おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

ボーッと生きてていいんだよ

 前の記事を書いているちょうどそのとき、NHKの「クローズアップ現代」で「スマホ疲労」について取り上げていた。

 タイムリーな話題だったので即録画しました。

 

 スマホを常に使っているうち、脳が過労状態に陥って、機能不全を起こしてしまうという警鐘。

 スマホに相当浸食されている現代人の多くにとって「あるある」な内容だったと思われる。

 

 ボーッと生きてんじゃねーよ!と叱咤する同じ局の番組キャラクターが人気ですが、あれ、見てみるんだけど、どうもダメなんだよね。途中でやめちゃう。

 NHKのはっちゃけた番組作りの姿勢は好きだし、最初面白いと思うんだけど、15分くらいでしんどくなる。

 なんか今日理由が分かった気がするわ。

 私、ボーッとした人間なんですよ。ボーッとする時間、すごく大事。超大事。なかったら死ぬ。

「ボーッと生きてる」ことを怒られると、私の人生のかなりの部分がダメということになっちゃうからだ、きっと。

 

 だから、「ボーッとしている時間」=デフォルトモード・ネットワークと名前がつき、「インプットした情報を脳が整理するための時間」として必要だという内容、

「そうでしょ!? 必要だよね!!!」

と思いながら見ていた。

 何かを論理だてて考えたり、先の予定をチェックしたりするんじゃなく、ただ目の前のものをなんとなく眺めながらぼへーっと脳を遊ばせてるの、必要なんですよ。人間にとって。

 そうしてると、ふと(あ、そういえばアレが要るんだった)と思い出したりする。それはつまり、脳の中で情報が整理されて、優先順が決まったということだ。

 

 何かに大きく心を動かされたとき、私はすぐには感想を書かない。書きたいことがまとまらないし、無理に書いても上っ面になるからだ。

 ぶわぁっと舞い上がった状態の色々な感情を、そのまま漂わせておいて、そのうちゆっくりと下降して降り積もるのを待つ。

 そうなると、「よし」と書く気になる。そのモードに入れば、特に下書きなどしなくとも、勝手に文章がするする出てくる。

 降り積もるのを待っている間がつまり、ここで言うデフォルトモード・ネットワークなんだな。

 これ、この「間」が大事なんです。

 

 そういえば、エジソンとかアインシュタインとか、「天才」と言われる人たちも、「ボーッとする時間」を大事にしていたとかなんとか。

 いや、「寝入りばな」だったかな? そういう、「何も考えてない時間」に意外と素晴らしいアイディアが閃くんだとか。

 それも多分同じことだよね。

 

 情報過多、効率化、ストレスの多い環境と、現代人の脳は過酷な環境にさらされている。

 息抜きのつもりでスマホやパソコンばかり見ていると、本来ボーッとするべき時間もひたすら新しい情報を「入れる」ことになってしまい、容量オーバーになるんだな。

 

 「映画やドラマに感動しなくなる」という症状もヤバいですよね。これは放置したらいかんですよ。

 人の生活にはときめきが必要だ。なくてはならないものだと本気で思う。

 綺麗なものを見て美しいと心が動かない、面白い話を聞いても(つまらねぇ…)としか思えない。それは多分、心の病気の前駆症状だ。

 歳を取ると、若い頃ほど感動しなくなる、と加齢に伴う当然の現象のように言う向きもあるけど、それは多分違うんだ。大人になるほど社会的責任が増えて、脳が過労状態になってるんだと思う。

 

 思えば前職はヤバかった。労基法なんて存在も知らなさそうな社長&部下を否定することしか出来ないマネジメント能力皆無の上司。どうでもいい些細なミスで罵倒が当たり前。

 ちなみに「些細なミス」の内容って、「書類の角が数ミリずれてた」とかそんなんですよ。ミスですかそれ? 15分費やして怒鳴らなきゃいけないほど大事なこと???

 まあ、ね、こんなアホ上司と一緒に働かなきゃならなかったんで、私のストレス値もかつてないほど上がっていたわけです。

 笑うことがどんどん減っていった。テレビ見てても、何にも心を動かされない自分がいた。

 

 それを救ってくれたのが「おっさんずラブ」と言っても過言ではない。

 あの時期、あのタイミングで「おっさんずラブ」が始まってくれたおかげで、私は「なんだこれ超面白い!!」と感じる感受性を取り戻すことが出来た。

 キャラと一緒に泣いて、笑って、春田と牧と部長の恋の行方にハラハラドキドキして、蝶子さんやちずの切なさに共感して胸がきゅんとなって。

 そうして心の健康を取り戻したおかげで、(ああ、こんな職場でいつまでも我慢し続けてたら病気になるわ)と正常な判断力を取り戻し、転職に踏み切ることが出来たわけです。

 新しい職場も大変だけど、前に比べればストレスは100分の1くらいだ。

 もうホント、テレ朝さんの方向に足を向けて寝られない。

 

 前の記事に書いたように、今の生活にスマホは欠かせないと思う。

 だから、情報をインプットするばかりでなく、ボーッとする時間を大事にして、入れた情報を脳が整理する余裕を与えてあげないといかんですね。

 新しいものに対する好奇心や、何かに感動するときめきを感じられるかどうか、自分で自分の疲弊具合をチェック出来ればいい。

 加えて、インプットして整理した情報をアウトプットすれば、心の健康は保てるでしょう。

 

 だからね、皆さん、ボーッと生きましょう。

 ボーッと生きてていいんですよ。

 プラス、食事と一緒で、「入れたら出す」ようにしていれば、精神的な新陳代謝も保てる。

 それがきっと、困難にも挫けず、折れにくい、しなやかな心を作ってくれると思います。