テレ東さんはドラマ作りが丁寧だ、と書いたけど、4話を見ていると特に思う。
いや、どの話も全部丁寧なんだけど。
4話、今更ながらの感想を改めて書こうと思って、繰り返し見ているんだけど、もう本当に、何回観ても全く飽きない。
もう多分60回くらい見てる。無限ループが止まらない。
誰か助けて。
「イヤじゃなかった。お前のキス」
なーんて言っちゃったもんだから、黒沢の心に火をつけてしまった安達くん。
安達にすれば、「だからそんなに後ろめたく思う必要はない」と、罪悪感を軽減してあげたかったんだと思うけど、黒沢からすれば
(え……いいの。オッケーなの…?)
てなるわな。
その後、黒沢から逃げまくる安達のチキンぶりが可愛い。
デスク下に隠れて膝を抱えた安達に、
「どうした? お腹痛? 冷えたか」
と声をかけてあげる浦部さんのシーンが密かにお気に入り。
「あったかいの飲むか?」
って、めっちゃ優しいじゃん。オカンか?笑
第4話でスポットが当たるのが、藤崎さんだ。
(好きだな。安達くん)と心の声が聞こえてきて、(えっ藤崎さんも俺のこと好きなの…?)と安達が舞い上がり、すわモテ期到来かと思いきや全然違ってました、という話。
いわゆる妙齢の女性だけれども、恋愛に興味がない。でも、世間から見た「普通」の範疇から外れていることを自覚していて、普段はそつなく話を合わせて、やり過ごしている。
いつも笑顔で明るい藤崎さんの姿が、実は彼女なりの自衛の手段であって、本当の自分を隠して生きている、ということは、「心が読める」という魔法なしには知り得なかった事実だった。
人は見た目で判断できないこと、悩みなんか全然なさそうに見えても、実は色々と葛藤を抱えていることを知って、(何か力になれないか)と寄り添う思いが安達に生まれる。
そして、思ったことを実行に移す小さな一歩も踏み出せるようになる。
このドラマが優しいと感じるのは、「恋愛に興味がない」藤崎さんに、最後まで恋愛フラグが立たないことだ。
第4話のなりゆきからすると、「恋愛に興味がなかった藤崎さんが、安達の言葉に心を動かされ、彼のことが気になりだして……」とかなってもおかしくなさそうだ。ひと昔前のドラマだったら確実にそうなっていそう。
だけど、フラグは立たない。安達から言葉をかけられた藤崎さんは、確かに嬉しそうだけど、それは多分、「自分のスタンスをそのまま認めてくれた」ことに対する嬉しさなんだな。
「親に嘘の交際相手を紹介する」って、フィクションでよく出てくるけど、アレ、実際はどうなんですかね。
「一定の年齢を過ぎたら結婚するべき」あるいは「一定の年齢を過ぎたら異性の交際相手があってしかるべき」という、親側の常識に合わせるの、屈辱を感じずに出来るもんなんだろうか。私は幸い、なーんにも言わない親だったからそういう問題は発生しなかったけど。
そして、
「安達くん、彼氏のフリしてあげなよーw」
「フリじゃなくなってもそれはそれで…ねー笑」
みたいなこと言うモブの女子社員、ウザい。王様ゲームの女先輩といい、いらんこと言う人が多い会社だね。
こういう人たちも、ドラマだとよく登場するけど、現実にいるのかしら。私の周りにはいなかった。
その場では話を合わせた藤崎さん、2人きりになったら安達にちゃんと
「ごめんね。イヤな気持ちになったでしょう」
と謝るの、細やかな気配りの人だと思いました。
街でチンピラに殴られそうになった安達を、神のタイミングで助けた黒沢。
拳をはっしと受け止め、
(安達に触るな…!)
と心の声。
少女漫画なら、もうここで助けられたヒロインが(え……やだカッコいい…)てなって、胸の辺に「トゥクン…」と効果音が書き込まれてるなりゆきだ。
だけど、そうはならない。
安達は男だから、同じ男としてひけめを感じてしまうんだな。
何をやってもスマートな黒沢と、そうでない自分。
こうしてつい、いじいじ考えてしまうのだって、きっと黒沢みたいな男には無縁だろうと思いきや、そうではなかった。
黒沢は黒沢で、(失敗した…)とか、(俺、ウザいよな……)とか、安達と同じように自分を振り返って、落ち込んだり、くよくよしたりしている。
そっか、身体が勝手に動いちゃうんだ。恋に落ちているとそうなりますよね。考える前に動いてしまう。
(でも、やらないよりは……出来ることは、したい)という黒沢の思いが、安達の中の何かを変える。
ここのくだりが、男同士というか、BLならではで、うまいな、と思いました。
どっちの気持ちも分かる。黒沢のことも、安達のことも好きになる。
第4話、安達は魔法の力と黒沢の影響で徐々に変化を見せ始めている。
だけどまだ、その変化に自分でついていけてなくて、戸惑っている。
ドラマ冒頭、エレベーターで(またエレベーターだ)突然奇声を発してがんがん壁に頭を打ちつけ、
「こんな能力、マジでいらねえ!」
て空を睨む顔、めっちゃ可愛いと思いました。(素朴な感想)
て言うか、安達が見れば見るほど可愛いんだよね。超キュート。で、どの話でも表情が違う。4話では4話の、「戸惑いながら変化し始める安達」の顔なんだ、ちゃんと。つきあい始めた後の安達と全然違う表情。
リアルの安達と、黒沢の妄想安達、そして4話では柘植が想像する安達も出てきて、いずれも少しずつ性格が違うらしいのが一見して分かるのも凄い。演じ分けが細かいね、赤楚くん。
うう、アカソンヌ沼がそこからおいでおいでをしている……怖……
あ、そんで、全然関係ないんですけど、安達くんの手の平の怪我ね。
実際あんな怪我したら、患部を水で洗い流して、じゅくじゅくのままキズパワーパッドを貼ったらいいと思います!
あれ、怪我治るのめちゃくちゃ早くないですか…? こないだまた職場でちょっと怪我しちゃったんだけど、キズパワーパッド買って貼っておいたら、二日後には傷自体が綺麗に消えてて、(え……私怪我したよね? 夢だったの…?)てなって、ちょっと怖かった。笑
もし戦国時代にタイムスリップするとして、持って行くものを選べるなら、キズパワーパッドを持っていくわ。私。
21世紀の魔法。