大誘拐2018、期待しないで見たのがよかったのか。
思ったより楽しめました。
この話を今の時代に持ってくるには、相当なワザと工夫が必要だ。そこはクリアしていたんじゃないでしょうか。
本家に比べればライトな味わいだけども、テレビドラマだし。そんで東海テレビでしょ?
スペシャルドラマとしては、このくらいの軽さとボリュームでちょうどいいと思ったよ私は。
テレ朝のクリスティ翻案のドラマも、「ドラマとしてそれなり」で、好きでした。
「それなり」ってdisってませんよ。「ちょうどいいボリューム」って大事。
天藤真の原作が大好きだった。読んだのがもうずいぶん昔のことだから、細かいことは忘れてしまったけど、私が愛読していたミステリ作家のどなたかが「師匠」と呼んでいたような気がする。誰だったかなあ?
今の若い人たちは天藤真を知っているだろうか…と心配になったけど、考えてみれば、私が読んだとき既に「昔の作家」だった。図書館で古びた文庫本を見つけて読んだとき、衝撃的な面白さだった。「うわあ、めっちゃ面白い!!」と感じた興奮はよく覚えている。
乱歩や横溝正史のおどろおどろしさとか、何とも言えない湿った感じも好きだけど、天藤真はカラッとしてて、他の作家にないユーモラスさがよかったんだな。
それでこうやって2018年になってドラマとしてリメイクされているわけだから、やはりいいものは時代を超えて残っていくんですね。
比べてどうこう言うつもりはないんだけど、昔見た「大誘拐」の映画、ムラムラと見たくなってきた。映画も面白かったんだ。ものすごく。
日本を代表する名家の大奥様を「刀自」と古めかしく呼ぶところがもうぐっときちゃうし、なんといってもこの映画の要はとし子刀自を演じた北林谷栄だよ。
三億ぽっちの身代金に激怒して犯人たちに檄を飛ばすシーンの迫力、めっちゃドキドキした。
そんでまたね。緒形拳の猪狩警部が、とし子刀自を助けようとして、手口から犯人像をプロファイリングして、途中で真実に気づいていく過程も面白い。
家族が無事資産を数え終わり、百億というぶっ飛んだ身代金の受け渡しが無事成功した暁には、見ているこちらまで「やったぁ!」という達成感が味わえた。
で、アマゾンプライムで視聴できると知り、すぐさま加入しました。笑
今度の休みに見よう。楽しみ~。
このドラマで「大誘拐」を知った方、よければ岡本喜八監督の映画も是非。
もちろん原作小説も超おススメ。