おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

炸裂する煩悩

 秋来ぬと 目にはさやかに見えねども Revivalをぞ 聴きしアマプラ



 どうも、今晩は。1週間のご無沙汰でした。

 て書こうと思ってたら、いつの間にかもう10日経っていた。

 台風をやり過ごし、暑さがやや落ち着いた感がありますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 私は元気です。

 今のところ一応。



 冒頭の迷歌は、宣言通り文学作品を読みに読み込んで歌心が爆発した……というわけではありません、残念ながら。

 いやーーーーー忙しかった。仕事が。マジで。

 毎日ボロ雑巾のようになるまで疲れ果てて、家に帰り着くころには5歳くらい歳取った気がしていた。

 本を読む余裕なぞありませんでしたな。。

 借りてきてすぐ読破した「舟を編む」は期待を裏切らない面白さだったけど、感想を書くパワーがさていつ沸いてくるやら。





(買い物に行こう)

という思いが、勃然と沸き起ったのだった。

 ってなんかこの言い回し、ついこないだも使った気がする。けどまあいいか。今「勃然と沸き起った」が私の中でブームなんだろう。理由はよく分かんないけど。

 正確には別に「勃然と」ではなく、もう随分前から

(仕事用のパンツ、一張羅だから買い替えなきゃ)

とか

(インナーももう随分買ってないな……いつも実家に帰省したときにまとめ買いしてたからな……)

とか、気になってはいたのだ。

 なんでずっと行けていないかというと、そもそも私は出不精なのと、日々エネルギーを何に割いているかという割合で言えば、ファッションとか外見関係はかなり順位が低めなので、よっぽどにならないと外へ服を買いに行こうという気にならないからだった。

 大阪に住んでいたときは、仕事の行き帰りに〇ニクロに寄ったり出来たので困りはしなかったんだけど、今の住まいはまあまあなド田舎だ。色々見ようと思ったら電車に乗って繁華街へ出かけねばならぬ。貴重な休みの日、そんなことのために時間とエネルギーを使う気になかなかならなかったのだった。

 それが積もりに積もって、考えてみたらもう9月。今年はまともに買い物に行けてない。

(よっしゃ、今じゃ!)

と、久しぶりに大型のショッピングモールへ出かけたのでした。




 土曜日午後、街の賑わいはどうなってるかな…と赴いて見たショッピングモール、コロナ前と変わらない混雑具合だった。

 もちろん、仕様は様変わりしている。入り口にはいくつも消毒用アルコールの四角い容器が置かれていて、入館者に消毒の義務が課されていたし、マスクの着用も全員がしなければならない。

 そして、思ったよりも暑い。換気優先で締め切ることが出来ないから、ほぼ外気温と変わらない。

 むわっと蒸す中、目当ての店を探してうろうろ。

(えーと、インナー買うには無印かユニクロだな。パンツ買いたい。ブラも紐んとこびろびろになってるやつがあるから見よう)

(あとスポーツウェアと……通勤に着られる服の上下と……あとあとメイクポーチとかももう古いし……)

 まあ、ね、ワタクシも女子の端くれ、こういったお店を回るのも楽しいっちゃ楽しいんですよね。

 夏物がセールで50%OFFとか、もうがっつり秋冬もののニットが出てたりとか、あーこれ可愛い、とか、(これ流行ってるけど何が可愛いんだろうか…?)とかね、色々色々見て回りました。 




 服関係を一通り回ったのち、ふと目に入ったのが〇ルディ。

 大阪に住んでたときには徒歩5分圏内にあったから有難みに気づかなかったけど、今の住まいの近所にはないから、こうして出逢えると嬉しい。

「家事ヤロウ!」でよく紹介されてるし、とりあえず入ってみた。

 ちょっと面白い調味料関係の棚をしげしげと見る。普段つましい暮らしに慣れていて、一瓶500円以上するような商品には目もくれなかったけども、いやいや、せっかく便利な時代に居合わせて、こうして安価で様々な味に触れることが出来るんだから、興味あるものはバンバン試そうぜ!という心境になってまして。

 アレですね、ここんとこの芸能ニュースや、座長が薬剤師やってるドラマの影響で(人生はいつ終わるか分からん。今のうちに楽しんでおこう)という心境になっていたのもあります。

 ベトナムのスイートチリソース。今生春巻きを作る予定は特にないけど、サラダにも使えそう。買いだな、とカゴへポイ。

 サラダの旨ドレ。これも美味しそう。ポイ。

 オーストラリア産の白ワイン。グレープフルーツの香りとな。うーむ、買いだ。ポイ。

 フライドオニオン。これも色んなメニューのアクセントに使える。ポイ。

 で、気づけば瓶が何本も入ったズッシリとした重みの袋を抱えておりました。

 重!!



