※おっさんずラブ関連の記事にあらず。のみならず、ポジティブな内容ではありません。
読みたくない方はスルーをお勧めします。
好きな俳優が出る作品のクランクアップのお知らせは嬉しいものだ。公開の日を心待ちにするのがファンに共通の心理というものだろう。
一方で、長らくファン稼業をやっていると、胸の片隅を一抹の不安がよぎる。
(……公開されるまでに関係者の誰かが不祥事起こしてお蔵入り…なんてことが起きませんように)
今回、この不安が的中する形となってしまった。
言いたいことは山のようにある。
新井浩文という俳優を私は好きで、顔を認識して(あ、また出てる)と嬉しく思うようになったのは、田中圭よりも先だった。
山田孝之と出ているBOSSのCMのとぼけた味わいも好きだし、北川景子主演の「フェイク」の編集長もいい味出していた。
だからして、「逮捕」というニュースによって、それはもうたくさんの感情を味わうことになった。
が、今回それについては書かない。
正直、書くつもりでいた。でも(書けない)という結論を動かせなかった。
なぜなら、彼はまだ有罪が確定していないからだ。
そしてこの国では、有罪が確定するまでは、「無罪」のはずだからだ。
ずっと以前から不思議だった。裁判で有罪判決が出るまでは無罪のはずで、これを推定無罪と言う。中学の社会科で習う近代社会の原則だ。
はるたんはともかく、武川主任やマイマイと同世代か上の世代なら記憶にあると思うが、昭和の昔、逮捕された人は報道で苗字を呼び捨てにされていた。
それを、名前の後に「容疑者」をつけるようになったのは、
「あくまで『容疑』であって犯罪者ではない」
という、推定無罪の考え方によるものだ。
なのに、今の報道はどのメディアも、この原則をまったく忘れてしまったかのように
「逮捕=有罪」
と断定して記事を書く。
「マスメディア」とは、「マス」=大衆に広く影響を与えるメディアの意味だ。
それを、肝心のマスメディアに携わる人々がどれだけ意識しているのか、疑問に感じることも多い。
今「イノセント」というドラマでもやってるけど、逮捕・起訴されたけど冤罪、というケースだってあるんですよ。でも、一度事件が報道されて、実名が世に出てしまうと、冤罪だったとしても社会復帰は難しい。
今回のケースでは、本人が犯行を否定していないようだ。あくまで報道を信じるならだけど。
だからそういう危惧には当たらないのかもしれないけど、名前の後に「容疑者」がつく意味を、分かっていないマスコミ関係者が圧倒的に多いのは、やはり問題だと思う。
もうひとつ。
「新井浩文」の名前の後に「本名:パクキョンベ」と出て、驚いた。
日本国籍じゃないことにビックリしたのではなくて、逮捕されたとたんに引っ張り出された「国籍」問題に驚いたのだ。
その情報、今、重要…??
なんか、「こんな犯罪を犯す人間は日本人ではありません」という烙印にしか感じないんだけど。
いや、でもさ、純日本人でえげつない性犯罪犯す人間、山のようにいるんですけど。
なんでここだけ国籍出したの?? それ、意味ある???
私は日本と言う国が好きだけど、多分人並みに愛国心もあると思うけど、日本人のこういうところはキライ。好きになれない。
正反対の例が、こないだ世界一になった大坂なおみ選手だ。
彼女が日本人として選手登録しているのはいい。だけど、外国育ちで日本語を「勉強している」段階の彼女の「日本人らしさ」を鵜の目鷹の目で探し出し、
「さすが日本人!」
ともちあげるのは、そりゃいくらなんでもこじつけでしょうよ…と思う。
人々を魅了する「ナオミ節」も、彼女ならではの個性であって、けっして「日本人らしさ」がもたらすものではないと思う。
新井浩文が完全に有罪だったとしても、この2点は見過ごせない。
彼本人と関係なく、マスコミ諸氏には猛省を促したい。
………こういうことになるとさ、あとはもう、捜査&裁判が終了するのを待つしかないんですよね。我々一般人は。
今のところ「作品の公開延期は考えてない」とのコメントだけど、今までのことを考えると、何事もなかったかのように予定通り公開…という運びにはならなさそうだ。
あーあ……と肩を落としつつ多くの人が吐いたため息の総量、一体いくらくらいになるのだろうか。
有名人が犯罪を犯すことについて、「有名税」というタイトルで記事を書こうかと思っていたのですが、それは有罪判決が出てからにしたいと思います。