さて、予告から時間が空きました。
以下、レビューというか、感想です。
第一話で春田と牧が再会するところからドラマは始まる。
もう既に書いたけど、春田が牧の顔を見つめて、
「牧、お帰り」
と言う台詞に、万感がこもっているのが感動的。
2018年度版からこの2人を見てきた民は恐らく、ここでみんな春田と同じ立場に立って牧に(お帰り!!!)と心の中で告げたことだろう。
それに対しての、一度口を開きかけて躊躇い、ニコッと微笑んで、
「……ただいま」
と照れ臭そうに言う牧の台詞。
5年間留守にしていたけど、また「牧凌太」として戻ってきた遣都自身の「ただいま」にも聞こえて、
(……牧くん、帰ってきたんだ……)
と涙腺決壊した民も多かろう。
で、このスピンオフドラマの舞台は、春田と牧の新居。
新居なんだけど、見慣れたグッズがちょいちょい目に入るので、なんかすごくしっくり来る。
こたつに入ってくつろぐ春田と牧が画面の中央で、カメラの視点はほぼ2人の目の高さで固定されていて、シットコム形式の掌編になっている。
これがさ、2人の台詞回しも動きも実に自然で、どこまでが演技でどれがアドリブなのか、判別しがたいほどに「春田と牧がリアル」だった。
(大雑把な筋書きと、『ここではこの台詞』みたいなのだけ決めて、あとはアドリブなのか?)
と思わされるくらい。
散らかし放題の部屋を見渡して
「きったな!!」
「掃除してぇ…」
からの
「もーー!!!」
と声をあげるのも、もう全部牧くん。
タッチ式の冷蔵庫を見て、大仰に驚くんじゃなくて、
「え、すご」
とボソッと言うだけなのもリアル。実際、ホントにビックリしたら、ああいう反応になりますよね。
帰ってきたらきたで、一瞬で「牧凌太」に成りきるのは、さすがの林遣都である。
でね、この、「こたつ」ですよ。
こたつとみかんって、日本人のDNAに刻み込まれてません?
そんで、そこに座るのなら、そりゃもう当然ちゃんちゃんこでしょう。
いや、うちはないんですけどね。入ると必ず寝てしまう悪魔の道具だと気づいてから、こたつなしにしてるんだけども、こうやって見ると、
(原風景だな……)
て感じますね。
だからなのか、このスピンオフドラマを見ると、無条件にほっとしてしまう。
2人と一緒になって、くつろいでる気持で、なんならすぐそばで見ている感覚で、見入ってしまいますね。
まあ、だからってビールのアテにみかんはどうかと思うけども。
「なんか、一軒家って、やっぱりちょっと寒いですね」
と言った牧に、
「じゃあホラ、ちゃんちゃんこ着ろよ。ホイ!」
と着せかけようとする春田を遮って、
「これどこで買ったんですか」
てちゃんちゃんこを返す場面で、春田というか座長が何故だか「ぷっ」と吹き出してしまう。そのまま、こらえきれずにくっくっく…と笑っちゃって、これは前後の場面からしても意味がよく分からず、視聴者からすると(?)てなっちゃうんだけど、多分撮影の合間だか、NGテイクだかで、座長と遣都にしか分からない何かがあったんでしょうね。それを思い出して笑っちゃったんだ、きっと。
そんなところも、2人の仲の良さが窺い知れてヲタ的には美味しいし、どこからがアドリブか分からないこの掌編ドラマのゆるさなら、これでいいと思う。
何が嬉しいって、今までは牧くんに関してはすべて過去形でしか語ることが出来なかったのだよね。
春田と牧の結婚生活が続いているだろうし、様々な未来が展開するだろうけれども、それは妄想で補うしかなかった。
それを、牧くん本人が、春田とのこれからを語っている。2人が仲良くビールを注ぎつ注がれつしながら、家計をどうしようだとか、家事の順番がどうしただとか、未来形で話しているのを聞くことが出来るなんて、こんな嬉しいことはないわけだ。
何を話しても牧くんが終始笑顔で、心底楽し気なのもいい。
ドラマ冒頭で、春田が「念願の新婚生活が始まった」とモノローグで言うけど、全OL民にとっても「念願の新婚生活」だったことは間違いない。
しかし、牧くんのアレには魂消たね。
「てんてけてーんててーん!!」
ですよ。
( Д ) ⊙ ⊙ エッ……?
