おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

テレビは生き残れるのか

 コロナによる自粛生活がもたらした変化はたくさんある。

 何度か触れているけれども、YouTubeをめっちゃ見るようになったことも大きい。

 有益な情報が落ちている、だけでなく、今まさに時代が変わっていってるな…というのをまざまざと感じたのだった。

 

 

 非常事態の興味深いところは、人や物事の本質が否応なしに露呈してしまうことだ。

 地下鉄サリン事件のときに私が思ったことは、(現場は目の前の出来事に対して誠実に取り組むし、実際熱意も処理能力もある)ということと、(それに引き換え組織は弱い……!)ということだ。

 これはこの国の特徴でもある。

 末端のレベルは高いのだ。震災で崩れた店に列を作って順番待ちで買い物をした人々。コロナ禍にあって、開いている店は普段とはまるで違う様相になったけれども、レジの担当は金額を間違えたりしないし、手渡ししなくてもきちんと「ありがとうございました。またお越しくださいませ」と笑顔で接客する。

 ところが、組織になった途端、処理の能力もスピードも壊滅的になる。多分、物事の優先順位をつけるのがヘタなんだろうな。特に前例と慣習で動いているようなお役所仕事ほど、迅速かつ臨機応変な対応が出来ず、驚くべき無能さを発揮する。

 アベノマスク、皆さん届きました? うちはまだ来ません。

 ていうか今更布マスク2枚なんてどうでもいいし……

 私は安倍首相を特に支持はしていないけど、あのバカみたいなちっちゃいマスクをつけて毎日質疑応答しているのを見ると、彼本人というよりかは、(周りがアホなんだな…)と思わざるを得ない。

 一国の首相をあの情けない姿で人前に出すなよ!と思う。

 優秀なブレーンがいないんだね。嘆かわしい。

 

 

 まあそれはさておき。

 このコロナ禍で、その闇深き実態が白日のもとに晒されたものがひとつある。

 そう、それがテレビ。

 

 

 以前、こんな記事を書いた。

ktdmtokttn.hatenablog.com

 

 ひとりの医師の意見ではあるけれども、素人からすればとても分かりやすく、なるほどと思える内容を紹介した。

 ところが、この後、テレビを見ていてどうも不思議だった。PCR検査の数を増やさないことが悪のような報道が連日なされていたからだ。

 最初は、ああそう、やはり専門家の間でも評価が分かれているんだな、と思っていたけど、風向きが段々変わってきて、(あれ、前読んだあの記事の内容はなんだったんだろう? 私はあの意見、もっともだと思って納得したんだけど、間違ってたのかな?)と疑問を感じ始めた。

 そこへ、テレビに出た医師が抗議しましたね。

「自分は『PCR検査の数が少ないことがよくない』などと言っていない。むしろ逆のことを言っているのに、編集によって正反対の意見を言ったかのように報道された」

と。

(あー……やっぱりな。そうだったのか)

と私は思った。

 そして、またひとつ、テレビにガッカリした。

 

 

 あのね、私くらいの年の人って、テレビが多分一番親しみを持っているメディアなんだけど、もう散々裏切られて騙されてきてるんですよ。

 だからもう、この手の暴露には驚かないんだ。耐性が出来ている。

 でも、見たときには信じますわね。だってそれが真実だ、という体で報道するんだから。編集があることを知っているし、テレビという媒体がときにこうして恣意的な偏向報道をすることも知っているけど、毎日毎日疑っているわけじゃない。

 で、特にこんな大事な内容を扱った報道番組が、そんな酷い編集をしていると知ったら、それまであった信頼がさらに減るじゃないですか。

 

 

 で、あのショッキングな事件が起こったわけだ。

 あれだって、リアリティを謳ったテレビショーが招いた悲劇とも言える事件でしょう。制作側の問題だ。

 打ち切りが決まったことは聞いたけど、あれ、制作側の人間が人前に出てきて、謝罪会見なりなんなり、開いたんですかね。寡聞にして私は知らないが。

 

 

 若者がテレビを見なくなった、と嘆くけれども、そりゃそうだよ、と思う。

 こうやって自ら、

「うちらウソばっかなんでね! 信じた? そりゃ信じる方がアホでっせww」

みたいな、信用を失墜させるような行為を、わざわざ長い時間とお金をかけて丁寧にやっている印象を拭えないです。私は。

 業界の人がどう思ってテレビ番組を作っているか知らないけど、多分、世間はかなり、そこのところの虚飾と慢心を見破っている。

 金ばかりかけてくだらない番組をいくら作っても儲かって仕方なかった時代はとうの昔に終わっているのに、テレビ業界の作る側の人たちって、どうもその幻影から逃れられていないイメージがある。

 テレビに出る人がエライって思ってません? なんなら、テレビに「出してあげる」立場である自分たちが、全知全能の神のようにエライって、未だに思い込んでませんか?

