おっさんずラブが好き!

ドラマ「おっさんずラブ」の細かすぎるレビューブログ。OLの深い沼にハマって当分正気に戻れません。ほぼおっさんずラブの話題しかないかもしれない。ネタはバレまくりなのでご注意を。

夢見たっていいじゃない

 昨日の劇場版、楽しんで鑑賞した。

 去年の夏、この映画の放送を待ちわび、ここでレビューを書き綴りながらわくわくしていた気持ちも鮮やかに思い出した。

 公式との蜜月も。

 

 

 しかし、あの夏を思い出すと、漏れなくOL沼に激震が走った927OL事変がこの劇場版公開中だったこともくっついて出てくるわけで。

 いやー………大変でしたよね。あのとき。沼民の全員がさ。

 一度起こったことは覆せない。「もし〇〇だったら」「△△であれば」と後からどれだけ言ったところで、もうどうにもならない。

 だから、タラレバ話は普段しない。あのときも、そういう不毛なifトークは極力避けて、脳内と感情を整理するための記事を何本も書いた。

 

 

 でも……でもね……

 やっぱり、思っちゃうよね。

 

 

「もしもこの劇場版の続きが作られたなら」

 

 

 一度夢想の導火線に火が灯ると、あっという間に妄想が進んでしまった。

 

【あの春田と牧が帰ってくる!】

 

 日本全国のOL民の皆さま、大変お待たせいたしました。

 春田創一と牧凌太、2人が結ばれた「その先」を描くドラマの制作が決定!!

 もちろんプロデューサー・脚本・演出を始め、全スタッフと全キャストは続投です!

 

 

 春田と牧だけでなく、鉄平とマイマイ、マロと蝶子、そして黒澤部長と武川主任、それぞれの「その先」の時間が流れ出す――

 

 

 詳細はComing  Soon……

 公式twitter&インスタグラムにて!!

 

 

 

 

 ちゅーお知らせをね、リアルで受け取れるなら、7年や10年平気で待てるなあ……って。

 

 役者が全員主役級になって、スケジュールを合わせるのが至難のワザかもしれない。

 でも、その同じ条件で、何年も経ってから続編が作られたケース、いくつも見てるからさ……

 出来なくはないと思うんだ。

 それくらい経ってからなら、遣都君もまた、牧を演じてみたいと思うかもしれないし。

 

 

 脳内で春田と牧の話を紡ぐのもいいんですけどね。

 やっぱ、「役者の身体に降りたキャラクターの実写」って強いな、と思ったわけです。

 

 

 仕事に邁進する牧は、春田との家庭生活とどう両立させるのか。

 春田は、仕事仕事で家になかなか帰ってこない牧をどう支えるのか。

 2人が選ぶ「結婚」の形とか、子供の問題とか、春田と牧がどうやって乗り越えていくのか、そういう細やかな部分が見てみたい。

 

 

 

 99%実現の見込みがなかったとしても、夢見るくらいいいじゃない。

 って、東京ドームの夢を語る鉄平兄を見てて思いました。

 

 あと、(こうなったらいいな)という願望は、叶えるためにはまず「口に出す」ことが第一歩なので、こうしてブログで意思表明してみました!

 

 

 去年の夏は(劇場版公開までは死ねない)と思いながら注意深く生きたし、その後は(円盤が届くまでは死ねない)と生活の支えにしていたけど、今は、

(もしかしてもしかすると0.001%の確率だけど続編実現がないとも限らない)

という、実にあやふやな可能性のために、一応すぐには死なないようにしたいと思います。

 人生何が起こるか分からないもんね。 

 うん。

 

やっぱり、「おっさんずラブ」の夏!

 ハイ! 地上波、初放送無事終わりましたねー!!

 いやいやいや、もちろん正座待機でイイ子して見ましたとも。

 なんかね、この、(みんなが見てる)という臨場感と連帯感が久しぶりの感覚。

 ツイッターでも久々の祭りで、放送が始まるや否や、トレンド1位に躍り出た。

(そうそうそう、そうだろー? 民が本気出せばこんなもんなのよ)

と私は一人リビングで謎のドヤ顔でした。笑

 楽しかったです!!

