おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

トクサツガガガ第6話 ハハノキモチ

 見ました。

 6話でずーんと来るやつ、知ってる。超覚えある。

 最終回前にどーんと下げて「ど、どうなる最終回!?」てやるの、ドラマの定番だって分かってても、まんまとやられちゃいますね。。。

 それだけ心が持っていかれている証拠。

 

 このお母ちゃんが娘の立場からするとホンマクソすぎてもう……

 でまた、松下由樹がうまいんだよなあ。「めっちゃ迷惑だけど悪人じゃない」ていうギリギリのライン。ちょっとふくよかになられましたが、それがまた大阪弁(ていうか泉州言葉?)とマッチして、いかにもなTHE・大阪のおばちゃん。

 確かに、ぐいぐい来るのが大阪のおばちゃんのよさであり持ち味でもあるけど、成人した娘の部屋に勝手に上がり込むのはいただけない。

 まして、大事にしていると分かっていながら、棚に飾ってあったシシレオーフィギュアを勝手に持ち出して、あまつさえかのの目の前でぶっ壊すなんてなあ。

 リアタイした後、続けて録画を二度見たけど、腹が立ちすぎて、思わずマジでツイートしてしまった。

 

 かのちゃん、特ヲタだけどさ、お母ちゃんにとって、決して悪い娘じゃないと思うんだよ。迷惑と感じながらも、お母ちゃんが買った服着て、ちゃんとおもてなししようと努力してたじゃないか。

 かの目線で見ると、そのかのちゃんの努力を何も理解しない上、「女の子で、しかも今はいい年なのにいまだに特撮を好き」というだけでバッサリ否定するお母ちゃん、悪でしかない。

 

 任侠さんちの母ちゃんくらい、「最初は正直引いたけど、まあしょうがないか」くらいのノリで接してくれたらよかったのにね。

 任侠さんママは、「私の感覚とは違うけど、息子は息子で別人格だから」というわきまえがあるような気がする。

 かのママには残念ながらそれがない。自分と娘が違う人格だということが分かってない。

 子離れ出来てない典型的なバカ親思考。

 

 でもね、お母ちゃん世代の女性のこのタイプ、多くは世間がかけた呪縛に捉われたままなんだと思う。

 昭和の昔、女性にはそれはそれは多くの呪縛があったんですよ。シングルでかのちゃんと兄ちゃんを育てたお母ちゃんもきっと、色々闘いながら生きてきた人なんだろう。

 ただ、だからと言って、自分のルサンチマンの産物を娘に押しつけていい理由にはならない。

 

 目の前で大事なシシレオーのフィギュアをぶっ壊されたかのちゃんが遂にキレて、

「じゃかましいわ! このクソババア!」

と見事な啖呵を切る場面、胸がすーっとしましたね!

「親に向かって…」

と言いかけるお母ちゃんを制して

「親じゃない」

と言い切ったかのちゃん。

 そう、子供を理解しようとしない、子供の価値観を否定する、自分の思う通りに歩かせようとする……これって、どんなに善意から発せられた行為であっても、ただの暴力だからね。自分が産んだ子供と言えど、成長すれば自分とは別の人間。思う通りになんていくわけがない。

 そこを分からずに、無理くり押し通そうとすれば、こうした明確な拒絶が待っているんですよ。

 当たり前の自業自得。

 

 ……とは言え、親子にとって、これは辛い決裂だ。

 今回は、かののピンチに決まって現れるエマージェイソンも登場しませんでしたね。最後までシリアスなままのラストでした。

 それだけ、かのちゃんの心が余裕をなくしていたということなんでしょう。

 

 「毒親」という言葉が知られるようになった今でも、「ええー、でも、親子なんだからさあ」とか簡単に言う人がいる。でも、親と子って、そう単純なものじゃない。永遠に分かり合えない親子なんてごまんといるし、子供を傷つけて平気な親、むしろ子供をサンドバッグにするのが趣味の親だって、残念ながら存在するのはニュースが示す通りだ。そんな親からは全力で逃げるしかない。

 だけど、このお母ちゃん、「毒親」とまでは言えないんだよな。やり方が超間違ってるけど、かののことを思っているのは間違いない。

 歩み寄りの余地があるなら、もう少し探ってみてもいいかもしれない…という微妙なところ。

 それも含めて、次回どうなるか、ドキドキしますね。

 

 ところで竹内まなぶ演じる任侠さん、いい味出してますね。コワモテだけど心優しいラブキュートヲタク、ぴったり。

 ダミアンも吉田さんも北代さんも、全員演技巧者だから、ドラマの世界に没入できる。

 今回ゲストで登場したシシレオーの演者似の営業さんも、なかなかのインパクトでした。笑

 こないだからちょいちょい出てくる「トゥクン……」が、今回特撮バージョンで

「トゥクン…ッ!!」

と力強くて、めっちゃ笑った。

 にしてもかのちん、いくら大地くんに似てるからって、

「…吠えてもらってもいいですか?」

はないだろうよ。

 イケメン営業くん、よく承知したな!笑

 

 お母ちゃんとかのちんの和解は成立するのか。

 彼氏と一緒のところを見られて逃げるように去っていった吉田さんとの友情はどうなるのか。

 北代さん始め、せっかく出来たヲタ友との交流はどうなっていくのか。

 最後まで今ひとつ存在感がなかった後輩メガネくんはモブキャラのままなのか。

 

 最終回、見逃せません!

 リアタイで正座待機します!