おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

「鬼滅の刃」ブームに今いち乗り切れていない人へ。

 もう随分前からブームになっているのは知っていた。

 鬼滅コス?たら言うのを有名人がやってはインスタにあげている。

 なんで口に竹咥えてんだ?と思ったら、そういうキャラなのね。ふーん。

 とか思っていたら、あれよあれよという間に映画化されて、空前の大ヒット!とか謳っているじゃありませんか。

 気になりますよね。

 そして、この一大ムーブメントに乗っかって楽しみたい!という気にもなるじゃありませんか。




 元々、(面白そうだな)とは思っていたのです。

 鬼とか妖怪とか出てくるやつ好きだし。でもなんか、今まで見てきたのとは違うっぽかったし。

 ただ、「一度に複数のものにはハマれない」体質なので、他の多くのものと同じように横目で見て、スルーしていたんですよね。

 でも、劇場版があまりにも評判がいいので、(………映画観に行こうかな……)という気持ちが疼いてきた。

 どうせなら、大筋は理解した上で楽しみたい。

 で、登録していたコミックサイトで漫画の方を読み始めてみた。



 三話、四話と読み進めて、

(………?)

と頭の中に「?」マークが点滅。

 いや、面白いよ。普通に。

 でも、これ、めっちゃ「THE☆ジャンプ」漫画じゃね?

 平凡ながら幸せに暮らしていた家族を襲う奇禍、主人公の少年が数々の困難をくぐりぬけて強くなっていく。強くなるのは自分のためじゃない。鬼になってしまった妹を救うため。

 主人公が最初から身体能力がずば抜けているのを、その道の達人に見出されるのも、外からの禍が降りかかった身内を助けるために奮闘するのも、超絶見覚えある。

 次々に立ちはだかる困難と、常人を超える努力。やがて繋がる仲間との絆。そして友情。

 そんでもって、現れる敵がどんどん強くなっていくのもお約束ですわね。技にいちいち名前がついている。深夜に暴走するのが趣味の人たち(あるいはズバリ厨二病の人たち)が好きそうな、漢字一杯の名前。

 敵が強くなると、それを倒すための味方も強くなくてはならぬ。強いやつと強い技のハイパーインフレーション




 読みながら、今までのヒット漫画が次々と頭に浮かんでは消える。

(え……これなんてもろ〇ンピース的展開……)

(この流れ、ぐっとくるけど、アレと似てるよな……)

(猪突猛進で単純バカな味方キャラってものすごく既視感……)

 つまり、

「面白いのは理解した」

けど、

「なんでこれが『今までなかった!』的にヒットしているのかは理解できない」

状態に陥ったのです。



 まあでも、これは私が悪いんだと思う。

 考え直してみたら、「今までなかった!」とは誰も言ってない。それは多分、めちゃくちゃヒットしているから、きっと今までの作品にない何かがあるんだろうと私が勝手に思い込んだだけなんだろう。

 だから、それを期待して読み始めたら、「今までのヒット作品すべての要素を抽出して煮詰めました」みたいな、王道の展開だった。

 王道はいつだって正しい。

 ただ、素直にハマるタイプと、ハマらないタイプがいる。

 それだけの話。




 でも、そもそも「ブームに乗ろう!」と思うことなんて、私にしては珍しい現象なんですよ。

 今までの大ヒット現象はどうだったかな……と思い出してみると、ほぼ総スルーだった。

 どうぶつの森も、妖怪ウォッチも、ハリーポッターも、どれも

「へえー、流行ってるんだー。ふーん」

と、我関セズでしたな。

 ハマるとどっぷりハマるから、廃人になるのを恐れて自ら近寄らないようにしているものも多い。FFも、面白そうだとは思っていたけど、やり始めたらひきこもりまっしぐらなのは分かっていたので手を出さなかった。

 漫画・アニメに関しても、「流行っているから」という理由で鑑賞し始めることはなかった。ガンダムエヴァもそうやってスルーしてました。(これは単に興味を持てなかったから)




おっさんずラブ」は、だから世間のブームと自分の趣味嗜好が一致した、珍しいコンテンツだったのだ。

 ドラマのように、楽しみの要素に「時間の経過」が含まれるものだと、多くのファンと一緒になって盛り上がれる。

 あれは楽しかった。毎週の放送と、放送後のツイッター祭りが楽しくて仕方なかった。

 あの記憶があるから、「鬼滅」も乗っかってみようかなと、そんな風に思ったわけなんですね。多分。

 でも、好みなんて本当に人それぞれだから、一致すること自体が稀なんだと、やはりそう心得ておいた方がいいですね。




鬼滅の刃」のヒットが気になって、一緒になって盛り上がりたいんだけれども、

(? ? よさが分かんない……)

てなってる人、たくさんいると思う。

 私みたいに、

「面白いけど、既存の作品を超えるレベルではないのでは?」

のような、ちょっと醒めた見方をしている人も少なくないだろうし。

「鬼滅のよさが分からない自分はおかしいのだろうか?」

「世間からズレてるんだろうか?」

と不安になっている呟きをこないだ見かけたんだけど、そんな心配をする必要はまったくない、とその人たちに言ってあげたい。

 おかしくなんてないし、ズレたら困る「世間」なんてそもそも幻想ですから。実態なんてないですから。

 エンタメなんて、自分の好きなものだけを鑑賞していればそれでいいのです。




 ところで、「鬼滅」話には続きがある。

 ある人に、

「鬼滅はアニメを見るべし。非常によく出来たアニメである」

と、太鼓判つきの推薦をいただいた。

 私は、人が個人的に私自身にオススメしてくれたときは、素直に言うことを聞くことにしている。

 ほう、そうか……とアニメを見てみた。今は動画コンテンツがもりだくさんだから便利だね!

 いやー、アニメはよかったです。評判通り。

 日本のアニメーションの繊細な表現が、原作のよさを何倍にも引き上げていた。

鬼滅の刃」は、アニメの動画、声優の演技、歌、挿入される音楽、それらが組み合わさって創り上げられたエンターテインメント作品でした。

 なるほどこれなら大勢がハマるのも分かる!と腑に落ちて、私も得心のいく答えを得られたのでした。 




 なので、アマプラで「鬼滅」続きを見て、行けそうなら映画も考えようかな、と、今はそういう段階です。

 でもこれだけヒットしてたらいずれ地上波で放送あるだろうな……という気もする。

(「君の名は。」も「シン・ゴジラ」も地上波視聴後ハマった前科アリ)





 ちなみに、私の上司のG子さんは、ちょっと浮世離れしているところがあって、私よりもさらに世間の流行に疎い。

 そのG子さんの耳にも、「鬼滅」の評判は届いているらしい。

 こないだ、

「ねえ、あれ流行ってるんだってね。なんだっけ……ああそう、ホラ、『ヒミツの八重歯』?」

 とのたまった。

 爆笑の渦に叩き込まれた後、「鬼に滅びる、ヤイバと書いて『鬼滅の刃』です」と教えて差し上げたのですが、それ以来

「ヒミツの八重歯」

が頭にこびりついて離れない。

 そうか……禰豆子が口から竹を離すと、隠していた八重歯が現れるわけだな……いや鬼だから牙は当然あるんだけど……と、どうしてもいらんことを考えてしまう。

 

「秘密の八重歯」

 

 うーん、なんかそういうサスペンスドラマありそうだな。

 

 

 ないか。