一瞬の油断だった。
至近距離の上空からスマホが顔に落ちてきた。
尖ってはいないけど、スマホの角が当たると痛い。とても痛い。
唇の、ぎざってなってるところのすぐ上に、ピンポイントでクリーンヒット。
距離が近かったせいで、(あっ)と思ってから、ぎゅっと目をつむることしか出来なかった。
ゴンッ(鈍い音)
「……ッ!!………ッ!!!」
衝撃が来て、反射的に身体を返して、口元を抑え込んだまま呻く。
「痛い」
とも言えないんだな。ああいうとき。
ガーンという衝撃が去った後、そうねえ、2~3分経ったころでしょうか。
じょわ~んじょわ~んという、痺れを伴った痛みが起こり始めた。
脈が一拍打つごとに、倍々で痛みが猛烈に増えていく感じ。
(ヤバい、これ腫れるわ)
と思ってからは早かった。
(! こうしちゃいられねえ!! 応急処置をせねば!)
そう、頭にあったのはアレです。RICE。
RICEについて書いた前の記事はこちら。
今回も有効かどうか、動きながら考えた。
スマホ本体の重量は結構ある。角を下にして落ちてきた場合、落下点にかかった重さは結構あるはず。唇の上なので、唇内部の粘膜も歯に食い込んで傷ついている。スマホが当たった方の肌も、衝撃で組織に傷がつき、これから赤くなって腫れるだろうことが容易に推測される。
ということはやはり、・圧迫 ・冷却 ・安静 は有効である、と思われた。
速攻で冷凍庫へ行き、保冷剤を取り出して患部に当てる。ぐいぐい押し当てる。感覚がなくなるくらいまで冷えたら、少し離して、また当てる。
圧迫は、絆創膏をきつく止めることで対応した。その上から保冷剤を当てるとちょうどよかった。
顔なので挙上は無理として、患部が心臓より上にあった方がいいだろう、ということで座位を保つ。
冷やすと、痛みがちょっとはマシになったような気もするけど、やっぱり痛い。
(ええ~やだな~オバQのU子さんみたいになったら……いや別にU子さんじゃなくてオバQでも一緒だけどもさ……)
とかアホなことを考えながら、冷やし続ける。
※オバQとU子さん
まあアレです、寝っ転がって、顔の上に掲げる姿勢でスマホをいじってたんですね。インスタ見てたのか、漫画読んでたか。ちょっと一服するときにやっちゃう私のクセ。
腕を思い切り伸ばして、肘をまっすぐにすると、腕が固定されて楽だから、よくそうするんだけど、それだとスマホが顔から一番遠い距離になる。
そこで、つるっと手が滑って落下したもんだから、完全に私の油断。
自業自得のアクシデントでした。
トホホ。
寝る前はまだ痛かったけど、今朝起きたらどうということはなくなっていた。
何よりよかったのは、腫れがまったくなかったことだ。
唇の裏側はちょっぴり傷がついたので、無傷とはいかなかったけど、少なくとも見た目には、そんな椿事が出来したことは想像できないだろうと思う。
ということで、RICE覚えておくと、日常のちょっとした怪我にとても役に立つことがよく分かった、というお話。
オバQにもU子さんにもならずに済みました。
よかった。