こないだからずっと、考えていた。
(そろそろちょっと遠出したい……)
今年は本当に、どこにも行ってない。引きこもり体質なので、さほど苦ではないと感じてきたけれど、実家にも帰らず、近県の友達とも会わず、ほぼ自宅と職場の往復のみ。
秋になって出かけるにはいい季節になってきたのと、今年はこの連休と紅葉の進み具合がなんだかいい感じにリンクしてるっぽい。
普段からメールのやりとりをしている友達と、
「久々に会おうか?」
ということになった。
向こうも関西在住。
さてどこ行こうかな、と思ったときに、
(京都の紅葉を見たいな…)
というプランが一番に浮かんだ。
ちょっとグーグル先生に聞いてみると、京都御所で事前申し込み不要の無料参観をやっているとな。
で、行ってきました。
11月らしい冷え込みから打って変わって、ここ数日は季節が2カ月くらい戻った感があった。が、前日である金曜日はまたちょっと11月っぽくて、週末の京都の冷え込みがどれくらいなのか、予想がかなり難しかった。
考えた挙句、(ここ数日よりはちょっと冷えるんじゃないか)という予測のもと、京都の盆地の寒さにも対抗できるよう中にはヒートテックを着込み、上は着脱可能な軽装にして出かけたんだけど、これが誤算であった。。。
行きの電車の中が暑い。(まあ電車って暑いもんだから)と我慢して、現地まではそのまま行ったんだけど、丸太町で降りてもやっぱり暑い。
「うわー久しぶりー!」
と数年ぶりの再会を喜んだのも束の間、
「早々でなんやけどごめん。服脱ぐわ」
と、駅のトイレでヒートテックをただちに脱ぎました。笑
しかし、順調に秋らしく気温が下がっていっていたのと、晴れが多くて太陽の光をよく浴びているのが幸いしたのか、京都はなかなかの紅葉でした。
京都は何度も行ったことがあるんだけど、実は御所に行くのは初めて。
中に入ってすぐ、こんなところがあったもんだから、すぐに腰を落ち着けてしまった。
御所の中は広い。そして静かだ。壁のすぐ向こうの喧騒が遠く感じる。
行楽日和ではあったけど、適度に雲があって、日差しも柔らかかった。
目の前に広がる緑の池。赤く色づいた紅葉が水面に映って美しい。黄色い葉っぱがしきつめられたようになっている箇所は、雀たちの水浴び場になっているのか、ぽしゃん!と水音がしてはぱしゃぱしゃっと飛沫音が響いて、耳にも楽しい。
お互いの近況、コロナの状況、じっくり話しました。
「もうここで半日いてもいいよね…」
と意見が一致したものの、そうもいかない。
後ろ髪を惹かれながら移動。
御所の中は様々な植生が見られて、一面がビビッドな赤というわけではないんだけど、緑の中にところどころある紅葉というのも、はっと目を惹かれて、楽しめました。
世が世なら雲の上の世界だった御所の中。
庶民である我々がタダで見ることができ、写真を撮っても咎められない。
今の世に生まれてよかったね…などと話しながら鑑賞。
御所車の実物には、思わず「わぁっ」と声をあげてしまった。
昔のやんごとなき方々はこんな車にお乗りあそばしていたのね。
大きいですね。これをつけて、牛が引いて洛中を移動したわけだ。
操作するのも大変だっただろうなあ。乗り心地はどうだったんだろう。
持ち手や細部にいたるまで、繊細な細工が施されていて、素晴らしい。
これぞ贅の極み。
庭園も、自然が調和して美しいと目には映るけれども、そうではなく、十分に人の手が入ってこそこの景観が保たれているのだ。
お庭の木々の1本1本、ちゃんと剪定されていて、担当者の心意気を感じました。
自然に任せたりなんかした日にゃね……雑草ってマジであっという間に繁殖するからなあ。
連休とあって、そこそこ人出があった。
入口では体温チェック、手指のアルコール消毒はもちろんのこと、手荷物検査もあって、時勢を感じさせる。
「他の方と距離を取ってください」
との場内アナウンスもあり、感染対策もきちんと取られていました。
京都の紅葉、みごたえがあってよかった。
心が洗われました。
満足。
この遠出については色々と話題があるので、続きます。