えー、なかなかにザワザワした週末を過ごしたわけですが。
なんか金曜日の続編詳細発表からこのかた、激動の3日間でしたな。。。
この記事が3日前だなんて信じられない。
ざわざわしてたのは、我々民だけじゃなかったようで。
座長のブログ、いつもはファンに向けての前向きなメッセージになっていて、読むと元気になれるのに、今回は珍しく葛藤と苦渋がにじみ出ているようで、読んでいてちょっと辛かった。
「おっさんずラブ」という物語の主軸が「春田と牧の愛」にあるという言葉で、救われた民の皆さんも少なくなかったのではないでしょうか。
さて、貰い事故的に劇場版で名前が飛び出した斎藤工くん、映画紹介でこの劇場版について言及してくれていたり、おっさんずチームの飲み会に飛び入りで参加したエピソードを披露してくれていたりと、何かとご縁を感じさせる俳優さんですが、前にも書いた通り、以前から好きな役者の1人です。
短い言葉ながら、端的に物事を伝える彼のブログが好きで、一時お気に入りに入れてチェックしていた。
その中で、
「世の中で自分の思い通りになることなんてほぼない」
という意味の文章を載せていたことがあったと記憶しているんだけど、それを読んだときに、ああ、この人はなんだか人間的に信頼できるな、と思ったものだ。
自分の周りの日常って、ほぼそうじゃないですか。思い通りにいくことなんて少ない。むしろ、思いもよらぬアクシデントやハプニングに満ち満ちている。自分が悪くなくても頭を下げなきゃならない場面なんて、いくらでもある。
仕事で上司や顧客に振り回される日々に心をすりへらしていると、テレビに出ている俳優やタレントの職業が、キラキラして眩しいものに映ることもある。
少なくとも毎日満員電車に揺られ、同じ時刻に同じ場所に出勤してタイムカードを押す必要はないわけだ。そのことだけでも羨ましい…と思ってしまうことが、私にもあった。
でも、そうじゃない。
華やかに見える仕事ほど、表に出せないことがごまんとある。特にああいう、労働基準法に守られているわけでもなく、もはや意味の分からなくなった「前例」「慣習」が横行している業界だと、理不尽なことなんか山ほどあると思う。
座長のブログを読んで、俳優の仕事の辛いところがこれだな、と思った。
だって、
「おっさんずラブseason2やりまーす! 田中圭さん、また春田創一でお願いします。あ、でも、今度は天空不動産じゃなくて、CAで、牧じゃない相手と恋に落ちるって設定なんで、ヨロシク!」
と言われて、
「あー、牧じゃないとイヤなんで、オレはチェンジで」
って断れるかと言えば、まあ、それは難しいだろうと思う。
それでも、座長もこれまで言葉にしてくれているように、「おっさんずラブ」に対する思い入れは相当あったんですね。
だから一度は「降りる」と言ったんだ。
ただそうなると、
「他の誰かが春田創一を演じる」
ということになるわけで。
①みんなで作り上げてきた「おっさんずラブ」の世界をいったん白紙に戻して、パラレルワールドで3回目の「春田創一」を演じる
②自分以外の誰かが「おっさんずラブ」の「春田創一」を演じる
これ、究極の二択ですよ。。。
これを座長に選ばせるの、酷だなあ……と思うけれども、座長は苦悩の末に①を選んだのだね。
鋼太郎さんは、座長よりも長くこの世界にいて、実力も認められている名優だ。
ここからは私の憶測だけど、彼もまた、これまで色んなことを経験してきたのだと思う。
私たちは一介のファンだから、続編の詳細について「やだやだ!」と言えるけど、彼らは公式からオファーを受けて仕事をする立場だ。
その設定についてもの申したり、実力を見込んでオファーしてくれた側に対して「No」と言ったりするのって、それこそなかなか出来かねることなんじゃないでしょうか。
鋼太郎さんからケイタナカ氏への「愛ある説教」がどのようなものか、知るよしもないけれど、単発版からスタートして、ここまで「おっさんずラブ」が大きくなるのを支えてきた側として、
