おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

劇場版おっさんずラブ感想(がっつりネタバレ)⑤夜の空に咲く花火

 今の2人の関係がくっきりと示されるふたつめの場面。

 それはもちろん、夏祭りの夜、花火のシーンだ。



 ちょっとした緊張のあと、こういう場面がくると、つい見ているこちらもほっとしてしまう。

 夕暮れの夏空から視点が降りてきて、夏祭りの雑踏をカメラが捉える。

 人の波の中、浴衣姿の牧が現れると、その佇まいの美しさに眼を奪われる。

 沼に咲いた蓮の花というか、雑草の中の白百合というか、ともかく凛として、どこか儚さも感じさせる。

 もちろんメインキャラだから、カメラさんがそういう風に撮っているんだろうけど、中の人、林遣都の持つビジュアルが、観る人すべての眼を惹きつける場面でもある。

 ううーむ、牧くん、ドラマのときよりも美人度増してるよね…!

 牧を見つけて近づく春田。雑踏へ向けて

「行こうぜ」

と言いながら、とろけそうな笑顔を見せる。

 この春田の表情がまたいいんだ。やっぱり牧、大好き…!てなってるのが、見ていて物凄く伝わってくる。



 で、ここから数分間、夏祭りを楽しむ2人の姿が、それはもう幸せそうで、可愛くて、マジで永久保存版だと思う。

 この場面見るだけでも、わざわざ時間かけて映画館まで足を運んで、正規料金を払って映画を観る価値があると感じる。

 ワタアメを持つ牧と、リンゴ飴にかぶりつく春田。

「ねえそれひとくちちょうだい」

「出た!」

とか言いながら、春田の言うまま、交換してあげる牧。

 そこへちょうど花火があがって、2人で見上げる。

「……すげえ、綺麗だな」

 そして、春田の方から牧の手を取って、ぎゅっと手を繋ぐ。

 指を絡めた恋人繋ぎで、少しはにかみながら歩き出す2人。



 DVD発売になったら、この場面、1万回観ても飽きない自信があります(キッパリ)。




 ところがだ。

 牧が中座した後、鳴り続けるスマホ。ちらっと見ると、すべて狸穴さんからのメッセージ。

 またこれが、畳みかけるように次から次へと送られてきて、もちろん映画だから春田をイラつかせるスピードで送られているんだけど、(こりゃつい手に取って見ちゃってもしょうがないわ…)と春田に同情してしまう。ロックを解除してまで覗いたわけじゃなく、画面が見えちゃってるわけだしね。

 ひゅるひゅるひゅるひゅる……と空へ上っていった花火が、上空でどーん!!と花開く演出がうまい。

 春田の心に、疑惑の花が咲いてしまった瞬間。



 戻ってきた牧が、メッセージを確認した後、

「春田さん、すみません、俺…」

と言いかけるのを遮って、

「いいよ、行ってくれば? 俺と花火なんか見てる場合じゃないんだろ」

と、いつもの春田らしからぬ言い方をしてしまう。

 けどこれは、春田は春田なりに、牧に対して思うところがあって、フラストレーションが溜まった結果だ。

「俺よりそっちが大事なんだろ? 仕事仕事! 夢夢、、、狸穴」

と、「アタシと仕事どっちが大事なの!?」て仕事大事の彼氏に迫る彼女みたいなセリフになっちゃってるけど、昭和の男のごとく春田に何も言わない牧を見てきた後だと、

(このセリフ、言わせてるのは牧だよなあ…)

と思ってしまう。

 牧の方にはそんな自覚はない。もしかすると、何か言うと言い訳になってしまって男らしくない、と思っていたかもしれん。

 だから、今まで楽しく過ごしていたのに、急に態度を変えたのは春田の方だと捉えてしまう。

「はぁ!?」

てなるのも、牧的には筋が通っている話。

「昨日、2人で病院から出てくるのも見たし」

「……だから?」

「俺には倒れたことすら言わねえじゃねえか!」

 そう、これね、春田にとってはすごくショックな話だと思うよ。牧パパに呼び出されて倒れたことを聞かされた挙句、

「何でそんなことも知らないんだ」

って責められてるからね。その後、迎えに行った病院で目撃した光景だからね。

 それに対しての牧の返し、

「春田さんみたいにギャーギャー言いたくないんですよ」

 これは、頭に血がのぼってるとは言え、言っちゃいけないセリフだ。

 ところがここから両者とも、「言ってはいけないセリフ」の応酬になっていく。



 春田にすれば、狸穴さんからメッセージが来たこととか、狸穴さんと牧が一緒にタクシーに乗ったこととか、そのこと自体嫉妬しているというよりかは、

「そのことについて牧から何も聞いていない」

ことを怒っているのだな。

 それを、「ギャーギャー言う」と言われたら、それは怒りに火がついてしまうだろう。

 一方牧からすれば、仕事を頑張って、春田との時間もやっと確保したのに、何だってこんな子供じみたことを言い出すのか、理解に苦しむといったところだろうか。

 そのセリフを今、このタイミングで春田が言い出すのには、日頃の自分の態度に要因があるかもしれないとまでは、この時の牧は頭が回らない。



 好きな人とするケンカって、どうしてあんなに頭に来るんでしょうね…

 「嫌い」は「好き」の裏返しとよく言うけれど、ホントにそう。多分、好きな人だからこそ、自分を分かっていてくれるはずの人に、予想外の言葉を言われると、(裏切られた)という悲しさ倍増になってしまうからかもしれない。

