⑨ってなあ……書き始めてから1カ月経つけどまだ劇場版のレビュー書き終わらないってどういうことやねん。(感嘆するときは大体関西弁になります)
一体いつ終わるんや……とちょっと呆然としてしまうが、一度書きだすと止まらない己のクセのせいなので、「自業自得」の他言う言葉がない。この場合「自縄自縛」でもいいかもしれん。
まあそれはさておき、今度こそSASUKE編!
倉庫の前で鉢合わせる牧と黒澤。
顔を見合わせる2人。
「…まだ見つかってない」
と部長が言うということは、やっぱり何らかの方法で連絡は取り合っていた様子。
とそこへ、ドーン!!!と爆発音が響く。
アレですね、薫子が放り投げたやつです。
血相を変えて走り出す2人。…が、黒澤部長の黒靴が片方脱げてしまった。
この靴の片割れが、後々も物語を生み出すことになるのだが、それはまだ先のお話。
倉庫の入り口からドォォォン!!!とシャレにならない轟音と共に炎の塊が噴き出す。
中から押し出されるように出てきた数人、鳳凰山リゾートの下っ端社員でしょうか。ぎょっとして振り向いているのがホンモノの驚愕に見えます。笑
ここに揃うは、武川主任以下、マロ、マイマイ、そしてジャスティスの天空不動産社員たち。
そのうち無言で走り出したのはジャスティスだった。
倉庫というか、廃工場、というのかな、この舞台。
時限爆弾の威力がどれほどのものだったのか、詳細は不明だが、んまあ燃え方が実に景気よい。そして非常に都合がよい。笑
あちこちで大小さまざまな規模の爆発・炎上を繰り返しているところを見ると、昔ここで扱われていた材料が可燃性で、廃止された後もきちんと処分されずに残っていた、というところだろうか。
それか、
「面倒なことになったら工場ごと燃やしてしまえ」
と鳳凰山リゾートのボス(朱さんでしたっけね)から乱暴な指示を受けた下っ端の連中が、燃えるものをテキトーに撒いといたか。
「こんくらい撒いとけば燃えるんじゃね?」
「えーでも、そんなに撒いたら絶対助からないじゃん? 人質女の子だぜ?」
「そうだけど、ボスにバレたらさ…」
とかなんとか、ワルになりきれない手下が、手加減して撒いといてあげた、とか。それが入り口から逃げ出した数人。
とまあ、整合性を求めると、つじつまを合わせることは出来なくもないですが、壮大なツッコミどころのうちのほんの一部に過ぎないので、どうでもいいと言えば非常にどうでもいいです。笑
さあそこで切って落とされた熱戦の火蓋。
そう!
武蔵v.s.牧 SASUKE DE 春田救出大作戦
「この先は危険だ! 戻りなさい」
と息を切らしながら牧に命じる部長。いやいやいや、ここまでも十分危険だったと思うけど、そんなことに構っていられる2人ではないのだった。
牧は当然戻ろうとしない。
「上司命令だ、戻れ!」
「記憶喪失だとかウソついて、ワンチャン狙ってるんじゃないですか!?」
ハイ、出ましたー。牧くん、黒澤部長に対しては最初から「春田さんを狙うライバル」認定だから、んもう闘志剥き出しだよね!!
そして実は、心を秘めがちな牧くんが唯一本音を言う相手が部長でもあるんだよね。
だから黒澤部長は、春田とはまた違う方向に正直で、自分の心にまっすぐなキャラだ。
「嘘じゃないもん!!」
と牧に向かって叫ぶ部長。
「俺は、ちゃんと自分の気持ち、伝えたいだけなのー!!」
「いちいち言わなくても伝わりますよ、そんなの!」
「出たー!!」
と振り返って牧に人差し指をつきつける部長。
「何にも言わずに分かって欲しい構ってヒロイン、爆誕!!!」
あ、言ってましたね。牧がヒロインポジだと、徳尾さんが部長の口を借りてちゃんと指摘してました。
そしてまた、「おっさんずラブ」25番目の名言も同時に爆誕したのでした。
※数字はテキトーです。笑
さすが部長、表現に手加減というものがありませんが、まったくもってその通り。
牧の一番のウィークポイントを、小憎らしいまでに衝いている。
言い当てられた牧、頭に来ただろうね。人は図星をさされると立腹するのだ。
「なんなんですか!」
と怒鳴る牧に、さらに武蔵が言い募る。
「それってさあ、結局プライドが高いだけでしょ!? 本音でぶつかるのが怖いだけでしょぉー!?」
動揺が牧の脚元を覚束なくさせ、足を踏み外してしまった!
