おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

ウザい脇キャラにむかついたときの対処法。

 さて、ドラマには好感の持てる役だけでなく、見ていて不快になるキャラ、いわゆる「敵キャラ」が登場しますね。

 アレ、本気でむかついたことのある人、たくさんいると思います。

 というかむしろ、むかついたことのない人の方が少ないだろう。

 ドラマが優れていればいるほど、役者がきちんと仕事をしていればいるほど、

(うっわーコイツまじでウザいんだけど……なんでこんなこと言うの。あり得ん)

と、いっとき視聴者にざりっと砂を噛んだような不快感を残す。

 そういうときの、私なりの対処法をちょっと書いておこうかと思います。

 

 

 前述の「妖怪人間ベム」もそうなんですよね。一見美しい人間の形をしているけど、感情が高ぶると本来の醜い妖怪の姿に戻ってしまうベムさんたち、妖怪だとバレると人間たちには忌み嫌われ、石をぶつけられ、共同体から弾かれる。

 なので、「ウザい脇キャラ」はてんこもり登場するわけです。

 第一話からしてもうかなりヘヴィだ。ゲストスターは光石研、一人息子をいじめによる自殺で失った刑事という役どころ。

 息子に陰湿ないじめを繰り返していた主犯格と、ある日バッタリ街で遭遇する。

 父親は、いじめた生徒もきっと、息子をいじめていたことを悔やんでいるに違いない、自殺がトラウマになっているかもしれない…と自分に言い聞かせ、憎まないように生きてきた。が、久々に会ったその相手は女の子を侍らせて調子に乗っていたうえ、息子の名前も覚えていなかった。

 お父さんの心に、今まで押し殺していた憎しみが一気に膨れ上がり、復讐へと動いていくのが手に取るように伝わる、悲しいながらもうまいドラマ運びとなっている。

 でこの相手の青年がまー憎たらしいの。殺されそうになって、泣いて命乞いをするんだけど、見ているこちらとしてはもうすっかりお父さんにシンクロしてるから、

(今頃謝っても遅いわ)

と思ってしまう。

 ビルの屋上からロープで吊るされて、復讐の鬼と化した父親がそのロープをぶつっと切るんだけど、何度繰り返して見ても、

(そのまま死んでしまえ)

と思うもん。いや、死なないんだけど。そこに心優しき妖怪人間のベムさんが居合わせて、助けられちゃうんだけどね。

 

 「妖怪人間ベム」は優れたドラマであるゆえ、見た後何度も脳内で反芻してしまうんだけど、そうなると(オカダの罪は重い…)と、その息子をいじめていた主犯格のことも憎く思い返してしまう。

 人間の感情て面白いもんで、そうなると、その役者さんごと嫌いそうになるんだよね。マジで。

 でもそうなると筋違いなので、そこまで感情が暴走しそうになると、

(待て待て待て待て)

と自分の心にストップをかける。

 

 

 だってね、考えてみて。主役の亀梨くん、ゲストスターの光石さんと比べても、まったくの無名の役者さんだよ。役名だって「岡田」と苗字だけだよ。

 けど彼にとっては、

「亀梨くん主演のドラマに出演できる」

というのは、大変なチャンスなはず。いや芸能界に詳しくないから実情はよく知らんけど、だから想像に過ぎないけど、きっと当たらずとも遠からず、なはず。

 もしかすると、喜んで「亀梨さんのドラマに出るよ!」と周りに言ってたかもしれん。このドラマ、この役者さんの家族・親類縁者を始めご友人たちも、全員テレビの前で正座して見ているかもしれん。

 そのドラマで、こういう役。物語を動かす重要な役ではあるけど、はっきり言ってチョイ役だ。しかも憎まれ役。

 ……とここまで考えるとさ、その役者さん本人について悪く思うことなんて出来る?

 私は出来ません。

 

 

 まあここまで考えなくても、そもそも役は役であって、彼は仕事をしただけだ。

 そして、彼が誠心誠意仕事をして、「岡田」という憎まれ役を見事に演じたからこそ、私はざらっとイヤな気持ちになり、息子のかたき討ちをする光石お父さんを応援する気持ちになり、この第一話を心から楽しんだのだ。

 オカダ、GJ…!