 怒ったら、何か言う前に「6秒数えろ」とアンガーマネジメントの本では教えていて、それは正しいんだけど、本当に本気のケンカをしているとき、残念ながらそんな余裕はないのであって。

 

「お前といるとイライラするばっかりだわ! ジャスティスといる方が百倍楽しいし」

「狸穴さんはそんなガキみたいなこと言わないですよ!」

と、お互いがお互いを傷つけるためだけのセリフを放ったあと、春田がついに言ってしまう。

 

「……別れようぜ」

 

 

 沈黙の後、

「分かりました」

とうなずく牧。



 春田は、怒りの余り、勢いで言ってしまったセリフかもしれない。

 けれど、牧にとっては(いつか来るかもしれない)と密かに恐れていた局面だったのではなかろうか。

 元々女性が好きな春田が、何かの拍子で自分に飽きて、別れを切り出すかもしれない。

(そのときが来たら、縋りつかずに、春田さんから手を離してあげよう)

と牧なら考えていたかもしれない、と私は思ってしまうのだけど、穿ちすぎだろうか。



 でもやっぱりね、相手が本当に大事なら、そう簡単に手を離してはいけない。

 みっともなくても、カッコ悪くても、思い切り本心をぶつけて、がっぷり四つに組み合わなくては、真の関係は築けない。

 その点、はるたんに振られて「なんでえーー!?」と絶叫した武蔵や、何かとぐいぐいアプローチするのをやめなかった武川主任の方が、恋愛に対しては正直だ。



 だからここまでは、牧はドラマ版をきっちりなぞっているのだね。

 春田との間に何かあったとき、春田とがっぷり四つにも組まず、問題に正面からぶつかることもせず、すっと身を引いて逃げてしまう。



 でも、今の自分のやり方だと、どうしたってうまくいかないことは、牧にも分かっているはずだ。

 頑張っているのに、仕事も恋もうまくいかない。

 どっちもすごく大事なのに、どうすればいいのか分からない。




 春田と別れて、雑踏の中、1人きりで花火を見つめる牧の眼。

 これがまたね……うるうるチワワでね……もうもう本当に綺麗なんですよ。(語彙力。。。)



 春田よりもかなり複雑な性格の牧凌太、この突き抜けたコメディの「切ない」担当で、こういう場面では視聴者の心を一気に掴んで持っていく。

 まだ若い牧、年齢なりに未熟で、一生懸命もがいていて、この場面も(牧、おバカだなあ…)と思うんだけど、そこがまた、堪らなく愛しくなる。

 せっかくつかんだ恋、春田と一緒に幸せになるために、牧、がんばれ……!と心から応援したくなる。




 ……で、うーむ、やっぱり好きな場面を好きなだけ熱量こめて書くと、どんどん長くなるなー。

 もう半分以上は書いたと思うのですが、すみません、もうしばらく続くようです。

 いつ終わるかは自分でも分かりません!(断言)

劇場版おっさんずラブ感想(がっつりネタバレ)④仕事と恋と牧凌太

 さて、牧と春田との間に少しずつお互いの違いというか、齟齬が生じるようになってきたのは、牧の職場環境に大きな変化があったからだ。

 オフィシャル本で制作チームが語る通り、「結婚後のカップルあるある」。

 20代30代は、仕事に対するスタンスやモチベーションが大きく変わり得る年頃でもある。

 そしてこの劇場版では、まさにその問題が、まだ盤石とは言えない春田&牧のカップルを直撃することとなる。



 牧自身は、その変化を嫌がってはいない。むしろ歓迎している。

「やっとやりたかった仕事が出来て、今は全力で頑張りたい」

と狸穴リーダーに語っているし、春田にも

「今が一番生きてるって感じがする」

と言っている。

 ドラマ版で出てきた学生時代の牧は、OB訪問をしておきながら、「特に不動産でなくてもいい」等と発言して当時の武川主任を怒らせていたが、その後、ここまで変わったということは、天空不動産への入社が牧にとって良い出逢いをもたらしたのだろう。

「好きな仕事をするんじゃない、自分の仕事を好きになるんだ」

という武川さんの教えを忠実に実行した成果かもしれない。

 牧は「再開発プランナー」の肩書を持っていて、都市開発に関わっていた、とドラマ版第一話でも自己紹介していた。

 私も、実際都市開発の仕事に携わっていた人に話を聞いたことがあるけど、めちゃくちゃ面白そうだと思ったし、緻密で細やかな牧くんには向いていると思う。

 だから、ジーニアス7に抜擢されて嬉しかっただろうし、チャンスだ!と捉えて、ひたすら仕事に邁進するのも理解できる。



 となると、家での環境も仕事をしやすいように整えたいと思うのも当然だ。

 これが、ずっとつきあってて気心が知れている相手ならよかったけど、春田とは色んな意味でまだまだこれから、発展途上の間柄だ。お互い嫌なところ、合わないところも分かってきて、同居生活をストレスに感じ始める時期と重なってしまった。