 

 

 とは言えもう100回以上は見てる(見過ぎ)ので、ちょこちょこ明日のお弁当のおかず作ったりはしてたんですけどね。

 合間にこのブログを覗いてたんだけど、見るたびアクセス数が伸びてビビった。

 あの、嬉しいんですけど、ありがたいんですけど、こんなクソブログ見てないでマジで映画見て!!集中しよ!!てなった。笑

 

 

 去年のこともまざまざと思い出したし、色々大変なことばかりあるように感じる世の中だけど、(明日からまた頑張っていこ!)てなったよね。

 劇場版は何度見ても面白いと思ったし、笑えるところはきっちり笑って、何か新たな発見があればさらに追記を…と思ったんだけど、さすがにもう語り尽くしてて、この上語るべきものは見つからなかった。

 まあ28章も費やして語ってりゃね。当然か。笑

 

 

 楽しかったですね皆さん!

 さて、初期化して蘇って以降うちのHDDは何もなかったかのように動いてくれているので、今録った「劇場版おっさんずラブ」をハードリピートしようと思います!(つかもう2周目見てる)

 これからもう8月は「おっさんずラブ」の月だわ。

 猛暑でも8月好きになりそう。

 

 

 ドラマ版レビュー更新も頑張ります。

 ニッポンの夏、おっさんずラブの夏。

 わんだほう!

 

It's a parallel world.

 8月の朝は蝉時雨から始まった。

 今朝、職場の最寄駅に降り立った途端、ものすごい蝉の鳴き声で、鼓膜に突き刺さるようだった。

 照りつける日差しが強く、アスファルトの道路にくっきりと影が落ちている。

 ようやく夏が来たなあ、と思いました。



 今年の梅雨は長かった。明けない梅雨はない、と思いつつ、しつこく続く雨に辟易する日々が続いた。

 さすがにこれだけ降ればもう気が済んだやろ……と雨の神さまにブツブツ言いたくなること数知れず。

 8月になって、やっと夏が来た感がある。



 梅雨は明けたが、コロナ禍はまだ明けない。

 コロナ感染者拡大のニュースは一向に止む気配がない。

 1日の感染者が100人だ200人だと毎日報道され、聞くたびに慄いていたが、それも段々と慣れてきてしまった。

 過去最多ということは、緊急事態宣言前を超えたということなんだろうけど、もう緊急事態宣言的なものは出さないらしい。

 えーとじゃあアレは一体どういう基準で……とか、ハッキリ明言されないだけでもう第二波来てんじゃん、とか、色々ぐるぐる考えつつも、日常のあれやこれやに押し流されて、まとまらないうちに時間が過ぎていく。