 結局、服はほとんど買わず、ほぼ食料品買うだけで満足し、ショッピングモールを後にしました。

 無印でパンツ2枚だけ買った。



 頭で考えてなんだかんだ計画していても、疲れてると本能に忠実になっちゃいますね。

 まあでも今回はこれで正解でした。私は食生活が充実することで幸福度も上がる性質のようです。ワインも美味しゅうございました。満足。



 激務が続くさなかなので、更新が続くかは分かりませんが、とりあえず近況報告でした。

Hungry?

 毎月、月の頭は繁忙期で、非常に忙しく、エネルギーを削り取られると、以前も書いたことがある。

 うちの職場、コロナ禍休業前の忙しさをすっかり取り戻した感があります。

 

 

 休日は大体作り置きおかずを作るので、月曜の朝には冷蔵庫の中にお弁当のおかずが8種類以上はある。

 だから、毎日お弁当を作っても大丈夫な品数も量もあるんだけど、大抵水曜か木曜くらいには(自分が作る弁当飽きた)てなる。

 寒いうちは、コンビニ弁当のバリエーションを楽しんでいたのですが、このところ暑くて、朝コンビニの弁当コーナーの前に立っても、(……欲しいものが何もない……)という状態に陥る。

 昨日の朝もそんな感じだったのですね。

 急いでたし、とりあえずカップヌードルを買って職場へ赴いた。

 

 

 昨日の午前中はもうずーーっとめちゃくちゃ忙しくてですね。

 お昼どきには、お腹の虫がギュウギュウ鳴っていた。

(肉だ。肉を食べたい)

という欲求が勃然と沸き起こった。どう考えてもカップヌードルではない。BIGを買ったけど、絶対に足りない。

 しかし、となると暑い中、また外へ出かけねばならぬ。それはめんどくさい。出来れば出たくない。

 けれども、

(いーや、肉だ。断固肉を食う)

(肉と白飯。それ以外はNO!)

と、腹の虫の強い主張に負けて、昼休憩に入ってからお弁当を買いに出た。

 職場近くのスーパーへ直行。迷わずチキン南蛮弁当(大盛)を買って帰りました。

 いやー、うまかった。白飯と肉、それも「衣をつけて揚げた鶏肉+甘酢あん+マヨネーズ」というカロリー爆弾が、疲れ切った身体にしみわたってですね。

 買いに行って正解。午後も元気で働けました。

 

 

 今日の午前中も変わらない忙しさだったんだけど、(ここを乗り切ったら日曜日!)と心の中で唱えて、なんとか業務をこなした。

 帰宅後、体重を計ってみたら、2日前と比べて1.5kg落ちていた。

(ええっ昨日の昼あんなカロリー爆弾飯食べたのに!?)

 と驚いたんだけど、まあともかく、それくらい激務なんです。ウチの職場。

 

 

 もうひとつ、「勃然と欲求が沸き起こった」ものがあって、それが「字」だった。

 正確に記すと、

「歯ごたえのある書物をガッツリ読みたい」

という欲求だった。

 文章を考えようと思っても、なんかエネルギーが沸いてこないというか、ガス欠のような感じがしていたのですね。

 アウトプットの量に対してインプットの量が足りてない。

 考えてみれば、もうずっと、まとまった量の読書をしていない。

(本だ。本を読もう)

と思ったわけだ。

(それも、ゆっくり読んで、咀嚼に時間がかかるような、『本』を読みたい)

という欲求を感じた。いや、「欲求」という表現では足りないな。

「字が読みたいー!!」

「ガッツリ読んで読んで読みまくりたい!!」

という「飢え」と「渇き」を感じたのだった。

 で、今日、ちょうど図書館に行ける環境が整ったので、久々に近所の図書館へ行ってきました。

 今カラ兄の1巻読んでる。

 ジュンパ・ラヒリ湊かなえ三浦しをん、計7冊借りてきた。

 読んで読んで読みまくります!