 今回も、ドラマ同様春田の母が突然現れ、

「明日からアタルくんと同居するから」

と宣言して、牧が出て行くことになるが、ドラマのときと違って、牧にとっては渡りに舟だっただろうと思う。

 正直、新しい仕事に慣れるのにいっぱいいっぱいで、春田の拙い家事につきあってられる余裕がなかったというのが牧の本音だろう。



 けど、ここでもやっぱりね、それは相談しなきゃいけなかったと思うよ、春田に。

 だって、まだ籍こそ入れてないみたいだけど、伴侶として決めた相手だもん。

 アッサリ「実家に帰ります」と言われて、春田がうんと言えるわけがない。

「大丈夫じゃねえだろ」

「大丈夫ですよ」

と、会話になっていない会話を交わしたのち、牧はさっさと出て行ってしまう。

 簡素な荷物を持って出て行く牧の後ろ姿を見ながら、

(バカだなあ、牧くん……)

と春田と一緒に切なくなってしまうのだった。



 この辺、色んな民の皆さんが考察をツイッターとかふせったーで投稿されていたけど、私も概ね同じ感想だ。

 牧としては、やっと得られた機会をモノにして、狸穴リーダーの右腕としてスマートに働く自分を思い描いていただろう。

 家では仕事の疲れも見せず、これまで通り家事を完璧にこなすつもりだったのではないだろうか。だって、ドラマ版で特にクローズアップされてなかったけど、牧くんの家事能力、マジでスーパー執事並みだよ。不動産の営業の仕事しながら、朝っぱらからあんな朝食作れませんて。いくら春田のことを好きでもさ。しかも夜食まで。相当頭も手際もいいんだろうね。

 ところが現実はそううまくいかない。それどころか、春田は余計なことをして牧の邪魔までする始末。。。と、ひょっとすると牧くんにはそんなふうに見えていたかもしれん。



 でも、牧は自分で思っているほど器用なタイプではない。仕事は出来るだろうけど、そこへ「家庭生活との両立」と、今までなかった課題まで降りかかってくると、両方をいっぺんにうまくこなすことまでは出来ない。

 これはでも考えてみれば簡単な話で、「パートナーとの意思疎通&相談」が不可欠な課題なのに、それをしないのだから、この時の牧くんに出来るわけないのだ。



 何故牧は春田に自分のことを相談しないのか?

 これも、ドラマ版を見ていたら、答えのひとつが見つかった。

 第五話、民な大好き帽子ポンの場面で、牧は春田にこう言っている。

「形だけじゃなくて、ちゃんと好きになってもらえるように、俺、頑張りますから」

 ここでも、「自分が春田を想うほど、春田は自分を好きじゃない」という前提で話しているから、牧の陥りがちな独りよがりなセリフではあるんだけど、今はとりあえず置いとくとして。

 完璧主義の牧くんが考えるところの「春田が好きになってくれる自分」というのは恐らく、「仕事も家事も完璧なパートナー」なのではないか。

 そうじゃないんだけどね。。



 プラス、やっぱり「好きな人には弱いところを見せたくない」んだろうね。

 「弱い」=「カッコ悪い」なんだろうね、牧くんの中では。

 だから、春田の相手を出来ないほど消耗してて、住み慣れた実家に帰るのに、春田母の申し出に乗っかった体でしゃらっと帰っちゃう。

 頑張り過ぎて倒れちゃうくらいくたびれてても春田に何も言わないし、倒れたことすら連絡しない。春田を心配させたくないからだ。



 お互いを想いつつ、でも無視できない齟齬が生じている春田と牧の関係が、ふたつの場面で明確に提示される。

 ひとつは、新装わんだほうからの帰り道。そう、きんぴら橋のくだりだ。



 ここ、やっと皆が見たかった「春田と牧の単なるイチャイチャ」が見られる場面ですよね。

 そうそう、そうなの。こういう2人が見たかったのよ…!!てハンカチ(←)握りしめた民は多かったに違いない。

 ふざけて春田のネクタイをぐっと引き寄せる牧。

「え、何、」

てなった春田が、ちょっと周囲を確認して、自分からキスしようと唇を近づけてるのが(キャー♡)てなる。笑

 きんぴらごぼうねえ、何で頭にそんなものがついていたかは分からんが、とりあえずOL民のマストメニューにひとつ料理が追加されました、と。

「食べ物粗末にしちゃダメ」とか何とか言いながら、春田に無理矢理食べさせる牧。春田が結局それを出して、指につまんでたやつを受け取った牧、ぼやけてるけど食ってるよね。。

 ここ、何テイクも撮ったとのことで、中の人は食べたかどうか覚えていないらしいが、しっかり食べているところを観客全員が目撃しています。

「大江戸大華火大会」のポスターを目にして駆け寄る牧。

「今年は一緒に行こうって約束したの、覚えてます?」

「ああ…うん、でも忙しいんじゃねえの」

「この日は空けてます」

 そう、多分牧は、なんとしても花火に行きたかったのだ。もちろん春田と一緒に。

 仕事を頑張っていたのは、それもあるに違いない。

 返事にちょっと詰まった春田を「あー忘れてた」とふざけて詰って、後はカップルらしいイチャイチャ。

 観客としても心和むひとときだけど、橋を渡り切ると、2人が進む方向は別々なのだった。

 自分を納得させるように、自宅へ向かって歩いていく春田。

 ふと振り向くと、牧もこちらを向いている。

 再び別れの挨拶を仕草で交わして、違う家へ帰っていく2人の、近くにいるのに埋めきれない距離を感じさせて、やや切ない場面でもある。



 ふたつめはもちろん、花火大会なんですけど、だーっ、どうしても長くなるな!

 特に今、私の頭は割と牧凌太でいっぱいだから、牧くんについて語らせたらどこまでも長くなりそうだ。

 花火大会については次項!

