでのサプライズの話をふられて、

「そもそも、僕は幹事的なことは得意じゃないので……」

うん、知ってる。多分君のファン、全員知ってると思う。

 なのになぜ2度繰り返した?笑

「もうやらないでください!!」

 トシ、ナイスツッコミ!!

 

 でですよ、そんなknt氏、突然の「りお」呼び。

 えっ今「りお」って呼んだ? おっさんず第2話で「なんて呼んでます?」と2人で話してたときには、「だーりおさんとかいきなり呼べなくて…」なーんてシャイなことを言ってたくせに、今「りお」って言った??

 みたいに動揺したの、私だけじゃないはず!

 でそんとき、

「だーりおって呼んでる」

と答えていた座長もさらりと「りお」呼び。

 仲が深まって、「りお」呼びで定着した、というエピソードを後から知ったんだけど、「女の子の下の名前呼び捨て」ってまあまあの破壊力あるよね!

 あ、ちなみに私はずっと「だーりお」って呼んでます。(誰も聞いてない)

 

 そのだーりお、予想を大幅に外してしまい、100万円チャレンジが夢と消えてしまうわけですが、後から合流した沢村さんが現れるなり開口一番

「ありがとう…!」

だったのが、おおーさすが、優しー!!と思った。

 セクシー男爵、大人だね!

 

 この場にオカリナがいたのもよかった。自分が大好きなドラマの演者と一緒に、ひとつのテーブルを囲んで焼肉食べられるってさ、めちゃめちゃラッキーじゃない!?

 オカリナ、芸能人でよかったね…!と心から祝福する思いでした。

 これだけ顔面偏差値が高い一群に混じっても、キミの可愛さも全然薄れてなかったよ!!

 はぁ~オカリナ可愛ええ。。。

 

 オカリナのリクエストで、ドラマの一場面が再現されてましたが、いやー、私は割とああいうの見てるだけでいたたまれなくなっちゃう方でして。

 「役に入る」って、焼き肉屋の一角で急に出来ることじゃないと、素で思っちゃうんですよね。

 座長もkntもやってくれてたけど、外見は一緒だけど、やっぱそれは春田と牧の抱擁じゃないんだよね。

 なので、アレは「きゃ~~~♡」とはならなかったです。

 

 けれど、オカリナはその後、インスタでいい仕事してくれてましたね。

「knt氏が一欠片も牧じゃなくて驚いた」

 そう!! そうなの!!! と膝を打つ思いだった民は多いはず。

 ていうか私も思った。遣都は遣都で、牧味が全然ない。

 ていうかこの人いつもそう。他の役やってると、本当に牧と全くの別人。同じ人??て思う。 座長もそうだけど。

 おっさんずラブの現場で、春田や部長や武川さんに囲まれて、憑依型俳優の魂が発動して初めて「牧凌太」が存在するのだ。

 役者ってスゴイよね。

 

 

 書きたい順に書いてると、どうしても後の方になっちゃうけど、志尊くんも好きです。

 遣都が座長を評して「昭和の雰囲気を感じる役者」と言っていたけど、志尊くんにも若干感じるんだよね、私。今風のイケメンで、器用に色々こなしているように見えるんだけど、根性据わってるし、なんかどこかに昭和の魂を漂わせているような。それは大地くんにも思うことなんだけど。

 そしてそもそも、そう言った遣都自身が一番昭和っぽいような気もするよ!

 

 

 というわけで、劇場版おっさんずラブの感想を書きたいのですが、自分の力量が追いつかないという、これまた初めての事態に直面しているの牧、じゃない巻でした。

 ツイで皆さんの感想を覗かせてもらいながら、自分の中でこなれて言語化するまでもう少し待ちたいと思います。

 あ、でも絶対絶対書くからね!! 多分1章じゃおさまらなくて数章にわたると思いますが、必ず書きます。

ちょいネガな感想 ~おっさんずチーム帰れま10~

 おっさんずチームの「帰れま10」を見てからというもの、なんだか妙な気持ちになっている。

 それは、「おっさんずラブ」に出逢ってから初めて抱く感情で。

 今「おっさんずラブ」祭に沸いているこの沼で、こんな気持ちを吐露するのは、水を差すに決まっているから、一通り感想を書き終わってから、そしてほとぼりが冷めてから「あの時実は…」と明かそうと思っていた。

