おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

おっさんずラブ第四話③ 幼馴染

 さて第四話、「おっさんずラブ」の登場人物の関係性がかなり動いていく。

 特筆すべきは春田の幼馴染、ちずだ。ちずの存在の意味が、この回では揺らいで、春田の周辺の人間関係を変えていく。

「起承転結」とは、お話を作る上での基本中の基本だけれども、「転」に繋げる下地ならしを入念に行ったのが第四話と言っても過言ではないと思う。



「おさななじみ」って、いいですよね。和語で、言葉の響きも柔らかい。

 幼い時からずっと一緒に育ってきた相手って、特別な存在だ。

 兄弟のように近しくて、心を許した友達でもある。そんな身近な相手が、ある日ふと、恋愛の対象にもなりうることに気がつくわけだ。

 だから古今東西、色んな恋愛もので「元幼馴染カップル」が描かれてきたんですね。

 第四話は、親友のような、妹のような存在として春田の傍にいたちずが、牧の第2のライバルとしての色を強めてきた回でもある。



 わんだほうのカウンターにて。

「分かった! 春田それ、モテ期だよ!」

 と弾んだ声をあげるちず。

「人生で三回あるとしたら、春田の場合、あたしの知る限り、小5のとき。高1のとき。そんで今だよ!」

「もう終わるじゃねーか! やめろよ今女子一人もいねぇよ」

「好かれてるだけ感謝しな」

 これこれ、この感じ。春田の人生のイベントを全部把握している近しさ。これこそが「幼馴染」の強みですよね。

 で、それはちずの兄、鉄平も同じことで。

「春田ァー! 突然だけどわんだほう、閉店することになった」

「ええー!」

 タワーマンションに建て替えして、その1階のテナントとして入ることになった、と告げる鉄平。

 今よりも店舗面積が広くなるから、隅っこにライブスペースを作る、と楽しそうに先のことを話す鉄平に、春田も

「いーじゃないですか!」

 喜色満面で後押しする。

「荒井鉄平38歳。やっと俺にも運が回ってきたってワケよ!」

「ハハハ」

「ちょっ……メロディ降りてきた」

 唐突にボイスレコーダーを取り出し、慌ててギターを構える鉄平。

「え、また…?」

「これさ、タイミングいつも謎だよな」

 ちずと春田がツッコむのも構わず、ジャーン♪とギターの弦をかき鳴らし、

「満員電車に揺られるゥ~♪ サラリーマンたちィ~♪ 取引先にはスイマセンとォ~♪」

とここまで歌って、ジャン!とまた唐突に歌が終わってしまった。

「え、終わり!?」

「終わりってなんだよ」

「降りてきたって言ったじゃん!」

「降りてたじゃねぇか今」

「そこいつもと一緒じゃん!」

「全然違うんだよ」

 鉄平兄と春田の掛け合いも楽しい。



 この3人、わんだほうでこうやって、鉄平兄はカウンターの中に立ち、ちずと春田がカウンター席に座ってちょこっと飲み、鉄平兄が創作料理出したり、突然歌い始めたり、それをちずと春田がツッコんで……という時間を、これまでも積み重ねてきたに違いない。

 子供の頃からの関係性を大人になっても保っている「幼馴染」という間柄は、お互い気を遣わず、いろんなことを分かり合っているから、こうした掛け合いも阿吽の呼吸で出来てしまう。

 お互いの恋愛話も、当事者じゃないからズケズケ聞けるし、親身になってアドバイスも出来る。ストレスの少ない、最高の関係に見える。

 このままの関係が、この先もずっと続いていくような気が、していたのではなかろうか。ちずも春田も鉄平兄も。



 しかし、変わらない関係なんて存在しないのだ。

 昨日と同じように見えても、毎日少しずつ変化している。その変化は時間の経過と共に積み重なっていく。

 



 わんだほうを出て、ぷらぷらと歩いていく春田とちず。

「ねえちず」

「ん?」

「閉店パーティのときさぁ、お願いがあるんだけど」

「ヤダ!」

 と食い気味に即答するちず。

「まだ何も言ってないじゃん!」

「なんか悪い予感しかしない…」

 そのちずの予感は当たっている。でも、「あのさ」と続きを言おうとする春田が近づくと、傘を差しかけてあげるちず。優しいね!