 表向き、前と同じような日常を送っているように見える。以前と同じ時間に起き、朝の支度をして、同じ時間に家を出る。電車に乗れば満員でギッチリ。

 しかし、車両内にいるほぼ全員がマスクをしている。この光景が、前とはハッキリと違っている現実をつきつけてくる。




 だからふと、奇妙な感覚に捉われることがある。

 たとえば洗濯ものを干していて、布マスクをピンチに止めるんだけど、

「洗濯ものの中にマスクがある」

ことも、

「マスクが使い捨てから洗って干す布タイプになった」

ことも、今や当たり前ではあるんだけど、「常識」と呼ぶにはまだ習慣として新しすぎて、干したマスクを不思議な気持ちで眺めてしまう。



 去年の夏を思い出す。

 去年の今頃、私はひたすら「おっさんずラブ」の映画公開の日を待ちわびていた。

 公開とほぼ同時に映画館に行くつもりだったし、当然その映画館は人が溢れていて、混雑していればしているほど望ましいと思っていた。

 隣の誰かから得体の知れない病を伝染される危険性のことなんか、1%たりとも頭になかった。




 今の私が、去年の私のところへ行って、1年後の世界がこうなっていることを言ったら、どうなるだろうか……と、埒もない空想に耽ってしまった。

「とりあえず、外歩いてる人は全員マスクしてるんだよ」

「マスク? なんで?」

パンデミックが実現してしまったんだな。コロナっていう病気がね」

「ああ、サーズとかマーズみたいな?」

「そう。でも、どっちも流行はせいぜい数か月だったけど、コロナは長いんだ。1月から始まって、8月になってもまだ流行が終息してない」

「へえ……(想像できない)」

とか、

三浦春馬くん、亡くなったんだよ」

とか、

「東出くんの不倫騒動で、杏ちゃんと離婚したよ」

とか、うーん。どれもこれも予想の範疇の遥か彼方すぎて、去年の私なら信じないかもしれんな。

 あ、そんで、某巨大掲示板には

「〇〇年から来た未来人だけど質問ある?」

というスレッドがいくつもあったけど、どれもこれもみーーんな嘘松だったことも、ハッキリしちゃったな…とかね。




 緊急事態宣言が出て、日本全国一斉に自粛に入った頃には、(とはいえ夏を過ぎる頃には終息しているだろう)と正直思っていた。

 完全な終息とはいかなくても、もうちょいマシになって、ワクチンももしかすると早く出来て、「普通の生活」に戻れているだろう、と楽観的に予想していた。

 その予想は完全に外れてしまった。

 感染者は拡がり続け、都道府県をまたぐ移動は躊躇われ、どこへ行くにも必ずマスクを持参しなければならない。

 どこかの施設を利用したっていいんだけど、常にリスクと天秤にかけなければならない。

 そして今のところ、私はリスク回避のため、美容院も図書館も行かないままで、亡くなった祖母の供養のために故郷へ帰ることもままならない。




 コロナの前にはもう戻れないんだなあ、とつくづく思わされる2020年8月。

「withコロナ」の価値観に慣れなければいけないんだろうけど、まだ慣れません。

 お仕着せの制服を着せられて、着心地の悪さについもぞもぞあちこちを動かしてしまうような、そんな感じが続いている。




 何かの折にふと(……全部冗談だったのかな?)と思いたくなる瞬間がまだある。

 でも、冗談でも夢でもない。

 パラレルワールドでもない。

 事実は小説より奇なり。

600,000 Access, Thank you!

 こんばんは。今宵も閲覧いただきありがとうございます。

 表題の通り、このブログのアクセス数が60万を突破しました。

 1カ月で10万アクセス軽々いくようなブログも多数ある中、2年かけて60万というのはほんのささやかな規模ではありますが、まあなんと言いますか、のべでそれだけ読んでいただけたのはありがたい限りでございます。

 なぜに10万とか50万とか100万とかのキリのよい数字じゃなくあえて「60万」なのか、それは私にも分かりません。

 50万のときは特に理由もなくスルーして、60万が近づいてきたら(むむッ……今だ! なんとなく!)と、こんな記事を書く気になったのでした。

 前回は確か30万いったときに言及しているはずだから、なんだろう。3の倍数が好きなんだろうか。

 ナベアツ?

 

 

 あ、それと、一つ前の記事が365本目の記事でした。

 これもなんとなーく自分の中でひとつ区切りにしていて、「毎日読んだとして1年分」の記事を書いたことになりますね。

 書きも書いたり、ですね。

 

 

 ともあれ、いつも読んでくださっている皆さん、改めまして、ありがとうございます。

 そして、このブログはともかく、「おっさんずラブ」というドラマが、これからも多くの人の目に触れ、愛される作品となっていくよう、願ってやみません。

 

 

 今現在再放送で「おっさんずラブ」に出逢い、検索でここにたどり着いた方。

 また、8月2日の劇場版で「おっさんずラブってなんだ?」となって、このド変態ブログに引っかかってしまった方。

 もしも、「もっとこのドラマについて知りたい」と思ってくださったなら、よければこの記事の右にあるカテゴリーで「『おっさんずラブ』考察」という欄をクリックしてみてくださいな。

 管理人個人の感想ではありますが、色々と私見をまとめております。

(くどいので貼るのはやめときます)

 

 

 2周年の記事でも述べた通り、今のところ私のOL熱は冷める気配がございません。

 今後もド変態レビュー記事を更新していくと思います。

 これからもよろしくお願い申し上げます。<(_ _)>

 

 

 

劇場版「おっさんずラブ」Love or Dead 感想おさらい

 ドラマの再放送は外れてましたが、日曜日の劇場版は放送があるのを確認しました。

 ホッ。

 

 前書いた劇場版の感想載せときます。(カテゴリーあるんですけどね)