 でも、その気持ちがどんどん強くなる。

 書かずには次にいけないくらい。

 

 

 というわけで、今から記すことは、ちょっとネガティブな内容かもしれない。

 自分ではそうでもないと思ってるけど、

「今は楽しいお祭りの最中! シケたことは聞きたくない!」

とおっしゃる方はバックプリーズ。

 それでもいいよという方のみ、続きをどうぞ。

 

 

 

 

 

 いや、帰れま10、楽しかったんですよ。

 やっぱりさ、作品が好きだと、キャスト全員好きになるじゃないですか。

 そして、めちゃくちゃ仲がいいと本人たちも公言していたおっさんずチームが実際、ひとつテーブルを囲んで、わちゃわちゃしているところを見られて、ほわぁ~…て幸せな気分になったよね。

 鋼太郎さんをこんなバラエティ番組で見られるとは、ありがたい!! ご本人も、若干振舞いに戸惑う様子も見せつつ、おなじみのメンバーの中でリラックスした素顔を見ることもできて、いやー、マジで尊かったです。

 座長とのやりとりも、普段からこういう感じなんだなーと見てとれて微笑ましかった。

 

 

 で、これにもあの人、来たじゃないですか。

 そう、デリカットじゃない方のケント。

 これね、

(うわー、帰れま10にも出るんだ遣都!)

と驚くとともに、(……去年の林遣都日照りはなんだったんだろう……)て、1年前に思いを馳せてしまったよね。

 

 

 とそこでふと、

(もうこんなバラエティでこのチームのわちゃわちゃを見られることはないだろう)という思いに駆られてしまったんですよね。

 この番宣祭りもいつか終わる。

 そして、始まったばかりの映画もまた必ず終わりの日が来るのだ。

 

(えー……それはイヤだ……)

 

と思っちゃったんですね。

 今まで、何を好きになっても、そんな感情になったことはなかったのに。

 

 

 で、そこへ折よく…と言いますか、シナリオブックとオフィシャル本を入手したわけです。どのページも隅から隅までずずずいっと目を通しました。

※ここからネタバレです

 監督も徳尾さんも座長も、一様に

おっさんずラブの世界を綺麗に完結させることが出来てよかった」

と言っていた。

 そもそも、ドラマがきちんとした形で終わっている。それに「その後」を作るとなると…と、関係者一同苦労があったようだけど、ドラマ世界を包みこむ形で、さらに完璧な「終わり」を作ってくれた。

「やりきった」感が、行間から伝わってきました。

 

 物語は、完結してこそ価値がある、と私は思っている。終わる終わると言いながらダラダラいつまでも完結出来ない物語はダメだ。ファンを何十年も待たせてなお終われないなら、その作品はもう旬が過ぎているだけでなく、腐っていると思う。

 なので、「おっさんずラブ」を作ったメインの3人が同じ考えなのは嬉しかったし、「おっさんずラブ」がこの上ない形で完結したことも、とても嬉しかった。

 

 だから、

(あ、続編はないな)

と思ったんだよね。

「これ以上のものはもう作れない」という彼らの言葉は本心だと思う。

 そして、最高のものを作ってくれた以上、続編を作る意味は多分、あまりない。

 

 主要キャストは全員、主役クラスの役者さんだ。マロを演じた金子大地くんだって、堂々NHKの夜ドラで主役を張って、瑞々しい演技が話題を呼んだ。

 彼らには次の仕事、新しい作品がたくさん待っている。

 そして、役者として、どんどん新しいものに出逢いたいと思っているだろう。

 となると、

「これからもキャストを変えずに『おっさんずラブ』の続編を作って欲しい!」

という民の望みは、彼らが進んでいくのを妨げることになるな、と。

 