「そのときさ、オレの彼女のフリして欲しいんだよね」

「ホラ、そんなことだと思った」

「そしたらみんな、オレのこと諦めてくれると思うんだよ」

「何そのモテ男発言!」

 ホンマになあ。「みんな」って誰だよ。

「やだ!」

「お願い!1日だけでいいから」

「めんどくさい!」

 頭ごなしに拒否を続けるちずですが、まあ大体こういう流れのとき、拒否してる側は渋々承諾するんですよね。




 春田とちず、2人の関係が動いたのが、このあたりからだと思う。

 何かのイベントで、彼氏or彼女のフリをしてくれ、という展開、少女漫画のあるあるですよね。漫画に親しんだ経験がある女子なら「見たことある」感ハンパない。

おっさんずラブ」の面白さは、こういう「少女漫画あるある」が随所に散りばめられているところなんだけど、表向きの「おっさん同士のコメディ」部分がテンポよく進んでいるから、少女漫画要素の隠し味は一見気づきにくい。

 少女漫画をよく読んでいたという徳尾さんの脚本、こういうところが巧みだと思う。




 で、ここから、ちずが春田を巡る「第4の存在」として浮上するんですね。ホント言うとこの時点で春田が「みんな諦めてくれる」の「みんな」の中に勘定している武川さんはフェイクなので、「3番目の存在」なんだけど、まあそれはいいとして。

 



 この、ちずという異性の幼馴染を巡っては、ドラマ放映当時、賛否両論あったように記憶している。

 私はこのドラマを見始めた当初から、ちずというキャラクターが好きだった。可愛くて、サッパリしていて、正義感も情もあって。

 これは私の経験論になってしまうけど、BL作品が成功するかどうかは、登場する女性キャラの造形いかんによる部分も大きいと思っている。

 キャラクターがちゃんと人として生きている作品は、女の子のキャラも、単なる当て馬とかご都合主義でなく、鑑賞者が共感できるポイントを備えている。

 いや、この表現は正確じゃないな。

「女性キャラの造形いかんによる」んじゃなくて、きちんと人と人の物語として作品を成立させられる作者の手によるものは、脇として登場する女性キャラも、愛すべきキャラクターになっている、と言った方が正しい。



「このドラマは牧凌太にかかっている」

と最初に看破した座長の慧眼は素晴らしい、と以前書いた。

 同じように、

「このドラマはちずというキャラにかかっている」

 と併せて言ったとしても、それは間違いじゃないと思う。




 ここから、ちずと春田が接近し、春田の心が揺れ、牧の心も揺れ動く。見ている私たちも(え、どうなるの…)とハラハラドキドキする。

 この先、物語全体の起承転結の「転」部が待ち受けているわけだけど、「転」部へと続く重要な道筋を作るのがちずというキャラクターの役割だ。

 だーりおの見事な演技のお陰で、我々はこの4話を画面の前釘づけで鑑賞することになったわけですね。

入タイしました。

 こんばんは。今宵も閲覧いただきありがとうございます。

 管理人、コロナの後遺症からようやく復調したところでございます。

 本当に、昨日あたり急に

(あれ、元通りかも…?)

と感じた。

 そう言えば肩にかけたいつもの仕事鞄、こんなに軽かったっけ?

 信号が変わりそうになって慌てて走ってもしんどくない。

 こういう、「普通の動作」が出来るってありがたいですね。

 しみじみ。



 さて、タイのBLドラマ「2gether」を見始めたのは、以前の記事でも書きました。間もなくコロナになったのでアレだったんですが、隔離期間中、熱が下がっているときなんか、他にすることもないので、動画見てました。

 今は布団に寝転がってスマホでドラマ見れちゃうんだもの。便利な時代だねー。スマホ万歳。

 いやーもーホントサラワットとタインのカップルが可愛くてさ、ドラマ終了後1年経って作られた続編「still 2gether」も見ちゃって、大満足。

 続編が、メインの2人を始め、総キャスト入れ替えなしで、物語ももちろん本編の続きで、しかも2人の愛が深まっていってイチャイチャ幸せな場面も見られて、

(そうだよ。普通『続編』って言ったらこうだよね!? これこそファンが望む『続編』ってもんだよね!?)