 超長文が並んでますが、お時間のあるときによかったら。

 本編だけで15章というボリューム。笑

 

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 追記とかツッコミとかはこちら。

 

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 あと、実況も読み返したら意外と面白かった。

 

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 いっぱい書いたねー。

 この劇場版の感想を載せていた辺りから、アクセスも読者登録もコメントもどんどん増えてきたので、見返すと感慨深いです。

 私も自分で読み直して日曜日に備えよう。

 

 

 あ、今夜は連ドラ版再放送ですね。

 放送圏の沼民の皆さん、楽しんで~ノシ

おっさんずラブ第三話⑧ 情熱の男

 スマホを振って、お互いの連絡先を交換するちずと麻呂を、

(え、何この展開…)

みたいに引いて見ていた春田。

 ここでようやく、牧の姿が見えないことに気づく。

「牧は?」

と聞くと、

「さっき、武川さんと外に出て行ったけど。何かしら。お説教?」

と答えるマイマイマイマイは何ひとつ見逃さない。さすが、営業部一の情報通。

 視線の向きを変える春田、出入り口に目をやったのかな。

 不審げというより、不安そうな表情だ。



 ガララ…と引き戸を開けると、牧と武川の姿が目に入って、思わず戸の内側に下がる春田。激ニブ男の春田も、何事か察したのでしょうか。

「……そういうことです」

 と低い声で報告する牧に対して、

「説明になってないだろォ!!」

声を荒げ、ゴミ箱を蹴りつける武川主任。

 この剣幕が只事じゃない。普段は冷静沈着、若干潔癖症のキライはあるけど、部下には公平で、キスのことを相談した春田にも親切な態度を見せていた武川主任と、同じ人とも思えない。

 武川さんの激昂ぶりに、陰から見ていた春田、ビビって身を竦ませる。

 ここ、どういう順で撮られたのかは分からないけど、公式本で

「ちょっときつくなっちゃいましたね…」

と苦笑していた中の人、眞島さん。うーん、そうね、ちょっとキツかったと思います。笑

 まあそれはともかく。

 怒鳴られた牧は、

「すみません」

と小さな声で謝っているが、

「そんな報告で通用すると思っているのか」

と武川さん、許す様子もない。




 さてこの場面、まだ武川主任が牧の元カレという情報は明かされる前なので、春田にも視聴者にも、

(なんかめっちゃ訳アリっぽい)

という不穏さだけが伝わったわけだ。

 ではあるけれども、見返す側としては、当然その情報は頭にインプットされているので、この場面は武川さんの心情もちょっと考えながら鑑賞しちゃうわけだ。

 今となればもう、(元カレが未練ありありの牧にいちゃもんつけるシーン)と思って見ている回数の方が多いから、ここは無理しないで、そっち側で考えてみようと思います。

 

Q.武川さんと牧はこの場面、一体どんな話をしていたのか?

 

 武川さんの気持ちは推測できちゃいますよね。かつては仲睦まじい恋人同士だった。そして、嫌いで別れたんじゃないっぽい。武川さんはまだ牧に想いが残っていて、このときはあわよくば焼けぼっくいに火がつかないかな、いっそつけちゃおうかな…てところだったのではないかと推測される。

 ところがそこへ、降ってわいた春田と牧のルームシェア話。

 武川さん、きっとこのときが初耳だったんですね。

「楽しそうだなぁ~!」

と言いながら笑う表情がなんとも言えない歪みっぷりだったのも、それなら分かる。

 マイマイ

ルームシェアしてるのよね? 2人」

は武川さんにとってはとんだ爆弾発言で、

(……なん……だと……ルームシェア? ルームシェアってあの、一つ屋根の下に一緒に住むルームシェア?)

(それって……同棲!?)

てなって、頭の中に嵐が巻き起こっていたかもしれぬ。

(ウソだろ? ウソだよな?)

と否定したい気持ちでいっぱいのところ、牧はあっさりと

「ハイ」

と肯定してしまった!

(はぁぁ~!? なんで俺のところに戻ってこないで、春田なんかと一緒に住んでるんだよ! 凌太!!)