おっさんずラブ」という作品は、この上ない綺麗な形で完結し、完成した。

 これから映画のDVDも出るし、いずれ地上波で放映もあるだろう。

 でも、彼らが作る新しい物語に私たちが出会うことは、多分もうない。

 

 

 ……と思うと、こう、なんというか、ひどくやるせなくてですね……

 寂寥感というのかなんというか。

 ともかく、

 

(えええ~~~そんなのやだ~~~辛み~~~( ノД`)……)

 

 と、強烈に寂しくなったのでした。

 

 

 いや、私ね、ヲタ気質であると自認してるけど、言うてそれほど入れ込む性質でもないと思ってたんですよね。自分のこと。

 物事には必ず終わりがあるし、だからこそ美しい。

 終わってしまえば、(まあそんなもん)と割り切れてきたのだ、今までは。

 終わることは当然だし、それが一番いい形だと分かっていても、

「終わっちゃやだ!!」

と感じるのなんて、長く生きてきてマジで初めてかも。

 

 

 でも、でもですよ、そもそもこの作品て、奇跡の連続なんですよね。

 あまり欲張っては罰が当たる。

 

 

 何がどう奇跡かは次項で。

 そこを思う存分吐き出してから、劇場版がっつりネタバレ感想を書きたいと思います。

 これも、見終わった後ロスがひどくて、(ううう……スクリーンで春田と牧と部長に会いたいよう…)という想いがつのるのですが、そこはシナリオブックとオフィ本で乗り切ろう。

 

 

 あ、もし、シナリオブックとオフィシャル本を買おうかどうしようか迷っている民の方がいらっしゃいましたら、

「絶対に買いなさい!!!」

と百万回背中を押させていただきます。

 「永久保存版」に偽りなし。

 これぞ「実質タダ」ですよ!!

おっさんずラブ劇場版感想②(ちょいバレあり)

 さて、「近日中に」と書いたものの、もう書いちゃうよ!!

 だってだって言いたいことたくさんあり過ぎて、さっさと書き始めないとまた超絶長い感想になりそうなんだもの!!!

 

 この「ちょいバレあり」感想は、

 

・既に沼民

・ネタバレ割と平気

・映画に行くことは決めてるけどまだ観れてない

 

 のいずれか、あるいは全部に該当する方向けの記事となります。

 予告で分かってることとか、大体想像ついてるだろうな、というところまではバレありで書いちゃおうかな、と。

 

 

 ドラマ「おっさんずラブ」が多くの人に感動を与えたのは論を待たないところだが、そうなると、絵心のある人は絵を描き、マンガまで描ける人は漫画を描き、字を書く人は小説を書く。

 私も拙い小説を書いて載せております。

 それはもちろん原典ありきなんだけど、一応「自分が作った作品」じゃないですか。

 それがなんと、「本物が映像にしてくれている」のを見られるわけですよ。

(わー……自分が書いた場面がリアル映像になってる……)

という感動を味わえるのです。

 これって滅多になくない??

 ファン想いの公式さんのことだから、クリエイター民の作品をちゃんと見て、要素を取り入れてくれたんじゃないのかなあ。

 なので、(本物になっとる……!!)という感動に震えた民の皆さん、結構たくさんいるはず。

 

 

 それがまず冒頭ですよ。

「香港の春田の部屋を突然訪れる牧」…!

 映画の頭だからね、そのままキャッキャウフフのいちゃいちゃが始まる…という平和な展開ではないんだけれども、そこはそれ、妄想力にかけてはこの1年というものずいぶんスキルを磨いてきましたからね!

