こないだ物凄く変な夢を見た。
そう、単なる私の夢の話。
他人の夢の話と言えば、聞いてもつまらない話題No.1と名高いことは私もよく承知している。
それでもいいよ、という方のみどうぞ。
そもそも、私はあまり夢を見ない。
昔は違った。めちゃくちゃ夢を見る人だった。そして、夢見が超絶悪かった。
夜毎悪夢を見ると言っても過言ではないほど、恐ろしい夢が多かった。物心ついたときからそうだった。怖い人が突然やってきて母親を連れていってしまうとか、朝起きたら玄関になまはげがいたとか、追い回された挙句に背中から刺されて死んでしまい、魂がすぽん!と脱け出て過去や未来を行き来するとか。
ありとあらゆるタイプの悪夢を見た気がするけど、大人になったある日、突然それがやんだ。
悪夢を視なくなった、だけでなく、夢そのものを視なくなった。
理由は分からないけど、住まいに対する不安が消えた(つくりのしっかりしたマンションに住むようになった)のは何か関係するのかもしれない。
なので、ごくたまに夢を見ると、記憶に鮮明に残るのだ。
で、どんな夢を見たのかと言うと。
仕事関係の知り合い(女性/かなり年上)をソファに押し倒して、
「もー、なんで服着てんの」
とクールに文句言ってる、というもの。
つまり、その女性とそういう関係であって、日常的に肉体交渉を持っているっぽかったんですね。
そしてBL用語で言うと私が攻め。
起きたとき、めちゃくちゃビックリした。
(え……………なんで???)
と頭の中に「?」がいっぱいになった。
まず、私はBL好きなのと、トランスジェンダー問題に昔から興味はあるけど、私自身の性的アイデンティティに疑問を抱いたことは今までなかったということ。
むしろ、どストレートであるらしい自分を認識して、(ちぇっ、つまんねぇ…)と思っていたくらいだ。
なのになんで今頃、同性を相手にそんなセクシャルな場面の夢を見たんだろうか?
あと、その相手の女性に、特別好意を抱いているということもない。
仕事相手としてごくごく普通によい関係を築いていると思うけど、彼女だけをクローズアップしたことはない。
相手も恐らくそうだと思う。
ただまあ、夢ってホント無責任なもんで、断片的な情報を脳が勝手につぎはぎして、それっぽいストーリーを作っちゃうらしいですよね。
なので、(へんなのー)と思いつつ、それほど気にはしていなかったんだけども。
お相手は仕事相手なので、会ってしまうわけですよ。
もちろん、そんな不埒な夢の話はしないし、それは意識の外に置いて、ビジネスモードで接するわけですが。
なんだろうなー、髪の毛一筋ほどというか、やっぱり「ちらっと」は気にしてしまうんですよね。
これさあ、今までいろーんな本(主にBL)とかで目にしてきたシチュエーションなわけですよ。
マンガみたいだけど、実際自分が経験してみると、ここから何かが芽生えるという展開は、
(………アリだな)
と思えますね。笑
いや、その人と今後何かが展開するということは絶対ないですけどね。
で、こういう貴重な経験をしてみると、「おっさんずラブ」で春田が牧を好きになったのは、
「春田が潜在的にゲイ又はバイだったからだ」
と断定していたけれども、
「……いや、そうとも限らない」
と考えが変わったのでした。
ていうかそもそも、人間の性的嗜好を「ゲイ」「バイ」「ストレート」云々とカテゴライズすることに意味があるのかどうかも、分からなくなってきた。
その区別自体、人間が考えたものだしね。
人の心は、今私たちが理屈で考えているよりもっと、ずーっとフレキシブルで色々と「アリ」なのかもしれんな、と思わされた出来事だったのでした。