おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

おっさんずラブ続編

 来ましたね。テレ朝のトップより「続編の期待に応えたい」とのお言葉。

 ここまで明言されるからには、裏ではかなり具体的な動きがあって、ある程度固まったのではないでしょうか。

 おっさんずラブという作品を楽しんで鑑賞してきた人たちみんな歓喜かと思いきや、ヤフコメでは否定的な意見が並んでいたのが意外だった。

 でもまあ、分かる。これまでドラマが好きで、ハマったことのある人なら、続編と聞いても期待半分、「いやいややめといた方がいいよ…」と二の足を踏む気持ち半分、といったところでしょう。

 今までの経験がそうさせるんだな。その気持ちはよーく分かる。

 

 よく出来た作品ほど、続編へのハードルは高くなる。初回にはなかった「期待値」のせいで、視聴者の満足する水準が爆上げになるからだ。

 その期待に応えてくれた作品も多々あるけど、残念ながらそうでなかった作品もまた山のようにある。

「続編は失敗することが多い」と感じてしまうのは、期待通りで満足した記憶より、「あーガッカリだわ…」と失望させられた記憶の方が残ってしまうからだろうか。

 

 私が10年前に出会った映画も、続編を強く希望したのだけど、そしてそれは作られたのだけれど、残念ながら「満足」からは程遠いシロモノだった。

 それだけではなく、タイトルこそ同じものを冠しているけど、キャストも脚本も全然違っていて、「………これのどこらへんが続編なんですか?」と制作チームの誰でもいいから壁ドンで問い詰めたくなるような出来だった。

怒髪天を衝く」というヤツでしたね。今でも思い出すとため息しか出ない。

 

 「妖怪人間ベム」は大好きなドラマで、今見てもよく練られた脚本だと思う。演出もキャストの演技も文句なし。

 ところが、映画は感心しない出来だった。思ったのは、ドラマと映画というのは、似ているようでまるで違う表現方法なんだなあということだ。間にCMを挟んで1時間弱で1話が完結するのと、2時間前後連続で見せる映画とでは、「時間」の感じ方がまったく違う。同じスピード感やテンポ感を感じさせようと思っても、多分台詞の量や間を変えないといけないんじゃなかろうか。

 ヒットのご褒美みたいな映画化だったから、ドラマのファンは見るし、役者のファンも見る。DVDも売れる。こういうのもアリなんだな、と納得はした。

 ただ、どちらも未鑑賞の人に、ドラマは勧めるけど映画は勧めない。

 そして、最終回があまりにも美しく完結していて完璧なので、続編はむしろやらない方がいいと思う。

 作品を愛するが故に「続編はなしで」と願う気持ちは、だからよく理解できる。

 

 とこのように、続編や映画化って成功の確率が高いとは言えないことを、ドラマ鑑賞歴が長い人ほど身に染みているわけだ。

 毎年やってて映画も成功している「相棒」がいかに化け物か、よく分かりますね。

 躍る大捜査線もよかった。「ガリレオ」は、ドラマも面白かったけど、映画はまた違ったよさがあって、稀有な成功例だと思う。「容疑者Xの献身」、好きな映画のひとつです。

 

 おっさんずラブも、ラストが綺麗に完璧に終わっている。

 ここから続編を作るのは、普通に考えたらめちゃめちゃ難しいと思う。

 特に、ここまで一大ムーブメントを巻き起こした後に、ファンを満足させられる作品を作れるかっちゅー話ですよ。

 もう一度言おう。

 普通に考えたらめちゃめちゃ難しいと思う。

 

 でも、「おっさんずラブ」は普通じゃないからね!

 まず、ドラマでありがちな「予定調和」「お約束」が一切なかった。ライバルを陥れる性格の悪い同僚も登場しなかったし、誰も記憶喪失や重い病気になったりしなかった。別れた後春田か牧のどっちかがやけくそでお見合いして片方が誤解して…なんて展開もなかったですね。待っていたのはまさかの「部長と同棲」っすよ。誰が思いつきます? そんな展開。

 だからこそ、多くの人に新鮮な驚きとトキメキを与えたんだと思うな。これまで散々ドラマを見てきた人たちにとっても、「こんなドラマ見たことない!」てなったんだと思う。私はそうでした。

 そもそも普通の発想だったら、吉田鋼太郎にヒロイン役をキャスティングしないと思います。

 

 そしてドラマが終わっても次々とファンサービスを繰り出す公式砲。おっさんずラブ制作チームは、本当にSNSの使い方が巧みですね。

 ここまでファンの期待に100%応える公式がかつてあっただろうか。

 私は見たことがない。

 

 ありがたいことに、メガヒットのお陰で、キャストのみならず、演出の貴島Pや脚本の徳尾さんのインタビューも、色んなメディアで目にすることが出来た。なので、制作チームのドラマ作りへの姿勢については、今や絶対の信頼を置いている私だ。

 メンバーさえ変えないでくれれば、このチームが作る続編なら、つまらないわけがない。

 

 というわけで、私はおっさんずラブの続編、期待に胸を高鳴らせながら待っています。

 ほぼ全員が主役クラスの売れっ子だから、同じキャストを揃えるのは相当難しいとは思うけど、なんとかそのハードルはクリアしていただきたい。

 待ってます。