 

 

 というわけで、しばらくここから離れます。

 充電完了したらまた記事をがしがし更新すると思います。

 それまで少々お待ちください。

 

 

 台風、逸れるといいんですけど、どうなんでしょうね。

 去年みたいに直撃すれば、大きい被害が出そうですよね。

 私は家にこもる準備は整えました。

 どなたさまも無事で、9月の台風を乗り切られますように。

 

おうちでサーティワン!

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 甘いものをそれほど好まない私ですが、アイスは大好きでよく食べます。

 スーパーカップも爽もMOWもハーゲンダッツも全部好き。

 と言って、いちいち買ってると高くつく。そして当然太る。

 なので、冷凍庫には常にアイスクリーマーがスタンバってます。

 

 

 今日、久しぶりに作りました。

 業務スーパーの紙パックタイプのレアチーズケーキは、そのまま食べるとチープな味であまり美味しく感じないけど、凍らせるとうまい。

 低脂肪の生クリームとプレーンヨーグルトを加えてミキサーで撹拌すると、それだけで美味しいムースになる。

 これをアイスクリーマーでウィンウィンと混ぜます。

 アイスクリームになると、回転がしんどそうになって、音が変わってくる。

 一番最後に、インスタントコーヒーの粉をお湯で溶いて作った特濃エスプレッソソースを加えて雑に混ぜて冷凍庫へGO!

 

 

 こないだ家事ヤロウでやってたアイスのトッピングが美味しそうだったので、パン粉と砕いたクルミをフライパンで熱してクリスピーなやつ作りました。

 それをかけて食す。

 うまし!!!

 サーティワンのなんとかファッジみたいでした。

 

 

 業スーのレアチーズケーキ、そのままサイコロに切って冷凍しても美味しいひとくちアイスになるし、なかなか有能なヤツです。

 おススメ。

井口くんと岡野さん

 こんばんは。今宵も閲覧いただきありがとうございます。

 親愛なるOL民の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

 ここを訪れる民の皆さまの中にも、ガッツリ連ドラから派もいらっしゃれば、劇場版公開でOLにハマった派、再放送出派、そしてこないだの地上波初放送出派、様々な出自の民の方がいればいいなあ……と思いながら、今日もOLに想いを馳せております。

 

 

 しかしあっついですね。マジで。

 いつまで暑いのよ。もう8月終わるよ。

 外に出るとむわぁ…っと熱をはらんだ湿った空気が肌にまとわりつく。今日なんかも朝から強い日差しが降り注いで、いやもう「暑い!」しか言う言葉を思いつかない。

 お陰様で職場はほぼ元の通りの活気を取り戻していて、それはありがたいし嬉しいんだけど、仕事を終えて家に帰って来る頃にはへとへとのヨボヨボ、ブログを更新する元気なんか残っとりゃせん。

 あと1週間くらいで暑さがおさまるといいんだけど。

 

 

 そしてニュースは相変わらず、ビックリすることばかりで、聞いてほっこりするようなハートフルな話題はあまりお目にかかれない。

 テレビつけてるだけでストレス値が上がっていくような。

 というわけで、私が見るとちょっと元気になれる動画をご紹介しようと思います。

 

 

 King Gnuが好き!という人も今やたくさんいるだろうと思う。King Gnuが好きということは、美声のボーカルにしてフロントマンを務める井口悟のファン、ということになるだろう。全員とは言わないけど90%以上は。

 私も井口くんが好きで、特にその変態度は大したものだと感心した話は既に書いた。

 

ktdmtokttn.hatenablog.com

 

 で、井口くんが好きなら、彼がポルノグラフィティの大ファンだという情報もきっと知っているだろう。

 ご存知ない方のために一応さらっと説明させていただくと、井口くんは年季の入ったポルノファンで、自分のラジオ番組でポルノの曲をかけ、コスプレしてノリノリで歌い、結成〇周年も勝手にお祝いしちゃうという、ド変態ファンの鑑なんですね。

