昨夜、ひとつ前の記事を書いてアップしたあと、かなり経ってから
(…………ん?)
と若干の違和感が芽生えた。
記事の内容は、今の私の気持ちの通りで、特に何かを盛って書いたとか、思ってもないことを書いたとか、そんなことはない。
が、何か、書いたことに対する(なにかを間違えているような気がする)という、なんとも言えない「ズレ」みたいな感覚があって、ですね。
今朝通勤の電車の中でつらつらと考えていて、思い出した。
(……そういや、『続編は要らない』って言ってた人いたっけな)
私だ。
そうだ、書いたわ。
この記事で思い切り「連ドラの続編は無用!」と言い切ってたわ。
そうなんだよなー。このときは本当にこう思ってたの。
今はでも、この「春田と牧の物語はきちんと決着がついた」という気持ちと、「一緒になった2人の未来を見てみたい」という気持ちが、私の中に矛盾なく同居している。
えーとでも、前の記事を読んで
「続編はいらん言うとったやないかーい」
とツッコまれる向きもあろうかと思うので、出来るだけ分かってもらえるように解説を試みてみます。
ひとつの物語がきちんとした形で終わるのって、結構難しいと思うんですよね。回収しきれない伏線が放置されていたり、見過ごせない瑕疵があったり、存在意義のよく分からないキャラが最後まで雑な扱いだったり。
2018年連ドラ版の「おっさんずラブ」が優れている点はここにもあって、春田・牧・部長という主要キャラ以外のすべての登場人物のバランスが非常にいい。いなくていい人がいない。麻呂もちずも蝶子さんも、鉄平もマイマイも、ラストでみんないい感じになっている。作り手が、生み出したキャラクター全員に愛を持っているのがよく伝わる。
春田と牧は結ばれて、物語は完結した。こんなに綺麗なラストを迎えるドラマというのも、稀なんですよ。私が見た範囲内だけど。
人気の高いドラマの続編て、大概2~3年のうちにやるじゃないですか。春田と牧の物語の場合、それは要らないかな、と思ったのも事実。
あと、恋愛ドラマの続きって、関係性が変わってたりもしますよね。「実はあの後別れました」から始まって、次の新しい相手が出てきて、すったもんだの挙句に元サヤに戻ったりね。
そういうのも要らんな、と思ったのも事実。
ところが劇場版「おっさんずラブ」では、「同性が結ばれる」ことのリアルを避けずに描いて、この2人なら乗り越えて生きていくだろう、という希望に満ちた「その先」を見せてくれた。
「無理めだったけど両想いになれて結ばれました、めでたしめでたし」
で終わるおとぎ話的なファンタジーではなく、もう少し現実を生きる私たちに寄り添う形での「春田と牧の未来」を提示してくれた。
この制作チームが作るのなら、そして同じキャストが演じるのなら、「春田と牧の物語」は、あのラストから時を進めても、同じだけのクォリティでまた私たちをドキドキさせてくれるのではないか、と、そんな思いに駆られたのです。
また、「おっさんずラブ」で人気が爆発した座長の活躍は言うに及ばず、どの演者も本当に成長を続けて、私たちに新しい姿を見せてくれている。
遣都も金子大地くんも、役者として確実に演技の幅を広げていっている。
そこからも、(このキャスト陣が数年後に再集結したら、エライものが出来そうだな…)という予感がしてしまう。
ということで、現在の私としましては、
春田と牧の『おっさんずラブ』続編熱烈要望
なのでした。
以上、変心の理由でした。