ヨルシカ「春泥棒」
以前記事に書いたYOASOBIの「夜に駆ける」、結局めっちゃ聴いてます。
歌詞云々の前に、ikuraの軽やかな歌声とあの疾走感溢れる曲調が耳に快く、何度も何度も繰り返して聴いてしまう。
再生回数がどんどん伸びるのも分かる。
ヨルシカ「春泥棒」、ちょっと前になんとなーく聴いてみて、(あ、CMで使われてる歌だ)と気づいたんだけど、そんなに繰り返して聴き込むところまではいってなかった。
数日前にふと、「歌詞を読みながら聴く」という作業をしてみたんですね。
そうしたら、言葉が綺麗で。
で、(この言葉をこういうリズムに乗せる?)というのがめっちゃ新鮮で。
特に「億劫」という言葉の使い方と揺らし方。
(うわーこれ初めて聴く感じ)と、どんどん惹きこまれていきました。
花に僕らもう息も忘れて
瞬きさえ億劫
花散らせ今吹くこの風は
まさに春泥棒
花の隙間に空
散れりまだ春吹雪
花ももう終わる
明日も会いに行く
春がもう終わる
名残るように時間が散っていく
愛を歌えば言葉足らず
踏む韻さえ億劫
花開いた今を言葉ごときが
語れるものか
はらり僕らもう声も忘れて
瞬きさえ億劫
花見は僕らだけ
散るなまだ花吹雪
(一部抜粋)
めっちゃ綺麗じゃない……?
短くて、端的な言葉の連なりで、情景が目の前に広がって見える。
時間の経過も分かる。
花を見る主人公の心情の変化も伝わる。(この辺りフジファブリックの『若者のすべて』と通じる何かを感じる)
この歌に歌われているドラマが分かるようで、季節も花の種類も「こう」と決めつけられていないから、解釈次第でたくさんのドラマが生まれる余地がある。
余白の美。
語尾に時々使われる文語も効果的。
YouTubeのおかげでまた一つ美しい歌と出逢うことが出来た。
善哉。
大変なこともあるけど、この世界は美しい。
コロナ禍が続くこの状況でも、若い才能がどんどん出てきて、私たちの生活を豊かにしてくれている。
しんどいこともあるけど、音楽を聴いたりドラマや映画を見たりして、リセットすると、
「よっしゃ、また頑張るか」
という元気も沸いてくる。
クリエイターの皆さんに感謝。