「最後までチームの一員、座長として受けて立て!」
と、そんなようなことを言ったのかなあ、と推察する。
我々は濃度の高いファンではあるけど、ドラマ鑑賞は「単なる趣味」の範疇を出ない、一介の視聴者に過ぎない。
対して、彼らにとって「おっさんずラブ」は「仕事」だ。
それは、忘れてはいけませんね。
それと、きじPもテレ朝の一社員であることには間違いない。
私はテレビ局側の事情には疎いけど、発表がこの時期になったのは、編成の都合上、致し方なかったのかなあ。。と思う。
だって、これまで、ここまで我々ファンの意を汲んできてくれた公式さんが、
「パラレルおっさんず世界やりまーす! 春田と武蔵は続投、牧以下はチェンジで!」
と言われて、この沼が阿鼻叫喚になることを分かってなかったはずがないと思うんだよね。
予想はしていたはずだ。絶対に。
そこを、あえてのこの内容。
「おっさんずラブ」公式チームにとっても、賭けというか、挑戦なんじゃないかな。
そしてですね、なんかちょっと悔しいけど、Season2、面白くないはずないと思うんですよね。
まあホント、おっさんずチームのキャスティング担当はいい仕事するわ。千葉雄大に戸次さんでしょ。ビジュアルも実力も申し分ないじゃん。
で、きじP以下、脚本の徳尾さんも、3人の監督も、音楽の河野さんも揃ってるわけでしょ。
そりゃ、面白いドラマになるでしょうよ。どうせ。(キレ気味)
ぶつくさ言いながら録画予約する自分の姿が目に浮かぶようだわ。。。
あ、ただ、だからと言って、テレビ局の都合をこちらが忖度して、我慢しなければいけないとか、そんなことはないと思います。
それはそれとして、深夜ドラマ、しかも視聴率1桁だったドラマがここまでのブームになった原動力は、間違いなく我々OL民なわけだから。
DVDを買い、次々出されるグッズを買い、OL展に足を運び、劇場版をハードリピートして、貢いだ金額は相当なものになると思うよ! やらしいこと言うと。笑
それを、「パラレルワールドが見たかったんじゃなーい!!」と怒るのは、ファンとして正当だと思います。
あとね、心の中は自由だから。どうしても我慢できなくて(公式、〇ね!!)とデスノートに名前書いても、誰にも咎められることはないから。笑
ただ、実際に攻撃的な書き込みをしたり、誹謗中傷したりしなければ、そして自分と違うスタンスの他の民を否定したりしなければ、荒ぶる人は荒ぶってればいいし、悲しむ人は盛大に泣いてればいいと思う。
溜め込むのはよくない。
さて、魔の金曜日から3日経ち、やや落ち着いて考えてみるに、私たちが……いや、この言い方はやめよう。私が失ったものは、特に何もないのだった。
私の目の前には以前と変わらず「おっさんずラブ」の優しい世界があって、劇場版もまだまだ上映が続いていて、私がこうしてレビューを書き綴るのを邪魔するものもない。
そっか、春田と牧の世界が侵されたわけでもなければ、牧が死んだわけでもなかったんだっけ……と、なんかちょっと憑き物が落ちた気分でした。
たかがドラマ、されどドラマ。
人間にとってドラマや小説などのいわゆる「フィクション」は、いくら鑑賞してもお腹が満たされるわけではないけれど、心の大事な部分を癒してくれたり、豊かにしてくれる作用がある。
だからこそ人はドラマを見るのだと私は思う。
だけど、「たかがドラマ」と一歩線引きをしておく距離感も、大事だと思うんですね。
ドラマってエンタメだから。楽しむためにあるから。
心が悲しみに捉われたり、妄執になったりすると、本末転倒になっちゃう。
さて、続編が思ってもみなかった激震を呼んだ影響で、なかなかSASUKE編もドラマ本編もレビューが書けずにいますが、そろそろそっちへ戻ります。
この記事のタイトル、悩んだんだけど、ネガティブなものにしたくなかったのと、今の私の心に一番しっくりくるのがこれだったので、つけました。
私のOL愛は変わりません!ということで。