てなって、内心血の涙を流しながらの

「楽しそうだなぁ~!ハッハッハッ……(涙)」

だった可能性もある。




 となると、牧を店の外に連れ出したのも、本当は春田との同居話を問いただしたかったんじゃないかと思う。

 でも、ですよ。一応今は恋人関係は解消していて、上司と部下でしかないわけだ。

 だからここでも、問い詰めたい気持ちをぐっと抑えて、仕事の話をしていたんじゃないですかね。政宗の性格的に。

「そんな報告で通用すると思っているのか」

という台詞は、そう考えると辻褄が合う。

 牧の報告が本当にそんな、きつい叱責の対象となるものだったのかどうかは分からないけど、職場の上司という建前もあり、人生の先輩というプライドもあって、(公私混同はしない)と懸命に線引きしていた武川さんの中の、ふつふつと滾るジェラシーが、抑えきれず吹きこぼれてしまった……と、そんな場面じゃないかなー、と私は考えながらこの場面を見てます。




 牧も、冷静な性格でありながら、春田のことになると割と我を忘れがちというか、突っ走りがちになるけれど、武川さんという人は、牧のこととなると普段の冷静さを失って、感情を表に出すキャラクターとして描かれている。

 武川さんの、この秘めた情熱も、「おっさんずラブ」という物語を動かす重要な推進力となっていく。

 いやー、味わい深い、いいキャラだと思います!



 

 で、武川さんと牧の、この意味深なやり取りが、春田(だけでなく視聴者も)の興味をぐっと牧に引き寄せることになる。




 春田の家に帰ってきた春田と牧。あの後、飲み会から一緒に帰ってきたんですね。

「風呂、先入っちゃっていいですよ」

と冷蔵庫に何かをしまいながら牧が言うのに、

「おぅ、サンキュ」

と春田が答えている。

 この、完璧に主従が逆転している様子、面白いですね。笑 牧がこの家にやって来てまだそれほど時間は経過していないはずだけど、この家の万事をとりしきるのは牧で、主導権も牧みたいだ。そして、この家の主であるはずの春田、こうして牧に指図されるのに全く何とも思ってなさげ。この辺も、2人の性格がうまいこと噛み合ってるんでしょうね。こういうのが「相性」だと思います。

「なあ、何だったの? さっきの」

と春田が聞いているところを見ると、一緒に帰ってきたのに、道中では牧に聞けなかったんだな。春田は、自分に向けられる好意には鈍感だけど、空気を読めない男じゃない。なんとなく、そういう話をする雰囲気にならなかったのかもしれない。

 でも、どうしても気になる。だから、いったん向こうへ行きかけて、

(いや、やっぱり聞こう)

と牧の方へ向きを変え、牧の様子を伺いながら声をかけたように見えますね。

「何がです」

と牧はそっけない。

「なんか、武川さんにめっちゃキレられてなかった?」

 気遣う春田に、

「あぁ……や、大した話じゃないんで」

 詳細は打ち明けようとしない。

「なぁんだよ!」

 春田、牧の態度を「後輩としての遠慮」と受け取ったんですかね。ぐっと砕けた態度になって、

「オレとお前の仲だろ? ちょちょ、相談してみ?」

 人懐こく牧に近づく。



 これよ。この態度。

 これがもうホント、春田ならではの「可愛さ」と「クズみ」だと思う!



 これねえ、多分、本当に同性の単なる後輩には効く「手」だと思うんですよ。こうやって「相談してみ?」と懐を開いて近づかれたら、

「えええーそうですかあ? じゃあ…」

てなって、ポロっと本音をこぼしちゃう男子トーク、あると思う。

 で、このときの春田は、牧のことを「仲のいい後輩で半分友達」くらいな感覚で近しく感じているんですよね。

 だからつい、いつもの「先輩兼友達」モードを発動して、こういう態度になったんだと思う。それは分かる。

 分かるけど、でも、「俺とお前の仲」って、よーく考えようぜ。春田。

 キミと牧くんがどんな仲なのかと言えば、

 

・いきなりシャワーに突入されて壁ドン&キスされた

 挙句、

・「俺は春田さんが本気で好きなんですよ!」

 とキレられ、

・夜の公園で「普通には戻れません」とデコチューされた

 

 仲でしたよね? 