牧の手首をがっ!と掴み、炎の中で部長が叫ぶ。
「カッコ悪いところも全部見せあえるのが本当の愛なんじゃねえのかよー!!」
「ファイトォー!!」「いっぱぁぁーーつ!!」
と往年の有名CMの掛け合いが聞こえてきそうな暑苦いえ血沸き肉躍る名場面でございます。
そんでこの二人、こんだけ腹から声出して叫び合いながら、ターザンみたいにとりゃぁッと縄ダイブするわ、燃え盛る炎の上を「うんてい」の要領で向こう側に渡るわ、結構な運動量こなしてますからね。牧はともかく部長がすげーわ。
言い合いしながらも、梯子を上る部長の尻を押してあげる牧が可笑しい。
おかしいと言えば、これだけ火がぼうぼう下で燃えていたら、絶対その辺のものは何もかも熱くなってて、うんていどころではないと思うんだけど、もうそんな細かいことは総スルーでいこ!!
先輩たちがもちゃもちゃやっている間に、ジャスの方が囚われの部屋に着いてしまった!
おお、ここも部屋の外にちゃーんとツルハシ様の道具が置いてあったのだな! そしてそれでごんごん叩けば崩れてくれる薄さの壁だった、と。
しかしここで助けられるのは薫子お嬢様のみ。
「春田さん! 早く!!」
と悲愴な顔で呼ぶジャスの前で、無情にも柱が燃えながら倒れてきて、春田との道が閉ざされてしまう。
「春田に本音を言わせる」という役割を果たした薫子お嬢様、ここで退場と相成りました。
ここへきてまだ辿り着かない牧と武蔵。しかし、衝突しながらも力を合わせて障害物をクリアしてきているので、進路にたちはだかる網を蹴とばす連携プレーなんかもう、感動的に息ピッタリ。
この二人、ジャスよりも相当遠回りしてるんじゃ……という疑惑が脳裏をよぎりますが、大丈夫。
ここでやっと、春田のもとへ到着しました。
気を失って倒れている春田。もしかするとあの後、さらに上から何かが落ちてきて、頭に当たったのかもしれない。(酸素不足で…ということだと救助にきた二人が無事である説明がつかないので…)
先を争って春田の身体に飛びつく牧と武蔵。
「息をしてない…!」
とここで、第二のゴングがカーン!と鳴った模様。
恋人の牧がいるのに、
「俺が…!」
と春田に人工呼吸を施そうとする武蔵。
「何やってんですか、俺が…!」
と部長の身体を押しのけて突き飛ばし、春田の唇を確保しようとする牧。
「い、一回だけ!」
「何が一回だけだよ!」
「俺がはるぽんを白雪姫にするんだ」
「何言って……!!」
春田を前に、男二人一歩も引かず、文字通り組んずほぐれつのバトルを繰り広げていますが、(早くしないとはるたん死んじゃうぞ…!!)とこちらのツッコミの声が聞こえたか、牧が部長を突き飛ばしたとたん、またしても燃え崩れた柱が都合よいやいや非情に部長と春田&牧を分かつ。
炎の中、息を吹き返す春田。
「アイルビーーーバーーック!!!」
の名セリフを残して、ここで武蔵、退場。
退場した武蔵、炎の中で迷うかと思いきや、爆発で道が開けて、無事に外へ脱出出来た模様。
「中での用が済んだら爆発がちゃんと脱出ルートを作ってくれる」という仕様なんですね!
SASUKEシーンもそうだけどさ、「息をしていない春田と人工呼吸の権利を争う部長&牧」の場面も、相当遊びをつっこんできたな、と思うよね!
どの要素もこれまでドラマや少女漫画で見てきた「あるある」要素だけど、こうやって料理されると、絶妙に笑える「おっさんずラブ」のスパイスというか味付けになっている。
この都合がよすぎる爆発シーン、賛否両論かもしれないけど、私は好きだし、ここがあってよかったと思う。
おっさんずラブに、真剣な「ハラハラドキドキ」は要らない。こうやって「都合よすぎだろー!」とツッコミながら、(最後は誰も死なないんだな)と安心して、ノンキに笑って鑑賞していたい。
笑うと言えば、この場面ほど客席から大きな笑いが起きていた場面、なかったもん。ターザンの辺からもうどっと沸いてたし、春田に人工呼吸しようとして本気で突き飛ばしあいからの「い、1回だけ!」でもう、爆笑の渦でした。私も何度もお腹を抱えて笑ったよ。
だからもう一度言うけど、
劇場版おっさんずラブに爆破・炎上はあってよし!!
以上、ワタクシのファイナルアンサーとさせていただきます。(特に誰からも聞かれてませんが…)