10話をもう、繰り返し繰り返し何度も見てるんですけど、合間に1~9話も見ているから忙しい。
初回から改めて見直すと、このドラマが本当に丁寧に作られていることがよく分かる。
第一話では、「30歳まで童貞だと魔法使いになっちまうんだぞ」と浦部さんに揶揄われても、自分で自分を諦めていて、(自分から動くなんて絶対無理だ)と何に対しても消極的だった安達が、第10話では社内コンペに応募しようと自ら決意し、頑張っている。
その成長も、10話を費やして描かれているから、とても自然で、次第次第に変わっていく安達の姿が、視聴者の目にも好もしく映る。
締め切りが近づいてきて焦る安達を、黒沢と藤崎さんが励ます。
頑張っている人って、やっぱり見ていると応援したくなるもんね。
チョコを2つ置いて、
「コンペ、頑張ってね」と激励する藤崎さん。
日頃何かと仕事を押しつけがちな浦部さんも、
「もう帰っていいぞ」
と今回は仕事を引き受けてくれる。
ぽん、と肩に置かれた手からは、(コンペの準備があるだろ。早く帰れよ)という優しい気持ちが聞こえてくる。
表に出さない内心の声を聞けるようになったことで、「人を見かけだけで判断してはいけない」と、身に染みて感じるようになった安達。
一方で、周りの応援に応えなきゃいけないというプレッシャーも生じており。
「藤崎さんも浦部さんも、みんな安達のこと応援してるんだな」
安達から話を聞いて、黒沢は嬉しそう。
外に出かけるデートはお預けになったものの、こうやっておうちで会うのはOKてことですね。いいと思います。ようやく両想いになったんだもん、休みの日は会いたいよね!
黒沢と対照的に、安達は不安がにじむ表情で、下を向く。
「黒沢、凄いよな。いつも周りの期待に応えて、…完璧でさ」
ポツリとそんなことを言う安達。
魔法の力を得る前は、黒沢という男は文句のつけようのないイケメンで、仕事も出来て、最強のモテ男で、なんの悩みもないだろうと思っていた安達。
「触れると心の声が聞こえる」能力のせいで、実は自分と同じように、悩んだり、失敗に凹んだり、焦ったりしているのが分かって、親近感を持ったはずだ。
だけれども、人ってそう、「一度分かったことはもう二度と間違えない」機械のような生き物じゃないからさ。
新しい挑戦をして、「周囲からの期待」という、これまで感じたことがなかった壁にぶち当たると、以前の弱気モードに戻ってしまうのも分かる。
そして多分、安達からそんなことを言われた黒沢がどんな気持ちになるかというところまでは、まだ考えが及ばないんだな。
それには直接答えず、読んでいた本を閉じて、
「ちょっと出かけない?」
と安達に誘いをかける黒沢。
「え?」
「デートの練習だよ」
で、ここからが、遊園地へとやってきた2人の場面なんですが、いやーもーここだけでお腹いっぱいというか、ご馳走様というか、
ありがとうございました
と伏し拝んで五体投地してもいいと思ったわ私。
いやもう、どうします皆さん? 遊園地に行って、隣であんなスマートなイケメンと可愛いイケメンが2人で「回るカップに乗って」たら。
(え……ちょ……待っ……)
てなって、視線は釘付けになるよね!
彼氏連れで行ってたとしても、彼氏をほっぽって男2人の可愛いカップルに夢中になっちゃう女子(だけでなく多分男子も)が続出しそうだ。
おっと、個人的な感慨になってしまいました、スミマセン。
ゴホン!
レビューに戻ります。
回るカップに乗る黒沢と安達。
「なんか、やっぱ俺たち浮いてない?」
安達くんは周りの目を気にしてキョロキョロしているが、黒沢先生はそんなもの微塵も気にしちゃいねえ。
「安達?」
声をかけてこっちを見たところを激写。
「これ見て!」
とスマホを安達に差し出して、2人一緒に見て破顔。
「これ酷いな!」
半眼だろうと、ぶちゃむくれだろうと、どんな写真が撮れてても楽しいよね。
そして黒沢くん、安達のどんな顔だろうと全部取っておきたいだろう。
「待ち受けにしていい?」
「やだ。絶対やだ」
「しちゃお♡」
「なんでだよ…(まんざらでもない)」
はあ……ありがたや(合掌)。
さあ、ここからまだまだ、初々しいカップルの場面が続く。
黒沢が差し出したクレープにかぶりつく安達。
「うんま!」
ここ、安達がクレープに齧りついて、もぐもぐして、(! うま!)てぱぁぁ…て喜色が顔中に広がる様子を、黒沢がずーっと目を離さずにいて、おんなじ表情してるんだよね。
(え、やだ、どんだけ好きなん…)
て見てるこっちもキュンってなるよね。
で、ここはなぜか黒沢目線で、(安達がカワエエ~~(*'д`*))と安達くんを見ちゃう。
安達の「うんま!」が聞けて、よかったね、黒沢くん!
そりゃ、そのキラキラの笑顔にもなるよね!
回るカップで慣れたのか、メリーゴーラウンドに乗る安達にはもう、人からどう見られるか気にする様子はない。
黒沢と2人で過ごす時間が楽しくて、羞恥心も忘れたのかな。
「似合うな」
「安達も似合うよ」
とお互い褒め合う様子も微笑ましいのですが、
「オレ、カバだよ?」
と、自分が乗っているのがカバというところが気になるらしいのが可笑しい。
「カワイイじゃん」
黒沢は動じず、スマホで動画を撮り始める。
「カバなんだからやめろよ」
いいや、カバだろうとカメだろうとブタだろうとオットセイだろうと、ともかく「上に安達が乗っている」という条件を満たせば黒沢には何だってカワイイのだよ。
黙って撮られとけ。
「少しは息抜きになった?」
園内を歩く2人。
背景の「シアターGロッソ」の赤い看板が目に入りますね。特撮ヲタをかすってる身としては、反応してしまう名前だ。
まあそれは置いといて。
「うん。お陰でスッキリしたよ」
答える安達の表情が晴れやかだ。本当に気が晴れたんだろうね。
「オレも楽しかったよ! 安達とデートの練習が出来て」
「ていうかコレ、普通にデートじゃんw」
ですよね! とこのとき全国のお茶の間で、視聴者が安達に同調したに違いない。
が、
「いや」
と黒沢、あくまでデートの『練習』である、と引かない。
その心は、
「デートはもっと、特別なものにしたい」
というものだった。
「だって、安達にとって初めてのデートだろ?」
6話で、「今まで誰ともつきあったことがない」と打ち明けた安達に、
「安達とつきあうヤツは幸せだな」
と返した黒沢。
「デートしたり、一緒に飯食ったり、手繋いだり……全部初めてってことだろ? ……すっげー嬉しいと思うよ」
その口調。
安達の「初めて」の相手が自分だったら…と、そのポジションを喉から手が出るほど欲しいと思っていながら、(でも絶対、選ばれない)という諦めもにじんだ、せつないものだった。
ところがその思いが、叶ってしまった。
安達にとって「初めてのデート」は、絶対に最高のデートにする……!!
という、黒沢の熱い決意が滲み出るものでしたね。
「デートの練習」。
……って、はぁー、もう結構書いたのにまだ終わらねえ( ゚Д゚)。
仕方ない、続く!
木曜夜までに第10話のレビューを書き終わりますように(>_<)
ファイト―、自分!