「きのう何食べた?」1巻の第4話は、
「名残のいちごはジャムを作るラストチャンスである。」
という冒頭から始まる。
実にこの、「シーズン終わりを狙って安売りのいちごでジャムを作る」というのが、私自身の春の季節行事でもあって、このコミックを買って読んだとき、この4話冒頭で心を鷲掴みにされたのであった。
いちごって、ちょっと特別な果物じゃないですか?
ハウス栽培のおかげで、年中出回るようにはなったけど、でもやっぱり季節もの。スーパーの果物売り場、もしくは店頭に、いちごパックが大量に並べられるようになると、(あー今年も春が来たなー)と感じる。
その年の天候によって、長く出回る年と、そうでもないときがある。
そのうち安くなったらたくさん買ってジャムを作ろうと思っているうち、気がついたらどのスーパーからも忽然と姿を消している、なんてことも珍しくない。
というわけで、今年も虎視眈々といちごが安くなるのを狙っていたのであった。
先週、1パック250円だった。まだ安くない。安くないけど、今の仕事は帰りが遅くて、毎日スーパーに寄れるわけじゃない。さあ作るか!となったとき、肝心のいちごがどこにもない、という事態は十分考えられる。
むー……と売り場で沈思黙考すること5分。
意を決して買いました。
こういう場合、この後いちごの値段をわざわざ確かめたりはしない。すごく安くなってて凹む…というストレスを避けるためだ。
なんだけど、今回は仕方なかったんですよね。だって、入ってすぐの場所に大量のいちごパックが並べられてるんだもん。
1パック198円でした。
(……先週より52円も安い……)
ということは4パックで……とよせばいいのについ暗算してしまって、私にしては珍しく、その場で呆然と立ち尽くしてしまったのであった。
今年は、暖かくなったかと思えばまた寒くなって、つまりは春が長かった。
だから多分、いちごの季節も例年より長持ちなのかもしれない。
今後いっそう安く売られる機会がまたあるだろう。
それならそれで、また買えばいっか、こないだ作ったジャムはまことによい出来だったし…と考え直し、自分を慰めたのでした。
そう、でも、小粒のゆめのかだったんだけど、レモンの追加が要らないくらい甘酸っぱくて、とろりと濃厚な美味しいジャムが出来たんですよね。
洗ってヘタを取り、水分をキッチンペーパーで丁寧に取り除く。
砂糖にまぶして数時間おいておく。砂糖の量は適当だけど、ジャムはやはり保存食なので、甘いものをあまり好まない私も、割としっかり甘くします。
精製白砂糖じゃなくきび砂糖を使用。
浸透圧でしっかり水分が出たのち煮込みスタート。
「ジャムを煮る」と言うと、なんとなく優しい女子っぽい作業のように聞こえるが、実際は
・どばっと砂糖を入れる
・躊躇いなく強火で煮る
ので、割と男性的な仕事だ。
シロさんみたいにオサレなホーロー鍋で煮たいところだが、私はキャンプサイズの土鍋で一気に煮ました。
短期決戦。
いちごって、甘い香りで形もまるっこくて、可愛いんだけど、煮ると際限なくアクが出る。取っても取ってもアクが出る。
なんか、リアルにいる女の子みたいだなー…と、いちごジャムのアク取りをしていると毎度思う。
煮詰まると、綺麗なルビーレッドになる。
アクが残っていても、別に味はどうということはないので、好みの粘度になる手前で火を止める。
熱いうちに保存ビンに入れて完成。
ヨーグルトに入れても、バニラアイスにかけても美味。
シロさんみたいに、トーストにバターといちごジャム塗って食べたりもします。
今度、このジャム使ってアイスクリーム作ってみよ。
ちなみに、一緒に買ったわけありあまおうで果実酒も漬け込み中。
シロさんはいちご酒は作らないのかしら。
これも、真っ赤で香りのよい、華やかなお酒になります。
ロックでも炭酸で割ってもOK。
ホワイトリカーにいちごとレモンと氷砂糖をぶちこんで放っておくだけなので、ズボラな方にもおススメでございます。