おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい 第4話感想

 テレ東さんはドラマ作りが丁寧だ、と書いたけど、4話を見ていると特に思う。

 いや、どの話も全部丁寧なんだけど。

 4話、今更ながらの感想を改めて書こうと思って、繰り返し見ているんだけど、もう本当に、何回観ても全く飽きない。

 もう多分60回くらい見てる。無限ループが止まらない。

 誰か助けて。




「イヤじゃなかった。お前のキス」

 なーんて言っちゃったもんだから、黒沢の心に火をつけてしまった安達くん。

 安達にすれば、「だからそんなに後ろめたく思う必要はない」と、罪悪感を軽減してあげたかったんだと思うけど、黒沢からすれば

(え……いいの。オッケーなの…?)

てなるわな。

 その後、黒沢から逃げまくる安達のチキンぶりが可愛い。

 デスク下に隠れて膝を抱えた安達に、

「どうした? お腹痛? 冷えたか」

と声をかけてあげる浦部さんのシーンが密かにお気に入り。

「あったかいの飲むか?」

って、めっちゃ優しいじゃん。オカンか?笑




 第4話でスポットが当たるのが、藤崎さんだ。

(好きだな。安達くん)と心の声が聞こえてきて、(えっ藤崎さんも俺のこと好きなの…?)と安達が舞い上がり、すわモテ期到来かと思いきや全然違ってました、という話。

 いわゆる妙齢の女性だけれども、恋愛に興味がない。でも、世間から見た「普通」の範疇から外れていることを自覚していて、普段はそつなく話を合わせて、やり過ごしている。

 いつも笑顔で明るい藤崎さんの姿が、実は彼女なりの自衛の手段であって、本当の自分を隠して生きている、ということは、「心が読める」という魔法なしには知り得なかった事実だった。

 人は見た目で判断できないこと、悩みなんか全然なさそうに見えても、実は色々と葛藤を抱えていることを知って、(何か力になれないか)と寄り添う思いが安達に生まれる。

 そして、思ったことを実行に移す小さな一歩も踏み出せるようになる。



 このドラマが優しいと感じるのは、「恋愛に興味がない」藤崎さんに、最後まで恋愛フラグが立たないことだ。

 第4話のなりゆきからすると、「恋愛に興味がなかった藤崎さんが、安達の言葉に心を動かされ、彼のことが気になりだして……」とかなってもおかしくなさそうだ。ひと昔前のドラマだったら確実にそうなっていそう。

 だけど、フラグは立たない。安達から言葉をかけられた藤崎さんは、確かに嬉しそうだけど、それは多分、「自分のスタンスをそのまま認めてくれた」ことに対する嬉しさなんだな。

「親に嘘の交際相手を紹介する」って、フィクションでよく出てくるけど、アレ、実際はどうなんですかね。

「一定の年齢を過ぎたら結婚するべき」あるいは「一定の年齢を過ぎたら異性の交際相手があってしかるべき」という、親側の常識に合わせるの、屈辱を感じずに出来るもんなんだろうか。私は幸い、なーんにも言わない親だったからそういう問題は発生しなかったけど。

 そして、

「安達くん、彼氏のフリしてあげなよーw」

「フリじゃなくなってもそれはそれで…ねー笑」

 みたいなこと言うモブの女子社員、ウザい。王様ゲームの女先輩といい、いらんこと言う人が多い会社だね。

 こういう人たちも、ドラマだとよく登場するけど、現実にいるのかしら。私の周りにはいなかった。

 その場では話を合わせた藤崎さん、2人きりになったら安達にちゃんと

「ごめんね。イヤな気持ちになったでしょう」

と謝るの、細やかな気配りの人だと思いました。




 街でチンピラに殴られそうになった安達を、神のタイミングで助けた黒沢。

 拳をはっしと受け止め、

(安達に触るな…!)

 と心の声。

 少女漫画なら、もうここで助けられたヒロインが(え……やだカッコいい…)てなって、胸の辺に「トゥクン…」と効果音が書き込まれてるなりゆきだ。

 だけど、そうはならない。

 安達は男だから、同じ男としてひけめを感じてしまうんだな。

 何をやってもスマートな黒沢と、そうでない自分。

 こうしてつい、いじいじ考えてしまうのだって、きっと黒沢みたいな男には無縁だろうと思いきや、そうではなかった。

 黒沢は黒沢で、(失敗した…)とか、(俺、ウザいよな……)とか、安達と同じように自分を振り返って、落ち込んだり、くよくよしたりしている。

 そっか、身体が勝手に動いちゃうんだ。恋に落ちているとそうなりますよね。考える前に動いてしまう。

(でも、やらないよりは……出来ることは、したい)という黒沢の思いが、安達の中の何かを変える。



 ここのくだりが、男同士というか、BLならではで、うまいな、と思いました。

 どっちの気持ちも分かる。黒沢のことも、安達のことも好きになる。




 第4話、安達は魔法の力と黒沢の影響で徐々に変化を見せ始めている。

 だけどまだ、その変化に自分でついていけてなくて、戸惑っている。

 ドラマ冒頭、エレベーターで(またエレベーターだ)突然奇声を発してがんがん壁に頭を打ちつけ、

「こんな能力、マジでいらねえ!」

て空を睨む顔、めっちゃ可愛いと思いました。(素朴な感想)



 て言うか、安達が見れば見るほど可愛いんだよね。超キュート。で、どの話でも表情が違う。4話では4話の、「戸惑いながら変化し始める安達」の顔なんだ、ちゃんと。つきあい始めた後の安達と全然違う表情。

 リアルの安達と、黒沢の妄想安達、そして4話では柘植が想像する安達も出てきて、いずれも少しずつ性格が違うらしいのが一見して分かるのも凄い。演じ分けが細かいね、赤楚くん。

 うう、アカソンヌ沼がそこからおいでおいでをしている……怖……




 あ、そんで、全然関係ないんですけど、安達くんの手の平の怪我ね。

 実際あんな怪我したら、患部を水で洗い流して、じゅくじゅくのままキズパワーパッドを貼ったらいいと思います!

 あれ、怪我治るのめちゃくちゃ早くないですか…? こないだまた職場でちょっと怪我しちゃったんだけど、キズパワーパッド買って貼っておいたら、二日後には傷自体が綺麗に消えてて、(え……私怪我したよね? 夢だったの…?)てなって、ちょっと怖かった。笑

 もし戦国時代にタイムスリップするとして、持って行くものを選べるなら、キズパワーパッドを持っていくわ。私。

 21世紀の魔法。