2018年もいよいよ終わりが押し迫って参りました。
今年の総括的な記事も出回っており、
年末企画:小田慶子の「2018年年間ベストドラマTOP10」 牽引する人々の世代交代が進む
https://realsound.jp/movie/2018/12/post-290691.html
この記事も読みました。面白かったです。
自分が個人的にドハマりしているから、客観的な評論が最早難しいけれども、「おっさんずラブ」というドラマは、大ヒットが社会現象を巻き起こした、のみならず、間違いなく何かを変えたと思う。
つい先日も
視聴率4%でも稼ぎ 業界に衝撃 | 2018/12/26(水) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6308026
こういう記事を読んだけど、評価の指標が「視聴率」一辺倒だったドラマ業界の認識を、完全に覆したと言っていいでしょう。
視聴率とドラマの質は比例しない。視聴率が高くなくとも、こうして稼げるコンテンツに大化けする可能性を大いに秘めていることを、「おっさんずラブ」が身をもって示す形になったわけだ。
「視聴率とドラマの質が比例しない」こと自体は、もうずっと以前から指摘されていたことではある。けれども、ずーーーっと「前例」「慣習」で動いてきたものを変化させるのはなかなか難しいのだ。
「おっさんずラブ」の爆発的なヒットがそこを動かしたというのは、テレビ界全体にとって大いに意義があることだったのではないかな、と推察する次第であります。
もうひとつの変化は、「メディアがLGBTに対して優しくなった」ことだと思う。
世の中は、とまでは言わない。少なくとも私が目にする限り、マスメディアにおける性的マイノリティの扱いがはっきりと変わったように感じる。
「おっさんずラブ」の世界は、「男同士なんて変」とか、「おっさんが同性の部下を…なんてキモチワルイ」みたいな価値観を徹底して排除した上で描かれていた。
その影響なのか、「同性同士の恋愛を揶揄するのは古い」とか「ダサい」という価値観に、なんとなーくシフトチェンジしてきたような気がする。あくまで「気がする」段階だけど。
これが、これまで公然と使われてきた「ホモ」「オカマ」みたいな蔑称を使い辛い空気に繋がればいいと思うし、自分をマイノリティだと感じて生き辛さを覚えてきた人たちが、少しでも楽になればいいと思う。
こういう、根っこに巣食う差別観もまた、なかなか変えることの難しいポイントのひとつだ。
そこに一石を投じたというのも、「おっさんずラブ」の功績の一つではないでしょうか。
でもまあ、こういう理屈抜きに、ともかく2018年は「おっさんずラブ」が生まれてくれてよかったです!! まさかここへきて、こんなドラマに出会えるとはなあ。予想だにしなかった。人生何が起こるか分からんですよ、ホンマ。
「おっさんずラブ」と出会って以降、世界は生き生きとした色を取り戻して、日々の時間がより濃密に感じられるようになった。
人生楽しんだもん勝ちやで。
「おっさんずラブ」のすごいところは、放送終了後半年を過ぎてなお、本体が変化を続けている点だ。
映画化はもちろん、来年はまた何か生み出してくれそうな予感がする。
我々「おっさんずラブ」の沼に棲んでいると自覚しているOL沼民にとっては、楽しくエキサイティングな1年が約束されているも同然だ。
来年も心してついていこうと思います。