劇場版おっさんずラブ感想(がっつりネタバレ)③牧凌太という男

 5DEAD目してきました! 5回目でも飽きたとかダレたとか全然ない。まだまだ新鮮に楽しめます。

 感想は山のようにあって、言いたいことを全部書いていたら軽く辞書一冊分くらいにはなりそうな勢いだ。

 何しろ私は長文書きで、ツイッターを始めるのを長いこと躊躇っていた理由も、

「言いたいことをたった140字の短さになぞまとめることが出来ようか」

と自問すると、決まって「否」という結論が出たからだった。140字が280字になったところで変わらない。大体2000字以上は書かないと気が済まないタチなのだ。

 なので感想もなかなか終わらないのですが、とりあえず、書けそうなところから書いていきます。



 感想①でも書いたけれども、せっかく結ばれた春田と牧がすれ違い始めるのは、コミュニケーションが絶対的に不足しているからだ。

 もちろん「春田が日本にいなかった」という物理的な距離はあるにせよ、劇場版を見る限り、原因は主に牧にあるような気がする。

 牧が自分から春田に「〇〇について自分は~だと思う」と思いや考えを伝える場面、中盤を過ぎるまで、ほとんど出てこない。

 春田に向かって

「春田さんはどう思いますか?」

と問いかけるところも見られない。



 劇場版、出来れば毎日のように通いたいところだけど、勤め人の身とてそうもいかない。

 なので、どうしても休日を利用して観に行くことになりますわね。

 その間、「おっさんずラブ」の世界に浸っていようと思うと、ドラマ版を見るしか方法がない。

 とは言え、ドラマ版を見るのは最早日常のルーティーンワークと化しているし、劇場版を見たあとだと、さらに発見があって面白いので、それはそれでまったくもって差し支えない。



(そう言えば、牧から春田に想いを伝える場面て、どれくらいあったかな?)

と思ってドラマ版を見なおすと、これがまあ、予想外に少ないのだ。

 激情に駆られ、「好きだ」と突然の告白と共に壁ドンからのシャワーチューをかます第一話。

 いったん「冗談ですよ」と誤魔化したものの、誤魔化しきれなくなって

「俺は春田さんが本気で好きなんですよ!!」

とやけのやんぱちで怒鳴って告白する第二話。

 第二話にはもうひとつ見どころがあって、追ってきた春田と公園で向き合い、おでこにキスした後、

「普通には戻れないです」

と告げて去っていく場面。

 いずれも、春田を想う牧の気持ちが痛いほど伝わって、我々視聴者は牧に感情移入してしまう名場面ではあるけれど、会話のキャッチボールになっているかと言えば、なっていないんだな。

 牧は自分の想いを春田が受け止めることを期待していない。言ってみれば、一方通行でただ「告げている」だけだ。



 第五話では、出て行くと告げた自分を思いがけずバックハグで止めた春田に

「つきあってください」

と言うものの、これも告白と言うよりは、

「(ちずと)何もないならいいですよね。春田さん、俺とつきあってください」

と、割とダメ元で言ってみた感じに見える。その証拠に、「ハイ」と春田が受け入れると、言った当の牧が驚いた表情を見せる。

 

 

 四話で出て行こうとしたのも、ちずと春田の関係を傍で見ていて、(俺よりもちずさんの方が春田さんにはふさわしい)と思ってのことだろう。

 やっと付き合い始めて、うまく行っていたのに、同じことを第六話で牧はしてしまう。

 ドラマ版の感想が一向に進まないのでもう先に書いちゃうけど、ちずと春田が抱き合っているところを見てしまった牧が、春田の家から出ていくことを選択するのは、春田の気持ちがちずに向いたと誤解したからじゃないと思うんだよね。

 やっぱり、女性と一緒になって子供が出来て…という「普通の幸せ」から春田を遠ざけてはいけない、と「忖度」した結果だと思う。

 春田のことを本当に好きだから、春田の将来を思ってした選択ではある。

 ただ残念ながら、そこには春田の意思というものが考慮に入れられていない。



 温厚で、あまり怒らない春田が牧に対してキレるとき、大抵

「勝手に決めんなよ!!」

と言っているけど、こうしてみると、無理からぬところではある。

 本当は、牧がしなければならないのは、「配慮」「忖度」ではなくて「対話」だ。

「俺は春田さんが好きだけど、俺と一緒になったら、いわゆる世間でいうところの『普通の幸せ』は手に入らない。それを想像すると辛いんだけど、春田さんはそれでいいですか?」

と、春田に問いかけなければならなかった。

 けど、出来なかった。

 それはやっぱり、怖いからだ。問うことで、春田が自問自答した挙句牧を選ばなかったら、傷つくからだ。

「身を引く」というのは、一見美しくも見える行為だけど、厳しく言うと、臆病者の選択だとも思う。



 描かれてはいないけど、牧のこれまで生きてきた道を思うと、臆病になるのに十分な理由がある、と思える。

 だから、ドラマではあれでよかったのだ。

 春田は牧の元へ自らの意思でやってきて、越え難い(と牧が思い込んでいた)河を渡って、「こちら側」に来てくれた。

 2人で思いを確かめ合って、パートナーとして生きる、と誓ってくれた。



 劇場版では、「そして2人は幸せに暮らしました」のその先を、制作チームがしっかり考えて提示してくれている。

「相手とのコミュニケーションスキル」という視点で見ると、劇場版の牧は、ドラマ版からさして成長していないように見える。

 春田に文句があっても「疲れているだけです」と呑み込んでしまうし、職場環境が変わって大変で、メールの返信も打てない状況でも、新しく上司となった狸穴リーダーのことも、何も春田に話さない。