 井口くんの番組に、ポルノのボーカル岡野さんからメールが届き、声のお便りが届き、それでも「マジ…!?」と狂喜していたところへ、スタッフのサプライズで岡野さん本人が登場、なんと一緒にデュエットしちゃう、という経緯があったのだった。

 これがもうホント、抱腹絶倒というか、めちゃくちゃ笑えるんだけど、神様のように憧れていたその人に会えて、一緒に歌えて、興奮している井口くんが微笑ましく、(夢が叶ってよかったね…!!)と心から祝福でき、なんかこっちまで涙が出てしまうという、濃度の高い番組だったのですよ。

 

 

 でね、それを、岡野さんの方の番組でやってて、裏から見たドッキリ企画としても楽しく、岡野さん視点の井口くんがまたこれはこれでめっちゃ面白いので、興味のある方是非一度ご覧ください。

 

www.youtube.com

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 井口くんの言う、「人生においてポルノを避けて通ることは出来ない」、これは私にも当てはまっている。

 何しろ「アポロ」は鮮烈な印象だったよ。私は宇宙に関することに昔から興味が強く、宇宙飛行士の話とか惑星間物理学の本とか、いっとき読み漁っていた。アポロ計画について色々と思うこともあった。

 「アポロ」を初めて聴いたとき、あの宇宙飛行計画をこんな風に歌に出来るのかと、その発想に驚いたし、ちょっとした衝撃だった。裏声にならない高音の歌声も、異国情緒あふれるメロディラインも魅力的だった。

 「アゲハ蝶」も「サウダージ」もどれも好きです。

 つーかマジで歌うまいよね。岡野さん。伸びやかな高音を聴いていると耳が気持ちいい。

 

 

 岡野さん、イイ人ですね。ハイテンションでポルノへの愛を語る井口くんを見守る表情がいい。

「もう2時すぎじゃろ…あのテンションで歌うんか…」

とか言いながらのー、いざドッキリで突撃したら井口くんを上回るテンションでいきなり歌っちゃってるからね!笑

 突入された井口くん、最初状況が把握できずに「何? 何?」てなってて、そこから「おいおいちょっと待ってくださいよ…」とがっくり来そうになるの、分かる。超分かる。自分のキャパを超える事態が起こると、目の前の情報を処理するだけでめちゃくちゃエネルギーを費やすから、しゅー……とショートしそうになる。

 でもそこから立ち直って、2人並んで歌う段になると、こんな歌うま2人のデュエットなんちゅーものを聴けて、こちらとしてはもうご褒美でしかない。

 2人が手を合わせてハート作る場面は必見。

 

 

 ミレニアム前の1999年に「アポロ」をヒットさせたポルノグラフィティが、今でも第一線のアーティストでいてくれることは心強いが、若い世代は知らない人の方が多いかもしれない。

 井口くんがこれだけポルノポルノと口走っていれば、きっと10代の若いファンの間にもポルノの歌が広く知られることになっただろう。

 そしてポルノのファンの皆さんもKing Gnuを聴くようになったりね、お互いの交流も楽しそうだ。

 

 

 

 

 

 まあともかくさ、「好き!」という気持ちは強い、という話。

 そして、「好き!」と口に出していれば、こうして思いがけない縁が結ばれることもある。

 何かと情報過多で、何が正しくて何を信じればいいのか分からなくなることもあるけど、時代や価値観が変わっても、そこは変わらないと思います。

 

 

となりのトトロ

 みんな大好きジブリ映画。

 中でも、特にトトロは、全国民の熱い支持が集まるだろう。

 もはや宮崎駿監督の手がけたジブリ映画は、日本人のDNAに染み込んでいると言ってもいいくらい浸透していて、見ていることは当然の前提とした上での

「どのジブリ映画が一番好き?」

という問いがありますが、トトロを挙げる人、多いんじゃないかな?

