おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

「ミニオンズ」を見て本気で驚いた話。

 この黄色いキャラクター、前々から気にはなっていた。

 面白いらしいという噂も聞いていて、ふーん、一度映画を観てみようかしらん…と思っていた。

 なので、こないだ地上波でやっていたのを録画して観てみたわけです。



 いやー……驚いた。

 あまりにも中味がないのに。




 あ、お断りしておきますが、決してdisってないです。軽蔑とか、呆れるとか、そういうネガティブな印象は一切抱かなかったことを最初に明記しておきます。

 ただし、褒めてもないです。笑 

 ただただ、「驚いた」という正直な感想になります。



 まあ一個人のブログなんでね、思ったことを書きますよ。

 昨今、炎上よけなのか何なのか、何でもかんでも

「個人の感想です」

てつけるじゃん。あれ見るたびに思う。(そんなの当たり前じゃない?)と。

 何かの作品を見て、感動する人もいれば、(なんだコリャ)とガッカリする人もいる。それはその人の自然な心の働きであって、誰に咎められるものでもないはずだ。

 その感想を素直に記す。それの何がいけないのか。

 批判するならするで、関係者や、それこそ演者の親兄弟、友達が目にすることを想定して書くべし、それが書く人の責任だと、以前も書いた。そういう、守るべきモラルはあるけれども、「感想を書く」というのは本来、何の制約も受けない、自由な行為であるべきだ。

 炎上を恐れて、毒にも薬にもならない提灯記事ばっかになったら、めちゃくちゃ退屈でつまんない世界になってしまう。

 というわけで、思ったままを書かせていただきます。




 いやもう、ビックリしたんですよ。

 見終わって。

 

 得るものが何もねぇ……!!!

 

 ということに。




 粗筋を紹介することはしない。普通、どんな映画の感想にも、ストーリーが多少なりとも必要になるものだけど、この映画に限ってはない。

ミニオンズ」という生き物がいて、太古の昔から存在する…というのは多分、後付けの設定なんじゃないかな、と思った。だって、有史以前からいる割に、名前がケビンとかスチュアートとかTHE☆アメリカンネーム。テケトーやな…と思いながらなんとなく流し見してたら、

石器時代、新しい生き物が現れた。そう、人間だ」

というナレーションで、(あー、時代考証とか全然しない感じなのね)と分かった。

 だって、人間が使う道具の種類で「石器時代」と名づけたのであって、実際は石器時代の遥か前に人類は誕生している。そこんとこ、まるっと無視らしい。



 まあそんなことはどうでもいい。

 そんなところに引っかかっていたら、この映画は鑑賞出来ない。

 そう、多分「ツッコんだら負け」カテゴリーに分類される作品なのだと思う。



 だがそれにしても、だ。

 こんなにも、

 

「見る前と見た後とで1ミリの変化もない」

 

 映画も珍しい。




 何も、教訓がないことがよくないと言っているのではない。教訓を求めて作品を鑑賞することはないからだ。どんな映画も、つまるところ「面白ければそれでいい」。

 けれども、ですよ。「ツッコんだら負け」カテゴリーのギャグ漫画だって、何かしら心を動かされる部分、ありません?

おじゃる丸」しかり、「忍たま乱太郎」しかり。「クレヨンしんちゃん」の映画だって、あんなに大人の心を動かすじゃないか。今やもうレジェンドになった「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大作戦」は私も見たよ。泣いたよ。「BALLAD 名もなき恋のうた」という実写編を生み出したことでも有名ですね。

 でね、「おじゃる丸」でも「忍たま」でも、誰かしら一人は、好きなキャラクターがいる。推しじゃなくても、10分ほどのアニメを見ながら、色々共感する。

 それが、「ミニオンズ」では、まったくない。

 どのキャラクターの言動も、全然共感出来ない。まず主役のミニオンズはそもそも何言ってるか分かんないし、途中で現れるキャラも、メインも雑魚も「悪者」という前提で、「愛すべき悪者」なんじゃなくて「ホントーに悪者」なのだった。

 スカーレット・オーバーキルは、最初ちょっとクールでカッコよかったんだけど、本性は強欲で凶悪。後になればなるほどカッコ悪くなっていく。

 まあこれは、子どもが見るであろう作品で、犯罪者を美化してはならぬ、という方針に基づいて作っているのかもしれぬ。知らんけど。

 観終わった後、

「好きなキャラクターは?」

と聞かれたとしても、一人も思いつかないし、

「共感した台詞は?」

と質問されても、全然ない、としか言えない。



(すげーな…)

 

 と、思ったわけです。

(お金かけてこんな映画作るアメリカ人の感性、やっぱ只者じゃねーわ…)

 と。



 もう一つ、

(さすが、スポンジ・ボブを作った国)

 とも思った。

 スポンジ・ボブ、一度見てみたことあるけど、あまりにも内容がなく、バカバカしいので、見る時間が勿体なさ過ぎる、と視聴をやめた。

 そう言えば、黄色くて目がでっかい点がミニオンと似ている。




 でもね、人間、どうせ何か作るなら、「いいもの」を作りたいという願望があると思うんですよ。

「イイ話」にするために、何ならちょっと盛ったりするし、出来れば話にオチをつけて、ウケを狙いたいのが人情というものだ。

 ここまで徹底して「意味」を排除しているということは、何らかの意図があってのことなのかなあ……と、そんなところが気になって、考え込んでしまった。

 誰かご存知の方いらっしゃったら教えてください。




 この世には色んな価値観があるなあ。自分に理解出来なかったとしても、否定はしないでおこうと思う。今は分からないことでも、何年か経ったら180度評価が引っ繰り返ることもある。

 それがまさに岡本太郎と「太陽の塔」だったりするんだけど、その話はまた今度。