 その告白に答えもせず、追い出しもしないで、現状維持でルームシェアを続けていると、そういう状態でしたよね?

 それ、控えめに言っても「生殺し」状態だと思うんですけど、そこのところ、どうお考えでしょうか?

 春田創一氏の真意を明確にお答えいただきたい!(どん!)



 …と、質疑応答の席があれば正面きって問い詰めたい場面ですよ。

 いやでも分かってる。「よーく考えるべきところで大して考えない」のが春田創一というキャラの特徴だ。

 ここでも、言われた牧がどんな気持ちになるか、深く考えずに「オレとお前の仲だろ?」と言っている。春田には多分、言い慣れたいつもの台詞なんだろう。4話でちずにも言ってたし。

 春田には悪気はない。100%ない。

 ただ、本来するべき配慮もないのだ。



 この辺が、私が第三話を「はるたんクズ回」と称する所以であって、座長も恐らくこの場面の春田のクズぶりは十分理解して演じている。副音声で言及していた通り。

 春田がクズっぷりを発揮するとき、必ず(……でも可愛い)と感じるようになっていて、ここでもそう。

「なぁんだよ!」

からのー、すすす…と牧に近づきながらの

「相談してみ?」

という言い方が、絶妙に可愛い。

 なので、ホント、座長の計算し尽くされた演技によって我々はこのクズみ溢れるはるたんをどんどん好きになっちゃうわけですが、その計算をそうと気づかせない自然さも凄い。

 そんで、「クズみ溢れるけど可愛い」春田創一という男に惚れちゃった牧くんも、大変だな……としみじみ思わされるわけです。



「ありがとうございます。でも、ホント大丈夫です」

 ここでの牧の返答は、礼儀正しく、そつがない。

 そう、ここはこうして、「会社の後輩」というラインを越えないことで、自分を守るしかないですよね。牧くんとしては。

 シャッターを降ろして、春田を自分のパーソナルスペースに入れないようにすることでしか、「告白した相手と同じ家で暮らす」日常を送ることは出来ない。

 だから、春田とほとんど目を合わせることもなく、すっと身体をかわして、部屋を出て行ってしまう。



 気遣いが空振りに終わった形の春田。

「そ、相談してみればいいじゃんか…」

と、牧が去ったあとの廊下に向かって、独り言のように呟く。

 でもここ、春田は春田で心配げですね。武川さんとの間に何があったのか、何を詰められていたのか、気になるのは本当だろう。

 東京第二営業所に牧がやってきて早々、手作りの「虎の巻」を作ってプレゼントした春田だ。牧が会社で居辛い思いをしていないか、案じているのは本心だと思う。

 ただ、多分、牧を気遣う気持ちの奥底に、ほんの少し「友情」とは違う感情が芽生え始めているんだけど、そのことに春田自身が気がつくのは、まだかなり先の話なのだった。

裸族とかブラとか褌とか

 まず始めに断っておきたいのは、

「私は裸族ではない」

ということだ。



 いや、知っている。世の中に「裸族」と呼ばれる人たちがいて、その人たちが基本自宅では服をあまり身に着けるのを好まない、ということは知っている。

 なんなら、全裸らしいですね。下着すら窮屈なんだと。

 でも料理するときは油ハネに用心してエプロンするので、リアル裸エプロンになるんだけど、それには決して変態的な趣味はないと、そういう記述を読んだことがある。

 それはいいと思う。素肌に直接ものが触れる気持ちよさ、想像してみることは出来る。それが気持ちよいのだと、自ら選択する人たちがいることも理解できる。

 そんで、別に変態的な趣味で裸エプロンしてたって、自宅でやってる分には全然OKだと思う。誰に迷惑かけるでなし。

 宅配便にもその恰好で出てしまって、配達のお兄さんを仰天させるというなら、ちょっと考え直した方がいいとは思うけど。



 で、この「裸族」の方々、結構いるんですってね。「月刊村上春樹」に載ってました。

 いや違うかもしれない。今ちょっと、(どうだったっけな)と記憶をたどるために本を持ちだして読んでみたけど、どうもそんな感じじゃなかった。タイトルも「月刊村上春樹」じゃなくて「月刊少年カフカ」だったし。全然違うやないか。「月刊(人の名前)」て確か、新潮社かどっかが出してるグラビア雑誌だったわ。村上さんは好きだけどグラビアは買わないな。。

