京都へ出かけるかどうか、結構迷った。
コロナの感染者数が「史上最も多い」と、連日の報道で伝えていたからだ。
いっとき抑え込めていた感染増大が、またぞろ不気味なペースで進んでいる。
ただ、だからと言って、「どこへも出かけない」という選択が、今正しいのかどうかも分からなかった。
人と会わない。自宅付近から動かない。
ひとつの選択ではあるかもしれないけど、それが感染増大の対症療法としてどれだけ効果があるのか。
コロナ感染者が増えたのが、GoToのせいだとか、いやそうじゃない、また自粛になれば今度こそ本当に経済が死ぬとか、色んな意見があって、どれももっともらしい。
そろそろ1年が経つけど、いまだコロナに有効なワクチンはその辺に出回るレベルではない。
感染したくはないし、拡げるわけにもいかない。
と言って、自粛ばかりして、会えるときに会わないでいるうちに、祖母のように永遠に会えなくなる可能性だってある。
考えた末、
「感染対策を万全に考えつつ、お互い最大限に注意して、会う」
という結論に至った。
で、京都。
まず、会うのが数年ぶりなんだけど、マスクをしているから顔の判別がしづらい可能性がある。
待ち合わせた駅で、年齢的に同じくらいか…?と見える女性が人待ち顔で立っていて、背格好はそれほど離れていなかったので、
(なんか随分雰囲気が違うけど、もしやあれが…?)
と、随分じろじろと見てしまった。
結局、やはり同じ年頃の女性が改札から手を振りながら近づいていったので、
(あ、やっぱり違った)
と分かった。
いやーもーみーんなマスクだからさあ。相手を取り違える人、絶対多そう。
前述の通り、京都御所は配慮が行き届いていて、密にならないよう見張る係員もいたのだね。
ところが、そのあと烏丸や河原町の方へ移動した、その道が凄かった。
みっしりと人がいた。一応皆マスクはしているけれども、カップルで、あるいは3~4人の友達同士で、あるいは家族連れで、手を繋いだり身体をぶつけ合ったりしながら、道幅いっぱいに広がって歩いている。
すれ違う人のために、1列になって歩こうとか、そういう配慮はあまりないように見受けられた。
特に錦市場は賑やかで、人のあまりに密集ぶりに2人して慄き、
「凄いね……」
「いやこれどうなの。交通整理の人もいないみたいだけど…」
と、考えた挙句、一本裏通りの道を進むことにした。
今年見た中で、間違いなく一番混雑した街だった。
コロナに対する気遣いがあるのかないのか…と眉をひそめたくなるが、周りから見たら、私たちだって同じように見えるのだと思う。
こちらとしては、話すときはマスクを着けて、他の人がいる場所では極力密集空間が出来ないようソーシャルディスタンスを保っているつもりだけれども、人によって温度差が違う。
行きも帰りも、電車の中も満員だった。
コロナ前と変わらないぎゅうぎゅう詰めだったが、それに文句をつけるのなら、
「じゃあ出かけなければいい」
という結論になってしまうだろう。
自分一人が気をつけていれば済む話ではないし、
「お互い不快にならないよう心掛けて…」
というマナーの話でもない。
こういう状況ではやはり、「~~のときは〇〇すべき」という、明らかなルールがないことには、統制が取れないのだな、とよく分かった。
そして、統制を取らないと、恐らくこの感染症の患者は増え続けていってしまうのだ。
なんだろう、今年の頭からこのかた、ずーーーっと解けない宿題を与えられているんだけど、いまだ正答にたどりつく気配もない、という気分。
何をどうするのが正解なのか、全然分からないまま、今年が終わっていこうとしている。
まあともかく、栄養のあるものを食べて、よく運動して、よく寝ます。
皆さまもどうか、ご無事でお過ごしになりますように。