と、927OL事変のときを思い出して、また頭に来たりもしたんだけど、それはまあ置いといて。

 これはそろそろアレか、タイ語の勉強とかし始めるのか自分……と割と覚悟してたんだけど、見終わってしまえば

「はー、満足~♡」

とお腹一杯感で、「沼」にハマるというところまではいかず、意外とさらっと通り過ぎてしまった。




 そんでですね、ついこないだ、別のタイBLドラマ見つけて、第1話を見てみたわけですね。

 んーまあアレだ、タイBLは質が高く見ごたえあるというのは前々から聞いていたので、そのうちまたどれか別なやつチャレンジしてみようと思ってはいたのだな。

「ターン×タイプ」というタイトルが、2getherに出てきたタインの兄さんタイプを連想させて、(まあじゃあこれにするかな)と、ごく軽い気持ちで見始めた。

 第1話を見終わる頃には見事にハマってました。



 

 なるほどねー、女子の人気が高いのも分かるわ。

「ターン×タイプ」は、ターンの方がゲイ。最初から公言している。イケメンで穏やかで理性的。そして優しい。優しさで出来たバファリンのような男。

 ルームメイトであるタイプはホモフォビアと言っていいレベルでゲイが嫌い。ある日、ターンがゲイであることを知って、嫌悪感も露わに「部屋を出て行け!」と喧嘩が勃発する。

 嫌い同士で始まる、ある意味王道と言えば王道ですわね。

 この2人の関係性が目まぐるしく変わる。ハラハラドキドキ、飽きさせない展開で、(次はどうなる…!?)と手に汗握る。そしてその「次」が、常に予想を裏切ってはくるんだけど、裏切り過ぎない。

(ああっそう来たかー)というのと、(いやでもこれ昔BL作品でめっちゃ読んだことある…)というのが両立している。

 なので、物語運びへの驚きと共に、安心感も得られるわけだ。で、

「おもしろーい!!」

てなる。

 タイのドラマ制作者はニーズをよく把握してるね。日本のBL作品全部読んだんじゃ?というくらい、腐女子にはお馴染みの要素がこれでもかと散りばめられている。

 腐女子というか、「女子」でいいと思う。

 

 女子が必要とする萌え要素は今、すべてタイBLに詰まっていると言っても過言ではない。(いやもしかするとほんのちょっぴり過言かもしれないが)



 あとね、2getherは爽やか青春路線で、エロはほぼゼロだったけど、「ターン×タイプ」は割とがっつりエロい。

 いや、エロと言っても下品ではなく、もちろん寸止めなんだけれども、セクシーな場面がちゃんとセクシー。肌色画面率が高い。

 私はこれくらいエロ要素がある方が好き。



 でも、何と言っても特筆すべきは、脚本の確かさなんじゃなかろうか。

 だって、ホモフォビアの青年とゲイの青年の組み合わせだよ。これをどうやってくっつけるのか……と思ったら、第2話の終わりでもう既に(へえー、こんな前半でここまで持ってきたかー…)と感心させられた。

 でも、お話の運び方に無理がない。登場人物それぞれの心情も理解出来て、(なるほどなあ)と納得しつつ、BLをBLとして楽しめる。

 ちゃんとしたラブストーリーを楽しみたい人には、こっちの方がお勧めかも。




おっさんずラブ」もチェリまほもそうだったけど、2getherでも男同士の恋愛は周りの誰からも咎められず、蔑みもされない、優しい世界だった。

「ターン×タイプ」はその点、タイプのゲイ嫌いは差別として糾弾されてはいるんだけど、タイプに同調する人もいるし、LGBTQへの偏見は存在する、リアルに近い感覚の世界が描かれているところも、共感を持って鑑賞出来る要素のひとつかもしれない。

 タイプとLGBTQのキャラが対立する場面もあるんだけど、どちらかを悪者と決めつけるのではなく、「お互いの価値観を尊重し否定しないことが重要」と、改めて視聴者に感じさせる展開になっていた。



 というわけで、タイ沼に無事ハマりつつあります。

 このドラマ、1話が正味1時間あるから、ボリューム的にも見ごたえ十分。

 そしてラブシーンが美しい。さらに加えて長い。1話につき大体3~4回はイチャこいとるから、ドキドキをしっかり楽しめる。

 1話見終わると、

「ふー…、満足…♡」

てなるんだけど、それでお腹いっぱいになるんじゃなく、

「次いこう次」

と続話をポチってしまうのが罪深い。



「普段の生活になんだか潤いが足りないわ…」

と嘆く大人女子の皆さん、「萌え」が欲しければ、タイBLドラマはめちゃめちゃおススメです。

大豆田とわ子と三人の元夫

 今季はなかなか面白いドラマが多いような気がする。

 中でも、必ず録画して見ているのが「大豆田とわ子と三人の元夫」だ。

 坂元裕二脚本作品とあって、色々と分析された記事もよく目にする。考察とか難しいことはそちらにお任せするとして、私のは、一般人の、無責任な単なる感想だ。

 ネタバレは大いにしておりますのでご注意ください。




「大豆田とわ子」という名前がもうズルいですよね。響きが面白い。だから毎回毎回、必ず主人公を演じる松たか子がこちらに向かって言うのだ。

「大豆田とわ子と三人の元夫、また来週」

と。

 別れた三人の元夫たちととわ子の関係、友達ではなく、「元夫」という肩書から連想されるほどギスギスもしていなくて、どこかユルく、コミカルな会話劇で、肩の凝らないラブコメなのかな、と思いながら見ていた。