 なんかねえ、そういう臭いがぷんぷんとするよ! テレ朝もフジも日テレも。

 番組のオファーが来たら、超上から目線で来られて、イヤな思いした挙句出演自体がなくなった、なんて話、ツイッターにはよく落ちてるもんね。

 

 

 自分の好みで申し訳ないけど、私は日テレのある一部分がすごく嫌いだ。

 ジブリの映画をよくやるじゃないですか。まあそれはいいよ。皆大好きだからね。

 でもさ、「全人類必見!」はさすがに言い過ぎにも程があるだろうと思う。あのバカみたいな大げさなキャッチコピー、バブル期の過剰なインフレを思い出させて寒気がする。ナウシカみたいな内容ならまだ分かるけど、「魔女の宅急便」をコートジボワールの人が見て感動するのかどうか、私には分からない。

 あと、「風が強く吹いている」の影響で、いっとき箱根駅伝の生中継も見るようになってたんだけど、アナウンサーの実況が寒くて聞いていられず、苦痛を催すのでやめてしまった。

 頑張って走っているランナーの背景を語るのはいいけど、両親がいなくてお姉さんが苦労して育てたとか、震災で肉親を失った悲しみを堪えてとか、それ走りに何か関係ある? なくない? ていうか全国放送でそこまでプライベート情報晒すのになんのメリットがあるの? …と、お涙頂戴路線に拒否感がつのる一方で、本当にアレで日テレのスポーツ実況はアレルギーになった。

 いや、日テレの番組の全部じゃないですよもちろん。好きな番組もある。

 でも、全体に言葉のチョイスが古いんだ。そしてダサい。

 箱根駅伝の実況ね、仮にもアナウンサーなら言葉のプロのはずなのに、アレで視聴者が感動すると思っているなら、どうかしている。マジで一から勉強し直した方がいいと思う。

 

 

 何が腹立つって、テレビは視聴者のことを「バカだと思っている」ということだ。

 上に挙げた全部そうでしょ? バカが見ると思っているから、下に下にレベルを下げて番組を作るのだ。

 そして前に書いた通り、私は「バカだと思われる」ことが嫌いだ。

 対面で人に思われるのとはまったく別問題で、会ったこともないやつに「バカ」を前提にされているかと思うと、死ぬほど腹が立つ。

 

 

 ああ、テレビの悪口を書いていたら止まらなくなった。キリがないのでこの辺にしとこう。

 そこでYouTubeですよ。

 テレビで見なくなった芸能人がYouTubeにいた。テレビ局の恣意的な編集なしに、自分の編集で番組を作っている。

 それがどれも面白かったの。

 あとね、その人たちが、テレビで見て感じていた印象と、全然違っていた。オリラジのあっちゃんとかね、私元々結構好きなんですけど、テレビのとんがったイメージなんかないですよ。めっちゃいい人やん。カジサックもダイゴもそう。

 あーそうか、と思ったよね。

 やっぱり、テレビ局の編集によって「作られた」イメージを、私たちはその人そのものだと思わされていたんだなあ、と。

 

 

 上に挙げた3人は、YouTubeを主戦場として、真剣に番組作りに取り組んでいる。

 視聴者のニーズを把握して、それに合ったものを提供しようと、真摯に向き合っている。

 いやー、あっちゃんはYouTube向きだよね。しくじり先生でやってたあのプレゼン、見たかったから、やってくれて嬉しかった。

 

 

 この人たちがトップユーチューバーになってくれてありがたいのが、質が良い動画の作り手が上にいると、全体的な質も向上する、ということだ。

 質の悪い、適当なものは淘汰されていくだろう。

 たくさん儲けようと思うと結局、「誠実」から得られる信用が第一であるように、こうした世界も、信頼される作り手が生き残っていくのだと思う。

 

 

 YouTubeの世界からテレビ業界を見てみると、その旧態依然ぶりがますます際立つ。

 あー、キングコング西野が言っていた「時代はすごいスピードで変わっていくのに、テレビはびっくりするくらい変わらなかった」という台詞が心に残る。

 そう、古いんですよ。

 完全に時代に取り残されている。

 

 

 でもねえ、なんだかんだ、テレビって見ちゃうんですよね。。

おっさんずラブ」で、テレビドラマってまだこんなに面白いもの作れるんだ…!と感動させてくれたじゃない、とも思う。

 リモコンでピッとやれば見れてしまう、誰でもがアクセス出来るメディアとして、やはりまだテレビの威力は凄い。パソコンには苦手意識が先に立つ人もまだ多いだろうけど、テレビに苦手意識を持つ人はあまりいないだろうと思われる。

 だから出来れば、テレビの作り手側に変わって欲しい。

 時代の変化を読み取って、ギョーカイ体質を改め、誠実でよい番組を作って欲しい。

 

 

 まあそれには、頭の固いジジイご高齢のお偉いさんにはとっとと隠居してもらって、世代交代して、お金の回り方を健全にしなければならないと思うけれども、その自浄能力があるかどうか。

 どうでしょうね。

 

 

 どのみち、もう変化は止まらない。コロナ禍が変化のスピードを倍以上に加速させてしまった。

 今変われなければ、テレビ業界は人が離れていく一方になるだろう。

 10年経たずに答えは出てるだろうな。

 

 

 ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます。

 このボリュームの記事を書くのに大体小一時間かかるんですが、平日の夜帰ってから書いてると、全然他のことが出来ない。作り置きも筋トレも。

 壊れたお風呂は結局修理が不可能な古い機種だそうで、今度の週末までは銭湯通いが続くんですね。

 なので、お風呂に入れるようになるまでは平日夜の更新はお休みとします。

 ご了承いただきたく。

 

 

 では本日はこの辺で。