「まきまきまき~!!」

とパンイチで飛びつく春田の距離感から、あーそうか…そうだよね、つきあってるもんね、当然そこはそれ、そうなってるよね!!と2人の関係の進展を読み取れてしまうわけだ。

 そんで、当然のように春田の部屋を訪れて断りなく鍵を開けて入る牧の態度からも、もちろんこれが初めてじゃなく、これまで何度もあったことなんだな、と分かる。

 

 これが開始10分くらい。

 ありがたすぎて、画面に向かって拝みそうになった。

 そんで、(えーと、次映画観れるのは…)と早くも2回目の算段を考え始めました。

 

 

 もう、春田が「牧のことが大好き!」感出すぎててやな。

 なんなら、春田の方が好き好き光線出しちゃってる。

 対して牧は、ちょっと違うスタンスになってるんだけど、「色々考えすぎて自分の中で抱え込むうちに鬱屈が溜まっていく」という牧の性格はもう、民のみんなには知れ渡ってるから、

「あー、そうだよね。カップルあるあるだわ」

って納得する。

 ていうかこの展開、ぴくしぶで100回くらい見たような気がする。笑

 

 最初から2人の雰囲気はやや不穏なんだけど、でも舞台はあの春田の家。

 食卓を囲む位置も同じだし、背景にあのソファがあるのも同じ。

 あー帰ってきた……感で、もうこの辺でこみあげるものが。

 

 後やっぱり、

「2人の夏祭り浴衣デート」

は永久保存版だと思うわ。

 あの場面、繰り返し朝から晩まで見ていたとしても飽きないと思う。

 恋人手つなぎ……牧のわたあめを「それちょっと一口ちょうだい」とせがむ春田……あーもう最高っす(死にかけ)。

 

 

 で、この物語は春田と牧のラブストーリーなんだけど、でもやっぱり、黒澤部長あってこそのお話なんですよね。

 鋼太郎さん、すごい役者だわ、とこの劇場版を観て改めて思わされた。

 ともかくね、外さないの。面白い場面で、もう絶妙のタイミングで笑いを取りにくる。部長がなんかすると絶対に笑える。

 稀代のコメディエンヌにしてヒロイン、武蔵…!

 男5人で組んずほぐれつのサウナシーン、日本映画史上屈指の抱腹絶倒シーンとなっております。

 

 でも、春田に対する思いは本物なんだよね。そこも外さないんだ。

 せつないところはちゃんとせつない。

 終盤で、牧に向かってあのセリフを言うのは部長しかいないし、だからこその記憶喪失だったんだな。

 部長と牧が2人で春田のもとに向かうところもホント、時間にすると短いんだけど、ハラハラして、「あっ…」と固唾を飲んで、「えーちょっと今それどころじゃなくない!?」て内心全力でツッコんで、「マジか!」と大笑いして、非常に忙しい。

 

 

 そんでさあ…劇場版の第一のキーパーソンは武川主任ですよ。

 眞島さんの「顔面力」がものすごく発揮されている。目力が強いから、じっと見つめるだけで「え、なになになに?」てなる。

 でね、この方、「面魂」があると思うんです。ツラダマシイね。今日び、面魂のある顔の殿方は珍しい。

 それを遺憾なく発揮して、謎めいた武川主任のキャラが出来上がっておる。

 各場面場面で、圧倒的な存在感でもって物語を引っ張っていくんだな。

 マロを演じた金子大地くんも言ってたけど、この劇場版で、武川主任ファンはさらに増えると思うな。

 元からファンの皆さん、例のアレはもちろんありますよ! 

 あのタイミングであの人に対してかましたのはもう、徳尾さん天才としか。

 

 

 マロと蝶子さんのその後が見られたのも嬉しかったなあ。

 マロ、しっかり成長してる。蝶子さんのために背伸びして、大人の男になってる。

 この2人にも幸せになって欲しい。

 

 

 そしてね、主役の2人、春田と牧の直接的なイチャイチャシーンは、もしかすると民の妄想からすればちょい薄めかもしれん。

 冒頭のシーンのように、暗喩的な示し方はあって、2人の関係はちゃんと分かるんだけど、やっぱラブシーン見たいじゃないですか?

 これ、2話と5話担当の山本監督だったら、もっとロマンティックシーンが多かったのかな…と後半は思いながら見ていました。

 でもね、そんな民の願望も満足できるラストでしたよ。

 やっぱチューシーンはないとね!!