 

 ちなみにこの役者さん、チョイ役だけど可愛い顔をしていたのと、なんとなく印象に残って、記憶していた。

 彼の名前を中村倫也という。

 まさか後年ここまでブレイクするとは、そのときは知るよしもなく。

 こうやってね、どんな役も手を抜かず、きっちり仕事をしていたからこそ、のちのブレイクに結びついたのだなあ、と思うと感慨深い。

 あ、それで、今ほど売れていない時代の斎藤工くんとか、綾野剛くんとかも出てます。2人ともいい役なんだ。

 未見の方で興味がおありの方、是非一度ご鑑賞ください(宣伝)。

 

 

 まだある。

 ベラが仲良くなる小春という女子高生も、クラスでなじめず、一部の女子生徒から嫌がらせをされている。

 不快な雑音を耳に入れたくなくて、常にでっかいヘッドフォンを着用して大音量で音楽を聴いている小春に、

「誰もおめーのことなんてキョーミねーから!!」

と顔を歪めて言い放つ女子生徒がいるんだけど、んまーこの子もウザいことこの上なし。

 うぁー高校生にもなってイジメとかだっせー、つか小春の方が100倍可愛いから嫉妬してんのかな、にしてもその心根といい行動といい醜いわ……とかね、ここも色々思ってしまう場面なんですね。あ、小春は石橋杏奈ちゃんなんでね、地味な役なんだけど、群を抜いて可愛いわけですよ。

 こういうときも、

(いやいや、待て待て、彼女はちゃんと仕事をしているだけだから)

と自分に言い聞かせなければならぬ。

 ベム放映時、石橋杏奈ちゃんの知名度がどれくらいだったか正確には分からないけど、ベムにレギュラー出演する彼女と、そこしか出番のない女子生徒Aとでは、めちゃめちゃ格差がある。

 役から受ける印象を真に受けて嫌っちゃいかんですな。

 大人のするこっちゃない。

 

 

 あとね、ヲタ歴が長い人なら多分覚えがあると思うけど、

「推しの役者がほんのチョイ役で出る」

ことなんて、山ほどあるんですよ。

 他で主役はってても、全国区のゴールデンのドラマだと、冒頭3分以内にもう殺されてた、なんてザラなんですよ。

 で、その犯人役がまた別の推しだったりするんですよ。

 映った時間、正味1分あったかどうか…て、そういうところからスタートするんですよね。あの業界。

(…………めげずに頑張れ!!)

と何度画面の前で両手を握りしめたことか。

 とこういう経験を繰り返していると、どんな役に対しても、軽々にdisったりは出来なくなります。

 

 

 ドラマを真剣に見ていると、つい気持ちが入っちゃって、(うわーこいつウザい…)という感想をそのままツイッターとかで呟きたくなることもある。

 役を役として批判するのは、全然いいと思うんだ。それは、その人の「仕事」ぶりへの評価なわけだし。

 でもやっぱり、

①その役者さんのファンが見るかもしれない

②本人の友達が見るかもしれない

③本人の親御さんが見るかもしれない

④て言うか当の本人が見るかもしれない

可能性は考えて投稿するべきだと思う。

 特に④ね。最近の芸能人の皆さん、割と自分の名前でエゴサするらしいし。笑

 悪口のつもりじゃなくたって、言われた方は傷ついてしまうかもしれない。

 匿名で言いっ放しの批判て、基本的に卑怯なので、そこはよく承知した上で、マナーを守ってSNSを楽しみたいものです。

 

 

 某テニス業界とか、特撮関係とかを少しでもかじると、応援する俳優さんがめっちゃ増える。自分の推しと共演していた人、仲のいい人、割と片っ端から好きになる。笑

 タッキーこと滝口幸広さんもそんな役者さんの1人でした。

 突然の訃報、本当に驚いた。呆然として、しばらく声も出なかった。

 私と同じように悲しんでいる人がたくさんいて、ああ、NHKにも出てたし、知名度上がってきてたんだな…と思った。

 これから楽しみな俳優さんだったのになあ。。。

 

 

 芸能界は広い。ずっとコツコツ頑張っている人、実力はあるのにチャンスに恵まれない人、たくさんいる。

 そのことだけは忘れずに、今後もドラマを鑑賞しようと思います。