 あれー、中島らもだったかな? らもさんの「明るい悩み相談室」だったかもしれない。うわーものすごくそんな気がしてきた。今度ちゃんと確かめておこう。

 まあともかくもですよ、「裸族」の人々がいる、という話。全裸で家事にいそしむ主婦の人がいるらしい。そういう人が、その、村上春樹だか中島らもだかのコーナーにお便りを送って、採用されたんですね。そしたら、「私も」「実はオレも」という方々が次々名乗りを上げて、(どうもそういう種族が棲息しているようだ)と発覚したんですって。

 最初に知ったとき、(へえぇぇー!!)と私はひどく驚いたんだと思う。(世の中にはいろんな人がいるものだ)と。

 オシャレな洋画に出てくる外人さんて、割とハダカでいるじゃないですか。上半身裸で日曜日に庭の芝生にシャー!て水撒いてたり。ベッドで寝てるときもハダカ率高いし。

 よその文化だな、と思ってたんですよ。でも、そうでもなかったらしい。この日本でも、日常的にハダカの状態で過ごす人はいるんですね。

 私は暑がりなので、夏はめっちゃ薄着になるけど、肌と肌が触れ合うと結局暑いし、汗もかくので、

「何か着ていた方が涼しい」

という認識のもと、部屋着を着て過ごしています。




 着るものに対する感覚って本当に人それぞれで、嗜好も様々。

 ひっそりとブラジャーを着用する男性がいることを知ったときも驚いた。「着ると、優しい気持ちになれる」んだそうな。「胸部を締めつけられるから、緊張感のある会議等にも心してかかれる」とかね。そう言われればそんな気もする。

 レース地とか、繊細で可愛らしいデザインのものが本当は好きなんだけど、日本では長いこと成人男性がそういうものを身に着けることを許容する文化ではなかった。だから、人に見られない下着にそうしたフェミニンなデザインを求めるようになった、と。

 今では、女装の男性タレントが好感度トップだったりするし、ビーズアクセサリーが超得意なお相撲さんがいたりとか、全然嘲笑の対象ではなくなったけど、かつては確かにそうでした。

 女性も様々社会から抑圧されていたけど、男性はもしかすると数倍の抑圧を受けていたかもしれん。社会全般から求められる「あるべき姿」の項目が多かったから。

 かと思えば、女性用の褌が売り出されたこともあって、今でも売ってんのかな…と覗いてみたらば、フツーに売ってました。女性用褌もメンズブラも。

 まあ、何でも着たいもん着りゃいいと思う。

 ネット通販で誰にも知られずに好きなものを手に入れられるようになったのは、趣味の多様性を拡げるのに大いに役立ってますね。




 で、何をそんなつらつらとつまんないことを書き連ねているかと言えば、こないだ

 

 

 全裸で自転車に乗っている夢を見た



 からです。



(あー、服着るのめんどくさい。もうこのまま出ちゃえ)

くらいなノリで、近所のおつかいに全裸でチャリに乗ってた。家で服着てなかったこと今まで一度もないのに。

 橋の向こうに中学生だか高校生だかの一群がいて、こっちを見てわぁわぁ何か囃し立てていて(そらそうだろう)、もちろんリアルでそんなことしたら速攻お巡りさんに捕まるところだけど(罪状は猥褻物陳列罪とかかな)、夢の中の私は意にも介さず、シャー!とスピード出して平然と自転車を漕いでいるのだった。

 全裸で。



 起きて、死ぬほどビックリした。



(え…………なんで???)

 て頭の中が「?」マークでいっぱいになりました。

 

 

 なんだろう、意識してなかっただけで、実は裸族への憧れとかあったんだろうか。

(一度坊主頭になってみたい)という願望はあるものの、(全裸で過ごしたい)とは思ったことないんだけどな。。。



 という、「そっち方向に変態な夢を見てしまった」というしょうもない報告でした。

 

 

 こないだ暑かったし、私のか弱い脳みその回路がどこか掛け違ったのかも分からんね。

 あの、……色々気をつけます。ハイ。