モヤる。
ところで日本語って便利な言葉ですよね。
私がもうずっと前から感心しているのは、どんな言葉であっても、最後に「る」をつけてしまえば動詞に出来ちゃうことだ。
学生時代、試験前みんなで勉強していて、クラスメイトに
「これ、コピってくるわー」
と言われて驚愕したことがある。
「コピーする」→「コピる」と省略形で鮮やかに動詞を造語してみせたのと、また、それが即こちらに意味が分かるのと。
「コピー」のような、元々英語由来の言葉だろうがなんだろうが、「る」さえつければ日本語の動詞になってしまう。「トラブル」も、元は英語の名詞だが、
「いやーちょっと昨日の客とトラブっちゃってさー」
などと、ごく自然に日本語の文脈に動詞として溶け込んでしまう。
日本語という言語のポテンシャルの高さよ。
なんでそんなことを言い出したかというと、昨日の記事にいただいたコメントに「モヤる」とあって、その連想で思い出したのだった。
元は「モヤモヤする」からの、省略語なんだろうけど、今や「モヤる」で十分通用する。
で、今回のこの、5年ぶりの「おっさんずラブ」天空不動産続編決定!という発表にあたって、叶わないと思っていた夢が叶いそう、嬉しい!というポジティブな感情だけにひたりたいのに、心の奥底にどうしても拭いきれないネガティブな思いが立ち込めているのを感じる、これを表現するなら
「モヤる。」
という言葉がぴったりなんじゃないかなあと、思ったのだった。
2018年、「おっさんずラブ」が連続ドラマとして放映されていた当初からリアタイで見ていた方々、OL沼のいわゆる「民」の皆さま。
今回の続編発表、手放しで喜んだ方が一体何割いただろうか。
私もね、正直、このところはOL界隈から離れていた。
自分のこのブログの、OL関連の記事を読み返すにも、何だか心が痛んで、読まないでいた。
それが今回、久しぶりに読む気になって、読み返していたら、当時の自分の熱量に驚き、また勢いに押されて、圧倒された。
そうか、こんなにも真剣に私はこの作品を愛していたんだな、と改めて感心してしまった。
これとか、
これとかね。
久々に読み返してたら、涙が出てきた。通勤電車の中なのに。
そんで、色々と記憶がよみがえるじゃないですか。
ついつい、その先も読んだよね。
この記事を読んで、まざまざと思い出した。
そう、我々は一度、「おっさんずラブ」公式には手酷く裏切られているのだった。
それはもう、「裏切り」と呼ぶしかない行為で、Season1の放映中と放映後の蜜月期が幸せ過ぎた反動もあって、多くの民がOL公式に別れを告げ、背を向けた。
それから4年だ。時間が経ったとはいえ、たった4年。
忘れるには早すぎる時間ですよね。
お空編の何がそこまで我々の逆鱗に触れたのかと言えば、
「分かってくれていると思ってたのに、私たちが『おっさんずラブ』のどこを愛したのか、公式が全然理解してなかった」
ことが露呈してしまったからだった。
いや、でもね、2018年、「おっさんずラブ」が爆発的にヒットして、OL沼が爆誕した当時、公式と我々は確かに相思相愛だったはずなんだ。そこはもう、疑いがない。
その時の公式と、お空編発表後の公式、中の人がまるっと入れ替わってしまったくらいに「別人」感がある。
どんな「大人の事情」があるか知らんが、何か公に出来ることがあるなら、今からでも教えてほしいくらいだ。
さて、ここまで手酷く裏切られた経験がある相手を、再び信用できるのか?という話ですよね。
正直、927OL事変以前と同じ気持ちで信じることは出来ない。
そういう人は多いんじゃないだろうか。
少なくとも、私は無理。
一度、心の中で引導を渡した相手だ。もう二度と信用することはないと思っていた。
なので、今の気持ちは、
「ともかく続編ドラマを待つ」
この一点ですね。
春田と牧と武蔵、この三人が織りなす物語の続きが見られるのは本当に楽しみ。
楽しみだけど、その続編が、私たちが待ち望んだ物語なのか?というところには、一抹の不安がある。
また何か、トンチンカンなことをやらかすんじゃないか?
民の誰も望んでないサプライズで視聴者をドン引きさせるんじゃないか?
「楽しみに待つ」というのは、その辺も織り込んでの「待つ」である。
まあ、なかなかね。あのレベルの裏切りを経験すると、復縁するにしても、すんなりとはいきませんよ。
そう感じているかつての激熱OL民の方、少なくないと思うな。
この際、その辺のモヤモヤも、共有しつつ、「お帰り牧くん!」と言えるその日を待ちましょう。
ね。