「カルテット」もそうだったな。みんな一見普通のようでいて、どこか常識から外れた奇妙な部分があり、ちょっとずつダメで、でもそれを否定しないいい意味での「緩さ」があって。

 と思いきや、登場人物たちはそれぞれ人生上の事情を抱えていて、その「事情」が決して軽いものではないことが紡がれていく。

 今作もそうですね。めちゃくちゃ見たことある顔だと思ったらスカパラの谷中さんじゃん!と嬉しくなった矢先、これまでの「まめ夫」の世界になかった不穏な空気が漂い始め、とわ子が率いるしろくまハウジングにも、とわ子自身にも、これまでとまったく異なる暗い影がしのびよる。




 かごめちゃんの死はショックだった。

 天衣無縫で、常識に囚われないかごめちゃん。言い替えれば洗練されてなくて非常識、ということになる。

 突拍子もなくて、周囲からは「奇行」としか見えなくても、その奥にはかごめなりの正義と正当な理由がある。

(ヘンな人だなあ……)

と思いながらも、とても好きなキャラになっていただけに、この途中退場は衝撃的だった。



 ただ、去年からこちら、身辺に色々な出来事が起こった身からすると、この描き方はめっちゃリアリティがあると感じられた。

 そう、突然なんですよ。何もかも。ドラマのように「来週火曜日から!」と予告してはくれない。何の前兆もない。

 人はただ、「起こってしまった出来事」に驚き、立ちすくみ、途方に暮れることが出来るだけだ。

 そして、個人にとってどんなにインパクトのある出来事であったとしても、それ意外の日常の雑事というものにも容赦なく追われることになる。時間はどんなときも手をゆるめることなく流れていく。

 早朝、母からの一本の電話で祖母の死を告げられ、「分かった」と答えていつも通りに身支度を整えて出社し、上司に報告してその日は普通に働いたことを思い出した。

 動揺は数日経って唐突に襲ってきて、そのときになって、コロナ禍のせいで帰郷してお別れも言えない状況に猛烈に腹が立って、強い怒りと悲しみにぐちゃぐちゃになったことも。

 しかし、その動揺を周りの誰にも言わず、次の日も何事もなかったように職場に行って仕事したことも。




 こないだもこんな記事を書いたけれども、

ktdmtokttn.hatenablog.com

 

「まめ夫」を見ていると、

(うんうん、人生てこんな感じなんよな)

と思わされる。

 元夫たちはとわ子にまだ何がしかの感情を抱いてはいるけれど、恋愛が進む気配はないし、何かの教訓でもない。特に意図を持って演出された「ドラマの文法」を感じない。いや、めちゃくちゃ意図を持って演出されていることは知っているけれども。

 とわ子の人生に起こる出来事を、淡々と見ている感じ。

 等身大…というのとはちょっと違うんだけど、とわ子を始め登場人物の誰もが、自分と近く感じられて、共感を持って見てしまう。




 かごめちゃんもだけど、三人の元夫たちが面白いですよね。一癖も二癖もあって。

 特に慎森が可愛い。岡田将生のキャラ造形が素晴らしいと思う。「挨拶っているかな」「お土産っている?」と難癖をつけ始めるときの、憎たらしい顔、オタクくさい口調、走るときやバスケするときのどんくさい身体の動かし方。

 目の前にあるものをあげつらって屁理屈をとうとうと述べていると、

(クソめんどくせーな…)

