さて、恋心を秘めておくことを選択した牧が、春田に
「(あのキスは)冗談ですよ」
と告げ、でも抑えきれない想いに沈んだ顔を見せた後、テーブルの上にある春田のスマホにメッセージが届いているのに気づいてしまう。
――12時に本社の屋上で待つ 黒澤――
にしても、武蔵ってば心は乙女のクセに、春田を呼び出すときの文言が何故毎度毎度佐々木小次郎に決闘を申し込む果たし状のごとき簡潔さなんだろうか。
やっぱり「武蔵」だから?
いずれにせよ、このメッセージによって、牧の心に再び火がつくわけです。
武蔵、GJ!
直接の上司にこうやって呼び出されれば、春田も行かないわけにはいかない。
2人揃って屋上へやってくるわけですが、ベンチに腰掛けた黒澤部長と春田の距離が絶妙すぎる。ごく普通に並んで座るつもりの部長に引き換え、春田はやっぱり警戒心MAXで、椅子のはじっこにちょこんとお尻を乗っけてる。
いそいそと差し出されたお弁当を目にした春田、
「すげー!」
と思わず声をあげてるけど、いや、本当にすごいよ、部長。
公式本によれば、
〈上段〉
・にんじんといんげんの豚肉巻き
・煮物(こんにゃく、しいたけ、たけのこ、れんこん、絹さや、にんじん)
・から揚げ
・だし巻き卵
・チーズかにかま
・菊花かぶの酢漬け
〈下段〉
・エビとそら豆の炒め物
・たこさんウィンナー
・飾り切りラディッシュ
・肉そぼろ・炒り卵・桜でんぶの三食ごはん
・チーズ
だそうです。
超早起きして作ったんですってよ! はるたんのために!
「は」「る」「た」「ん」の文字と、めっちゃリアルな似顔絵は、オブラートで食用色素を転写して作成したのだそうな。手先が器用なんですね。
まさしく武蔵の愛が溢れすぎてダダ洩れなお弁当ですが、それを見た春田、
「え……」
と絶句。
まあ、引くよね。フツーね。笑
でもこの場面の武蔵、ドン引きしている春田に絶対気づいてないっぽい。
「たくさん食べて♡」
とハートマークつきで言った後、
「はるたん、から揚げ好きでしょ? だって、いっつも食べてるもんね」
と「あなたのこと、私知ってます」アピール。
さらには、「よしよしよし…」と言いながら、から揚げを箸で取って、裏返しの蓋の上で待機。
これもう完全に「はい、あーん♡」の準備ですよね。
察知した春田、
「あ…あの、自分で取りますよ?」
と申し出る。「すみません」を連呼して、あくまで
「上司としての厚意を遠慮する部下」
のスタンス。
ところが、そんなことでめげる武蔵ではないのであった。
から揚げを口に運ぼうとする直前、
「あー、ドキドキする!」
とかぶせる。
ここ、しゃべくりに出たときくりぃむ上田さんも失笑してたけど、笑かすよね!吉田鋼太郎の役者センスが炸裂しておる。何度見ても笑ってしまう。
「い、いただきまーす…」
とお義理に言いながらもから揚げを食べた春田。
「…どう!?」
と感想を求めた武蔵に、
「美味しいれす!!」
と100点満点のお答え。
ここが、はるたんのはるたんたる所以。最初の警戒はすっかり忘れて、ただただ、「今食べたから揚げが美味しかった!」という感動を素直に口にしちゃうんだな。
「あーやったぁ!!」
と喜んだ武蔵、
「星3つ?」
という問いに
「ハイ!」
と即答されて、喜んで2ショットを撮っちゃう。(その後無事「武蔵の部屋」にアップされました)
早起きして作った甲斐があったね、武蔵!
そして次の瞬間、
「それにしても、厄介な案件につかまっちまったな…」
と急に仕事モードにトーンが切り替わる部長。
「……! ああ、ハイ、夫の方は地元の後輩なんで、なんとか力になってやりたいんですけど…」
と春田、数秒遅れて反応。そりゃそうだ。
いやしかし、春田にとっては、長年一緒に仕事をしてきた上司(※男性)が突然告白してきて、今現に手作り弁当でアタックしてきているという以上に厄介な案件、そうそうないと思うけどね!
そしてこの後に続く話、2人の仕事の思い出話を振り返るのかと思いきや、つまるところ武蔵がいかにしてはるたんに恋をしたかという話に繋がっていくのであった。
この辺の、部長モードと武蔵きゅんモードの使い分けが巧みで、さすが、伊達に年齢は重ねていないというか、恋愛において武蔵は大人の男ですね。
直情型の牧とはまた違う攻め方ではるたんを翻弄していくのが面白いです。
にしても、何度見てもすごいわ。この武蔵の愛情弁当。
今まで色んな弁当を私も作ってきたけど、このレベルのお弁当を作ることは一生ないだろうな。。。