はー、ようやく第四話まで来たー。
もう早く第四話について語りたくてウズウズしてて、やっと語れる順番が回ってきたんでテンションが超上がってます。
この感想ブログを始めた頃、「5年経ってもレビュー書いてるかも」とどこかに書いた記憶があるんだけど、今でもう既に2年が経過してますからね。
でもいいの。「おっさんずラブ」に旬というものは存在しない。
沼民にとってはいつでも「おっさんずラブ」の季節。
でね、レビュー書くためにまた何度も何度も繰り返して見てるんですけど、第四話、超面白くないですか…?
春田の心情が動いて、物語の展開が加速していくので、エピソードがてんこもりで、ドラマの中盤の一話なんだけどまるで映画のよう。
で、演者の演技が「ノッて」きているように見える。はるたんはより一層はるたんらしく、牧はさらに牧みを増して、武蔵は武蔵、蝶子さんは蝶子さんの持ち味が爆発している。
脚本と演出と演技、場面を盛り上げる音楽やお弁当の小道具、すべてがかっちりとハマり合い、お互いを引き立て合って、絶妙な調和が取れている。
どのエピソードを見ても、めちゃくちゃ引き込まれる。全力でときめいて、笑って、かと思えばせつなくなって、シリアスになりかけてまた笑って……
いやーもーどんだけ面白いの。
このドラマ、推せる……!!(100万回目)
冒頭、いつものように朝食を作る牧のエプロン姿が眩しい。
この日のメニューは、
・トースト
・トマトスープ
・スクランブルエッグ
・ソーセージ
・野菜サラダ
・グレープフルーツ
ですね。牧くんらしい。
牧はちょっと怒っている。昨日、「なんで武川さんに余計なこと言ったんですか!」と怒気も露わに春田に詰め寄ったばっかりだしね。
むっつりとしたままスクランブルエッグを作っている。この牧の胸中、どんなものだったんでしょうか。
まあでも、料理って、なんかモヤモヤすることがあっても、目の前の作業に集中することでリセットできるということもあるから、無心で作っていたのかもね。
春田の方はと言えば、相変わらず、牧が「春田のためだけに朝食を作ってくれた」ことの有難みを感じる様子もなく、ぼーっとトーストをかじっている。
春田は春田で、昨夜からの騒動が繰り返し頭をよぎって、忘れられないわけで。
回想シーン、
「はるたんこと春田創一です」
とバカ正直に蝶子さんに自己紹介するポンコツぶりが可笑しいですね。笑
「はるたん!?」
と問い直されても、
「はるたんです」
と悲愴な顔で認めちゃってるし。
春田の腕にぴっとりと蝉のようにしがみつく武蔵。
「意味がよく分かんないだけど…」
と混乱する蝶子さんに、
「不倫!?」
と聞かれて
「イエまだ何も始まってません」
と説明を試みるも、隣から武蔵が
「キミとのことをちゃんとしてから…と思ってる」
と自分目線で余計なこと言うもんだから、その場が余計ややこしくなって、結果収集がつかない。
「卵……買いに行ってきます」
とりあえず「その場から逃げる」を選択した蝶子さん、振り返ると武蔵はまだ春田にへばりついたままで、視線を逸らす。
「もう少し時間をくれ…」
と頭を下げる武蔵。時間をかけて蝶子さんを説得したところで、その先に自分と何も始まらないことをなんとか伝えたい春田、
「奥様とのことを考え直していただけないでしょうか」
ここでも丁寧で誠実ですね。それはつまり、夫婦関係の破綻を避ける=自分と黒沢部長はつきあえない、と、春田の中で礼を失しないよう、遠回しに言っているわけだ。武蔵には全然伝わってないけど。
春田は必死なんだけど、部長に手を取られて手の甲にキスされちゃってるし、なんかもちゃもちゃやってるところを蝶子さんにフ〇イデー風の写真撮られちゃってるし、見ているこちらとしても、ハラハラしつつ、やっぱり笑っちゃって、目と心が忙しい。
(相談しようにも、牧は怒ってるし……)
ぼんやりと台所に目をやる、春田の視線の先に牧がいる。
自分が原因で起こっている騒動に対して、どうしたらいいのか分からない。それを、春田は牧に相談したかったんだね。
困って、ちょっとふくれっつらになっている春田の表情が可愛い。いやーこの顔、写メ撮って牧に送ったら速攻で「春田さんフォルダ」に保存するだろうね…!
頭を抱えた春田の前に、どん!と音を立てて弁当が置かれる。
「作りすぎちゃったんで、よかったら」
不愛想にそう言う牧。
(いやいやいや、絶対違うやろ。春田のために作ったやろ…!)
と内心全力でツッコミつつ、牧の春田へ向ける想いがひしひしと感じられて、(うう、胸が……胸が痛いッ…!)と、さりげないけど視聴者悶絶の場面ですよ。
驚いて、ぼんやりしつつも、
「ありがとう…」
とちゃんとお礼を言う春田。
「じゃ、先行きます」
と家を出て行く牧は、相変わらず愛想がなくて、まだケンカモード続行中ぽい。
「行ってらっしゃーい…」
と送り出す挨拶を向ける春田、なんかこのやりとり、めちゃくちゃケンカ中のカップルっぽいというか、パートナー感が感じられる。
目の前の弁当箱に目をやる春田。
まだちょっと怒りつつも、自分のために弁当を作ってくれたということが、ここで若干春田の中に「染みた」のかもしれない。
春田の中で、牧と一緒にいる日常が当たり前になってきている。
牧の存在が大きくなり始めている。
そんな心情が暗示されるオープニングでした。
で、そのお弁当の中身はと言えば、
・ごはん
・ミートボール
・卵焼き
・ウインナー
・ホウレン草とコーンのバター炒め
・にんじんと大根の煮物
・プチトマト
いやもうなんですかこの完璧なお弁当は。
春田が好きそうな(つまり子供が喜びそうな)おかずで、ちゃんと彩りと栄養バランスが考えられている。
愛……!!
30代の男性にしてはちょーっと量が足りないのでは…?と放送時思ったんだけど、公式本で春田も「実は少し足りない」と言ってたから、折り込み済みだったんですね!
春田はお酒も飲むし、ポテチなんかも好きだから、メタボ回避のためにカロリーコントロールしてるのかも。
「おっさんずラブ」に登場する料理は、どれもこれも手が込んでいて美味しそうだ。
画面に映る時間はほんのちょっとなのに、鮮烈な印象を視聴者に残す。
牧凌太という人物の心情も映しているし、誠実な人柄、丁寧で几帳面な性質、育ってきた家庭環境までも、見る側に想像させる。
第四話は、後半でも牧の料理が効いている場面がある。
フードコーディネーター赤沼さんの面目躍如の回でもありますね。
続く!