おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

ベムとOLとタイミング

 「妖怪人間ベム」という作品がある。

 アニメじゃなくて、2011年に放送されたテレビドラマだ。

 実写化と聞いたとき、

「え、アレを? なんで?」

とまず思った。

 次いで、主演がKAT-TUNの亀梨くんだと知って、

(あーなんだ、またジャニ主演のごり押しドラマか。じゃあきっと色モノだな)

と完全に興味を失った。

 なので、放送時は一度も見なかった。

 何か別のドラマを見ていたと思うんだけど、何だったかはもう思い出せない。

 

 

 ところがこのドラマ、えらく評判がよかった。色んなところで高い評価を得ているらしいと聞いて、(ふーん)と思っていた。

 で、その声が途切れなかったんですね。徐々に関心を持ち始めて、結局1年遅れで全話見た。

 

 感想。

 

 先入観でバカにしてすみませんでした!!!(土下座)

 

 

 原作ありきのドラマ化で、よく「換骨奪胎」になっているものを見かけるけど、そのちょうど正反対。

 大事なポイントを抽出して、それを煮詰めて、結晶化したくらい、珠玉のドラマに仕上がっていた。

 

 いやでもだってさ、ベムが亀梨くんて、なんかの間違いだと思うじゃん。杏がベラ、鈴木福くんがベロというのはうなずけるとしても。アニメのベム、ハゲの大男だよ。

 ところがこの改変がですね、めちゃくちゃよかったんだな。

 実写版のベムは、憂いをたたえた銀髪の美青年だ。と書くと「ポーの一族」みたいだな。でもこの美青年ベム、アニメ版と同様に心は熱い正義漢で、ピンチに陥った人間を見捨てておけない心優しき妖怪だ。

 特撮チームが気合を入れて作った変身シーンが迫力で、妖怪の姿が容赦なくグロテスクでもあり、その分人間になれない哀しみが胸に迫る。

 人間の本質について問うとき、主人公を人外に設定するのはよく取られる手段だけど、「妖怪人間ベム」は中でも突出して出来のよいドラマだと思う。

 心が綺麗で、人を疑うことを知らない、純粋なベムたちが、「なりたい」と切に願う人間は、彼らの憧れに足る存在なのかどうか、ドラマでは何度も突きつけられる。

 善とは何か、悪とは何か、人間とは何か、深く考えさせられる佳作ドラマでした。

 ここから亀梨くんにハマり、KAT-TUNにハマり、あっさり箱推しになり、今では中丸くんが出演する「家事ヤロウ!」を録画して見るまでになっているけど、それはまあ、別の話。

 

 ところで、じゃあこのドラマを、

「リアタイしとけばよかった…!」

と思ったか?と問われれば、私はそうは思わなかった。

 ドラマの放映は2011年。私がこのドラマにハマったのは2012年。

 私にとっては、2012年が「妖怪人間ベム」に出逢うタイミングだったのだと思う。

 

 

 例えば今だって、(面白そうだな)と思うドラマはいくつもある。

 ドクターXもそう。面白いのは知っているし、見ればハマるだろうと思う。

 でも今は見ない。

 なぜかと言うと、まず、まだ「おっさんずラブ」熱が全然去らないので、こうやって感想書いたりなんだりOL活動に忙しく、ドラマを見ている時間があまり取れないこと。

 そう言いながら見ているドラマもあるけど、割とあっさりめに流すことが出来るものばかりで、ドクターXのようなヘビーな味わいの作品は今私の中に「入る」余地がないこと、があげられる。

 なので、今は「見送り」を選択。

 興味があれば、後からまた何かの手段で見ようとするだろう。

 

 

 何かに「ハマる」って、「タイミング」が重要な要素だと思うんです。

 私はたまたま、「おっさんずラブ」に関してはリアタイしていて、世間の熱が高まるのと同時にハマっていった。私にとっては珍しいことで、稀有な体験だった。

 リアタイしてなかったけど友人に貸し出されたDVDでハマった!という人もいるだろうし、年末年始の一挙放送でハマった人もいるだろう。

 それは多分、それがその人の「タイミング」だったんだと思う。

 「巡り合わせ」ってやつですね。

 

 

 「妖怪人間ベム」は、私が初めてドラマのDVDを購入した作品でもある。

 そこまで入れ込んだ作品だけど、でも感想を延々ブログで書き綴るまでには至らなかった。今でも、その作業をしようとは思わない。すごく好きだけど、不思議ですね。

 「おっさんずラブ」は、「長い長いレビューになりそうな予感」と書き始めてから1年半経過したけど、まだ全然書き終わってない。書いても書いても終わらない。でも、飽きてもいないし、これから先も書く気満々だ。

 二つの作品に対する気持ちの違いが何なのか、ここまでクソ長いレビューを書こうと思う情熱の出所が何なのか、自分でもはっきりとは分からない。

 でも多分、私が内心ずーっと(こういうドラマが観たい)と願っていたドラマと、ちょうどいいタイミングで出逢ったということなんだろうな、と思っている。

 

 

 だから今、天空不動産編を知らずに航空編を見て、すっかりハマった人がいたとしたら、それはそれで、その人にとっての「タイミング」だったんだと思う。そういうツイを実際見かけるし、それはそれで(よかったね)と思う。イヤミじゃなく。

 そして多分、そうやって新たにハマっていく人は多いのだろうと思われる。

 一方で、私にとっては航空編はまったく「タイミング」ではないんだな…というのが正直な感想だ。

 ボタンが掛け違ってしまっている感が拭えない。

 次は見ると思うけど、その先は分からないな。。。

 

 

 まあでも、航空編が「全然離陸してない」と気づいたおかげで、

「天空不動産編とは一切関係ない別物ドラマ」

という割り切りは出来た。

 気持ちの整理がついた、という意味では、航空編を見て感想を書いて、よかったです。