大人になってよかったことはたくさんあるけど、その一つは間違いなく
「もう定期試験を受けなくていい」
ということだ。
これは本当に嬉しい。「体育の授業で無理矢理長距離走をやらされなくていい」とか、「席替えで不本意な席順にならなくていい」とか、色々あるな。ああ、大人になってよかった。
が、子どもの頃から嫌いで、苦手だったもの、「事務手続き」というやつは、大人になってもついて回る。
人生のあらゆる局面で必ず現れますね。
今回の入院にあたっても、この事務手続きをしこたまこなすことになった。
嫌いだが、仕方がない。
手術をすることが決定すると、まず第一に決めなければならないのが、
〇手術の日程
だ。
つまり、何月何日が手術日かを決めて、そこからすべてがスタートする。
ドクターが空いている日と、こちらの都合とを擦り合わせて決めるんだけど、この二者だけではなく、家族の都合も考慮に入れなければならない。
私の場合、母に田舎から出てきてもらうことになったので、いったん持ち帰り、両方と何度か電話のやり取りを交わして、12月某日に決定。
決まると、今度は「ハイ!」と書類を渡される。
「婦人科で手術を受けられる方へのご案内」という紙が一番上にあって、手術までの流れを説明してくれてある。
①術前検査:手術の4週間前
②検査結果を聞きに来院:検査の数日後
③入院申込の手続:②と同日
④入院:手術の前日
私はこれに加えて、前回のMRIから時間が経ったので、もう一度撮り直しということになった。
なので、本来入院の前に3回は来院する必要があったのだけれど、平日そんなに休みが取れない、ということで都合をつけてもらって、コンパクトに詰めてもらった。
【MRI再撮影】
朝一で病院へ行く。当日は朝から絶食。お水は飲んでよかった。
撮影の「同意書」というのを示され、一読してサイン。あと、問診票もあった。
前回撮影したとき(別の施設)、造影剤を投与されての撮影で、お腹に重し?みたいなのを乗せられて、そのまま30分くらいじっとしてなきゃいけなかったんだけど、痛みがある部分をぎゅっと圧迫されてものごっつい痛かった。脂汗で「痛いです」と訴えても、「あと少しですから!今やめちゃうと撮り直しになっちゃうので!」と激励されて、(それもそうやな…)と歯をくいしばって(比喩でなく)耐え忍んだ、という経緯があった。
なので、それを言うと、
「今回は造影剤はないので、大丈夫ですよ」
と言われた。
前の人が終わるのを待っている間、時間があったので、壁に貼ってあるポスターを熟読していた。
「人間の身体はほぼ水分で出来ているので、沢山の水素原子核がある。MRIの強力な磁場の中に入ると、その原子核が一斉に同じ方向を向く。磁力を切ると、それぞれの核がエネルギーを放出する。その信号を受信し、画像処理する。各臓器の形、病変がよくわかる」
云々、読んでいるときは、ほうほう、なるほど…と分かっているつもりだったけど、うーむ、こうして改めて書いてみると、何のこっちゃサッパリ分からんな。笑
そうこうするうち、
「湖谷朔さーん!」
と呼ばれ、中へ入った。台に横たわり、なんか色々指示されたけど、細かいことは忘れた。
ただ、白い筒の中へと進んでいくのが(『挿入』という表現がぴったりだな…)と思ったことは覚えている。
耳元で、工事現場みたいな音がずっとしていたけど、10分もすると慣れてしまって、しまいにはウトウトしていたらしい。右手に持ったナースコールのブザーがころんと転がる感覚ではっと目が覚めた。
クリアな画像を撮影するため、動くの厳禁なので、再撮影にならないよう、じっと「静」を保つ。呼吸も出来るだけ静かに。
前回、痛かったやつは40分くらいかかったけど、今回は15分程度で済んだ。
【術前検査】
MRIの画像撮影の後、もう一度診察室へ行き、今度は術前検査のついての説明を受ける。これもすべて同意書にサインしていく。
レントゲン、心電図、呼吸機能検査、血液検査、尿検査。
MRIと合わせて、全部で3時間くらいかかった。
【入院申込手続】
入退院の手続専用窓口というのがあって、そこへ行って手続をした。
ここで、改めて入院までの流れの説明を受ける。
入院の際は必ず家族についてきてもらうこと、今はコロナ禍なので当日PCR検査を受けなければならないこと、面会は禁止であること、云々。
入院前、3週間くらいは毎日体温を計って記録すること。
1週間前から薬もサプリも飲まないこと。
「年齢的に、心配はないと思いますが…」
という前置きつきで、一応せん妄についての説明もされた。
この日はこれでおしまい。
この病院、タッチ式の自動精算の機械がなくて(今どき?)と驚いたんだけど、コロナのために撤去したのだそうな。
銀行のATMもすべて、この春になくしたんだって。
徹底しとるのう~。
MRI撮影もあって、検査もたくさんしたので、一体いくら請求されるのか震えながら待っていたが、1万円弱くらいで済んでホッとした。
帰り、売店と食堂を覗いてみた。売店はセブンだったかな。何でもある。
お腹が空いたので、豚カツ定食食べて帰りました。