 

 ドラマでも思ったけど、「おっさんずラブ」のキャラはみんな、きちんと仕事してる。それだけでなく、地に足つけて人生を生きている。

 脚本も演出も、そしてキャストの演技も、そこをおろそかにしていないから、「そこに生きている」リアル感がすごいんだと思う。

 だから、どの場面も色々な要素があって、何度見ても「見るたびに感想が変わる」という人が多いのだと思う。

 無駄ゴマがないんです。マジで。

 

 

 あ、あとゆいPね!笑 出オチ感ハンパねえ!!

 オカリナの代わりにオファーを受けたという話だったけど、ゆいPのキャラもよかったです。

 ここも、「ご褒美で出してあげました」みたいなおざなり感が全然なくて、

「出るからには物語に必要なキャラでないと」

という制作陣のこだわりを強く感じました。

 最後まで笑かしてもらったわー。

 

 

 さあ、まだまだ言い足りませんが、とりあえず今宵はここまで。

 後はがっつりネタバレ編で暑苦しく語るよ!!!

 

おっさんずラブ劇場版見てきたお♡ 感想①(ネタバレなし)

 観てきましたーーー!!!

 いやーもう……何から言えばいいか分からないけど、とりあえずさ、

 

 超超超面白かった!!!

 

 おっさんずラブ制作チームが作るものだから、その仕上がりには期待しかなかったわけだけれども、それでもさ、「一抹の不安」はあったんです、正直。

 なぜなら、「ものすごく出来がよかったドラマの映画版がそれほどでもなかった」という経験をしてきているからだ。前も書いたけど。

 私が以前ハマったドラマ、同じチーム、同じキャストで作ったはずなのに、ドラマが120点とすると、映画は53点くらいな満足度だった。

 ドラマと映画の作り方は全然違うんだな…と思ったものです。あと、映画化となるとどうしても「スケールを大きくせんければ!」と肩に力が入るのか、特殊な舞台装置とか、そっちを派手にする傾向があるよね。その結果、作品を貫く肝心の「テーマ」がブレる、あるいは薄くなってしまう。

 そこはきっと大丈夫なはず!と思いつつ、やはりこればかりは観てみないと分からないので、ちょっとドキドキはしてました。

 

 いやもう、全然大丈夫。そんな不安はまったく必要なかったです。

 というか、「パワーアップして帰ってきた!!」という宣伝文句は大げさじゃない。

 むしろ、「この映画のためにドラマがあったんじゃ…」とすら思えるくらい。

 どのキャラも、本当に一人残らず、パワーアップしてました。

 マジで。

 

 

 では、初回観た余韻冷めやらぬうちではございますが、ざっくりと感想をば。

 ネタバレはしませんのでご安心を。

 

 

 春田がもう本当に春田だった。

 あのね、今田中圭ってホント雑誌だのテレビだの出まくってるじゃないですか。田中圭を見ない日って1日もなくない?てくらい、爆売れじゃないですか。

 だから、「田中圭」本人を、結構知ってるわけじゃないですか、私たち。まああくまでメディアでだけど。

 ところが、映画の春田はもう、春田そのものなの。立ってる姿が「春田」。喋り方も笑い方も、変顔もズッコケ方も、「春田創一」でしかない。

 「田中圭」味が1ミリもない。

 ちょっと何言ってるか分かんないとおっしゃる方は、是非スクリーンでお確かめください(宣伝)。

 でも、見た人はきっと分かってくれると思う。

 改めて、(すごい俳優だなあ……)と感じ入りました。

 

 

 そして、部長ですよ。

 「おっさんずラブ」という作品がここまで愛される作品になったのは、間違いなくこの部長のヒロインぶりによるところが大きいと思う。

 でも、黒澤武蔵が吉田鋼太郎でなければならなかった意味が、劇場版だと本当によく分かる。

 他の誰でも、この部長は出来ない。

 何言ってるか分からない方は、是非劇場でお確かめください(宣伝)。

 

 