 ちなみに私は不動の一位が「風の谷のナウシカ」、二位が「天空の城ラピュタ」で、三位が「耳をすませば」ですね。

 でもジブリの場合、どれもこれも水準が高いので、「全部好き!」になる。

 トトロももちろん大好きですとも。ていうかトトロ嫌いな人いる?くらいに思ってる。

 これももう、何十回となく見てるけど、やっぱり録画しちゃいました。

 こないだ録画ストックが失われたところだったのでちょうどよかった。




 これホントさ、「子供の動き」の表現が見事ですよね。何度見ても。

 書斎で執筆に励むお父さんと、庭で一人遊びするメイの場面。アニメーションのキャラの芝居と、声をあてている坂本千夏さんの芝居が両方素晴らしい。

 あの、自分のペースで話す子供と、相手に合わせる大人との、独特のテンポ感とか、自分の世界観に没入してごっこ遊びする感じとか、興味のある対象をロック・オンしたときの集中力とか、

「そうそうそう~! 子供ってこうだよね!」

に溢れてて、見てるだけで満たされる。

 



 私が生まれ育った時代の故郷はドがつく田舎で、自動車が通る道路でまだ舗装されていない地面があった。私が小学校に上がった頃、通学路はまだ未舗装だった。

 まだ温暖化なんて言葉自体がなかった頃で、冬はちゃんと冬らしく寒かった時代だ。11月にもなるともうかなり冷え込んで、朝にはよくそこら辺の雑草に霜が降りていた。土中の霜柱を踏んで、ばりんばりん音と感触を楽しんだりする遊び、今時の子供はどれくらい知っているんだろうか。

 学校へ向かって歩き始めると、道に牛の糞が落ちて、凍っていた。5分くらい歩くとまた落ちていた。等間隔に落ちている糞は、凍結度が徐々に下がっていき、ラストは世に生まれ出て間もないと思われる湯気を立てていて、そのフレッシュな物体の落とし主である牛本人と出逢えたりした。

 そういうド田舎だったと思ってください。

 一人っ子のばあちゃん子だった私、小さい頃はまさしくメイのような一人遊びをしていた。庭に広めの畑があって、そこが遊び場だった。

 春はメイと同じように、庭に出て、雑草の花を摘んだり、地面に開いた穴を観察したり、思いついてトンネルを掘ってみたりと、なかなかアクティブに過ごしていた。

 小トトロが使った逃走経路のひとつである「床下」の空間、私も覚えがある。格子の向こうに広がる薄暗がりが、何とも言えず子供の興味をかき立てるんですよね。で、あそこにはよくアリジゴクの巣があった。そこら辺で捕まえてきたアリをそのすりばち状の巣に入れてみたり、すりばちの底をほじくってアリジゴクを引きずり出したり、まあ、5歳くらいの子供ってろくなことしませんよね。放っておくと。

 メイが庭でひとりで遊んでいる場面を見ると、何十年も前のそんな記憶が、記憶庫のどこかから浮かび上がってこぼれ出す。あの春の日のぼやっとした温度や、草の匂いや、周りをヒラヒラしているモンシロチョウの白なんか、思いがけないくらい鮮やかな記憶だったりして、時に戸惑うほどだ。

 つまりはそれほど、メイの造形と演技と表現が素晴らしいということだと思う。




 それまで、アニメに出てくる子供がメイほど「リアル」でなかったために、メイのキャラクターが鮮烈に印象に残るが、さつきのキャラも繊細に描かれている。

 ききわけがよくて、物事の道理をわきまえていて、小学校5年生ながら既にTPOに応じた態度をとることが出来るさつきは、大人びた「良い子」なんだけど、やっぱり歳相応の幼さも持っている。

 入院しているお母さんの一時帰宅を楽しみにしていたのに、延期になってしまった。自分もガッカリして泣きたい気持ちなのに、幼い妹をあやさなければならず、さつきが感情を爆発させる場面、なぜか何度見ても好きだ。

