おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

獣になれない私たち 最終話

 さぶくなりましたー。寒いの好きの私にとってはまだ「もう一声!」という感じですけどね。頬がぴりっと凍てつくくらいの寒さがよいです。

 この季節つくづく思うんだけど、鍋って偉大だよね! 冬野菜と肉ぶちこんでぐつぐつするだけで美味しくてお腹いっぱいになって、おまけに身体にもよい。わんだほう!

 日本人でよかった、と実感する季節ですわ。

 去年は野菜の高騰で、大好きな鍋をろくに食べられなかったから、仇を取る勢いで鍋ばっか食べてます。

 

 

 さて、昨日はけもなれ最終回でした。

 なんだかんだ、最後まで皆勤賞でしたよ。いやいや、ラストにラブがあってよかったよかった。

 しかし、2人で鐘が鳴るのを待って、そっと手を繋ぐ…みたいなさりげない描写に救いを感じてしまうほど、全体としてはピリ辛というか、ハードな味わいのドラマでしたね。

 

 ていうか、群像劇だったのね。最終話でやっと気づいたわ。

 今まで野木作品のファンタスティックな部分に癒されてきたけど、けもなれの晶が感じている閉塞感とか、「これは自分の人生じゃない」感は、まさに私たちが生きている現実そのもの。

 みんな大なり小なり我慢を重ねて生きている。上司がクソだろうと、取引先がコンプラのコの字も分かっていなかろうと、言いたいことをぐっと堪えて働いているのだよ。

 だから、「私、失敗しないので」と軽やかに言い放つDr.Xにすかっとするのだ。現実には言えないから。

 けもなれの晶は、ヒロインだけど、何も決め台詞を言わない。社長にキレて物申した晶にすかっとさせられた視聴者も多いだろうけど、当の晶は「会社で初めて吠えた…」と凹んでる。

 腹を括って、自分の意見を言った後、九十九社長がはいつくばって

「新開、すまんかったー!!」

と謝ればドラマチックだっただろうけど、そうはならなかった。

 どこまでもリアル。

 冷徹なほど。

 

 けど、

「上司だって取り換えがきくんです」

と口にして、晶は我慢して働いてきた会社を後にする。

 まあ、結局はそうなんですよ。人を見下す者は、自分が見下した相手に見下されている。人を罵倒したならば、罵倒した相手からは永久に信頼を失ったことを覚悟しなければならない。

 誰だって自分の人生の航路は自分で決められるし、「あ、間違えた」と思えばその船からは降りればいい。

 その後は意外とどうとでもなる、というか、その選択が間違っていなければ、自然と次の道が開かれていくものだ。

 

 …とまあ、こんなようなことを感じつつ、最終話まで見ましたけども、いや、普段なら見ないわ。笑 たとえ野木さんでも見ない種類のドラマだわ。

 私はやっぱり、ドラマを見てすかっとしたいのでね。現実にはあり得ない決め台詞でも、いっときの癒しをくれるならそれでいいのさ。

 しんどいリアルを生きてるのに、ドラマでまでヒリヒリしたくないっす。

 

 あとはとりとめもなく感想など。

 呉羽、好きなキャラでした。旦那のカイジと併せて、私はああいう風に生きたい。世間に媚びず、誰にもおもねらず、何と批判されようと、思った道を進みたい。2人にはオーストラリアでのびのび仕事してほしい。

 退場したかと思った京谷が敗者復活戦で出てきて、「おっ?」と思ったけど、やはり復活ならず、でしたね。これは納得。

 女が一度腹を決めてお別れを言ったなら、それはもう決定事項であって、なかなか覆るもんじゃないんですよ。

 しかも、つきあっているときと別れた後で、晶の方はどんどん先に進んで変化していってるけど、京谷は何にも変わってない。

「みんなどんどん先に行ってオレだけ取り残されてる」

と本人も言う通り。

 その自覚があるなら、なーんにも変わらずして、ずるずる4年つきあった挙句愛想を尽かされた彼女が戻ってきてくれるなんて、考えが甘いんだよ。シナモンメルツより甘いわ。

 

 

 ところで私、UVERのほかにkat-tunも好きなんだけど、両者とも、別れた彼女を想って歌う未練タラタラソングがあって、歌詞で割と笑ってしまう。

「別れたら電話しないって言ってたけどホントなんだね…」みたいなのとか、

「君がいつまでもそばにいてくれると信じていた」みたいなのとか、

(女っちゅー生き物が分かってないなー)と思う。

 個人の差によるところも大きいだろうけど、その辺はやっぱり、男と女では随分考え方が違うと思います、ハイ。

 

 途中しんどい部分も多々あれど、最後まで見続けたのは、なんだかんだ面白かったのと、あとは役者の力だな。好きな役者さんがそろっていて、なんと言ってもガッキーの可愛さには抗えなかった。

 偉大なりガッキー。

 

 あ、でも、上に述べたのはあくまで私の好みであって、このドラマがいかんかったとか、そういうことではありません。

 世の中には色んなドラマがあって欲しい。野木作品のひとつとして、私は最後まで視聴してよかったです。野木さんのドラマじゃなかったら、ガッキー主演じゃなかったら、田中圭が出ているドラマじゃなかったら、見ていなかった。見たことで色んな気持ちを味わえた。

 これもまたドラマを視る醍醐味と言えるかもしれぬ。