 インスタや予告で、部長が記憶喪失になって、春田のことだけ忘れるという設定は分かっていた。

 記憶喪失って、割と黄金パターンじゃないですか? 遊び心満載のOLチームのことだから、また面白そうなネタぶっこんできたなあ、と思っていたの。

 でもこれね、ものすごく意味があることなんですよ。終盤でのあのセリフのためにこの設定が必要だったのだね。

 その伏線回収に気づいたとき、場面の盛り上がりに感動しながらも(くー……やられたッ…!)と膝を打つ思いでした。

 徳尾さんの脚本、すげーわ。

「あのセリフって何?」「やられたって何が?」と思ったそこのアナタ、知りたければスクリーンで是非(以下略

 

 

 でねえ……何と言ってもねえ……牧凌太ですよ。

 ドラマ放映時からこの沼に棲んでいる皆さんなら、1年前の「牧凌太の大飢饉」という事件を覚えているだろうと思う。

 ドラマが大反響を呼んで、座長の露出が一気に増えたのに、knt氏はまったくメディアに顔を出さず、林遣都湖の住人が飢えと渇きに喘ぐ…という大変な事態が起きたのだ。

 この映画観て、(もしかするとアレはこの日のあるを見越したスタダさんの深遠な戦略だったのでは……)と半分本気で思いました。

 画面いっぱいに牧が映ってる。

 春田と並んで牧が笑ってる。

 もうそれだけで、胸がきゅー…んと締めつけられる。

 で、ほぼ10割の民が妄想した「浴衣でデート」「夏祭り」「花火」というシチュエーションを、本物がやってくれてるんですよ。

 思った通り、牧くんの浴衣姿、国宝級に美しい。綺麗な男だなあ。。。

 ……私、自分をケイタナカ沼の住人と認識してたんだけど、映画観終わった後、(牧くんがたくさん見られた…)という満足感で満たされている自分に気づいた。

 帰りの電車の中で反芻していても、8割牧のことを考えていて、(あれ……もしかして私……kntのこと…)てなった。笑

 もう、林遣都をちょっとでも好きな人は、絶対に観た方がいい。スクリーンで。

 観ないと人生損するよ!!!

 

 

 そして新規参入組のエロスとジャスティス、もといセクスィー男爵狸穴さんと仔犬系後輩のジャスね!

 聞いてはいたけど、本当に、「後から来ました」感がなかった。「おっさんずラブ」の世界に違和感なく溶け込んでいました。

「なんか企んでそうで謎めいててよく分からん色気をぶちかましている」キャラをやらせたら、今沢村一樹の右に出る者はいないね!

「バスローブでブランデーくるくるが似合う役者選手権」とかあったら、かなり上位に食い込むと思います。

 

 でジャスティスがね……いい役どころなんですよ。

 物語の中でいい味を醸し出している。だけでなく、重要な部分でキーパーソンを演じている。

 彼もまた、なくてはならないキャラクターの1人でした。

 

 

 武川主任は、うかつに書くとネタバレになっちゃいそうなので避けますが(うううー

言いたいッ…!)、映画観ながら何度心の中で(政宗ーーー!!!)と叫んだことか。

 武川さんも色々とマシマシでした。

 今「ましまし」で変換したら一発目が「眞島氏」てなって、(え、やだ、何このパソコンに脳内知られてる感……)てちょっとゾクッとした。笑

 

 

 マロと蝶子さんのことも書きたいんだけど、ネタバレなしでは厳しい。

 あーもうみんな映画観て!!!(乱暴)

 

「Love or Dead」のサブタイトルが示す通り、映画だからこその派手なシーンはたくさんある。そこはさすが、「ハリウッド瑠東」の異名をとる瑠東監督。

 だけど、「おっさんずラブ」の根底にあるものは全く変えず、同じテイストを貫いてくれている。

 「おっさんずラブ」と言えば「コメディ」だ。この部分がパワーアップしているのは嬉しかったですね。もう、死ぬほど笑ったよ! 映画観て、こんなに笑ったのは初めてかも、というくらい笑った。周りのお客さんも同じところで沸いてたから、一体感があって、それも楽しかったです。

