さっぶいっすね……!
この温暖な土地にも寒波が到来している。昨日も今日も氷点下で、昨日なんか真昼間から職場の軒先につららが出来始め、どんどん育って夕方には10cm超の長さになった。
つららなんて見るの、何十年ぶりだろうか。
自転車で走ると、頭皮や頬が寒気でぴりつく。でも、寒さが不快でない。早朝、マイナスの気温の中、テンション爆上げだった。
そうか、氷が張るくらいな気温が好きなんだな私は……と今ごろ思い知る。
あと、雪が降り始める前の、ぐっと気温が下がる感じね。
ここ何年もずっと、冬の冷え込みには肩透かしをくらっていたから、ようやく私の思う「冬らしい冬」に会えた感がある。
とはいえ、何十cmと雪が降り積もるのも困るし、そこらじゅうこちんこちんに凍りつくのも困る。
そのうち必ず暖かくなって春が来るという安心の上での限定的な好みですけどね。
私の寒さ好きについては以前も書きました。
ところで、「銀色の道」という歌があって、昔から私はこの歌が好きだった。
遠い 遠い 遥かな道は
冬の嵐が吹いているが
谷間の春は 花が咲いてる
一人 一人 今日も一人
銀色の遥かな道
割と凍てついた感じの曲ですよね。歌うと、目の前に一本の銀色の道がはろばろと開けているようで、周りの木立も枯れ木なんだけど、何故かこのイメージが私にはしっくりくる。
シンプルで物悲しいメロディと、コード進行も好き。
私にとって「人生」とは、この歌の世界観と重なっている。
人は誰も一人で生まれて一人で死んでいく。
家族がいても、自分は一人。
ベストパートナーと出逢って幸せな人生を送ったとしても、いずれ必ず一人になる。
気がついたときにはもう、この人生観が染み込んでいた。
さて、私は紅白は見なかったのですが、星野源の「うちで踊ろう」が話題になっているようですね。
公式の動画で鑑賞。
大晦日、お茶の間で楽しむ紅白で歌われる歌としては、歌詞が殺伐としている、とざわめいているようですが、私にとってはごく自然というか、
(まあ世界ってそうだよね)
くらいな、ライトな共感を感じるものでした。
基本的に、人は皆ばらばらで、孤独だ。
だけど、何かで繋がっていたい、分かち合いたい、分かりあいたいという欲求も確かにあって。
それが満たされたと思った瞬間に感じる感動も、ウソじゃない。
特に今は、「事実は小説より奇なり」を地でいくような、クソみたいな現実を、みんな必死に生きている。
一人だろうと二人だろうとファミリーだろうとそれは同じだ。
生きて踊ろう 僕らずっと独りだと 諦め進もう
独りだと諦めることで解放される何かもある。
まあともかくさ、ホントクソみたいなことばっかだけど、なんとか生きていきましょうよ。
一人は一人で、悪くない。
零下に冷え込んだ真冬の夜、作り物みたいに瞬く星を見上げて、自分の吐く息が白く立ち上るのを見ていると、私はなんだか、腹の底の方からガッツが沸いてくるというか、うーん、ちょっと大げさに言うと、
「クソみたいな現実に一人で立ち向かう勇気」
みたいなのを感じるんだな。
ということで、私にとっては誕生月のこの寒波、天からのギフトのようでした。
この連休、久しぶりの寒さを噛みしめよう。。