 せっかく春田に用意していた夕食も、春田の意思を確認せずに

「これ食べないですよね」

とさっさと下げようとする。

「食べる、食べる」

と必死でお皿を確保する春田の仕草の小5感が可愛くて、つい見過ごし勝ちだけど、これ、実際やられたら一発でケンカになるやつだよ。

 

 

 だからやっぱり、このままでは、いずれ破局が来ただろう。

 それを避けて、誓い通り2人で生きていくには、まだ大事な何かに気づかなければならない。



 続きます。

田中圭、3人いる説

 まさかと思ったが、こんな説がにわかに浮上している。

 

 

 いやだって、圭モバ見てビックリした人多いじゃないかな?

 私はしました。

 

 映画「mellow」出演! 

 主演

 監督:今泉力哉

 2020年1月17日(金)公開

 

 いつ撮ったの…?( ゚Д゚)

 

 いやいやいや、ちょっと待って。

 今年入ってから座長は各方面で引っ張りだこで、あらゆるメディアというメディアに出まくってたと思うんだけど、違ったっけ?

 映画だけでも「美人が婚活してみたら」「劇場版おっさんずラブ」「記憶にございません!」、ドラマだってこないだ終わった「あなたの番です」と「Iターン」、それもあな番は2クールの主演だよ??

 その傍らで、すぐ終わるかもと言われたゴチでここぞというときの勝負強さを見せて、まだちゃんと生き残っているわけですよ。

 最近テレビ見てて、油断すると「あっ田中圭!」てなること多い。CMがどんどん増えてるからだ。

 

(えっケイタナカいつ寝てるの…?)

と一瞬思ったんだけど、寝ずに仕事ばっかしてたとしてもだ、これ、1人でこなせる仕事量なの?

 だってこの人、合間に銭湯行ったり遣都くんと焼肉行ったりしてるんだよ?

 

 

 もしかすると、私たちが「田中圭」と認識しているの、担当が3人くらいいるんじゃ?

 

田中圭

②ケイタナカ

③田中K

 

 それならまだ納得がいく。

 役柄によってビジュアルから仕草から全然違うのも、担当が変わるのだと思えば理解できますよね。

 

 

 芸能界って、売れると凄いんだなあ。

 田中圭氏の場合、キャリアと実力が備わっているから、世間が一度気づけば、「田中圭に〇〇をやらせたい」と思う人が大勢いるということですね。

 というか、鈴木おさむ氏のように、ずっとそう思ってた人がたくさんいて、ここへ来て企画がOKになったと、そういうことかもしれん。

 

 ファンとしては、

(ここから先ずーっと元気な姿を見ていたいから、過労で倒れたりとかしないでね…!)

と思うのは当然のこと。

 ただ、やっぱり芸能界って、普通の職業とは違うからね。働き方改革とか言ってるけど、芸能界にはまったくもって適用できないと思う。

 どーんと売れたら、いったん来た球は全部打ち返す!というのはアリだと思います。

 そしてこの後、お仕事を選んでもオファーが引きもきらない、というレベルの役者になっていただきたい。

 

 今後も、圭さん、もしくはケイさん、あるいはKさん、いずれも頑張ってください。

 超応援してます!!

 

 

おっさんずラブ続編情報

 仕事帰りに劇場版観てきました。

 何度観ても本当に面白い。

 最初、(今日こそ細かい部分見てやる!!)と意気込んでるんだけど、観ているうちにストーリーに夢中になって、結局見逃すという。。。

 あ、修子さんは分かった! 言われてみれば大写しww

 

 今日は、高齢男性の一人客が何人かいらっしゃるのが目についた。私のお隣、見たところ70代くらいのおじいさんだったんだけど、最後まで寝ずに画面をしっかり見ていらっしゃいました。

 時々、前触れなく

「んっヹッヘン!! ア゛ーー!」

と、割と大きな咳払い……というか、ああ、お年だから、痰もからまるよね……みたいな感じの異音が響いて、内心(じーーちゃーん!! しーー!!)て祈る思いでした。

 頼むからラストのチューシーンは勘弁してくれよ。。。と思っていましたが、大丈夫でした。笑

 本当にラストの暗転までしっかり鑑賞されてから席を立っていたけど、あのおじいちゃん、どういう感想だったのかなあ。

 他にも何人かそういう人を見かけました。出口調査とかしてみたかったわ。

 

 で、今日もスッキリ爽快な気分で映画館を後にして、スマホを再起動させてから、続編情報を目にしたわけです。

 公式さんからの発表がまだだからアレだけど、「主役の春田創一を演じる田中圭以外のキャストは追って発表」というのは本当っぽいですね。

 

(えっっっマジで!?)