てげんなりするんだけど、そんなシンシンが家で一人

「大丈夫…大丈夫…」

と自分を励ましてるとこ見ると(……可愛い…)てなるよね。笑

 そこに伊藤沙莉のドライなナレーションが

「自分を励ますにも限度ってものがある」

等とかぶせるから、ふふって笑っちゃう。





 この「まめ夫」、登場人物たちを自分自身と近い存在に感じられはするんだけど、エンディングのめっちゃお洒落な感じが

「おお~、ドラマだー」

と感じさせてくれるのがいい。

 それで言うと、とわ子が急にこっちを向いて

「大豆田とわ子と三人の元夫、また来週!」

と言うのも、(この物語はフィクションです)と明確に告げられているようで、私にとってはホッとするポイントだ。

 物語を楽しむためのリアリティは必要だ。必要だけど、あまりにも自分のリアルと近すぎると、それはそれでしんどい。

 ドラマはやはり、「フィクションだ」とハッキリ分かる方がいい。フィクション性のお陰で、(これは絵空事だから)と肩の力を抜いて楽しめる。

 事あるごとに入るナレーションも、小説を読んでいるような味わいで心地よい。




 今は現実の方がまるで嘘みたいに大変だからさ。みんなコロナで疲れてる。

 そんな日常をいっとき忘れさせてくれるエンタメとして、「まめ夫」は最適だと思う。

 なんか色んな考察記事を読むと、脚本の坂元さんが色々と実験的な試みをしているそうな。

 専門的なことはよく分からないが、こないだまで三人の元夫たちの周りにいた三人の女性たちは綺麗に退場して、まったく違う場面がまったく違うトーンで始まったところ、

(舞台みたいだな)

と感じた。

 これからもドラマが動いていきそうだ。

 楽しんで視聴したいと思います。

コロナサバイバーの憂鬱

 いやー…………………ビックリしましたよね。

 多分、日本中がビックリしたと思います。

 何がって?

 決まってるじゃないですか。



 ガッキーと星野源の逃げ恥カップルのリアル結婚ですよ。




 私は元々、星野源という人が好きだ。(あ、この人好きだな)と思ったきっかけが、彼の書いたエッセイの文章を読んだことだった。達者な筆運びと、いい具合に拗らせた変態ぶりが、(うわーこっち側の人だ!!)てなって、共感を持ってその本を読んだ。

 歌手が売れたからちょこっと俳優業やってみました、とかじゃなく、そもそも両方に興味があって、どちらも昔からやっていた、というのもポイント高かった。

 歌手と役者がこれほど両立できて、どちらでも名を知られているというのも凄いなあ、と素直に思っていた。




 だから、星野源星野源で単体で凄いと思うの。

 それにしても、ですよ。

 ガッキーだよ? 他の誰でもない、あのガッキーよ?

 ドラマで共演して、恋人役するだけでも(きっと前世でよっぽど徳を積んだのだな源さんは……)と思ってたんだけど。

 まさか、本当にガッキーを手に入れてしまうとは。

 もうさ、人生5回分くらい、ひたすら人に尽くす善行を積んできたとしか思えない。




 ガッキーってもう、代名詞じゃないですか。

「可愛い」と言えばガッキー、ガッキーと言えば「可愛い」じゃないですか。

 いやね、可愛いタレントさんも女優さんも、芸能界にはたくさんいますよ。だけど、ガッキーの可愛さってちょっと特別じゃない?

 人が「可愛い」と口にするときに込めるすべての良い意味をぎゅっと濃縮した、みたいな。普通、濃縮すると多少エグみが出たりするもんだけど、エグみもクセも全然なくて、ただただ「長所」が「超超超長所」になった、みたいな。

 人を見た目で差別するのはよくない。よくないが、ガッキークラスの美人はもう、理屈じゃなく、文句なく見た人を黙らせる説得力があると思う。

 ガッキーを嫌いだという人、見たことない。少なくとも私の周りにはいない。

 私も、ガッキーの笑顔を見ると(ほわぁ、カワエエのう……)と意図せず口元が緩んでしまう。




 ガッキーもそのうち誰かと結婚するのかなあ、どんなお相手かなあとちょこっと思ったりもしていたけど、まさか星野源とは。

 逃げ恥で超お似合いとは思っていたけど、まさかまさか、本当に星野源とは。




 星野源という男、改めて考えてみるに、恐ろしいほどに「何でも持ってる男」ではないだろうか。

 まず、自分で歌を作れるというのがもう凄いと思うの。作って、歌えるんですよ。ダンスも出来ちゃうんですよ。そしてその歌がヒットするんですよ。紅白も出ちゃった、と思ったら、さらにその翌年、逃げ恥の「恋」でダンスと共に社会現象を巻き起こしちゃうわけなんですよ。

 で、その逃げ恥で主演という、俳優としてもトップクラスなわけなんですよ。こないだ「引っ越し侍」見たけど面白かった。コメディがハマる軽妙な演技。コントだって出来ちゃう。