てなりませんでした? 私はなりました。
(;つД⊂)ゴシゴシ (゚Д゚)え?
ですよ。
酔っているとは言え、そんなこと言うキャラだっけキミ?
(ま、まきくんだよね? あのまきくんが、テンテケ……??)
と、事態を掴みかねているヲタの心など知らぬげに、続けて
「ぽんぽこぽんぴんぱーーん!!」
ですよ皆さま。
ビックリしたね!!!
聞けば、遠距離とは言え、リモート飲みを楽しんでいたそうな。
春田とつきあっているうちに感化されたのかなあ??と思ったんだけど、いや、そうじゃないかもな、と思い直した。
人に対してシャッター下ろしがちな人って、内輪では驚くほどハジけて見せたりするもんね。
まあいずれにしても、劇場版ではまだ春田に対して時々シャッター下ろしてたのが、なんかもう完全に心を許した感があって、
「素顔の牧凌太」
だった。
春田のお小遣いの額が「1300円」と言われ
「絶妙に少ないネ!」
とおどけたポーズを決めるところとか、牧がせっかく飛行機の中で作った(それもマメだね)家事当番表に
「これ全部牧がやればいいんじゃないの」
と言って肩をどつかれるところとか、2人が可愛い場面はこの短いスピンオフドラマの中にいくつもいくつもあるんだけど、
「何笑ってんだよ?」
「楽しいなーって」
と、牧が笑いながら答えるところが、堪らなく愛しかった。
「楽しいねー♪」
「春田さんだなーって」
「春田さんだねー♫ ここにいるのは牧くんだねー♬」
はぁ~、可愛い。100万回リピートしても可愛い。
この2人、いつまでも愛でていられる。
さて、「愛とは何か」がテーマだった2018年版「おっさんずラブ」とは異なり、「リターンズ」では「家族とは何か」が問われる。
なので、愛を成就させ、晴れて家族となった春田と牧、2人の「家」が舞台となっていて、スピンオフの2人のやり取りも、恋人でもあり、親友でもあり、兄弟のようでもあり…と、ファミリー感に溢れている。
だけれども、やはり、ようやく新婚生活を始めるスタートラインに着いた新婚さんでもあるので、例えばルームツアーで紹介されるお風呂場に風呂椅子が2つ並べてあったり、寝室は同じでベッドは一つ、作業スペースも2人隣合っていたりと、その辺も民のヲタ心を満足させる仕様になっている。
ルームツアーを一通り終えて、ふと2人が向かい合っていい雰囲気になったとき、
♪~♫♪ オフロガ 沸イテオリマス
と電子音声が告げ、
「お風呂に入ってきます」
と言った牧を、春田が止める。
「……そんなの後でいいだろ」
2人の唇が近づいて―――
キラン°˖✧◝✧˖°(効果音) ――暗転――
この展開、
「おおOh………ッ」
くぅぅ~っと、頭かきむしった全国の沼民の悲鳴というか歯ぎしりが聞こえてきそうでしたネ!
また暗転かよ!!!
お約束? お家芸なの??
あと1秒さぁッ……!!!
まあ、そんな声が聞こえたものか、それとも直接物申すツワモノがいたのかどうか、三話ではしっかりと唇を合わせたチッスを見せてくれましたけどね!
2人の今後がどうなっていくのか、楽しみにしてラストまで見たいと思います!
さあ、10分足らずの掌編ドラマのレビューにやっぱり3000字を費やしてしまう己の変態ぶりと、ちょうど最終回が引越にかぶるのがどうなるのか気がかりですが、本日はこの辺で。
以上!