出たばかりの新刊を買いに書店へ行くのは、本読みにとっては非常に心ときめくイベントだ。
「出たばかりの新刊を買う」こと自体、私にとってはあまりないことなんですよね。割と図書館派なので。世に出て、評価が定まってから、(欲しいかどうか?)を自分に問いかけて、(買ってでも欲しい!)という気持ちがあれば、そこで初めて「お金を出して買う」という選択をする。
しかし今回ばかりはもう、首をそれはそれは長くして待っていた本だった。
そう、十二国記の新シリーズ。
面陳も、平積みも、どっちも少なくなっていて嬉しかった。この辺ド田舎だド田舎だと思っていたけど、十二国記のファンがこんなにいたのだね…!
アイドルの写真集買ったヲタみたいに(キャーーー♡♡♡)と胸躍らせながら帰宅の途についたことですよ。
あ、そんで、すみません。タイトルはですね、そのついでに買った「きのう何食べた?」のコミックです。
私、このシリーズ買ってたんだけど、4巻で止まってたのね。一話完結だから、特に先を急ぐでもないし…と思っているうちに、数年経ってしまった。
ドラマ見て、また読みたくなって、そのうち続きを買おうと思っていたのですね。
以前は絶対ブック〇フ派だったんだけど、書店勤めを経て以来、「本屋で定価で買う」ようにしている。この業界、薄利多売だからさ。。。出来るだけ著者や関係者にお金で貢献できる入手の仕方を選ぼうと思って、宗旨替えしました。
なので、こうやって、ついでがあるとき、懐に余裕があるときに、ゆるゆると買い揃えていくことにしてます。
ドラマの後追いになったけど、5巻も6巻も面白かった!
そう、「一緒に暮らす」って、こうやってごくごく普通の、何気ない日常を一緒に積み重ねていくことなんですよね。
シロさんはケンジと自分のために、毎日安い食材を仕入れ、バランスがよくてカロリーもほどほどの、美味しい晩ごはんを作る。
そして二人揃って食卓を囲み、
「いただきます」
の挨拶をして、なんだかんだ他愛ない話をしながら、二人で同じものを食べる。
元は赤の他人でも、これってまぎれもなく「家族」だよな……と思わされる。
なるほどー、こういうキャラだったのね。小日向さんはともかく、ジルベールの磯村優斗は納得。やっぱ俳優は凄いネ!(いや、山本耕史が劣るということではなく、あくまでキャラの再現率の話)
ジルベール、小悪魔ながら、なかなか観察眼も鋭いし、言うことも正鵠を射ている。
ツンデレで素直じゃないシロさんがつい本心を引き出されてしまうのもGJ!
そうだよね! 「結婚式二次会での女よけ」の結界でしかありません、みたいな顔してるけど、それならシロさん一人が指輪してりゃいいわけで。
お揃いの指輪を買うって、ケンジに対する愛以外の何物でもないですよね。
しかも、一つお値段69,000円……! ケンジがコンビニでハーゲンダッツの新作を買ってもそりゃもう厳しくお説教するあのドケチのシロさんが……!!
愛だ………(涙
しかし、5巻の104ページで、ジルベールが「ゲイであることの辛さ」として挙げている、
・好きなコのタイプ
・どういうファッションが好きか
・どんな芸能人のどこが好きか
ということにも嘘をつかなきゃいけない、という点、確かにそうだろうな…と納得できるんだけど、
(いやいやゲイでなくたって色々装わなきゃいけないことも多々あるよ…)
と思い直した。
例えば私は、大抵の日本人が好きとされている桜が嫌いで、花見の季節はほとんど桜を見ないようにして過ごしているけど、「桜がキライ」というと十中八九
「なんで!?」
とビックリされるから、言わないし、好きなフリしてテキトーに話を合わせている。
正確には「ソメイヨシノの不自然な群生」と「花見という行事に血道をあげる人たち」が苦手なんだけど、いちいち言うのは面倒なので黙っている。
あと、女子成分の少ない性格と趣味嗜好なので、遊園地なぞ興味は一かけらもなく、東京方面へ行く機会があってもネズミの帝国に近寄ろうとはまったく思わない。
けど、世の中には女子というだけで「〇ズニー、好きだよね?」という前提で話をする人が一定数いるので、その場合もいちいち「いや、特に興味はないです」とは言わず、テキトーに話を合わせている。
他人が自分と趣味嗜好が違っても、「あ、そうなんだ?」と普通に受け入れる人ばかりならいいけど、そうでない人も結構いるから、そこは大なり小なり、なんらかの形で「自分じゃない着ぐるみをかぶっている」人、多いんじゃないのかなあ。
しかし、シロさん、ケンジとの愛も深まり、小日向さんとジルベールというゲイ仲間も得て、すっかりリア充でお過ごしのご様子。よかったよかった。
佳代子さんの存在が地味に羨ましい。。。私も時々食材分け合ったり一緒に何か作ったりするお料理友達が欲しいぞ。
「きのう何食べた?」は、徹底して「日常」が描かれていて、紹介されるエピソードは、シロさんとケンジの生活圏半径5km以内の出来事しか出て来ない。
それは、この作品の舞台が、「二人が囲む食卓」だからだ。
「愛は食卓にある」って、なんかのメーカーのCMであったっけなあ。でもホントそうだと思う。
そしてこのタイミングだと、ついついあの二人の食卓にも思いを馳せずにはいられない。
「春田さん、明日何食べます?」
— 朔 (@5fsrOLIsgNJgM2f) 2019年10月14日
「何でもいいけど材料何?」
「鶏肉です」
「じゃあ唐揚げ」
「さすがに飽きたでしょ?」
「牧の唐揚げに飽きるなんてこたねーから。毎日唐揚げでいーよ」
「太るからダメ」
「えー」
みたいな些細な日常でよかったんだけどな。#おっさんずラブ
なんの話題を書いても結局最後は「おっさんずラブ」の話になる。
うーーーむ、病は深まっておるな。。。
まあいいや、そのうち「春田と牧の単なる日常」の小説でも書くとしよう。
タイトルは「あした何食べる?」で。笑