 さらに文才もある。トークも面白いからラジオ番組も人気ある。

 そんで、あのルックスですよ。失礼ながら、私は彼をイケメンとは認識していないんだけれども、あの絶妙に人の反感を買わない「いい人そう」な見た目。老若男女に愛される毒のないビジュアルこそ、彼の最強の武器だと思う。

 これだけ多彩な才能の持ち主で、しかも成功しているのに、妬まれにくいのではなかろうかと、これは私の勝手な憶測ですけどね。



 そんで、人生の伴侶がガッキーってさ、もう星野源の人生すごろくゴールじゃね?ていうくらいだよね。




 いやー………私は女だけどさ、家に帰ってガッキーがいるなんて、(なんて羨ましい生活なんだ………)と呆然としてしまうわ。

 いや、いないかもしれんけどね。ガッキーもお仕事で家を空けることも多いのかもしれんけれども、そういうことではなく。

 



 なんだろなー。

「よかったね、オメデトウ!!!」

とクラッカー100発打ち鳴らしたい祝福の気持ちもありつつ、(そっかー、ガッキー、結婚かあ。星野源かー…)て、1日のうち何度か考えてしまうこの気持ち。

 まあでも多分、今頃日本中で1万人か、10万人か、もしかしたら100万人を超える人々が

「うぉぉぉガッキーが結婚したぁぁぁ!!!!」

と悶えているのかもしれぬ。




 この方もマジでショックだったみたいです。

 メンタリストのメンタルを崩壊させるガッキー。

「ガッキーロスの解消法を教えて欲しいです」

という視聴者の質問に

「こっちが教えて欲しい…」

て答えてて笑った。

 

www.youtube.com




 え? タイトルのコロナ関係ないやないかって?

 あ、そうそう、コロナの後はやっぱり大変なんですよ。インフルの高熱が下がった後とはわけが違う。体力が根こそぎ奪われていて、以前の記事に「元通り回復」とは書きましたが、全然気のせいでした。

 最初は通勤に一部タクシーを使っていた。徒歩がしんどくて。今は、普通の社会生活は営めるようになったけど、1日フルで働いた後はまだへたり込みそうになるし、カバンが重たくなるからお弁当を職場に持っていけない。

 1日1時間半みっちりやっていた筋トレ、恐る恐る試してみたら、5分でギブアップだった。5分ですよ。

 肺への影響もまだ残っている。深く息を吸うと、肺の奥がチクチクする。そして咳込む。この様子だと、ジョギング出来るようになるのは1カ月以上先だろう。

 軽症だった私がこれほど予後に苦しめられるので、やっぱり怖い病気だ、ということを改めて言いたかった。




 けど、こっちのニュースの方に驚いたから、つい書いちゃいました。笑

 まあでも本当にお似合いのカップルだと思います。

 ビックリしたけど一気に祝福ムードが広がって、コロナ禍で疲れた日本列島がちょっぴりピンク色になったのではないでしょうか。

 個人的に、週刊誌が一切マークしてなかったのも痛快でした。

 後から悔しがってこじつけの暴露話みたいな記事載せるの、みっともないからやめた方がいいと思う。

 

 改めまして、ガッキー、源さん、おめでとうございます!!

感染:追記

 コロナは突然やって来ます。

 普通の風邪と違って、陽性判定を受けたらその日から外には出られません。

 即入院とはならず、自宅療養になる確率が高いでしょう。

 今回のコロナ罹患で私が実感した、自宅療養で「これがあると助かる!」ものを紹介します。

 

ロキソニン

 

 なんと言ってもこれですね。高熱がずっと続くので、解熱剤が生命線でした。

 最初、

「ウィルスが死ぬので高熱は無闇に下げない方がいい」

という説をネットで見て、まあ確かにな、と薬を飲まずにいたのですが、単純な話、そんな高熱が続けば人の身体は弱ります。

 すぐに下がる人もいるようですが、私の場合は10日間続きました。なので、やはり解熱剤で熱を下げることになります。

 事故の怪我のときにもらったロキソニンがまだ豊富にあって、とても助かりました。

 なので、解熱作用のある薬を手元に置いておくことは、いざというときの備えになると思います。

 出来れば10日分以上あると安心です。

 

②水

 

 ミネラルウォーターの備蓄はあってよかった。水も普段の倍くらい飲むので、どんな意味でも水の備えは必要だと思いました。

 

③冷凍野菜

 

 野菜をカットして冷凍しておいたストックが役立ちました。自宅療養なので、自分で食べるものをなんとかしないといけません。レトルトはたくさんありましたが、レトルトはやはり飽きるのです。