てなった。

 今日映画を観終わったあとも、あれだけ綺麗に物語世界に「完結」の形をつけたのだから、キャストを変えずに続編というのは、ものすごく見たいけど、まあないだろうな…と思ったばかりだったから。

 主役ははるたんで、しかも座長続投とな。

 えーーそれなんて奇跡、と思った。

 

 

 でもすぐに、(え……じゃあ牧は?)てなった。

 まあなるよね。このニュース聞いた民の皆さん、多分10人が10人とも思うよね。

 

〇主役は春田だけど相手が牧じゃない

〇主役は春田で相手は牧だけど林遣都じゃない

 

 どっちも望んでないもん。

 

 今このタイミングでドラマの続編をやるなら、

 

〇キャスト・スタッフ全員続投で続編

〇スタッフは続投、キャストは…難しいならまるっと入れ替えで

 

 どちらかだと、皆思っていたんじゃないだろうか。

 私ももちろん、希望は前者だけど、恐らく諸事情でそれは難しいだろうから、後者になるだろうな、と思っていた。

 

 それが、主役の春田=田中圭だけ決定で、他はどうなるか分からないとは……

 うーむ、これは、沼がざわつくのも無理はない。

 

 

 この気持ち、ちょっと覚えがある。

 そう、1年ちょっと前、6話の最後に牧と春田が別れて、しかもその後部長と同棲している…という展開に

「ええええーーーー!!!」

と引っ繰り返った後だ。

 あのとき、色々と考えてモヤモヤしたりもしたものの、私がどう考えたかと言うと、

(このドラマ、ここまで公式が視聴者を裏切ったことがあっただろうか)

と振り返ってみて、

(いや、ない)

という結論に達したのだった。

(むしろ、見たいと願った方向を忠実になぞってくれた)

(ここまでの盛り上がりを知って、民を裏切るラストを用意しているはずがない)

と、公式に全幅の信頼を置いた私は、牧エンドを確信して、心安らかに最終回を待つことが出来たのでした。

 

 今回も同じ。

 「おっさんずラブ」公式が、我々民を裏切ったことがあっただろうか。

 あれから1年以上経つけど、

「いや、ない」

と即答できる。

 テレ朝はフライング情報で沼を無用にざわつかせたりするけど、きじP以下「おっさんずラブ」制作チームにもやっとしたことはない。少なくとも私はない。

 SNS使いのうまい公式さん、視聴者の希望は十分に理解していると思う。

 その上で作る続編。

 きじPと徳尾さんと監督たちが作るものなら、私は信頼して待つことが出来る。

 

 ていうか、何も分からないうちからあれこれ勝手に予測して不安になっても仕方ない。

 もしも、発表された続報が民の気持ちを踏みにじるものだったとしたら、それはそのとき、騒げばいい。

 

 でもね、ツイで見かけるざわつく民の嘆き、嘆いているようでただの文句じゃないものが多い。

 大概、ラスト1行がドラマか映画のセリフをなぞっていて、大喜利大会みたいになっているのが可笑しい。

 さすが「おっさんずラブ」を愛する人々。

 そういうとこ、大好きだぜ…!

 

 私は今日、4DEAD目だったんですけど、観ると幸せな気持ちになって、ほんわ~…としばらくハッピーに包まれる。

 色々書きたいことはあるんだけど、なんか、考察とか分析とかする気にならないんだよね。

 そこにある春田と牧の恋を、今はただただ受け止めたい、そんな気分。

 しっかりじっくり味わいつつ、気が向いたら感想続きを書きます。

 

 

 さてあと何回観れるかなあ。

 続編のことも、映画を味わいつくした後で考えよう。

劇場版おっさんずラブ感想(がっつりネタバレ)② 武蔵と政宗

 若い2人と違って、自分の気持ちを正直に表に出しているのが、正真正銘のおっさん2人、黒澤部長と武川主任だ。

 ドラマでも、この2人が随所でお話を引っ張っていた。

 長年連れ添った妻との関係に区切りをつけ、

「はるたんが、好きでーーーす!!」

と渾身の告白をし、断られた後も猛烈アピールを続けて、最終的に「同棲」まで持って行った武蔵の力業、マジでスゴイ。

 牧の元カレ、政宗もその点負けてない。牧の想い人が春田と分かるや、全然頼まれてないのに春田がどんな男か見極めようとする。飲み会ではしれっと焼けぼっくいを狙って熱烈な手ックスをかます。挙句、

「その気がないなら離れてやってくれ」

からの

「オレがアイツがいないとダメなんだー!!」

と土下座。(※昼休み中とは言え会社です)

 いやでもね、恋とは闘いですから。本当に欲しいものを手に入れようと思ったら、なりふり構っていられない。

 その必死さを、カッコ悪いとか関係なしに剥き出しにするおっさん2人、私はカッコいいと思いました。



 なぜか春田のことだけ忘れてしまった黒澤部長。まあこれは、

「もう一度武蔵が春田に恋をする」

ための設定なんだけど、ない話ではないんですよね。

「大事な人から忘れていく」

という症状、聞いたことがある。

 これまで積み重ねてきた思い出がまるっと失われたとなれば、春田にとっても切ない話だ。

 アクシデントから春田の胸に武蔵が飛び込む形になる。

 ふっと何かを思い出そうになる武蔵。

「……はる……はる……はるたくん!」

「! うぁぁ~惜しいんだよなあッ…」

 思い出と呼ぶにはあまりにもアレだけど、「はるたん」と呼ばれないの、寂しいというか、なんか違和感があるんですね。

 一方武蔵は、思い出せないなりに何かを感じ取る。

 よく「ビビビッときた」というけど、本当に

「ビビビ!」

て言ってる。笑

 そう、ビビってきちゃったのね。

 武蔵のDNAは、春田に恋をする運命なんだね。



 うどん屋のくだり、まあ抱腹絶倒でした。客席からもきっちり笑いが起こっていて、めちゃくちゃ面白い場面になってる。

 ジャスをどついたり平手打ちしたり、挙句の果てに腹をグーパンて、ぜーんぶ鋼太郎さんのアドリブだったんですね! 鳩が豆鉄砲くらったみたいな志尊くんの表情が素だったと知って、2度目3度目は余計に可笑しかったです。

 はー笑ったわ…と思ったら、サウナシーンが畳みかけてくる。

 一人だけ胸からタオル巻いてさ、片乳出してるって、鋼太郎さんズルいわー。出てきた途端、どっと会場が受けていた。

しっとりと

「お待たせ」

「えーといや、あの、今出ようと…」

 しどろもどろの春田の手を取り、並んで座った後に、出ている乳を隠すもんだから、観客の視線が絶対にそこに誘導されてしまう。ここ、台本になーんにもト書きがないんですよ!