 そして、作品全体を流れる「愛」。色々盛沢山な仕掛けも、すべてそこに繋がっている。

 人を愛するって素晴らしいと、心底思える。

 

 テレビドラマのファンにとっては嬉しい映像も盛沢山でしたね。

 それだけでなく、各話に散りばめられていたあんなネタやこんなネタ、ちゃーんと映画のストーリーに生かしてくれていて、心憎い演出でした。

 ここでも政宗ですよ。まさか今度は政宗が部長のアレをね……いやはや……(首フリ)

 

 でもこれさ、さらっとやってくれてるけど、結構難しい技だと思う。思わせぶりに「あ、これって伏線?」みたいにしといて、結局回収しきれてない映画もたくさんあるもん。編集の問題もあるんだろうけど。それこそ天下のジブリもやらかしてますよ。とっちらからるんだろうね。

 それを、「おっさんずラブ」劇場版は、ドラマからの小ネタも映画の中での伏線も、綺麗に全部拾って、ちゃんとオチをつけてくれている。

 だから、消化不良のフラストレーションがまったくないのだ。

 

 

 相棒の東京マラソンのやつ観に行ったとき、始まって30分で号泣した私だ(周りで誰も泣いてなかった)。今回も泣くだろうな、どうせ…と思って、大判のタオルハンカチ持っていった。

 もちろんそれは大いに役立ったんだけど、最後は、めちゃくちゃ清々しい笑顔で劇場を後にしました。

 帰り道、周りにいる人すべてに対して、優しい気持ちになれた。

 

 観た人を幸せにする、そして日本をちょこっと平和にする、そんな映画でした。

 

 

 きじP、徳尾さん、瑠東監督、座長、knt氏、鋼太郎さん、まっしー、その他すべてのキャストもスタッフの皆さんも、全員に。

 作ってくれてありがとう!!!

 

 

 さ、明日からもお仕事がんばろう。

 次の土曜日まで笑顔で働けそう。

 土曜日何があるかって?

 もちろん、2回目を観に行くに決まってるじゃないですか!

 5回観ても飽きない自信ある。

 

 あ、それで、「ネタバレちょこっとあり」「がっつりネタバレ」と色んなバージョンで感想を書くと思います。

 暑苦しい長文になるかと思いますが、近日中に。

 

その前夜

 今日寝て、起きると、「おっさんずラブ」劇場版を観に行く日。

 私の初日は8月25日の日曜日。

 

 

 前も書いた通り、私は10年前、ある映画に出逢った。

 もう一回、もう一回と繰り返し観るうちにすっかりハマって、およそ半年をかけて長い長い感想文を書くほどだった。

 その作品のファンとしては、およそ考えつく限りの願いが叶って、それはそれは幸せな経験をした。

 

 ただ、叶うはずがないと分かっていて、出来れば…と願ってしまったことがある。

 それは、

「もう一度、この映画に出逢いたい」

ということだ。

 

 何も知らない時に戻って、この作品に出逢って、あの衝撃とときめきと、めくるめくような幸福を、一から味わってみたい……というのが、私の贅沢な悩みとなった。

 

 もうこんな作品に出逢うことはないかもしれない…とそのとき思った。

 それは10年経って覆された。

 この邂逅も、私にとって酷く幸福な体験となった。

 

 

 そして、最初の作品では叶わなかった、「同じキャストとスタッフで続編」という願いも叶ってしまった。

 その映画を、私はまだ観ていない。

 けどあの制作陣が作ったものは、絶対に面白いに違いないし、抱腹絶倒で、ラブバトルで、キュンキュンとハッピーが詰まっていて、見終わった後は多分号泣だろうと確信している。

 楽しみでしかない。

 

 観た後、めちゃくちゃ幸せになっているだろうな。

 そして、何度も観た後、やっぱり(観る前に戻って、もう一度一から観たい)と願うだろうな。

 だから、今夜はもしかしたら、今年一番幸せな時間かもしれない。

 

 噛みしめつつ、寝ることとします。

 

 

 あーーーー楽しみ!!!♡♡♡