 前半は普通に料理して、熱が下がったタイミングで食べてました。

 熱と闘っているのでお腹すくんですよね。

 

④ごはんのパック

 

 まだ熱が出始めて2日目に、一度だけご飯を炊きましたが、それ以降そんな元気はありませんでした。

 送ってもらった食料支援の中にごはんのレトルトがあって、これはすごく助かりました。

 防災備蓄として持っておくべきですね。

 

⑤トイレットペーパー

 

 ちょうど、日用品のストックを買い出しに行こうと思っていたタイミングでコロナ罹患だったので、トイレットペーパーのストックがなかったのは焦りました。

 ネットスーパーで買ったのですが、1回につき2000円以上とか金額の縛りがあるので、欲しいのはトイレットペーパーだけなのに、他を色々考えないといけないのが煩わしかった。

 

 

 

 あと、番外として、「カッター」ですね。

 コロナになる前に、カッターの刃をばきっと折ってしまって、使えない状態だったんですね。

 コロナになると、宅配頼みになるので、どんどん段ボールが溜まるわけです。カッターが使えないと、これが地味に困りました。

 友人が「困っていることない?」と聞いてくれて、段ボール用のカッターを送ってくれました。

 

 

 友人が送ってくれて助かったものとしては、「ゼリー」も印象的。果実感があってぷるぷるしたやつ。普段、ゼリーってそんなに食べないんだけど、高熱が出てるときってあんまりカロリー高そうな味が欲しくなくなる。冷たくて喉越しのよいゼリーは重宝しました。あと、こんにゃくゼリーをたくさん送ってくれたので、冷凍してよく食べてました。熱い口の中も身体の中も冷やしてくれて気持ちよかった。

 ジュースも助かりました。これまた、普段はあまり飲みません。飲むとしても果汁100%のしか飲まないんだけど、何故だか100%のは欲しくなくなりました。それよりも、果汁22%の「Gokuri」の軽さがちょうどよく、毎日飲んでました。

 多分、高熱と闘ってカロリーをめっちゃ消費するから、糖分が身体に心地よかったんでしょうね。

 ともかく、普段とは口にするものの嗜好も変わりました。

 

 

 ということで、以上、コロナ体験者の意見として参考になればと思います。

 罹らないにこしたことはありませんが、もう、いつ誰が罹ってもおかしくありません。

 是非ご家庭に備えを。

 

 

 あ、それと、アスリートの方々にはお気の毒ですが、この状況でオリンピックとか、シンプルに

 

頭おかしい

 

 と思います。

 

 早くコロナの薬作ってください。

 すべてはそれからでしょ。

感染②

 熱は高かったですが、他の症状がなく、私は「軽症」でした。

 希望すればホテル療養も選択出来たようですが、準備や移動の負担を考えると、このまま自宅療養がよい、と判断しました。

 また、ここの自治体は医療の逼迫が叫ばれて随分経つので、私のような軽症者が貴重なスペースを埋めてしまうのは申し訳ない、という思いもありました。

 8日前後で熱がおさまる人が多いと聞いていたので、期待していたのですが、私を嘲笑うかのように高熱は出続けました。




【12日目】発熱9日目

1:00 39.6℃ ロキソニン飲む

 

5:00   37.3℃ 高熱が続いて熟睡出来ない(夜寝られないのはずっと続いていた)

 

9:30  38.5℃ ロキソニン飲む

 

11:30  38.1℃

 

15:30  38.5℃ ロキソニン飲む

 

17:30 38.6℃

 

 ※高熱が続いて食欲ゼロ、ごはん食べられず

 

21:30  39.1℃ ロキソニン飲む

 

22:40  38.9℃

 

 10日目以降、ロキソニンを飲んで熱を下げても、6時間できっちり切れて、昼頃には再び38℃、39℃と上昇するパターンが続いていました。

 一度飲むと6時間置かないといけないので、次の時間が来るのをジリジリしながら待っていました。

 病気と闘うために、極力ごはんを食べるようにしていましたが、熱が1週間以上続くとさすがに食欲が失せてきて、ゼリーとかヨーグルトみたいなものしか食べられないときもありました。

 

 また、熱が下がったときにネットで色々と検索するのですが、高熱がいつまで続くのかとか、どういうパターンで下がり始めるのかとか、私が知りたい情報は全然見つかりませんでした。