「なかなか交渉もうまくいかないもんだな」

と、お仕事モードから春田を会話に引き込むのも、武蔵のいつも手管ですね!

「変な手を使わず、ストレートに伝えるのが一番だと思います」

という誠実な春田の回答にかぶせて、

「好きです」

「…ええっ」

 の次の、

「はる…はるぽん!」

「!? はる…ぽん? はる、ぽん…」

と、はる「たん」でなく「ぽん」なところに違和感アリアリな春田の受け方が巧い!!

「好きになっちゃった」

「ビビビっときちゃったんだお」

と、武蔵はいつでもストレートだね!



 ここから先、本当に「抱腹絶倒」を絵に描いたような数分間は、とても私の拙い文章で描写することが出来ないので、是非ホンモノを見ていただくとして。

「顔には水をかけないように」

と釘を刺されていたのに、本気でばしゃぁっ!!ていってる武蔵と牧がめちゃめちゃ笑えます。

 そしていきなり名前を出された斎藤工の貰い事故感。笑



 この場面、これほどに面白いのは、登場人物が全員「本気」だからだ。

 本気と書いてマジと読む。

 特に武蔵は大真面目。やってることはコミカルだけど、春田に向ける気持ちは本当に本物の恋心。




 映画の後半、炎の中を牧とともに春田救出に向かう黒澤部長。

 後半の肝は、

「オレは自分の気持ちをちゃんと伝えたいだけなの!!」

という武蔵の台詞だ。

「いちいち言わなくても伝わりますよ!」

という牧の台詞を一蹴し、

「出たぁ~!! 何も言わずに分かって欲しいかまってヒロイン、爆誕!!」

「それって、自分のプライドが高いだけでしょ? 本音でぶつかるのが怖いだけでしょ!!」

と、容赦なく牧の内心を暴き出す。



「言わなくても伝わる」というのは、人と人との関係で、一番やってはいけない思い込みですよね。恋人同士なら特にそう。

 雰囲気を壊したくないとか、相手を信じたいとか、色んな理由があるけど、やっぱり基本は他人同士。きちんと言葉にしないと、伝わらないのです。

 そこを省略してしまうのは、自分の中に「怖い」「不安」あるいは「怠惰」の気持ちがあるからだ。

 自分がちゃんと言葉にしないのに、「なんで分かってくれないんだ」と相手を責めるのは、もっと間違っている。

 そこをビシッと指摘した武蔵。

 牧にも効いたんじゃないかな。



 さて一方、ドラマ版と劇場版で最も異なるのが、

「武川主任の気持ちが向かう相手」

ですよね。

 ドラマのラスト、これまた鋼太郎さんのアドリブらしいけど、屋上で思い出話をしながら、部長が主任の手をそっと握る場面がある。

「アハハハハ!」

と冗談で流れていたけど、あそこで政宗の中に何かが生まれたのだね。。。

 でもこうなってみると、仕事が出来て部下想いな黒澤部長に対する政宗の気持ちが、部下として慕う気持ちから一つ上の感情に育つの、分かる気がするなあ。

 春田に対して一途なところを傍から見てきたという立場もあったかもしれん。

 だから、春田のことだけ忘れたのはなぜか、蝶子さんと語り合う場面で、

「部長が不憫で…」

という言葉が出てきたんだろうと思う。

 階段から落ちたのが誰かに突き落とされたからだ、と頑なに思い込んでいたのは、

(あのカッコいい部長が不注意で足を踏み外すなんてあり得ない。きっと本社のヤツに背中を押されたかなんかしたんだ)

と、こういう心の動きだったんではないかと。



 屋上でジャスと春田がバスケに興じる場面、武蔵が何やらぎゅっと胸にかきいだくじゃないですか。(袋の先から棒針の先端がのぞいてる)

 その後、部長室ではるぽんとのキャッキャウフフの妄想シーンがあるじゃないですか。

 あそこも観客席が相当沸いたコミカルシーンだったけど、武川主任が入ってきて、デスクに広げた「はる」「ぽん」セーター(いつ編んだんやw)を慌ててしまいこんで、その後

「今夜は花火ですね」

からの、武蔵の顔をじっと見つめる政宗

 あれも、台本にはこのセリフだけ。ト書きは一切ないのに、まっしーのあの表情、ズルいわ。

 あの目力というか眼力というか、あの表情だけで観客に色んなものを訴えかけてくる。



 ドラマ版では、未練を断ち切れず牧に思いを寄せ続け、結局かなわなかった政宗

 政宗に幸せになって欲しい…!と願った民の思いが届いたのか、政宗にも色んなイベントが用意されていました。

 春田の監禁場所に向かう武蔵が落としていった靴の片っぽを拾い上げる政宗

 その後、ドラマ版の春田のように、武蔵の片足を取り、恭しく履かせて差し上げて、武蔵の記憶が完全に蘇る手助けをする。

 武蔵が春田との思い出を完全に取り戻したのをすぐ傍で見ていて、よかったよかった!と本気で喜んでいる政宗、いいヤツだね…!!(涙



 心の整理はついたなりに、でもまだ春田に向けられている武蔵の視線。傍らで尽くす武川主任の想いには気づかない様子。

 ラスト、政宗が動いた!