「うわぁーーーーん」

という、身も世もない泣き方。さつきがまだ子供時代にいることが十分伝わる泣き方だ。大人になると、あんな泣き方はしたくても出来なくなる。

 まだ子供なんだけど、メイとは違って、思春期の手前にいることも随所で描かれていて、繰り返し見ていても、丁寧な描写に感じ入る。




 この作品については、恐らく詳細な考察も分析も山のように世間にあるだろうから、ムズカシイことは本職の方々にお任せする。

 というか、今更私が感想を書くまでもない名作なんだけど、こないだ見たのがやっぱり胸にしみたので、書いてみた。




 こないだ見た「聲の形」も、期待以上の良作だったので、感想を書きたいんだけど、素材が難しく、手をつかねている。

 まとまりそうになったら感想を書きます。

ドールチェ&ガッバーナ♪

 昔の私は、いわゆる「ブランド」というものにとんと疎く、世の中のシャレオツ女子たちがこぞって夢中になるハイブランドの名前もチンプンカンプンだった。

 さすがにシャネルやグッチの名前は知ってましたよ。でも、ブランドの価値云々よりも、そのハイブランドを有難がって、信仰のように仰いでいる女子軍団の狂騒や、全身同じブランドで固めた、オシャレとか似合っているとかそういう次元ではなくただただ「このブランドが好き!」「このブランドを身に着けている私が好き!」な、些か常軌を逸したマニア等が目について、自分とは無縁の世界だ、と感じて長い間過ごしてきた。

 書店で働き始めたとき、世はもうちょい手に届きやすい価格帯のブランドブームが来ていて、特にブランドのグッズがおまけになった女性誌&もはやおまけがメインになったファッションムックが一大ブームになっていた。

 となると、お客さんにそのブランドムックの置き場所を聞かれるわけです。

「あの、レスポートサックのバッグがついた〇〇はどこに置いてますか?」

「……………レ?」

 と、最初「レスポートサック」の「レ」しか聞き取れなかった。

 そんな私でしたが、お陰様でそういう問い合わせをこなすうちすっかりブランドの名前にも慣れ、有名どこは大方分かるようになりました。

 老舗のハイブランドには、価格相応の値打ちがあることも知るようになりました。

 

 

「ドルガバ」というのが、「ドルチェ&ガッバーナ」というブランド名の略で、幅広い層に人気である、というのも、この書店勤めのお陰で得た知識だった。

 なんでもかんでも4文字に略すの、どうかと思うけど、ドルガバはなんか略称になってもお洒落な雰囲気を失わないな、と思っていた。

 

 

 さて表題はですね、知っている人は一発で分かるだろうけど、今巷で大流行しているこの歌ですよ。

 

www.youtube.com

 

 聞きやすく、印象的なフレーズの繰り返しで、特にサビの耳残りは異常だと思う。

 全体的に(いい歌だな)と思うんだけど、やっぱりこの歌の成功は、ひとえに

 

 ドールチェ&ガッバーナ♪

 

 ここのハマり具合によると思うんだ。

 このMV見た後、しばらく脳裏に「ドールチェ&ガッバーナ♪」が回る。

 QPの「たーらこ~、たーらこ~」に匹敵する中毒具合。

 

 

 この歌、ついこないだまで存在を知らなかった。

太田上田」という番組(爆笑太田&くりぃむ上田がゆるくトークを繰り広げる中京テレビのローカル番組)で、爆笑太田

「え、お前知らないの!? この歌、YouTubeでエライことになってんよ?」

と言いつつ、

「ドールチェ&ガッバーナ♪」

というサビしか歌えなくて、その後本家を見てみたら(なるほど、確かにこのサビはすぐ覚えて印象に残る)と思った。

 

 

ドルチェ&ガッバーナ」というブランド名と、このフレーズを組み合わせることを思いついた段階で、この歌の成功は決まったのだと思う。

 

 

 「おっさんずラブ」は名言の宝庫ですが、第一話ラストのパワーワード

「巨根じゃダメですか?」

は中でも至極、名言中の名言だと思う。

 ここまで延々このドラマについて語ってきて、いいところは数えきれないほどあると知っている私でも、

「『おっさんずラブ』が成功したポイントは?」

と聞かれると、

(『巨根じゃダメですか?」というキャッチーな台詞を思いついたところかな)

と今でも考える。

 

 

 時間にして、たった数秒。

 そのフレーズが、広く受け入れられ、拡散し、浸透すると、メガヒットに繋がるわけだ。

 

 

