おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい 第3話感想:Guilty!

 ところで、黒沢くん、スーツのジャケットだけ脱いで、シャツにベストという恰好をよくしてるんだけど、黒沢にベストを着せた人、天才だと思う。

 あれ、筋肉が適度にないと、綺麗に着れないじゃないですか。

 町田啓太が演じる黒沢は、胸の筋肉も背中の筋肉もちょうどよくて、でも腰は細いから、ベスト姿が映える。

 夜のビルで、街を見下ろして憂いに沈む黒沢。 

 男の片思い、セクシーですね。



 第3話で存在感を放っているのが六角くんだ。

 六角、スピンオフでも驚異の鈍感力を発揮していたけど、あんな場面やこんな場面に立ち会っているのに、なーんにも気づかない。笑

 ぐいぐい行きたい黒沢にとっては邪魔だったり、ぐいぐい来る黒沢の勢いを止めたい安達には救いの神だったり、なかなかのジョーカーぶり。

 ノリのいい今どきの若者と見せて、実は中身は繊細で、周りの空気を壊さないためにじっと我慢していたりもする。

 特にハッとさせられたのは、居酒屋の場面。

王様ゲームとかマジ時代錯誤すぎて引くんすけど」

とサラッと言い放つ場面だ。

 あそこ、すかっとしたよね!

「六角くん、見直したよ」

という藤崎さんの台詞と共に、特にクローズアップされる箇所ではないんだけど、心に残る。

 私もここで一気に六角くんが好きになりました。




 六角のポジションて、話を作る側からすると便利なんですよね。メインの2人の間に投入して引っ掻き回させたり、第三者の視点から状況を台詞で説明させたり。

 だから、ステレオタイプになってしまうキライがあるんだけど、「チェリまほ」の優れている点は、どのキャラも決してステレオタイプに描かれていないところだと思う。

 ある点で鋭さを発揮する六角は、一方でビックリするほど鈍感で、センサーが働いてない。

 空気を読んで自分を殺す部分もあり、あえて空気を読まず爆弾を投下する度胸もあり。

(あーいるいる~こんな人ー!)

てなる。

 でも、なんだろな、既存の出来上がった何かを壊してくれそうな、そんな生き生きとしたエネルギーに満ちていて、目が離せない。




 しかし、「チェリまほ」で最強のカードはなんといっても黒沢だ。

 町田啓太が演じる黒沢雄一という男、キャラとしても演者としても、ともかく強い。

 自分が見た目で得をしていると気づいて、そのために努力もしてきたけど、内心コンプレックスに感じてもいるって、容姿に相当説得力がないと視聴者の支持を得られないけど、その部分に異を唱える人はいないんじゃないだろうか。

 というか、

「あー……」

 て納得してしまう。黒沢だけじゃなく、町田くん自身、色んなイケメンエピソードの持ち主なんじゃないか、と。

 私は彼の外見に関して、(わぁ、大変そう)という感想を抱いた。

 人並み外れて美しい容姿を持っていると、目立つし、目立つことで色んなことが起こる。それが、本人にとって好もしいことばかりではない。

 こういう人はもう、外見を武器にするしかないと思う。芸能人を選択したのはよかったと思います。

 まあそれはさておき。

 このすんっとした涼やかな表情の下で、安達を対象にめちゃくちゃ妄想を繰り広げてるから、その落差が爆笑を生む。心の声はテンション高いし。

 笑いの渦の中心でもあるくせに、「チェリまほ」の切なみ担当で、安達が心の声を聞けるという設定であるがゆえに、我々視聴者は黒沢が安達に寄せる秘めた思いを縷々、聞かされることになる。



 黒沢は安達に告白するつもりはないし、同期として安達が居心地悪くない距離感を守って、「傍にいられたらそれでいい」というスタンス。

 酒席での王様ゲームなんて、言ってみればよくあるおふざけなのに、それに乗っかって安達にキスできるのを喜ぶでもなく、むしろ罪悪感を抱く。

(ごめんな、好きになって…)

 とか心の声で言われると(しかもあのイケボ)、切なさの極みで、胸をかきむしりたくなる。




 これを毎回見させられていたんだから、そりゃ、黒沢のこと好きになっちゃうよね…!

 黒沢がカッコよくて、可愛くて、健気すぎて、彼の思いが少しでも報われますように……と祈りながら過ごした木曜の深夜だった。




おっさんずラブ」と「チェリまほ」、分析してみると、共通の要素が幾つもあるんだけど、「想いを秘めた額へのキス」もそのひとつ。

 牧から春田への公園でのキスも美しい名場面だった。

 この、黒沢から安達への思いやりのキスも、綺麗でしたね。

 目を閉じて唇を寄せる黒沢も、ぎゅっと目をつぶって待ち受ける安達も。

 私に絵心があればここを絵に描いて額に入れて飾っておくんだけど。




 第3話の終盤で、黒沢の想いがほんの少し報われたようで、よかった、と思う気持ちもありつつ、

「それ、どういう意味か分かってる…?」

と真顔で詰め寄る黒沢の立場に立つと、

(そうそう、ホンマやで。意味分かって言っとんか自分?)

と思う。

「イヤじゃ……なかったよ」

と、最初に言うのも可愛いのに、その次の

「違う違う! そうじゃなくて……」

の先の、「イヤじゃなかった。お前のキス」はさあ。。。

 なにが

「見た通りモテねえし」

やねん。クソカワイイっちゅーねん。

 口下手なクセに、「だから、」とか、「えーっと……つまり、、」とか口ごもった挙句に、あんな一生懸命言われたらさあ。

 で、何、その眼。きゅるんと可愛くて、熱っぽくてさ。



 そりゃね、火つけちゃうと思うYO!



 安達くん、Guilty!!