平成最後の日とあって、各地で様々なイベントが催されているようですね。
テレビ各局も特集を組んでおります。
人間がどう名前をつけようと、時間は連続で、今日の一日と明日の一日が違うわけではない。
そして元号をいただくこの国と、西暦を使用している他国との間で、時間の流れ方が違うわけでもない。
なのに、「平成最後の日」と言われると、ああ、一時代が終わるなあ…という気にさせられる。
日本に滞在しているよその国の方々には、一体どういう風に映っているんでしょうね?
平成はどういう時代だったか、と振り返ると、やはり未曽有の災害に見舞われた時代であったな、と真っ先に思ってしまう。
地下鉄サリン事件とか、JR福知山線の大事故とか、大きな事件が記憶にくっきりと残っている。
でも、昭和との大きな違いはやはりなんといっても、「戦争がなかった」ということだ。
今振り返るとバカみたいだけど、私たちの世代には「ノストラダムスの大予言」によって1999年で世界が終わるのではないかという恐怖と諦念がうっすらとあり、無事2000年を迎えられた段階で、「あ、なんかクリアした」という感じがあった。
それまでは「第三次世界大戦」がそのうち始まってしまうのではないかという予感が社会全体に漂っていた記憶があるが、そこからはいつの間にか、ささやかれなくなりましたね。
昭和49年生まれの私からすると、昭和という時代はなんとなく、学生運動の怒りのエネルギーだったり、狂乱のバブルのエネルギーだったり、何かと「過剰」な時代だったという気がする。
それに比べると、平成も色々あったけど、平和な時代であったな、と思う。
何かと「日本は…」と言いたがる知ったか日本人にはなりたくないけど、それにしても、太古の昔から連綿と続く「天皇制」を未だに守り、天皇が自らの意思で退位するのが二百何年振りということで識者が出てきてテレビでコメントし、「平成」から「令和」に変わるのを国をあげてお祭りする、日本という国は、古風で奇妙な国だな、と思う。
昭和の終わりは重々しく、当時の天皇の体調が毎日新聞のトップに書かれて、陽気に騒いでは怒られるような、暗く沈んだムードが国全体に立ち込めていた。
それと比べると、こうして天皇陛下の退位を労い、新しい時代をみんなで歓迎するこの迎え方、平和で明るくて、私は好きです。
さあ、あと数時間で平成が終わる。
新しくやってくる「令和」の時代、どうかこのまま平和で、戦争の恐怖がなく、この国に住む色んな立場の人たちが、等しく心安らかに幸せに生きていける時代となりますように。