今年は金木犀が遅かった。
例年、10月の声を聞くとあの香りが漂い始めるのだけれど、今年は10月に入っても夏の暑さが続いた。
やっと涼しくなったと思ったら、急に冷え込んで、なんじゃこりゃ!と驚いたのがいつだっけ。あ、18日か。こういうとき、日記書いてると便利やね。
ようやくこの辺もそこら中金木犀の香りに包まれるようになった。
さて、本日は衆議院選挙でした。
私の元にも来ましたとも。投票所の案内が。
うちの選挙区の投票所、結構遠いんですよね。これまではバイクで行ってたけど、事故で昇天してしまったので、足がない。
歩いていくとどうかな…と、グーグルマップで経路を示すと、「徒歩25分」と出る。
25分ですってよ。片道。
………このクソ田舎が!(鬼滅善逸風)
…と毒づいていても、仕方ない。
というかまあ、別に歩いていけない距離じゃない。今まで住んできた街では、投票所が割と近くにあって、歩いてもせいぜい10分くらいのところにあったので、ちょっとカルチャーショックだったけど。
そもそもここ、ド田舎だもんで、基本「車持ってるでしょ?」という前提で街が作られてるんですよね。だから私のように持っていた足をなくしてしまうとちょっと不便だけど、それでも、投票所まで片道1時間もかかるでなし。
天気もいいし、雨降ったらバスもあるし。
ということで、朝から洗濯だの料理だの筋トレだの済ませて、夕刻になってから出かけました。
ここら辺は勾配が多くて、うちを出るとまず結構なのぼり坂を歩いてバス通りに出る。
バス通り沿いを歩いていても、そのうちまたうねうねと坂道になる。
暑くも寒くもなく、風も穏やかな秋の夕方、運動するにはちょうどいい。
マスク越しにも感じとれる金木犀の匂い。
歩いているうちに刻々空の色が変化していって、街並全体が暮色に沈んでいく。
遠く、坂の上の住宅街の辺り、紅葉が始まっているなあ…と眺めたり、(あ、こんなところにカフェが出来てる)と発見したり。
赤いレンガ造りの大きな家があって、庭が雑草でぼうぼうになっていて、どうやら空き家らしいのに、まったくもって無関係の赤の他人の分際ながら、胸が痛くなったり。
やけに明るい光が漏れているのは、車の販売店だ。家族連れがテーブルについて、何やらメニューを見ている。奥さんらしき女性の膝には赤ちゃんが立っていて、向かいの席の男性が微笑んで赤ん坊に話しかけている。夕刻、ショーウィンドウのガラス越しに見る家族連れって、えらく幸せそうに見えるよな……と、余計な感慨を抱いたり。
まあそんなこんなで、ウォーキングを楽しみながら投票所に行ってきました。
閑散としてはいたけど、投票に来た人がまあまあいた。
指示に従って投票用紙を受け取り、黙々と書きこんで投票箱に入れる。
うちは市長選もあったから、それを×4回。
最高裁判所裁判官の国民審査権って、国民が持つ大切な権利の一つであると習うけど、これ、意味あんのか…と毎度思う。
だって、最高裁判所裁判官の仕事に注目して、誰がどんな判決を下しているか、どういう思想傾向があるか、詳しい人なんている?? 傍聴マニア以外に??
選挙前に、対象である11人の裁判官の経歴とこれまでに下した判例をサイトで確認し、判断材料に出来るようになっているけど、これ、全員の分をちゃんと見て予習する人、どれだけいるんだろう。
私は、スミマセン、正直に言うと、そんなものは見ずに行きました。
あ、そうそう、出口に「出口調査 NHK」の腕章をつけた人がいて、(なんか聞かれるかな?)と思ったけど、私には興味を示さなかった。
どういう人を対象に聞いてるのかなあ。無差別じゃないのか?
投票を済ませ、来た道を歩いて帰る。
帰宅すると間もなく選挙速報を各テレビ局一斉に報道し始めた。
今回の結果は、(うむ、行ってよかった)と思えるものでした。
当選された方々、おめでとうございます。
願わくば、選挙の時だけの「イイ顔」じゃなくして、公約はきちんと果たす「公僕」たれ。
そして貴重な票を投じた人が(次も選挙に行こう!)と思えるような結果を残していただきたい。
日本の投票率の低さ、政治と普段の暮らしの関係、比例区の一票の格差問題等々、言いたいことはたくさんあるけど、それはまた今度。
こんな10月最後の一日でした。