さてと、前回から空いてしまった。
劇場版の感想続き、行きまーーす!(うどん屋での武蔵風)
どんなに大恋愛を経て一緒に生きることを選んだカップルでも、別れのピンチが訪れることはある。それは多分、一度や二度じゃなく、何度となくやってくるだろう。
そのとき、選択の指針となるのは、
「相手がいる未来といない未来、どっちが笑っていられるか?」
ということだと思う。
それともうひとつ、その選択をした後、
「明日死ぬとしても後悔しないか?」
これも大事。
この場合、「死ぬ」の主語は自分でも相手でもいい。
ともかく、
「別れる」
と口にして、お互い合意に至ったとしても、
「明日自分がもしくは相手が死んだとしてもそれでいいのか」
と問い直してみると、本当の本心が浮かび上がってくると思う。
それを春田に問いただしたのはジャスティスだった。
仔犬系後輩のジャスティス、予告編では春田に横恋慕する当て馬か?とミスリードされていたが、実はこんな重要な役割を負って登場したキャラクターだったんですね。
どこから見ていたのかは知らないが、春田と牧のケンカ別れの一部始終を見ていたっぽいですね。ジャスティス。
実は、両親と兄、家族を一度になくすという過去を持っていたジャス。
誕生日だった兄にかけた言葉が、「おめでとう」ではなく「うるっせーな!」だったと、これはまあ、男兄弟で子供なら、よくあるエピソードに過ぎない。
ただ、その後永久に会えなくなってしまったことで、その言葉が「兄への『最後の言葉』」となってしまった。そしてその事実が、ジャスの心に二度と消えない影を落とすこととなった。
「大切な人に、明日も会えるとは限りません」
とは、重い言葉だ。でも事実。
「だから、春田さんには、ちゃんと自分の気持ちを伝えて欲しいんです…」
ジャスの頬を涙が流れている。
「なんでお前が泣いてんだよ…」
とツッコミながら、顔をくしゃくしゃにして自分も泣き崩れてしまう春田。
さっきのケンカへの泥のような後悔と、ジャスが真剣に自分を思ってくれる気持ちが伝わったのと合わさって、気持ちがぐちゃぐちゃになって泣いてしまっているの、よく分かる表情だ。
昔のロマンス映画なら、男性の主人公がこんな風に泣いちゃうことはなかっただろう。
でも、人の言うことを素直に聞く春田、自分の気持ちに正直な春田、その彼がこうやって泣いてしまうの、ブサイクだけど、かっこよくないけど、だから愛しくて、共感せずにはいられない。
そして、一周回ってかっこいいと思う。
後ろではじけ続ける花火、一部にハート型の火花が咲いては散っていくのがせつない。
「全然綺麗じゃねーよ……」
うんうん、そうだよね。
やっぱり、綺麗なものを見るときは、隣に大事な人がいて欲しいよね。
一緒に見上げて、
「すげー綺麗だな…」
と感動を分かち合ってこそ、ですよね。
一方、牧にはいささかハードな展開が待っていた。
実はダークな一面を持っていると分かった鳳凰山リゾート開発、提携を打ち切るという通達を呑まず、非合法な手段に出た挙句脅迫の動画を送ってきたのだね。
こんな動画、警察に持ち込まれたら一発でアゲられると思うけど、まあその辺のツッコミは後でまとめてツッコむとして。
「お二人の身の安全は保証できません」
「二人……?」
とそこで、捕らえられてどこかへぶち込まれる春田の姿が。
一瞬で顔色を変えた牧、春田だと認識するのとほとんど同時に部屋を飛び出してしまう。
非常事態とは言え、直接の上司、しかも尊敬と憧れの対象である狸穴リーダーにも会長にも一言も断らず、無言で走り出すところに牧の受けた衝撃が現れている。
人質となった春田の姿を見た瞬間、頭の中には「春田の無事」しかなくなった牧。
ここから先、カメラは監禁された……というにはあまりにもユルイが、まあともかく囚われの身となった春田と、春田を助けようとワイワイ大騒ぎする天空不動産営業部に移るが、牧の姿も数秒映し出される。
どことも知れない街の中を、必死の形相で走る牧。
想いを抑える牧、笑ってごまかす牧、黙って身を引く牧、そんな姿は散々ドラマで見てきたが、ここまで感情を剥き出しにして必死になる姿を牧が我々に見せるのは、実は初めてのことだ。
走りながら、牧もまた後悔しただろう。なぜあんなことくらいでケンカしてしまったんだろう、と。
花火の夜だけじゃなくて、このところずっと、春田のポンコツぶりとか、生活態度とか、色んな面でイラっときていたらしいのは分かる。多分、「入社以来の夢」に邁進している自分に比べて、のんびりしているように見える春田にもどかしさを感じたりもしてたんじゃないかな。
だから、
「そっちが成長してないだけでしょう!」
という台詞になるし、
「苦しいときに分かってもらえないとなると、この先ずっと一緒に暮らしていくビジョンが見えない」
と狸穴さんにこぼすことになったのだ。
でも、春田を失うかもしれない、単なる別れではなく、もしかすると永久に会えなくなってしまうかもしれない……という危機が目の前に立ちふさがることで、牧もまた、自分の本心に向き合うこととなった。
だからこそのこの猛ダッシュ。息があがるのもいとわず、顔を歪めながら走るその表情、今にも泣き出しそうにも見えて、心に刺さる。
そして遣都くん、「風が強く吹いている」のトレーニングで本当にランナーにならないかとスカウトされた走力を遺憾なく発揮している。
走る姿が非常に美しいです。
しかし、緊急事態で判断力が飛んでしまっているわけではなかったんですね。
春田と連絡を取り合った上でおおよその場所を特定した部長と、一人飛び出した牧が落ち合ったということは、春田を愛する者同士のテレパシー…というわけではなく、まあ普通に考えて「牧と部長がスマホで連携した」のでしょう。
というか、ここから先はマジで、「細けぇこたぁいいんだよ」のマインドで見るべし、です。
ツッコミ所がありすぎて、いちいち全部ツッコんでると、ツッコミ疲れする。笑
それも込みで笑いながら見るのが、ここから先の「倉庫編」でしょう!
春田の危機を察知し、自らの意思で駆けつけた牧。
前項に書いたように、ドラマ版では「春田が牧を選んで、牧のもとへやってきた」という展開だったが、ここで牧が春田のもとへ駆けつけることで、二人の立場は初めて対等になったと言っていいだろう。
しかし、牧にはまだ、こなさなくてはならないイベントが待っている。
「ライバルと争って春田を勝ち取る」
というイベントだ。
だからして、突如ここで始まるSASUKE DE 大脱出大作戦。
恋のライバルである黒澤部長と牧凌太、両者一歩も引かず、組んずほぐれつのバトルを展開しながらの珍道中になるわけだが、うーむ、またしても長くなりました。
おかしーなー。なんかもういっぱい書いた気がするのに、なかなかたどり着かない。
まあしょうがない。今日7DEAD目してきて、記憶が新たになったので、細かいところもどんどん書いちゃって、結果いつものごとし、と。
いったん切ります!
次はすぐに書く……つもりだけど、また空いちゃったらすみません!(先に謝っておくスタイル)