 結婚式で、まさかのくるくるっとターンしてからの足ドーン!!

「俺はもう、好かれなくてもいいんです」

「愛されるより愛したい、マジで」

 1980年代の昭和歌謡を思わせるセリフですが、これがハートに刺さったか、そっと政宗の膝に置かれる武蔵の手。。。

 そこからの、ブーケトスを見事なジャンピングキャッチで勝ち取り、

「黒澤武蔵、幸せになりまーす!!」

という武蔵の宣言でこの2人の描写が終わる。



 きっと、政宗の愛を受け入れて、武蔵は幸せになったのだろうと提示された、ハッピーなラストでした。

 2人とも幸せになれ…!



 正直、武蔵と政宗がイチャイチャしているところの絵面はあんまり想像出来んけど笑



 

 劇場版ならではのお遊びもあり、ツッコミどころもあるけれど、シリアスな場面もコミカルな場面も、「おっさんずラブ」は決して人の気持ちの動きをおろそかにしない。

 ホワイトボードの裏から春田を見つめる武蔵、ネーム入りのお揃いセーターを編んじゃう武蔵、その姿は可笑しいんだけど、心の動きは恋する男として当然のものなので、共感出来てしまう。

 政宗の想いが牧から武蔵に向かったのも、その想いの示し方も、情の濃い政宗らしくて、(ああーそう行ったか、でも分かる)てなる。

 

 

 春田と牧の愛という主軸の傍らで、見事な彩となって物語を盛り上げてくれた、おっさん2人の恋でした。

OL禁断症状

 二度目のDEADしてきたのが日曜日。

 そして今日は火曜日。

 たった二日しか経ってないのに、おっさんずラブの禁断症状で手が震えそうだ。。

 

 ホント言うと、今日はレイトショーで3DEAD目しちゃおうかと目論んでいた。

 …が、今の仕事は割と肉体労働系。そして今日からめちゃくちゃ忙しい期間になる。

 仕事が終わってみると、すっかりヨボヨボになっていて、レイトショーを見に行く余力は一かけらも残っていなかった……orz

 

 では、週末に備えて鋭気を養うことにして、今日は感想のオフィ本見て感想の続きを書こう!と思っていたのに、家に帰ってみると、なんと家の中にアリの大行列が出来ていた。

 ここ、ド田舎の築古マンションなんですよね。一見まともにリフォームしてあるけど、多分基礎の中にアリの巣がはりめぐらされているっぽい。

 いやー、でもさ、あり得ます? 窓もテラスも締め切って密閉してるのにアリが来る家とか……一応うち3階なんだけど。

 映画に行く気力もなく疲れ果てて帰ってきて、アリと格闘すること30分。

 もーーー……今日は厄日だわ。。。

 

 そんなわけで、SNSで皆さんの感想をあさっては読んでます。

 本当に十人十色、100人いれば100通りの感想があって、面白いですね。

「そうそうそう! 私も思った!!」

と共感の嵐のこともあれば、

「へえー……そう感じる人もいるのか…」

と勉強になるものもある。

 けど今のところ、私が目にしたものは、皆さん真摯にご自分の感じたままを文章にしていらっしゃって、不快に感じることはないし、興味が尽きない。

 

 

 この映画、私は割と絶賛組だけど、瑕疵がないとは言わない。

 映画だからこその遊び心とか、説明不足のところも幾分かある。それの受け取り方がどうかは、人によるとは思う。

 ただ、

「好きになったドラマが、そのままのクォリティで映画になる」

というのが、いかに稀なことか、私はもう知っている。

 何度も何度も鑑賞して、そのたびに新しい発見とトキメキが得られる作品に仕上がってるだなんて、本当に、滅多にないことなんですよ。

 

 

 そして……

 劇中、ジャスティスが春田に言う

「大事な人に、明日も会えるとは限らない」

このセリフに似た状況を、私も経験することとなった。

 その人は、仕事で関わる人だった。毎日のように顔を合わせて、会話を交わしていた。土曜日も会って、「じゃあ、また来週ね」と挨拶した。

 ところが、月曜日になっても、珍しく顔を見せなかったんですね。あれ、どうしたのかな?とは思っていたんだ。

 まさか、自宅で倒れて意識不明の重体になっているなんて、夢にも思いませんでした。

 土曜日に会ったとき、まったくいつもの通りで、凶事を予感させる前兆は何もなかった。

 体調不良は、就寝中に起こったらしい。家族が朝見つけて、即病院に運ばれたものの、もう手遅れだった可能性が高いということだった。

 

 今日会えた人に、明日も会えるとは限らない。

 大事な人に、また会える保証は何もない。

 そんな、「劇場版おっさんずラブ」のメッセージを実感する出来事でした。

 

 

 ですので、出来るだけ万障繰り合わせてOL映画観に行きたいと思います。

 出逢いの奇跡を噛みしめつつ。