 ということで、「ドールチェ&ガッバーナ♪」というサビのフレーズを聞くたびに、牧くんの

「巨根じゃダメですか」

という台詞がオートで脳内再生されるのでした。

とあるOL民の終戦記念日2020

 8月15日、日本は75回目の終戦記念日を迎えた。

 昭和20年のこの日をもって日本は戦争状態を終結し、以降更新されていない。

 平和の中でこの日を迎え、こうして自宅でこの記事を書けること、まずはめでたいと思う。



 子供の頃から、私にとって戦争とは、「勉強する」ものだった。

 日本はかつて戦争をしていた。戦争を知っている人たちがまだ大勢生きていて、比較的近い時代の「歴史」であった。

 一番古い記憶は、丸木位里・俊の「ひろしまのピカ」だ。母が買ってきて私に与えたものだった。

 その後も、折にふれ色んな本や資料や映画で戦争について知ろうと努めてきたことは、以前この記事でも書いた通り。




 最初が小学校の1年生だったとすると、私の「戦争学習」は40年に及ぶことになる。

 でも、最近になるにつれ、戦争当時がどんどん近く感じられるようになってきた。

 以前は、「学ぶべき歴史」であって、本の中、画面の向こうで起きていることに過ぎなかった。

 あの戦争当時が、今と地続きの時間と空間の先にあること、ものすごく変わってしまったようで、今と全然変わらないものも多いこと。

 私たちが生きているこの日常も、小さな変化に敏感にならないと、少しずつじわじわと浸食された「異変」によって、かくも無残に砕け散ること。

 死ななくていい命が、いとも無造作に、なんの意味もなく大量に失われていったこと。

 そこに責任をとるべき大罪人=大悪人がいるとどこかで思いたかったけど、そんな人間はどこにもいないこと。

 ごく普通の人が、ある条件下では信じられないくらい残虐なことをやってのけること。




 戦争は、知らずに育った私からすると「異常事態」だけど、たくさんの小さな「異常とまでは言えない変化」の積み重ねの結果であると、そんな風に考えるようになった。




 NHKアウシュビッツの特集を見たんだけど、ナチスホロコーストに関する資料を目にするたび、考えてしまうのは、アドルフ・アイヒマンのことだ。

 アウシュビッツを始めとした強制収容所を「運営」する責任者であったアイヒマンは、「いかに多くのユダヤ人を効率よく始末できるか」という任務を粛々と執り行った。

 ドイツの敗色が濃くなり、処刑の遂行を中止するようにという命令がきたのに従わず、相変わらず任務をこなしたという。

 連合国軍がドイツに入り、ナチスの蛮行が白日の下に晒されたのち、南米に逃れたアイヒマンは後年イスラエルモサドによって拘束され、強制連行されて裁判を受けることになるのだが、終始無罪を主張していたという。

「私は一人のユダヤ人も殺していない」

「私がしたことは命令に従ったことだけだ」

と。 




 若い頃は、アイヒマンが極悪人に思えた。サイコパスか、どこか人格に重大な欠陥があるのだと思っていた。

 今は、まったくそうではないと考えている。周囲の人も証言するように、アイヒマンとはごく平凡な人間だったに違いない。与えられた仕事を従順に、効率よくこなすことに自分の存在価値を感じるような、公務員タイプの能吏だったのだ。

 彼は最後まで自分の罪を自覚せずに死んだのではなかろうか。




 その、「アイヒマンが凡人だった」という事実こそが今、かつてよりももっと、私を戦慄させる。

 それはとりもなおさず、自分をごく平凡だと思って生きている私自身の中にも、ホロコーストに繋がる残虐行為を行うスイッチがあるということだ。

 多分、そうした状況に追い込まれたら、自分の行為を振り返って是非を問うような理性は失われているだろう。人の脳は自分を正当化するのに驚くべきポテンシャルを発揮するものだから。

 そのスイッチを容易に入れてしまう、それこそが正義の行為だと思ってしまう、それが戦争の恐ろしさだと思う。




 女性、子供、老人、身障者、精神科の患者たち、多くの人が迫害されて犠牲になった。

 虐げられ、無念の死を遂げた同性愛者も少なからずいたと言われている。



おっさんずラブ」を鑑賞し、優しい世界に癒されるのもいい。

 でも、この世界はまだリアルじゃない。

 同性愛者を含むLGBTの人たちも、それ以外の人たちも、差別したりされたり、甘くない現実を生きている。

おっさんずラブ」のバリアのなさを現実のものにするためには、色んな立場の人たちを思いやる想像力と、実行する行動力を持たなければいけない。

 差別という悪に「NO」を唱える勇気も。




 とか、そんなことを考えながら、終戦記念日を過ごしたのでした。