おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

OLの優しい沼

 ところで、「おっさんずラブ」は言わずとしれた、4月クールのドラマ。

 最終話は6月2日に終わっている。

 ところが、今に至るまでツイッターを始めとしたSNSは「おっさんずラブ」のキーワードで賑わい、公式が情報を解禁するたびに祭りと化している。

 今はもう7月下旬。

 この祭りは一体いつまで続くんだろう?



 数々の記録を打ち立ててきた本作だけど、元書店員(雑誌担当)としては、TVブロスの発売前重版決定には本当に驚いた。雑誌で重版というだけでもかなりレアな事態だというのに、TV誌だよ。

 まあ、1年のうち雑誌を買うことなんか1回か2回くらいしかない私でさえ買ったし、(万が一売り切れていたら)という心配故、これまた滅多にしない予約買いをしたくらいだから。

 そういう人たちが数多くいたということなんだろう。



 そこへ持ってきて、公式本ですよ。なんと、初版10万部突破ですと。

 最初、「わあ、すごい、さすがおっさんずラブ」くらいに思っていたけど、後からじわじわ(………待てよ、10万部?)と疑問が沸いてきた。

 今って本当に出版不況なんですよ。老舗の雑誌だってどんどん休刊していってる。「重版出来!」の和田編集長が言うとおり、「出せば売れた」時代はとっくに終わっているのだ。

 今の売れ筋ランキングだって、推定売上部数が3万部そこら。

 そんな中で、初版10万部とは、はっきり言って桁違いの数字だ。

 偉業と言っていいと思う。



 私は土曜ワイド劇場以来の「相棒」のファンで、かなり熱心に視聴している方だと思うけど、DVDを買うには至らなかったし、公式本も買ってない。「ファン」の中には、「好きだけど、特に経済活動を起こさない」私のような人がたくさん含まれているのが普通だろうと思う。

 ところがその私が、「おっさんずラブ」に関しては、TV誌で特集が組まれると聞けば予約してまで買ったし、「アニメージュ」なんて買ったことない雑誌もネットで取り寄せちゃったし、DVDも公式本もサントラも迷わず予約した。

 登場人物並びに俳優陣の「別の顔」をもっともっと見たい!と視聴者に思わせるだけの魅力とパワーを、この作品が持っていたからだと思う。

「好き」のエネルギーってすごいね!



 7話の放送終了後、早々に公式から「DVD発売決定!」のお知らせが出て、OLファン一同歓喜に打ち震えたものだった。

 7月第3週、いつものごとく土曜日の11:15に公式様から情報の解禁があったのだけど、DVDに日本語字幕がつくとあって、また震えちゃった。私が。 

 以前から、ツイッターで「聴覚障害があるから、字幕をつけてほしい」という要望をちょういちょい見かけていたのだ。ただ、「つけてほしい」という要望というよりは、「あるといいなあ、でも、労力もコストもかかるから無理かなー…」くらいなテンションだった。

 その要望を掬い上げてくれたのだとすると、テレ朝の公式、本当に素晴らしい。



 ひとつの作品に関して、日本中の色んな場所にいるファンが、同じようにお祭り騒ぎ出来る環境も稀有なら、こうやってファンと制作側とが意思の疎通を図れるのも、ツイッターの圧倒的よさだな。

 私がぼーっとしている間に、なんだか日本はすごい時代になってた。

 作品自体が極上の出来だったのみならず、終わったあとも、こんなに幸福な時間を他の人たちと分かち合えるなんて、今まで経験したことがない。



 おっさん同士の恋を、決して揶揄することも卑下することもなく、男女の恋と同じように受け入れるドラマ世界と同じように、「おっさんずラブ」を取り巻く環境自体、まるっと優しく、懐が深い。

 だからずぶずぶと頭の上までハマっていても、楽に息ができる。

 人生は捨てたもんじゃないと思える。



 これまでもそれなりに楽しく生きてきたけど、おっさんずラブにハマッてから、毎日が本当に楽しい。

 ちょっとイヤなことがあっても、おっさんずラブを思い出すとすぐに頭の中から飛んでいく。

 ありがとう、おっさんずラブ