腹痛で内科に駆け込んだ後、子宮筋腫のことを「忘れていた」と書いたけど、正確に言うと「それどころじゃなかった」です。
2021年は、年明けて間もなく交通事故に遭った。その怪我が完治するのに1カ月半、普通の生活に戻るのに2カ月かかったかな。
と思ったらコロナに罹った。これまた、元の生活を取り戻すのに2カ月近くかかってる。
なんかもう忙しかったんですよねー。ホンマにー。
異変を感じたのは夏。
お腹に、変な痛みがあるな…?と時々思っていた。けど、(あ、痛…)と思ってからしばらくするとおさまるので、
(……気のせいか?)
くらいで済んでいた。
ところがある日、はっきりと痛みを感じた。仕事帰りの電車の中。
(あれ、痛い……なんかすごく痛いぞ…?)
痛いのが子宮の辺りというのは分かっていた。じゃあ生理痛みたいな痛みなのかと言えば、そうではない。内側ではなく、外側の痛み。
痛みの説明は難しい。感じ方は人それぞれなのと、多分誰であれ、自分が経験した痛みしか想像も理解も出来ないからだ。
子宮の外側の、しかも下側が痛かった。何の痛みかは分からない。ともかく、ギリギリギリ……と、ペンチか何かではさまれてぎゅうっと捩じられてでもいるような、ただごとでない痛みだった。
自宅まで何とか帰りついたけど、冷や汗が出るほどの痛みが続き、
(これはもしかしたら救急車を呼ぶことになるかも…)
と危ぶまれるレベルだった。
ロキソニンを飲んで、なんとかそれはおさまったんだけど、翌朝起きてからも痛かったので、仕事は休んで病院へ行くことにした。
さてここからが、実はあまり覚えていない……というと語弊があるけども、仕事の合間にバタバタと病院に行ってるのと、多分(この先どうなるんだろう)という不安もあって、「思い出したくない出来事」に分類されているのだと思う。
詳しく思い出そうとすると、抵抗感がある。
クリニックに行って、受診して、別の病院を紹介されて…と色々ややこしかったんだけれども、そこを全部なぞっても特に面白いこともないので、割愛する。
まあともかく、
「手術した方がいいでしょうね」
という診断になったわけだ。
というか、
「手術しかないでしょうね」
という結論だった。
子宮筋腫の手術には、いくつか種類がある。
私の場合、大きさもかなり大きかったのと、これから先子宮を温存したいという願望もなかったので、全摘手術で異論はなかった。
ただ、そうなると、しばらく入院が必要になる。
こんなご時勢でなければ、実家に帰って地元の病院に入院しようと思っていた。ところが今はコロナのせいで、紹介状を貰えたとしても、実家とこちらを往復するのもはばかられる。
ではこちらの病院で…となったとしても、高齢の親にわざわざ出てきてもらうには気がひけた。負担が大きいし、その頃はまだまだコロナの感染がおさまっていなかったからだ。
「1人暮らしの人で、入院して手術を受ける人もいると思うんですが…」
ということは、いくつかかかった病院で、都度相談してみた。
「ああ、いますよ。同意書は必要ですが、郵送でも構わないでしょう。今どき、そんな人たくさんいらっしゃいますから」
という意見もあれば、
「いえ、やはり全身麻酔の手術となれば、ご家族には必ず来ていただかないと…」
という意見もあった。
最終的に、入院することになった病院が、やはり
「ご家族に来てもらってください」
という方針で、母に来てもらうこととなった。
この辺、どうなんですかね。私は今回、幸いというか、親に来てもらえたけど、そうはいかない事情の人もたくさんいるだろうと思う。
頼める家族・親族がいない場合、身元保証を請け負う企業があることも知っているけど、いずれはそういうところにお世話になるんだろうか。
最初の受診から、手術の日程が決まるまでしばらくかかった。
その間も痛みは続いているので、痛み止めを処方してもらっていた。
処方薬は「ボルダレン」。薬局ではジェネリック薬を選んで、「ジクロフェナク」という薬を購入。
「最大、1日3回まで飲んでいいです」
と言われて飲んでいたのだが、これは痛み止めとしては一番強い薬だそうで。
あとから罹った病院で、この薬を毎日3錠飲んでいると言ったら驚かれたくらいだ。
子宮筋腫は良性の腫瘍で、無症状であることも多い。
「子宮筋腫 症状」で検索すると、そのような記述が多くヒットするはずだ。
だが、私のように、激痛に見舞われるケースもある。
ロキソニンも効かない痛みに襲われて初めて、
(あ、やっぱり『病気』なんだな…)
という認識が生まれたのだった。