 コロナの症状が人によって全然違うので、パターン化が難しいのは分かるのですが、[「自分はこうだった」という、個人の体験が読みたかった。でも、ごく一般的な情報しか載っていないニュース記事とかまとめ記事ばかり出てきて、「コロナに罹患しました」という個人のブログ記事などには辿り着きませんでした。



【13日目】発熱10日目

・眠れず、夜中3:30に38.6℃あったのでロキソニンを飲む

 

10:15 36.8℃

 

12:00  37.5℃

 

13:40 38.56℃ ロキソニン飲む

 

 この日は、一度飲んだ解熱剤が長く効いて、楽な時間が増えていました。

 高熱を出して暴れてるウィルスの勢いが若干下火になったような気がしました。

 夜、38.8℃まで上がったのでもう一度ロキソニンを飲みました。

 ここから熱が下がり始めました。



【14日目】発熱11日目

 36.5℃で目覚め、薬なしでずっと平熱を保てました。

「薬なしで平熱を72時間キープしたら隔離解除」という条件を知っていたので、ひたすら熱を上げないよう、平熱でも布団の中でじーーーっと安静を保っていました(この日までもずっとそれは努力していたのですが)。

 夜の22:30に平熱で、

「よっしゃ!!」

とガッツポーズに。



「よくなり始めると急に回復する」と聞いていた通り、ほんの数日前が嘘みたいに、コロッとよくなりました。 

 そこからは、熱が上がることなく、無事72時間過ぎて、保健師から

「よかったですね。もう外に出ても大丈夫ですよ」

とのお言葉をいただき、自宅療養終了&隔離解除となりました。



 

 パルスオキシメーターで血中酸素濃度をずっと測っていたのですが、途中値が低く、イヤな汗をかいたこともありました。

 95を切ったら即連絡、と言われていたのですが、起き抜けは92までしか上がらなかったり、95以上にどうしてもならなかったりしました。

 熱が下がり、座位を保って、深呼吸しながら測ると、大抵96や97に回復したので、大事には至りませんでしたが、一度リアルで視界がぐんにゃり歪んだことがありました。

 



 熱が下がると現金なもので、猛烈にお腹が空いて、目に入った食べ物をともかくむしゃむしゃ食う、という症状が出ました。

 特に「米!」「肉!」「ビタミン!」と身体が欲し、本能が命じるまま、がつがつ食べてます。(今日は唐揚げとギョーザ食べました)

 1.5kgくらい減った体重も何事もなかったかのように元に戻るでしょう。。




 というわけで、私のコロナ闘病は終わりました。

 一人暮らしでコロナに罹患すると、大変だろうなあとは思っていましたが、実際予想を遥かに超えて大変でした。

 が、上司や友人が常に気にかけてくれて、私も細かく病状を報告し、「1人じゃない」感はずっとあったので、その支えは大きかったかな、と思います。

 スマホが闘病中の生命線だったので、比喩でなく、ずっと握っていました。

 友人たちは、適宜色んなものを送ってくれて、食料や薬に関してはまったく不安なく闘病することが出来ました。

 心配してくれる人があまりいないような孤独な状況だと、闘病は何倍も辛かったと思います。

 

 

 あ、あと、ネットスーパーも非常に助かりました。

 熱が下がったタイミングで、トイレットペーパーとか、アイスクリームとか、そのとき欲しいものを頼むことが出来ました。

 17:00に頼んでも18:00に持ってきてくれて、ネット時代のよさを痛感しました。







 長々とお読みいただきありがとうございます。

 皆さん、それぞれに気をつけていらっしゃるとは思いますが、今回コロナに罹患して思ったのは、

【三密を避ける】を厳守していたってコロナに罹らない保証はない

ということです。

 考えてみれば当たり前のことで、敵はウィルス。人が作った枠組みなんぞ守ってくれるはずもないのですが、一応の目安があると、どうしても「これを守っていれば大丈夫」という錯覚に陥るんですよね。

 そして、毎日のことなので、やはり人間どこかに気の緩みが出る。

 私も、水を飲むときにマスクの鼻のところに指をかけてひっぱったりとか、後から考えれば(やめとけばよかった)行為をしてしまっていました。

 皆さまもどうぞ、くれぐれもお気をつけください。

 私のようなしんどい思いをする人がこれ以上出ないことを切に願います。




 コロナはややこしい病気なので、治ったからと言ってそれで終わり!というわけにはいかないのですが、ま、命は助かったんだから、なんとでもなる!

(実際、30代の人が重症化して亡くなるというニュースを聞いて、他人事でなく、恐怖を感じました。)

 というわけで、今年に入ってもう2回も命拾いしたよ、という話でした。